退職願とは? その提出先や書き方のポイント、退職にあたって手元に届く書類の種類などについて

退職願とは、会社に退職の意思を伝える際の書類です。退職願の正しい書き方や提出先、退職届との違いなどまとめて紹介しましょう。

1.退職願とは?

退職願とは、会社もしくは経営者に対して退職の意思を表明する書類のことで、会社が承諾するまでの間は撤回できます。退職の意思を伝えた後、退職願を提出する流れが一般的です。

企業規則の確認が必要になる

退職願を提出する前に、企業規則の確認が必要です。企業によっては、退職を希望する日から●カ月前に申し出が必要という規定もありますし、転職先が決まっている場合、退職日の設定などがあるため、早急に上司と話し合う機会が必要になるのです。

円満に退社するためにも事前に企業規則を確認し、上司との話し合いをセッティングしましょう。

退職願の提出先は?

退職願の提出先は、直属の上司です。たとえば課長や工場長など、それなりの人事権がある人に最初に伝えましょう。

会社で最もお世話になった先輩や上司に最初に伝えたいという気持ちがあるかもしれませんが、退職の話が先輩や同僚から伝わるとトラブルを招く原因にもなりかねません。管理者として直属の上司の顔も丸つぶれになります。

会社に退職の意思を表明する退職願は、直属の上司に提出しましょう。会社が承諾するまでの間なら、撤回も可能です

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2.退職願と退職届の違いとは?

退職願と退職届の違いには大きな違いがあります。

  • 退職願:会社に退職を願い出るための書類で、雇用契約は解除されない
  • 退職届:会社に退職の可否を問わず自分の退職を伝える書類で、受理された時点で退職が決まる

退職願に該当する「辞表」とは?

辞表とは、会社の運営に関わる社長、取締役など役員以上の立場の人が、役職を辞める時に届け出るための書類のこと。辞表を提出した後も、一般社員として会社で働き続ける場合もあります。

会社によっては、課長職以上の立場の人が対象となるケースもあるようです。また公務員が辞める場合には辞表を提出しますが、これは一般的な会社員が提出する退職願と同じ扱いになります。

上司がキーマン

退職の意思が決まったら、すぐ直属の上司に面談のアポイントを取りましょう。面談で自分の意思を伝えても上司の理解が得られない場合は、人事部への相談も必要になります。

円満退社のためにも、上司の了承を得られるような退職理由や退職する意思表示の方法などについて考えてから、面談に臨みましょう。

口頭でも退職は成立するのか?

退職願は必ず書面で提出する決まりはありません。

民法627条では「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」とされています。

つまり法的には口頭で退職の意思を伝えても、有効になるのです。

口頭やメールによる退職のデメリット

一般的に、口頭で直属の上司に退職の意思を伝え、会社の内諾を得てから退職願を提出します。しかし書類を提出する決まりは法的にはなく、口頭だけでも有効とされているのです。

「言った」「言わない」「話したつもり」などのトラブルも起きやすいもの。それを避けるためにも、退職願は書面で提出しましょう。自分と会社側、双方にとって良策です。

退職願は会社に退職を願い出るための書類で、雇用契約は解除されません。しかし退職届は、自分の退職を伝える書類のため受理されたら退職が決まります

3.退職の種類について

退職とは、労働者が会社を辞めていくことで、4種類あります。それぞれについて説明しましょう。

  1. 自己都合退職
  2. 早期優遇退職
  3. 自然退職
  4. 会社都合退職

①自己都合退職

自己都合退職は、労働者が自らの意思や都合により退職を申し出ること。代表的なものは、転職、結婚、妊娠、出産、引っ越し、健康上の理由などによる退職があり、同じ退職でも自己都合と会社都合とでは、失業保険の取り扱いが異なります。

