リフレーミングとは? 意味や効果、5つの手法とやり方、具体例

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リフレーミングとは、物事を捉える枠組み(フレーム)を意図的に変えることで、ネガティブな認知をポジティブに転換するNLP(コミュニケーション心理学)の技法です。「状況のリフレーミング」と「内容のリフレーミング」の2種類があり、モチベーション向上・苦手意識の克服・人間関係の改善といった効果が期待できます。

本記事では、リフレーミングの意味や効果、5つの手法(言葉・As IF・時間軸・解体・Want)、人材育成やマーケティングでの活用例、実施時のポイントまでわかりやすく解説します。

1.リフレーミングとは?

リフレーミングとは、物事の枠組みを変えて違う視点から捉え直すNLP(コミュニケーション心理学)発祥の技法です。

リフレーミング(reframing)とは、物事の枠組みを変え、違う視点から見ることを意味する心理学用語です。欠点や不安といったネガティブな物事も、考え方の前提を変えることで、長所や期待などポジティブなものとして捉えられるようになります。その結果、人間関係やビジネスが円滑になるのです。

コミュニケーション心理学(NLP)の用語

リフレーミングは、コミュニケーション心理学(NLP)の用語のひとつ。コミュニケーション心理学(NLP)は、1970年代にカリフォルニア大学在籍中のリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが行った「天才セラピスト3人を分析」から始まりました。

別名「脳の取り扱い説明書」ともいわれ、「目標の実現」「悩みの解決」「思考や行動」「感情のコントロール」「人間関係の構築や修復」などで幅広く活用されています。

ポジティブシンキングとの違い

  • ポジティブシンキング:前向きに物事を考える思考方法
  • リフレーミング:「相手の立場に立つ」「相手を理解する」「相手に共感する」といったアプローチから始まる心理学

単純に前向き・積極的に考えるだけのポジティブシンキングとは、異なります。

リフレーミングとは枠組みを変えて感じ方も変えるフレームワークです。不満を満足や喜びに変えられます

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2.リフレーミングの効果

リフレーミングの効果とは、視点を転換することでモチベーション・自信・対人関係が同時に改善される点です。

リフレーミングの4つの効果

効果 概要
①モチベーションアップ 人前で話す不安な場面でも「大勢が集まってくれた」と捉え直し、やる気を引き出す
②自信がつく 「内気」「面白みがない」といった欠点を「真面目」「誠実」と感じられるようになる
③苦手意識が弱まる 「苦手だから困った」を「新しい経験を積むチャンス」と捉え、挑戦意欲が生まれる
④人間関係が良くなる 批判的な発言を「アドバイスをくれている」と受け止め、関係がギスギスしなくなる

リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。リフレーミングの効果について4つの点から解説しましょう。

①モチベーションアップ

たとえば人前で話をする場面があるとします。あまりの緊張から、失敗するのではといった不安でいっぱいになるでしょう。

そこでリフレーミングを行うと「自分のために大勢の人が集まってくれた」「集まってくれた人の役に立てるよう真剣に話そう」など、やる気が出てきます。

②自信がつく

コンプレックスを持っていると、チャレンジ意欲も失いがちでしょう。リフレーミングを行うと、コンプレックスや欠点が、逆に強みであると感じられるようになります。

「内気」「面白みがない」といった欠点も、「真面目」「誠実」「真剣」といった感じ方に変えられるからです。

③苦手意識が弱まる

苦手意識を克服できれば、いろんなことにチャレンジできるという人は多くいます。

そこでリフレーミングを行うと、「苦手だから困った」「苦手だからやりたくない」といった感じ方を、「新しい経験を積む絶好のチャンス!」「最初から完璧にできる人はいない!」といった感じ方に変えられます。

