パラダイムとは?【意味をわかりやすく】パラダイムシフト

パラダイム(paradigm)とは、特定の時代や分野において支配的な規範となる「物の見方や捉え方」のこと。ここではパラダイムの語源、用法、具体例などを説明します。

1.パラダイムとは?

パラダイム(paradigm)とは、特定の時代や分野において支配的な規範となる「物の見方や捉え方」のことです。科学・思想・産業・経済など、さまざまな分野で用いられています。規範的な考え方は、時代の変化につれて革命的・非連続的な変化を起こす場合があると考えられており、この変化はパラダイムシフトと呼ばれています。

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2.パラダイムの語源とビジネスシーンでの用法

パラダイムという言葉を正しく使うためにも、語源とビジネスシーンでの用法をしっかり押さえておきましょう。パラダイムの語源や一般的なビジネスシーンでの活用例について解説します。

パラダイムの語源

パラダイムの語源は英語の「paradigm」で、ビジネス用語として使われる「パラダイム」には、「あるひとつの時代の人々の考え方を根本的に支える概念」という意味合いがあります。また「模範」「規範」「典型」を指すことも。

概念としての起源は、科学史家のトーマス・クーンの著作『科学革命の構造』です。これは自然科学だけでなく、人文科学や社会科学にも大きな影響を及ぼしたとしても広く知られています。

ビジネスシーンでの用法

ビジネスシーンでパラダイムという言葉を用いる際、特定の時代の人々の考え方を根本から支える概念・思想といった意味で使用します。企業内ではひとつのパラダイムを考え方の前提としたり共有のイメージと掲げて議論したりする傾向も多く見られるのです。

課題の解決や新しい動きへの意思決定などを行う議論の場では、「共通認識を革命的に転換する」ことを意味するパラダイムシフトという言葉がよく使われます。

日本語では翻訳が難しい

パラダイムは特定の時代や分野において支配的な規範となる「物の見方や捉え方」のことで、科学分野で用いられていました。

しかし、発想の転換を説明する際に古い発想のことをパラダイムとする解釈が一般的に広まり、幅広い意味に対応するようになったのです。こうした背景から日本語でパラダイムに相当する言葉が見当たらないため、日本語への翻訳も難しいとされています。

パラダイムという言葉は幅広い意味に対応しています。そのため日本語への翻訳が大変難しく、また該当する日本語はありません

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3.パラダイムシフト(パラダイム転換)の意味と具体例

パラダイムという言葉が用いられる際、パラダイムシフトという言葉もしばしば使われます。パラダイムシフトが意味する内容への理解を深めるために、具体例から見ていきましょう。

パラダイムシフトとは?

パラダイムシフトとは、ある時代に常識とされていた考え方が、革命的に変化することで、英語では「paradigm shift」と書かれ、また「パラダイム転換」と訳す場合もあります。

哲学者トーマス・クーンがパラダイムの概念を定義した際、「突破は古い考えの否定に始まる」としました。このことから、パラダイムシフトが「革命的に」「劇的に」変化するという文脈で語られ始めたのです。

ビジネスシーンでは「発想の転換によって価値観を覆す」「斬新なアイデアによって市場を変化させる」という意味で使われます。

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パラダイムシフトが起こる理由

パラダイムシフトは、現在直面している問題は「それまでの古い考え方では乗り越えられない」という状態が引き起こすものです。

また、アインシュタインが発した言葉に、「問題は引き起こしたときと同じ考えでは解決できない」というものがあリます。アインシュタインの言葉からも、人間は何か困難に直面した際、「従来の考え方や手段での解決は容易ではない」「固定観念に囚われずこれまでの考え方を一新する」必要があると分かります。

パラダイムシフトの具体例

パラダイムシフトの広義の概念は、共通認識を革命的に転換すること。代表的なパラダイムシフトを表す具体例に、下記のような歴史上の事実があります。現在ではあらゆる分野で使われるようになり、ビジネス用語としても一般化したといえるでしょう。

  • 産業革命によって、労働環境は大きく変化した
  • 数千百年もの間常識とされていた天動説に対し、コペルニクスが地動説を唱えた
  • 大量消費社会のパラダイムを転換し、持続可能な社会を実現することが必要だ

個人レベルでのパラダイムシフト

パラダイムは特定の時代において常識と呼べるものを指しますが、近年では「物の見方」や「考え方」を指し「物の見方の転換」という概念にて、さまざまな分野で用いられています。