また転職活動をする際に、採用担当者に与える印象が変わる場合もあるのです。

②早期優遇退職

早期優遇退職とは、定年を迎える前に退職することで、退職金の割増や自分の意思で退職のタイミングを決められるなど、さまざまな優遇措置を条件に自主的な希望退職を募るものです。早期優遇退職は、2種類あります。

  • 恒常的な人事制度として行われる早期退職制度
  • リストラの一環として行われる希望退職制度

③自然退職

自然退職とは、就業規則や雇用契約者に定められた条件に該当した際、労働者や会社に、退職の意思表示がなくても労働契約が終了し退職となること。

条件には、「病気などの療養で休職していたが休職期間を満了しても復帰できない」「無断欠勤」などがあり、退職願や退職通知書は不要とされています。

④会社都合退職

会社都合退職とは、倒産や解雇など、会社側の原因や都合により労働者の雇用契約を終了することで、自己都合退職よりも失業給付金の支給が早く、また支給期間も長く設定されており最大330日となっています。

ただし転職活動の際、退職の理由を深く聞かれる可能性が高いでしょう。

同じ退職でも、自己都合と会社都合とでは失業保険の取り扱いが大きく異なります。また転職活動でも面接担当者の心証が変わる場合も高いでしょう

4.退職までの流れ

退職までの流れは4段階あります。法律上は申し出から2週間で退職が可能となりますが、会社の手続きなどが発生するため、実際は退職の申し出から1~2カ月後になる場合が多いです。退職までの具体的な流れを紹介します。

退職前にすべきこと

一般的には、退職前に、人事から会社へ返却すべきものリストが提示され、下記のようなものを返却します。

  • 健康保険被保険者証
  • 社員証や社章などの身分証明書
  • 名刺
  • 通勤定期券
  • 社費で購入した文具や書籍
  • 書類やデータ

退職時、会社から受け取るものには、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、年金手帳などがあります。

2か月前にすべきこと

退職する意思が固まったら、直属の上司に退職する旨を申し出ます。強い引き止めがあった場合も考えて、なるべき早く退職意向の表示をするとよいでしょう。

有給休暇の消化期間、引き継ぎなどを含めたスケジュールを上司と相談して退職日を決めます。同時に退職願も書き、退職日が決定した後に、退職願を提出します。

1か月前にすべきこと

退職が正式に認められた後、退職日の2週間前までに退職届を直属の上司に手渡します。退職届が受理されたらすぐ、仕事を引き継ぎましょう。それから退職までに引き継ぎを滞りなく完了するための、スケジュールを作成します。

引継ぎに関するマナーとは?

退職が決定したら、なるべく早く自分の仕事を引き継ぎます。引き継ぎの人を手配するのは会社側の仕事ですが、後任の担当者が誰になってもスムーズに業務を引き継げるよう、仕事の段取り、進捗状況、担当顧客リストなどを作成しておきましょう。

実務や業務の目的、内容やフロー、トラブル事例などを資料にまとめて引き渡すのが親切です。

2週間前にすべきこと

取引先へのあいさつは、会社からの意向に沿って対応します。後任の担当者が決まっている場合は、同行して取引先に紹介しましょう。そして担当者が変わっても業務が滞りたく進むことを説明します。

また取引先で退職理由を聞かれても具体的な理由を言わないようにしましょう。それがマナーです。

退職日にすべきこと

退職日となる最終出社日は、社内へあいさつ回りをします。退職後もどのような形でかかわるか分からないので、社内へのあいさつは丁寧に行っておきましょう。

お世話になった人には必ずメールやあいさつ状などを送るほか、経費の精算、各種手続き、退職書類の受け取り、会社から借りた物品の返却などがあります。早めに出勤しましょう。

退職交渉は長くても1か月にすること

退職したい日の2ヶ月前には、退職の旨を直属の上司に切り出します。その際、上司や関係部署の人から引き止められる可能性もありますが、退職日の交渉は長くても1カ月までにしましょう。

退職日が確定するまでが交渉となるため、うまくいかない場合、退職までの時間も長引きます。もし転職先の入社日が決まっていた場合、転職先にも迷惑を掛けてしまうので、気を付けましょう。

円満退社にするためにも、退職する2カ月前から意思を表示し、引き継ぎの準備を進め、社内外へのあいさつメールやハガキを用意します

5.退職書類として手元に保管しておくものとは?

