パーソナルスペースとは? 定義、種類、年齢や性別による違い、ビジネスにおける活用術について

パーソナルスペースとは、個人を取り囲む空間のことで。名前を聞いたことがある人も多いでしょう。ここでは、パーソナルスペースについて解説します。

1.パーソナルスペースとは?

パーソナルスペースとは、個人を取り囲む空間のこと。人には、目には見えない自分の感覚として他者に侵入されると不快に感じる空間が存在します。それがパーソナルスペースで、人によって広さが違ううえ特性も異なるのです。

パーソナルスペースとは、他者が自分に近付いて不快に感じない限界範囲のこと。R・サマーという心理学者が提唱しました。

対人距離とも呼ばれ、心理的な縄張りだといえるでしょう。動物が自分の縄張りを侵されると警戒し威嚇するように、人間も防衛本能により自分の縄張りに侵入されると不快感を覚えます。

関係性によってもパーソナルスペースの距離は変わり、関係が深ければ範囲は狭く、逆に浅ければ浅いほど範囲は広くなるのです。

パーソナルスペースを侵害されるとどうなるか

人はパーソナルスペースを侵害されると、物理的に距離を取ってパーソナルスペースを守ろうとします。人はパーソナルスペースを侵されると落ちつきません。相手との境界線を作ったり背を向けたりと、拒否反応が起こるのです。

勉強する女子大生の隣に知らない人が座るという実験では、30分以内に70%の女子大生が席を立ってしまう、という結果が報告されています。

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2.パーソナルスペースの種類

パーソナルスペースは、ひとつの距離感覚ではありません。パーソナルスペースには4つの距離感覚があり、それぞれ異なるのです。

  1. 密接距離
  2. 個人距離
  3. 社会距離
  4. 公衆距離

①密接距離

「密接距離」とは、0cmから45cmまでの距離感のこと。会話はもちろんスキンシップもできる距離で、家族や恋人など極めて親しい関係性の人に許される範囲です。また子どもなどを保護できる範囲でもあります。

②個人距離

「個人距離」とは、45cmから1.2mまでの距離感のこと。お互いの表情が読み取れるかつ、手を伸ばせば触れられる距離です。友人や親しい同僚の間で取られる関係性といえます。

③社会距離

「社会距離」とは、1.2mから3.5mまでの距離感のこと。同僚や上司、仕事先の人と接する際に取られる距離です。仕事の会議や打ち合わせなどのビジネスの場面でよく使われます。

④公衆距離

「公衆距離」とは、3.5m以上の距離感のこと。講演会や演説などの公的な場面でよく見られる距離感です。まったく知らない相手に公衆距離を取れば、不安を感じにくくなるでしょう。相手の顔や表情がよく見えないため、個人的なやりとりはできない距離です。

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3.パーソナルスペースは人によって違う

パーソナルスペースは人なら誰しも持っている個人の感覚ですが、人によって個人差があり、性別や年齢などによって差が生じます。ここからは、人の性質や特徴によって変わるパーソナルスペースについて見ていきましょう。

性別による違い

パーソナルスペースは性別によって異なり、男性は前から向かってくる人を警戒する傾向にあります。

つまり男性のパーソナルスペースは楕円形で前方向に広く、後ろ側は狭くなっているのです。一方で女性のパーソナルスペースは、どこかに偏って警戒している傾向はなく、円形のパーソナルスペースとなっています。

女性は相手との信頼度に合わせてパーソナルスペースが変わるため、関係性に合わせるといった配慮が必要でしょう。一般的に男性のほうが女性よりパーソナルスペースが広いといわれています。

年齢による違い

パーソナルスペースは、年齢によっても違いがあるのです。一般的に年齢が低ければ低いほど、パーソナルスペースは狭くなるといわれています。赤ちゃんや子どもは、興味や関心がある事柄に対しての警戒心が薄い習性を持つためです。

12歳頃からパーソナルスペースを意識しだし、年齢とともに大きくなって、40歳をピークに小さくなっていくといわれます。また年齢とは別に、他者への依存度によってもパーソナルスペースが変わるという研究もあるのです。

国民性による違い

パーソナルスペースには、文化圏や国民性による違いもあります。42か国の9,000人を対象に行った調査では、最大139cmから最小76.5cmまでと、国によって2倍近くの差があると判明しているのです。

