タイパ(タイムパフォーマンス)とは?【使い方】Z世代

タイパ(タイムパフォーマンス)とは、費やした時間に対する満足度の度合いを示す言葉です。具体例、メリットやデメリット、高める方法などについて解説します。

1.タイパとは?

タイパ(タイムパフォーマンス)とは、費やした時間に対する満足度の度合いを示す言葉です。日本語では「時間対効果」と訳されます。短時間で高い効果満足度が得られた場合は「タイパが良い(高い)」、反対に長時間を費やしても満足度が低いと「タイパが悪い(低い)」と表すのが一般的です。

ビジネスの場面でも、仕事の効率と満足度を示すタイパを意識することが重要です。たとえば短時間または短期間の商談で高額受注を獲得できれば「タイパが良い仕事」、長い時間や期間をかけても受注が0、または少額の場合は「タイパが悪い仕事」といえます。

タイパが高い人が増えるほど短時間で良い成果を出せるようになり、組織の生産性も高まるでしょう。

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2.タイパとコスパ、スペパとの違い

「コスパ」や「スぺパ」も、タイパと似た言葉であるものの、効果を得るために費やす対象が異なります。

  • コスパ(コストパフォーマンス)は「費用対効果」とも呼ばれ、投資した費用に対する効果や満足度を表す用語
  • スペパ(スペースパフォーマンス)は「空間対効果」を指し、使用したスペースに対する効率や満足度を表す

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3.タイパの使い方・具体例

日常生活においてもタイパを意識する人が増えています。身近な例で「タイパが良い(高い)」状態を解説しましょう。

動画の倍速視聴・切り抜き動画

動画の倍速視聴や要点をまとめた切り抜き動画の視聴は、タイパを高める代表例です。

倍速機能を利用すれば、通常の半分以下の時間で視聴を終えられます。また切り抜き動画で要点だけを見れば、元動画の内容を短時間で理解することも可能です。いずれも本来の視聴時間よりも短時間で視聴が完了し、元動画の視聴と同等の満足度を得られます。

また何か別のことをしながら動画を視聴する「ながら見」も、時間を有効に活用してタイパを高めている事例です。

栄養価の高い冷凍・完全食

食事に冷凍食品や完全食を取り入れて、タイパを高めている事例も見られます。

冷凍食品を活用すれば、食材の調理や片付けにかかる時間を節約できるためです。近年では自宅で温めるだけの冷凍食品を定期的に宅配するサービスも増えてきました。

完全食の場合は食材を買いに行く時間もかかりません。栄養価が高い完全食であれば、タイパが良いだけでなく健康にも配慮できます。

ネットスーパー

ネットスーパーは、インターネットから近隣のスーパーマーケットへ商品を注文し、自宅に届けてもらうサービスです。

ほかにも注文した商品を店頭で受け取れるサービスもあります。店舗へ行く必要はあるものの、商品を探すために店内を歩きまわる時間や、レジで待つ時間を短縮できるのです。

短い時間で通常の買い物と同じ結果を得られるため、忙しい人や時間を節約したい人にとってタイパのよいサービスといえます。

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4.タイパが重視される理由

タイパが注目を集めている背景には次の4つが挙げられます。それぞれについて説明しましょう。

  1. デジタル技術の発展と普及
  2. 時間に対する意識の変化
  3. 環境や価値観の変化
  4. 「Z世代」の行動様式

①デジタル技術の発展・普及

効率良く情報を収集して時間を有効活用したいという意識から、タイパが重視されるようになりました。インターネットとスマホやPCなどが普及し、誰もがかんたんに多くの情報に触れられるようになると、人々が得られる情報量は急激に増加。

限られた時間で大量の情報を取捨選択して効率を高めるため、AIやIoTなどのデジタル技術が開発され、実際に多くのデジタルサービスに活用されています。

②時間に対する意識変化

少子高齢化による労働人口の減少によって時間に対する意識が大きく変化し、タイパが注目されるようになりました。人手不足の企業では、限られたリソースをいかに有効活用し生産性を高めるかが大きな課題となるからです。

時間をかけて成果を出すのではなく、短時間で効率的に同等以上の成果を得ることが求められるようになり、タイパを意識したITツールも提供されています。

たとえばビデオ会議ツールを使えば移動時間を節約できますし、クラウドストレージを活用すればデータを送信する手間さえかかりません。

③急速な環境・価値観の変化

職場環境やビジネス環境の変化も、タイパに対する意識を高める要素です。

働き方改革や感染症対策などで働き方が大きく変化したことが挙げられます。かつては長時間働くことが美徳とされていましたが、現在では短時間で効率的に働き、自分の時間を確保するというワークライフバランスを重視する人が増加。

リモートワークもタイパを高めるとして、コロナによる感染症が収束したのちも活用している企業が多い傾向にあります。

また社会情勢や市場による変化に対応するために、企業は迅速なアクションを求められます。そのためタイパを高めて自社の戦略を早期に成功させる必要があるのです。

④「Z世代」の行動様式

Z世代にとってタイパはごく自然な行動様式です。Z世代はインターネットが広く普及した社会で成長しているため、日常的にデジタル技術を活用することが当たり前となっています。そのため大量の情報を効率的に取捨選択する行動様式が身についているのです。

