リプレイスとは? 目的やメリット・デメリット、失敗しないためのポイントについて

リプレイスとは、問題を抱えているシステムを新しくする、置き換える作業のことを意味します。目的やメリット、デメリットなど詳しく説明します。

1.リプレイスとは?

リプレイス(replace)とは、新しく交換する、置き換える、元に戻す、後を継ぐという意味を持つ言葉のことで、ITの分野では、問題を抱えているシステムやハードウェア、ソフトウェアなどを新しいものに置き換えるなどを指す場合が多いです。

リプレイスの目的

リプレイスの目的は、劣化や故障により生じるシステムへの悪影響を、予防・改善すること。ITの世界は日進月歩ですぐにシステムやソフトウェアが古くなり、快適にサクサクと機能していたシステムもデータの量が多くなれば動作も遅くなり、不安定になってきます。

セキュリティ面も、ネット環境によって不安定な面が増えるでしょう。リプレイスは故障や破損が原因で修復するだけではないのです。

リプレイスのポイント

故障や破損などの問題が何もなくシステムは機能していても、最新のデータやソフトウェアに対応できなければ使い物になりません。これは古くなったためにリプレイスが必要になったケースです。

また機能はしていても、データの量が増えて負荷が大きくなり動作が不安定になる、もしくは古くなったセキュリティの安全面もリプレイスの原因となります。

一括移行方式

一括移行方式とは、現在使用しているシステムから新しいシステムに全機能を一気に切り替える方法です。リプレイスにはいくつか方法がありますが、この一括移行方式がもっとも分かりやすいでしょう。

全機能を入れ替えるのでこれまでシステムが抱えていた問題を、一気に解決できます。長時間、システム停止が可能な状況で行える方法です。

段階移行方式

段階移行方式とは、現在使用しているシステムから部分的に新しいシステムに切り替える方法です。部分ごとに現在のシステムを休止して、順番に切り替えていくため、長時間システムを停止する必要もありません。

移行するデータの量や種類が多い場合や、長時間システムを停止できない状況で採用される方法です。

並行移行方式

並行移行方式とは、現在使用しているシステムと新しいシステムを平行稼働させて、比較検証しながら移行する方法です。

システムを停止できない、現在使用しているシステムと新しいシステムの互換性が重要といった場合に採用される方法です。平行して運用するためには両システムの連携が必須で、ソフトを使ってデータを同期させるといった方法が必要となります。

パイロット方式

パイロット方式とは、ある部門で現在使用しているシステムから新しいシステムに切り替え、運用を確認して問題がないと判断した後に、全部門のシステムを切り替える方法で、一括移行方式と段階移行方式を組み合わせた方法です。

ただ使って問題が生じる場合もあるため、各部門と情報システム部門がしっかりと連携を取れる状況にしなくてはなりません。

リプレイスとは現行システムから新システムに切り替えることです。システムを移行させる方法は4種類あります

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2.それぞれのリプレイスのメリットとは?

動作の安定性や安全性、セキュリティ面の修復、強化などリプレイの原因はさまざまあります。リプレイスには方法が異なる4つの方式があり、手間や時間、リスクなどそれぞれに特徴があります。4つについてメリットを解説しましょう。

  1. 一括移行方式のメリット
  2. 段階移行方式のメリット
  3. 並行移行方式のメリット
  4. パイロット方式のメリット

①一括移行方式のメリット

一括移行方式は現在使用しているシステムから新しいシステムに全機能を一気に切り替えるため、移行のコストが低く抑えられ、移行の手間も一度で済みます。また時間が掛からないのも大きなメリットでしょう。

現在使用しているシステムはそのまま残るので、失敗した場合にはすぐに元のシステムで業務を再開できます。

②段階移行方式のメリット

段階移行方式は、部分的に現在使用しているシステムから新しいシステムに切り替える方法のため、リスクが比較的小さいです。

一括移行方式よりも切り替える部分が少ないので、数時間または1日などのシステム停止を繰り返して進めます。移行時のエラーが発生するリスクは一括移行方式よりも少なく済むでしょう。

③並行移行方式のメリット

並行移行方式は、サービス開始後しばらく新しいシステムと旧システムを同時並行で運用し、新しいシステムに問題がないと判断した時点で旧システムを停止して移行を完了させます。

新しいシステム移行中も旧システムは稼働し続けているので、リスクが小さいです。また同時並行中は、結果を常に比較検証できるので互換性を高められます。

④パイロット方式のメリット

パイロット方式は、ある部門でだけ先に現在使用しているシステムから新しいシステムに切り替えていくので、この時点でエラーが発生しても影響の範囲が限定できます。そのため比較的小さいリスクで移行できるのです。

エラーが発生した部門のノウハウを全部門のシステム移行にも用いることができるため、エラーも最小限に抑えられます。

システムをリプレイスする4つの方法には、移行のコストや手間、かかる時間や移行時のリスクなどそれぞれに異なるメリットがあります

3.それぞれのリプレイスのデメリットとは?