退職時に会社から返却される書類には次のようなものがあります。これらは転職先で提出する、または今後の転職活動に必要となる書類です。

  1. 離職票
  2. 雇用保険被保険者証(会社が保管している場合)
  3. 年金手帳(会社が保管している場合)
  4. 源泉徴収票

①離職票

離職票とは、退職者が雇用保険の失業給付を受ける際に必要な書類です。事業主は退職から10日前後までに、退職者に郵送などで届けなければいけません。

退職者は離職票を持って、ハローワークで雇用保険の失業給付の手続きを行います。そのため離職票交付の手配が遅れると、退職者は手続きができず失業給付に不利益が生じる可能性もあるのです。

②雇用保険被保険者証(会社が保管している場合)

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入した際にハローワークから発行される書類で、雇用保険に加入していることを証明するものです。雇用保険の加入手続きは従業員に代わって会社が行います。

紛失防止のためほとんどの場合、本人に手渡さず会社が保管しており、本人には退職する際に手渡されるのです。転職先でも提出を求められますが、もし紛失した際は、事業所の所在地を管轄するハローワークで再発行を申請できます。

③年金手帳(会社が保管している場合)

年金手帳とは厚生年金の加入者だと証明する書類です。転職先が決まっていて離職期間がない場合や、退職日と転職先の入社日が同じ月の場合は、転職先の会社に年金手帳を提出します。

転職先が決まっていない、離職期間があるという場合(退職日の翌月以降に入社)は、自分で国民年金に加入する必要があるのです。紛失した場合は、社会保険事務所で再発行できます。

④源泉徴収票

源泉徴収票とは、1年間の収入額を証明する書類です。通常は12月の所得税の年末調整後に従業員に交付します。

年の途中に退職した場合、退職した時点で発行されますが、転職が決まっていれば、再就職先の会社に提出するのです。年内に再就職をしなかった場合、自分で所得税の確定申告をする必要があり、その際に給与をいくらもらっていたか、証明として使用します。

雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票は再就職先の会社で提出を求められます。離職票は失業給付を受ける際に必要です

6.退職願の書き方

退職願は会社に退職を願い出る際の書類で、口頭での申し出も可能ですが、申し出の証となるのでできるだけ退職願を提出しましょう。その際会社規定の書面があれば使用し、特別決まりがない場合は正しい書き方に沿って作成します。

書き出し

退職願は正式な書面となるため、書き出しは「私事(わたくしごと)」または「私儀(わたくしぎ)」で統一します。その際、謙譲の意味を込めて、行の一番下に書くのです。

また退職願いを提出する際、メールやpdfファイルにしてグループウエア経由で提出する人もいるようですが、原則、手書きを直属の上司に手渡すのが社会人としてのマナーとなります。

退職理由(断定表現を避ける)

退職の理由について、詳しく書く必要はありません。たとえば「このたび、一身上の都合により、勝手ながら、来たる●年●月●日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」という内容で十分です。

正直に、会社の不満を書き連ねるのは辞めましょう。また会社都合で退職する場合は「●●事業所閉鎖のため」などと具体的な内容を記します。

退職日

退職願の場合、本人の退職希望日を記載します。退職願は会社に願い出るための書類でまだ会社は承諾していないため、退職は確定していません。

たとえばすでに転職先が決まっていて、退職交渉の日数が短いようであればそれを考慮して退職日を記載します。退職届の場合は、上司との話し合いで決めた日付を記入するのです。