時代の変化を待たずに個人レベルでもパラダイムシフトを起こすことは可能です。しかし、誤った方法で行うとかえって不利な状況に陥ってしまう場合も。パラダイムシフトに関する基本的な捉え方を身に付けておくとよいでしょう。

パラダイムシフトとはある時代に常識とされていた考え方が、革命的に変化することです。これは個人レベルでも活用できます

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4.パラダイムシフトで押さえておくべき4つのポイント

これまで通じてきた価値観や考え方が急に通じなくなってしまう状況は、ビジネスシーンでも起こり得ますので、パラダイムシフトのポイントを押さえておくことは大切です。そんなパラダイムシフトで意識すべき点を説明していきましょう。

  1. 柔軟に対応する姿勢
  2. 変化を敏感につかむ
  3. 自分なりに問題意識を持っておく
  4. 価値観の異なる人ともコミュニケーションを取る

①柔軟に対応する姿勢

何事にもこだわりを持ちすぎない姿勢が重要です。日々起こり得る変化にストレスを感じるよりも、受け入れる柔軟性を持つほうがよいといえます。新しい価値観や新しい商品、サービスに出会ったとき、自分がどのように感じるかを掘り下げて考察しましょう。

その際に「どうしても受け入れにくい」「奇抜に見えてしまう」と思うのであれば、なぜ自分はそう感じるのか、何が問題なのかと掘り下げます。それにより、自分自身の柔軟性を発見する機会につながるでしょう。

②変化を敏感につかむ

目まぐるしく変化する時代ほど、さまざまな事柄を想定した備えが必要です。そのとき、自分自身の視点だけで考えるのではなく、取引先や顧客の立場に立って考えましょう。

また常にアンテナを張り、新しいニーズや世の中の動向に目を向けると、身の回りに起こり得る変化に対して、一層敏感になります。経営者という立場なら、さまざまな事態を考慮して事前に目標を設定するのも有効でしょう。

③自分なりに問題意識を持っておく

ただ漫然と同じことを繰り返すのではなく、日々、自分なりに問題意識を持つことも欠かせません。それに対して仮説を立てて検証を積み重ねると、新しいアイデアや考え方、価値観を生み出すきっかけになるかもしれません。

これらはビジネスシーンでも応用できます。「どうしてこの商品は売れているのだろうか?」「どのようにしてこのサービスは消費者から人気を得たのだろうか?」など、分析も重要です。

④価値観の異なる人ともコミュニケーションを取る

普段、あまり話さない人と積極的に会話をしたり自分とは価値観の異なる人と交流したりすることも有意義です。他者の意見や考え方に触れ、「当たり前」と感じていた物事を多方面から考察していくと視野が広がるでしょう。

パラダイムシフトが起こった際に柔軟に対応するためにも、変化を感じ取ったり柔軟性を持ったりしてみましょう

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5.パラダイムと関係の深い言葉

パラダイムシフト以外にも、パラダイムと関係の深い言葉は多くあります。ここでは、「〇〇パラダイム」「パラダイムトレーダー」「パラダイムロスト」について、解説しましょう。

◯◯パラダイム

ある特定分野におけるパラダイムを表現する際に、「◯◯パラダイム」という言葉を用いる場合があります。たとえば「ビジネスパラダイム」「経済パラダイム」など。

時代やある分野にて規範となっていた「物の見方や捉え方」が革命的に変化する際、〇〇パラダイムと表現できるのです。近年、ビジネスや経済の領域で「年功序列から成果主義」「地域経済からグローバル経済へ」などパラダイムシフトが多く起こっています。

パラダイムトレーダー

パラダイムトレーダーとは、FX(先物取引)の世界で使用されている商材(ソフト)の名前で、FXトレードを行う際、トレーダーによって使われます。

トレーダーの世界では、優秀とされる人物が公開している情報から先物取引のチャートの値動きを予測して、FXの売買を行う傾向にあるのです。近年では、パラダイムトレーダーのようなソフトを利用し、FXを行っていく手法も注目されています。

パラダイムロスト

『パラダイムロスト』とは心のスティグマを克服するために書かれた本の題名で、理論と実践方法を示しているのです。この本とは直接の関係はありませんが、「パラダイムロスト」というタイトルの歌もあります。

さらに似たような題名に「パラダイスロスト」がありますが、これは旧約聖書創世記に関するジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』に登場するもの。上記の「パラダイムロスト」と「ム」と「ス」の一文字が違うため、間違われやすい一面を持ちます。

「パラダイムシフト」以外にも、パラダイムと似た「パラダイムトレーダー」「パラダイムロスト」などの言葉があります。意味や使い方を覚えておきましょう