システムのリプレイスは、部分的か全面的に移行するのか取捨選択が必要ですが、時間やコストの問題、リスクもあるため、新しいシステムを入れ替える方法をしっかりと理解して選択しなくてはなりません。そんなリプレイスのデメリットを解説します。

  1. 一括移行方式のデメリット
  2. 段階移行方式のデメリット
  3. 並行移行方式のデメリット
  4. パイロット方式のデメリット

①一括移行方式のデメリット

一括移行方式は現全機能を一度に切り替えられ手間も時間も掛からないというメリットを持つのですが、逆にどこかの部分にエラーが発生する可能性も非常に高いという最大のデメリットがあります。

移行する際、システムを全面停止する必要があるため、日常業務に影響が生じる部署も出てくるかもしれません。移行後も元どおりの環境に戻るまで時間が必要になる場合もあります。

②段階移行方式のデメリット

段階移行方式は、何度も現在使用しているシステムから新しいシステムへ部分的に切り替えるため、移行のコストが高くなります。また部分的に移行していくため、ある機能は現行システムで稼働し、他の機能は新システムで稼働するという形になるのです。

これにより手間も多くかかり、時間もかかるでしょう。また失敗した場合の回復が難しいというリスクがあります。

③並行移行方式のデメリット

並行移行方式は、新しいシステム移行中も旧システムは稼働し続けるため、両方のシステムの連携が必要となり、ソフトを使って同期させるなどの手間が掛かります。

また両システム運用のコストやソフトが高いのもデメリットで、ソフトがない場合はデータの入力作業が必要です。結果を比較検証して移行する方式のため、チェック作業を繰り返す手間も増えるでしょう。失敗した場合の回復も難しいです。

④パイロット方式のデメリット

パイロット方式は、部分ごとに新システムに切り替えて、エラーが発生しても最小限で食い止め改善して次の部分へと進めていくため、スムーズに移行できます。

しかし部門ごとに性格が異なるため、移行の際は問題が発生しなくてもいざ使用してみたら不足した機能が判明する場合もあり得ます。つまり手間や時間がかかってしまうのです。

移行時のリスクが最も大きいのは、一度に全てを切り替えられる一括移行方式でしょう。他3方式に共通するデメリットはコストの高さです

4.リプレイスと類似するもの

リプレイスには新しく交換する、置き換える、元に戻すなどの意味を持ちます。それと似たものに、更改とマイグレーションがありますが、いずれも古いものから新しいものへ移行するという意味を持つのです。それぞれの意味を詳しく解説しましょう。

更改とは

更改(こうかい)とは、古いルールやしきたりを新しいものへと更新または変更すること、過去の決定や契約などを新たなものに変えること。既存の債務を消滅させ、これに代わる新しい債務を成立させる契約などの意味があります。

使い方の例は、「新制度に更改する」「契約を更改する」「予算を更改する」「システム更改」などです。

マイグレーションとは

マイグレーション(migration)は、移行、移転、移住、移動、乗換などの意味を持つ単語で、ITの分野では、既存のシステムやソフトウェア、データなどを新しい環境に移行したり、切り替えたりすることを意味します。

部分的な交換や切り替えではなく、システムを全面的に刷新して新しい環境に置き換えることを指すのです。

マイグレーションとリプレイスの違い

リプレイスは問題を抱えているシステムやハードウェアなどを新しいものに置き換えること。マイグレーションとの違いは、システムなど入れ替える先は既存のものと同等で、OSやプラットフォームなどの基盤となる部分までは変更しない点です。