④人間関係が良くなる

批判的な発言をする人がいて人間関係がギスギスしている際、リフレーミングで人間関係を改善できます。

たとえば「ほかに考え方があると教えてくれている」「自分にない発想を持っている」のように考えると、批判をアドバイス程度に柔らかく受け止められるのです。

リフレーミングには、モチベーションアップし自信がつき、苦手意識が弱まるといった効果があります。その結果、人間関係が良くなることもメリットです
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3.リフレーミングの種類

リフレーミングの種類とは、置かれた状況に焦点を当てる「状況のリフレーミング」と内面の感じ方を見直す「内容のリフレーミング」の2つです。

リフレーミングの2つの種類

種類 概要 具体例
状況のリフレーミング 人物や出来事が置かれている状況・背景の枠組みを考え直す 「神経質だが経理には向いている」「挑戦は無駄でもいい経験になった」
内容のリフレーミング 性格・悩み・経験など内面に関する感じ方の枠組みを見直す 「童顔だが若く見られてうれしい」「心配性だが先を見る力がある」

リフレーミングには、2種類あります。その2つはどのようなものか、ポイントについて見ていきましょう。

①置かれている状況のリフレーミング

状況のリフレーミングとは、人物や物事、出来事などが置かれている状況ならびに背景の枠組みを改めて考え直すこと。

たとえば「細かい点に気付く性格は神経質だが、経理などの業務には向いている」「怪我をして仕事を休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられた」「挑戦は無駄に終わったものの、いい経験を積んだと分かる」などです。

②内面に関する内容のリフレーミング

内容のリフレーミングとは、「性格」「悩み」「経験」「出来事の意味や解釈」など内面に関する感じ方の枠組みを見直すこと。

たとえば「童顔だが若いと見られてうれしい」「心配性だが、それは先を見る力がある証だ」「スキーの経験はないが、今から新しい体験ができると考えればワクワクする」「試験の点数は悪かったが、苦手分野がはっきりしたので重点的に取り組もう」などです。

リフレーミングには、「置かれている状況のリフレーミング」「内面に関する内容のリフレーミング」の2種類があります
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4.5つのリフレーミング手法

リフレーミングの手法とは、言葉・As IF・時間軸・解体・Wantの5つのアプローチで発想を転換するフレームワークです。

5つのリフレーミング手法の比較

手法 概要 具体例
言葉のリフレーミング 言葉の定義・意味を変化させる 「神経質」→「細部まで目が行き届くしっかり者」
As IFのリフレーミング 「もし○○だったら」と仮定して発想を広げる 「もし1週間後に契約が取れたら」
時間軸のリフレーミング 過去・現在・未来の時間軸で捉え直す 「10年後から見れば今は何をすべきか」
解体のリフレーミング 物事を細かく分解して新たな焦点で捉える 「仕事が立て込んでいる」→期限・量・時間を分解
Wantのリフレーミング 「それならどうしたい?」で感情を整理する 行き詰まり→「スムーズに進めたい」→具体策へ

リフレーミングにある5つの手法について、解説しましょう。

①言葉のリフレーミング

言葉のリフレーミングとは、言葉の定義・意味を変化させて思考の行き詰まりを打開する切り口をつくり出すこと。たとえば、下記のようなものです。

  • 「神経質」は、細部にまで目が行き届くしっかり者と言い換えられる
  • 「飽き性」は、行動力や決断力があると言い換えられる
  • 「自主性がない」は、サポート役に向いていると言い換えられる

②As IFのリフレーミング

AsIFのフレーミングとは、「もし、〇〇だったら」「たとえば、〇〇だったら」と、仮定したり可能性を模索したりしながら発想を転換する手法のこと。

「もし、1週間後に契約が取れたら」「仮に、〇〇さんが同じことに取り組んだとしたら」「たとえば、顧客の立場だったら」など、立場や状況を変えて発想を広げます。

③時間軸のリフレーミング

時間軸のリフレーミングとは、過去や現在、未来という時間軸を活用して別の発想を創造する手法のこと。これには、下記の2つがあります。

④解体のリフレーミング

解体のリフレーミングとは、物事の枠組みそのものを解体し、新な焦点から捉え直す手法のこと。

たとえば「仕事が立て込んでいる」とイライラしていた場合、「いつまでにやるべき仕事?」「どんな仕事がある?」「どのくらい時間がかかる?」など物事をより具体的かつ細かく解体しながら、頭の中を整理するのです。