実際にあるアンケートでは、Z世代の半数以上が切り抜き動画やショート動画、動画の倍速視聴、ながら視聴を行っていると回答しています。社会を支えるZ世代が増加するほど、ビジネスにおけるタイパ意識が浸透していくでしょう。

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5.タイパのメリット

ビジネスにおいてタイパを意識すると次のようなメリットが期待できます。それぞれのメリットについて説明しましょう。

  1. 時間を効率的に活用できる
  2. 多様な働き方が促進される
  3. Z世代からの支持を得られる

①時間を効率的に活用できる

タイパを意識すると仕事を効率良く進められるようになり、残った時間を有効に活用できます。

ビジネスにおいて、時間は限りある貴重な経営資源。とくに人的資源が不足している企業ではひとりに多くの業務が割り振られるため、時間を効果的に使う必要があります。

また仕事を短時間で効率よく完了すれば自分に使える時間が増えるため、スキルアップやプライベートにあてる時間も確保できるのです。

②多様な働き方が促進される

タイパを意識した従業員が増えるほど、さまざまな働き方を取り入られるようになります。従業員全体にタイパが浸透すると業務の効率化や生産性が向上しやすくなるため、残業の抑止や時短勤務の実現などが可能となるでしょう。

よりタイパを高めるためには、業務システムやタスク管理ツールなどの導入も有効です。多様な働き方の促進は従業員のエンゲージメントを高めます。さらに企業イメージ向上や採用力強化といった相乗効果も期待できるのです。

③Z世代からの支持を得られる

企業がタイパを重視する姿勢を示すと、Z世代からの支持を獲得しやすくなります。労働人口が減少している現代のビジネス環境において、これからの社会を支えるZ世代からの支持を得ることが非常に重要です。

またデジタルネイティブであるZ世代の多くは、すでにタイパを意識した行動が身についています。業務プロセスの効率化やワークライフバランスを重視するZ世代にとって、タイパが浸透している企業は魅力的な選択肢になるでしょう。

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6.タイパのデメリット

メリットが多いタイパには、以下のようなデメリットもあります。これらについて詳しく説明しましょう。

  1. 結果だけを重視する考え方になる
  2. プロセスを楽しめなくなる
  3. 手段と目的が曖昧になる

①結果重視の考え方になる

タイパを意識しすぎると、いかに効率的に結果にたどり着くかを重視するようになるため、物事の表面的な部分だけを理解して物事を進めてしまう可能性もあります。とくに問題解決では対症療法だけで満足してしまい、根本的な原因を見逃してしまうかもしれません。

また早く結果を求める姿勢は、周囲から「せっかち」「忍耐力がない」などのネガティブなイメージを与えることもあります。タイパを重視すべき状況かを臨機応変に見極めることが大切です。

②過程を楽しめなくなる

タイパを追求すると結果重視の考え方が浸透するため、過程を楽しめなくなるかもしれません。

効率的に結果を出すことも重要ですが、その過程をとおして得られる学びや気づきがあるのも事実です。タイパを意識するあまりに、過程で得られるものを失っては本末転倒といえます。

また効率化を求めた結果、本来の目的が達成できないケースも考えられます。たとえば倍速で動画を視聴しても、「内容を理解できていない」「覚えていない」のであれば意味がありません。

効率化を重視しつつも、プロセスを楽しむ余裕を持つことが重要だといえます。

③手段と目的が曖昧になる

時間削減や時間短縮を意識するあまり、タイパの本来の手段と目的が曖昧になってしまう恐れもあります。タイパの本来の目的は、効率化によって余った時間を有益に活用すること。そのための手段が時間の削減や短縮です。

しかしタイパを意識するあまりに時間の削減や短縮だけが目的になり、無理なスケジュールを設定して負担が増加するケースも見られます。タイパを考える際は過剰な時間削減にこだわらず、手段と目的を明確に区別することが重要です。

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7.タイパを高める方法

タイパを意識することで生産性が高まり、余った時間で有意義な時間を過ごせるようになります。ここではタイパを高める3つの方法を解説しましょう。

優先順位を決めて取り組む

業務の全体像を正確に把握し、優先順位を設定して仕事に取り組むとタイパの向上につながります。

一般的に物事は「絶対にやらなければならない」「やったほうがよい」「やらなくてもよい」の3つに分類可能です。仕事においても自分が抱える課題の重要度、緊急度、単独性を加味して優先順位をつけると効率良く遂行できます。

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完璧を求めすぎない

タイパを高めるには、完璧を求めすぎないことが大切です。

タイパを考える際に重要なのは、限られた時間で最大限の成果を出すこと。完璧を追求して細かい点にこだわりすぎてしまうと、多くの時間を費やしてしまいます。その結果期限を過ぎてしまっては、大きな問題になりかねません。

求められている内容と程度を正確に把握し、限られた時間の中で満足のいく結果を出すことを心がけましょう。

デジタル技術を活用する

仕事の効率化には、デジタル技術を積極的に活用しましょう。

現代はデジタル技術の進歩によって、便利なツールが多数登場しています。先に挙げたビデオ会議ツールやタスク管理ツールのほか、営業向けの顧客管理システムや営業支援システム、人事向けのタレントマネジメントシステムなどは部署全体の業務効率化に有用です。

業務でITツールに代替できる要素を見極め、可能な限り活用するとタイパを最大限に高められるでしょう。