パーソナルスペースが最も広い国はルーマニア、最も狭い国はアルゼンチンでした。親しみを込めたスキンシップをよく取る文化がある国は、パーソナルスペースが狭い傾向にあると考えられています。

また同じ東ヨーロッパの国でも、パーソナルスペースが広い国と狭い国が見られました。これらから隣国でもパーソナルスペースは、文化や国民性によって異なるといえます。

パーソナルスペースの測り方

パーソナルスペースは人によって異なるため、一概にこのくらい取れば大丈夫という距離の定義はありません。しかしパーソナルスペースを測る方法はあります。

たとえば、名刺交換時に相手のパーソナルスペースを測れるのです。相手が名刺を持ってどのくらい近付いたかで、その人のパーソナルスペースの広さがわかるでしょう。

ほかには、落とし物を拾ってもらったときに測る方法があります。相手が落とした物を自分が拾って手渡す際、相手のパーソナルスペースが分かるのです。

手渡したあとすぐに離れる人はパーソナルスペースが広く、逆に手渡したまま近い距離を保つ人はパーソナルスペースが狭い人といえます。

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4.パーソナルスペースによる性格診断

相手のパーソナルスペースの広さが分かったあと、どのように接していけばよいのでしょうか。パーソナルスペースから推測できる性格診断をご紹介します。ただし、あくまで目安と考えてください。

パーソナルスペースが狭い人

パーソナルスペースが狭い人は、前向きで社交的であり、誰とでも仲良くなれると考えているため、フレンドリーに接するのを当たり前に行えます。また相手についてさらに知りたいと思っている人も多く、好奇心が旺盛である場合も多いでしょう。

自分に自信を持っているため、自己アピールする可能性も高いです。多くの人とコミュニケーションを取るのが好きなので、周りに人がいないと寂しがる傾向にあります。

パーソナルスペースが狭い人との接し方

パーソナルスペースが狭い人とは、相手に合わせるのではなく自分がちょうどよいパーソナルスペースを確保しましょう。特に自分のパーソナルスペースが広い人は、物理的にも精神的にも相手との距離を取る必要があります。

またパーソナルスペースが狭い人との会話においては、こちらから積極的に話しかけて会話のペースをつかみましょう。相手の話を聞く際は相槌を打ちながら聞き役に徹します。

パーソナルスペースが広い人

パーソナルスペースが広い人は、こだわりが強く、自分のペースが乱されるのを嫌う傾向にあるのです。自分のペースを大事にするため、集団行動が得意ではありません。

また警戒心が強く、心配性で慎重な面もあります。人と接する点にあまりメリットを感じておらず、苦手な人とはあまりかかわらないタイプが多いようです。他人に対して消極的なため、打ち解けるまで時間がかかります。

パーソナルスペースが広い人との接し方

パーソナルスペースが広い人には、相手のやり方やペースを否定せずに共感し、相手を認めるとよいでしょう。

また縄張り意識と警戒心が強いので、いきなりなれなれしくせず誠実な態度を心がけます。顔を合わせて話す機会を少しずつつくり、警戒心を解いてから距離を縮めるのです。

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5.ビジネスにおけるパーソナルスペースの活用術

社内外の人間関係をよりよくするためには、パーソナルスペースへの配慮も必要です。ミーティングや会議、商談など、シーンによってパーソナルスペースを使い分けると、より効果が高まります。

ビジネスではどのようにパーソナルスペースを活用するのでしょうか。

オフィスレイアウトを考えるとき

オフィスレイアウトを考える際はまず、120cmのパーソナルスペースが確保できるようなレイアウトを考えます。知人や同僚といった関係ならば、手を伸ばしても届かない程度の距離が適切です。

その際、正面や斜め前、横などに立つあるいは座れるようにしておきましょう。必要に応じて相手のパーソナルスペースに入れるため、心理的な距離を縮められます。

リーダーシップを発揮したいとき

リーダーシップを発揮したいときは、席次や距離を意識してパーソナルスペースを取りましょう。パーソナルスペースが広い人ほど、ほかの人から注目を集めやすくなり、リーダーと認識されやすくなる、という効果があるためです。