文末

退職願の文末には、「お願い申し上げます」など願い出る旨を記します。退職願を直属の上司に提出するのは、退職の固い意思を表明し、会社に退職の申し入れをするためです。

この時点ではまだ退職が確定していないので、会社に対して退職してもよいかお伺いを立てる意味合いがあります。退職届の場合は、「退職いたします」と事実を伝えましょう。

届け出の年月日

届け出の年月日は、退職願・退職届ともに提出する日付を記入します。西暦でも元号でも構いません。会社の公式書類に使用している書き方に合わせるのがよいでしょう。

退職願の提出は、民法ですと2週間前までと決まっていますが、円満退社するためには少なくとも1カ月前には提出しましょう。正式な意思表示として、白無地の用紙に黒の万年筆またはボールペンを使います。

所属部署・氏名の記入

所属部署は、退職日時点での所属部署または所属課を書きます。所属部署と自分の名前が、末尾の宛名より下の位置になるように書き出しを下げて記入し、自分の名前の下に捺印します。

三文判でも構いませんが、シヤチハタは避けたほうがよいでしょう。捺印した後に汚れたりにじませたりしないよう、気を付けて扱います。

宛名(会社正式名称、代表者氏名)

宛名には、最高執行責任者の役職とフルネームを書きましょう。代表取締役社長などが一般的で、敬称は「殿」もしくは「様」を用います。忘れずに付けましょう。

宛名は、自分の名前よりも上にくるように書きます。書き終わったら、誤字脱字がないかをしっかり確認しましょう。もし間違いがあったら修正ペンなどは使わずに、新しい用紙に書き直します。

退職願は会社に対して「退職してもよいでしょうか」とお伺いを立てる文書です。円満退社するためにも正しい書き方で作成しましょう

7.退職時に返却が必要となる書類の種類とは?

退職時に、会社へ返却が必要となるものがあり、返却を忘れてしまうと退職後のトラブルの元になります。返却するものは次のとおりですので、覚えておきましょう。

  1. 身分証明書
  2. 名刺
  3. 通勤定期券
  4. 健康保険被験者証
  5. 書類やデータ

①身分証明書

身分証明書とは、社員証や社章などその会社の社員としての身分を証明するものはもちろん、入退室管理やセキュリティのためのカードキーやIDカード、入館証など全てのものです。

退職日には、これらを忘れずに返却しましょう。紛失した際、罰則として弁償などが求められる場合もあります。しっかり保管しておきましょう。

②名刺

会社で作った名刺を退職日に返却します。また会社によっては、取引先など仕事を通じて受け取った名刺も会社の所有物にあたるとして、返却を求められる場合があります。

また会社で購入した書籍や参考資料、事務用品の備品も返却するのです。会社から支給された制服や作業着などはすべて、クリーニングしてから返却しましょう。

③通勤定期券(会社による)

電車やバスなどの通勤定期券は、会社から支給されている場合は返却します。会社によっては3カ月、6カ月などの期間で定期券相当分の交通費が支給されるようです。

もし定期券の有効期間が退職日以降も残っていた場合、その期間の交通費の返却を求める会社もあります。鉄道会社によっては払い戻しを受付けない場合がありますので、規則をしっかり確認しましょう。

④健康保険被保険者証

健康保険被保険者証は、退職により所属していた会社の健康保険組合の被保険者資格がなくなるので、退職時に返却します。

転職先がすでに決まっている場合、新しい会社で健康保険に加入すると健康保険被保険者証が交付されます。転職先が決まっていない場合は、任意継続被保険者制度の利用または国民健康保険に加入する必要があります。

⑤書類やデータ

業務で使用した資料やUSBメモリ、自分が作成したとはいえ仕事で使ったプログラムやフォーマット、図面などデータはすべて返却します。また自宅のパソコンに保存した業務上のデータは消去するか、記録媒体に残して会社に返却しましょう。

会社から指定された返却物は退職日までに必ず返却しましょう。忘れてしまうと後々トラブルを招く原因になります