⑤Wantのリフレーミング

Wantのフレーミングとは、「それならどうしたい?」という質問を投げかけて、「感情を整える」「現状を打開する」手法のこと。

「仕事で行き詰っている」悩みに対し、まず「それならどうしたい?」と問いかけ、「仕事をスムーズに進めたい」気持ちを引き出します。そして「そのためには何をすればいい?」と問いかけ、解決を模索して、解決していくのです。

リフレーミングには、「言葉」「As IF」「時間軸」「解体」「Want」5つの手法があります
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5.リフレーミングの活用例

リフレーミングの活用例とは、人材育成・マーケティング・イノベーションの各領域で視点転換が成果を生んでいる事例です。

リフレーミングの活用場面

活用場面 概要
人材育成 上司が部下に異なる視点を提案し、考え方の枠組みの転換を促す
マーケティング 「高品質だが高価格」な製品を、価格でなく品質理解の訴求に転換する
イノベーション 既存サービスの転換期に新しい発想を取り入れ、新製品・新サービスを生み出す

リフレーミングを活用できる場面のなかから、より盛んな3つの場面について解説しましょう。

①人材育成

人材育成では、「考え方の枠組みを転換」「より広い視野で課題を考えるきっかけづくり」のため、リフレーミングを活用します。

たとえば、後輩が質問せず仕事を進めるため困っている部下に対して上司が、「慌ただしい先輩に、質問しづらいのかも」「思い切って部下の指導を一番に考えて仕事をしてみては?」と、あえて異なる視点から意見を提案し、成長を促すのです。

②マーケティング

マーケティングでは認識を転換して自社製品やサービスへのスポットライトの当て方を変えていくために、リフレーミングを活用しています。

たとえば「高品質だが、値段が安くないため売れない製品」なら、「品質や価格を下げるのでなく、あえて高品質への理解促進のためプロモーションを行う」といったマーケティングに挑むのです。

③イノベーション

イノベーションでは、「まったく新しい発想から製品やサービスを生み出す」「既存のサービスの転換期に新しい発想を生かす」などにリフレーミングを活用しています。

たとえ答えはひとつでも、リフレーミングの活用により、「答えまでの道のりは無限にある」「そこから、奇抜なアイデアを見つけ出す」などが可能になるのです。

リフレーミングを活用できる場面として、「人材育成」「マーケティング」「イノベーション」などが挙げられます
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6.リフレーミングを実践する5ステップ

以下のステップで手順を解説します。

STEP.1
現状の枠組みを認識する
自分や相手が今どのような「フレーム」で物事を捉えているかを言語化する
STEP.2
感情や思い込みを切り離す
事実と解釈を分け、ネガティブな感情がどの思い込みに紐づいているかを整理する
STEP.3
別の視点を探す
5つのリフレーミング手法(言葉・As IF・時間軸・解体・Want)から最適なものを選び、異なる角度で捉え直す
STEP.4
新しいフレームを言語化する
転換した視点を具体的な言葉にし、自分や相手に伝えられる形に整える
STEP.5
行動に落とし込む
新しいフレームをもとに具体的なアクションプランを設定し、実行に移す

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7.リフレーミングを実施するときのポイント

リフレーミングを実施するときのポイントとは、相手への共感をベースに日常的なトレーニングで技術を磨くことです。

リフレーミングを実施するときのポイントがあります。ここでは、下記4つについて解説しましょう。

  1. 他人へのリフレーミングは理解と共感が必要
  2. トレーニングの習慣をつける
  3. リフレーミング辞典や一覧を活用する
  4. リフレーミング研修を検討する