相手より上座に座り、かつ相手と物理的に距離を取ると、リーダーシップが取りやすくなります。角テーブルであれば短辺に座ると、ほかチームメンバーとの距離を大きく取れるようになるのです。

また角テーブルは角で片が区切られる形状のため、リーダーとほかメンバーとの境界を感じさせる効果もあります。

部下と距離を縮めたいとき

部下と距離を縮めたいときは、パーソナルスペースを狭くするよう意識しましょう。部下の立場からすれば、上司と二人で話をする際、多少なりとも警戒心が生まれます。

その警戒心を解き、自然と部下のパーソナルスペースに入り込むには、パーソナルスペースが狭く取れる円テーブルを使うのがおすすめです。

円卓ならすぐ隣に座っても不自然に思われず、120cm以内に入れます。パーソナルスペースを無理なく縮められるため、本心も聞き出しやすくなるでしょう。

ハラスメントにならないように注意

パーソナルスペースを縮める際は、ハラスメントにならないように注意してください。いくらパーソナルスペースを縮めても、社内でのパーソナルスペースとプライベートのパーソナルスペースは異なるもの。

2つを混同してしまうと、ハラスメントと取られてしまうような距離感になってしまう場合があります。また上司が部下へ始動や注意をする際も、パーソナルスペースが近すぎると、部下はより大きな不快感を持ってしまい、パワハラと取られる恐れがあります。

商談を成功させたいとき

商談を成功させたいときには、相手が親しみやすくなる100cm以内のパーソナルスペースを取りましょう。この距離は、親しい間柄でのパーソナルスペースです。顧客と一対一の商談なら、2人が100cm以内に座れるレイアウトにしてみましょう。

また座る位置は、相手の正面ではなく斜め横の席がおすすめです。お互いの視線がぶつからないため、商談の緊張感を緩められるでしょう。

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6.職場にパーソナルスペースを確保する方法

職場でパーソナルスペースが意識されていると、社員は仕事に集中できます。またストレスの軽減や人間関係の改善などにも効果的です。しかし職場でパーソナルスペースを確保するには、どうしたらいいのでしょうか。

集中ブースを設ける

職場にパーソナルスペースを確保する方法として、集中ブースを導入する方法があります。集中ブースで物理的にパーソナルスペースを確保できるのです。人の目や騒音をシャットダウンできるため、業務に集中しやすくなります。

休憩時にはゆっくりリラックスできる空間としても利用できるでしょう。オフィスの移転や工事などをせずに導入できるのがメリットです。

集中ブースの種類

集中ブースは、「パーテーションで区切るタイプ」「ファミレス席のようなタイプ」「半個室タイプ」「四方を囲むタイプ」など多岐にわたります。種類によって移動のしやすさや活用シーンなどが異なるので、自社の用途や目的などによって選びましょう。

パーテーションで区切るタイプ

パーテーションで区切るタイプは、一番かんたんな方法といえます。予算とスペースがなくても、デスクの間にパーテーションを置くだけで集中ブースをつくれるためです。

完全に隔離された空間ではないものの、周囲からの視線が気にならなくなります。社員の集中力が上がり、作業効率の向上につながるでしょう。

ファミレス席のタイプ

ファミレス席のタイプは、会議や応接にも利用できるところが最大の利点です。ブースの大きさによっては2人から4人ほどが一度に利用できるため、親密度が上がる距離のパーソナルスペースをつくれます。

もちろん集中ブースとしての遮断や遮音の効果もあるため、集中力アップの効果やリラックス効果も期待できるでしょう。会議で使用するとき以外は個人で集中ブースとして使う、といった使用方法でもよいでしょう。

半個室のパーソナルブースタイプ

椅子の背面に壁がある半個室のパーソナルブースタイプもあります。

新型コロナウイルス以降、オープンスペースなオフィスよりも確実にコロナ感染リスクを減らせる、かつ低コストで実現可能という点から半個室タイプの集中ブースを取り入れる職場が増えているようです。

またこのタイプはフリーアドレスという働き方としても有効となります。フリーアドレスは好きな席で仕事をするスタイルで、働き方改革にて注目されました。

作業に集中しやすい席や打ち合わせがしやすい席などを選べば、作業効率を上げられるでしょう。