故障や破損はリプレイスで対応できますが、サポート切れなどの旧式のシステムを最新版にする場合はマイグレーションとなります。

更改は古いルールを新しいものへと更新すること。マイグレーションは既存のシステムなどを新しい環境に移行することです

5.システムリプレイスは失敗が多いので注意

システムリプレイスは、データ処理に時間が掛かる、機能不足などの問題を解消してくれます。しかし安易に行ったことで、思ったように進まなかったり、うまく行かず結局もとのシステムに戻ったりと失敗が多いのも事実なのです。

システムリプレイスのよくある失敗例

システムリプレイスは、打ち合わせを何度も行いながら時間を掛けて開発へと進みます。しかし丁寧にステップを踏んでいながらも失敗がなくなりません。失敗例をあげてみましょう。

  • スケジュールが大幅に遅れた
  • データの移管がうまくいかず、作業効率アップにならなかった
  • データが重すぎて動きが遅くなった
  • うまく作動せず、テストに時間が掛かり過ぎた

システムリプレイスを成功させるには

システムリプレイを成功させるには、全体の概要を理解し、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。そのポイントを2つから説明しましょう。

  1. 信頼できるベンダーを選ぶ
  2. リプレイスに必要な情報を準備しておく

①信頼できるベンダーを選ぶ

システムリプレイを成功させるには、信頼できるベンダーが欠かせません。では一体どのように選べばよいのでしょう。信頼できるベンダーを選ぶポイントは次のとおりです。

  • システム担当者が実際の通販業務をよく知っている
  • 過去に同様のシステムリプレイスをした経験がある
  • 最初から「できる」「できない」をはっきり正直に示せる
  • 1案だけでなく、多方面から提案してくれる
  • 事前の確認から実際の運用まで同じ担当者が対応してくれる
  • 運用後のサポート体制が整っている

②リプレイスに必要な情報を準備しておく

システムリプレイスに必要な情報を前もって準備しておくと全体の流れが掴めるので、失敗が減ります。たとえば現在使用しているシステムなどを図にしておくと、誰が見ても分かりやすいでしょう。またリプレイス後の予想図も必要です。

そのほか、現在使用しているシステムの問題点や現状満足している点なども明確にしておきます。

準備しておきたい主なポイント

システムリプレイスを行う前に準備しておきたい主なポイントは次のとおりです。

  • 目的を鮮明にする…できるだけ具体的な目的を出すのがポイント
  • 成長した未来をどう描くか…成長した未来で起こるトラブルの対処法などもイメージする
  • 現状でできていることを洗い出す…不満な点ばかりでなく現状できていることも確認
  • スケジュール管理を徹底…完了時期まで事前にスケジュールを立てておくと安心
  • 移管するデータの内容を洗い出す…データの件数や項目などもまとめておく

システムリプレイスには失敗がつきものです。成功させるためには、信頼できるベンダーを選び、必要な情報を前もって準備しておきましょう

6.リプレイス導入時の課題を認識する

これまで使用していたシステムの不満を解決するためにシステムリプレイスを実施したものの、いざ運用してみると予想しないトラブルや問題が起こってしまう場合もあります。システムリプレイス導入時の課題を解説しましょう。

自社以外の影響でリプレイスが必要になる

システムは、ハードウェアやOS、アプリケーションなど複数の要素が組み合わさって構築されています。

そのため製品ごとに保証期間やサポート期間が決まっており、またソフトウェアはバージョンアップを繰り返すため、自社のシステムは何ら問題がなくても、自社以外の影響でリプレイスが必要になってくるのです。

計画を立てて入念に準備し、適切なタイミングでリプレイスを実施しましょう。

コスト負担が大変

自社以外の影響でリプレイスを行う場合、カスタマイズも考慮する必要があります。そのためリプレイスコストが膨大になりやすく、経営層の合意を得るのが困難になるでしょう。

その際、保証期間の終了をリプレイスの理由にするのは説得材料として弱いです。経営層には、生産性向上やコスト削減の実現を強くアピールして、合意を得るとよいでしょう。

既存システムとの連携を考慮する

多くの企業では、販売管理、財務・会計管理や顧客管理など複数のシステムを導入し、毎日稼働しています。そのためこれら複数の既存システムと新しく導入したシステムをうまく連携させる必要があるのです。

システムをリプレイスした途端に連携が取れなくなると、各システムが個々に独立して稼働していたため、作業の負担が増えて人為的ミスも増加するでしょう。

システムリプレイスを実施したものの、予想しないトラブルや問題が起こってしまう場合もあります。システムリプレイス導入時の課題に注意しておきましょう