①他人へのリフレーミングは理解と共感が必要

他人へのリフレーミングでは、「相手が自分に伝えたい気持ち」「自分の言葉が相手に与える影響」を熟慮して、相手への理解や共感をベースにアプローチします。相手にただ前向きな言葉を発するだけではありません。

②トレーニングの習慣をつける

リフレーミングは、技術です。技術を習得し磨き上げるためには、日々の積み重ねが必要でしょう。

そこで「物事の枠組みを変え、プラス思考で考える」「1つの言葉を別の表現に言い換えてみる」といったトレーニングの習慣をつけます。

③リフレーミング辞典や一覧を活用する

たとえば、下記のようにプラス思考に転換した一覧表などを作成するのです。それはリフレーミングの活用場面で役に立つでしょう。

  • 「消極的である」を「物静かで控え目」
  • 「頑固である」を「自分の意見がある」
  • 「反抗的である」を「物事に動じない」

④リフレーミング研修を検討する

コーチングサービスの企業のJTBコミュニケーションデザインが行っているリフレーミング研修では、「さまざまな角度、立ち位置から現状を見る」「自分が持つ枠を壊す」「枠にとらわれないものの見方を身に付ける」などができます。

リフレーミングの実施におけるポイントは、「他人へのリフレーミングは理解と共感が必要」「トレーニングの習慣をつける」「リフレーミング辞典や一覧を活用する」「リフレーミング研修を検討する」の4つです
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8.関連する改善事例

以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。

【事例】株式会社良品計画

生活雑貨・衣料品の企画販売を手がけ、国内外に店舗を展開する従業員数千名規模の同社では、カオナビを活用して社員のスキルや経験値を可視化しました。従来の年次や職種に基づく画一的な評価基準を見直し、個々の強みを多角的に捉え直すことで、これまで見過ごされていた人材の可能性を引き出し、新たな配置や役割の創出につなげています。既成の枠にとらわれず人材の価値を再定義するこの取り組みは、リフレーミングの好事例といえます。

→事例の詳細を見る

【事例】清水建設株式会社

従業員1万名以上を擁する大手総合建設会社の同社は、カオナビを導入して技術者の保有スキルや実績データを一元管理しています。これまで「現場経験年数」を中心に測っていた能力評価を、専門性・マネジメント力・対人スキルなど多面的な指標へと転換しました。既存の評価軸を根本から問い直し、人材の強みを新たな角度で捉え直す姿勢は、リフレーミングを推進するうえでの土台となっています。

→事例の詳細を見る

【事例】株式会社Faber Company

Webマーケティングツールを提供するIT企業の同社は、従業員数十名の少数精鋭組織です。カオナビで社員の適性や志向性を見える化し、一人ひとりの役割を固定せず柔軟な配置転換を実現しました。少人数だからこそ「この人はこの業務」という先入観を意識的に取り払い、新たな挑戦機会を設けることで組織全体の活性化につなげています。小規模組織ならではの視点の転換を仕組み化した取り組みは、リフレーミングに取り組む企業にとって示唆に富む事例です。

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よくある質問

リフレーミングとポジティブシンキングの違いは何ですか?

ポジティブシンキングは単純に前向きに考える思考法ですが、リフレーミングは「相手の立場に立つ」「相手を理解する」「共感する」というアプローチから始まる心理学的技法です。物事の枠組み(フレーム)自体を変えることで感じ方を変える点が大きな違いです。

リフレーミングを日常業務で実践するにはどうすればよいですか?

まずは「物事の枠組みを変え、プラス思考で考える」「1つの言葉を別の表現に言い換えてみる」といった小さなトレーニングを日常的に行いましょう。リフレーミング辞典や一覧表を作成して手元に置いておくと、実践の場面ですぐに活用できます。

他人に対してリフレーミングを行う際の注意点はありますか?

他人へのリフレーミングでは、ただ前向きな言葉を発するだけでは逆効果になる場合があります。「相手が自分に伝えたい気持ち」「自分の言葉が相手に与える影響」を熟慮し、理解と共感をベースにアプローチすることが不可欠です。


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