ニューノーマルとは? コロナ禍以降の働き方

ニューノーマルに対応するため企業は、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)など、さまざまな活動を推し進めています。

では、そもそもニューノーマルとは一体何なのでしょうか。ここではニューノーマルの歴史やそれに伴うビジネスの変化、個人に求められる能力などについて解説します。

1.ニューノーマルとは?

ニューノーマルとは、これまでの日常とは異なる新たな状態や常識のこと。

メディアでも取り上げられることが多くなり、「新常態」ともいわれます。もともと世界経済がリーマンショックから立ち直る際に提唱されました。そして2020年、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、再び注目されるようになったのです。

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2.ニューノーマルの歴史

ニューノーマルは過去に何度も訪れています。まずは第一の転換期、第二の転換期と呼ばれるニューノーマルの歴史について、見ていきましょう。

1990年代のインターネット社会の到来

第一の転換期と呼ばれるニューノーマル時代は1990年代、インターネット社会の到来によって訪れました。Googleの検索エンジンサービスや電子メール、携帯電話が普及し始め、今やインターネットは私たちの生活・ビジネスに欠かせなくなっています。

国内では1999年からNTTドコモがiモードサービスを開始。その後ADSLの普及や電話回線を使用した高速ブロードバンドが可能になり、インターネットに接続する人が劇的に増加したのです。

2008年のリーマンショック事件

第二の転換期は、2008年に起きたアメリカの有力投資銀行、リーマンブラザーズの経営破綻によって訪れました。

いわゆる「リーマンショック事件」です。これをきっかけに世界的な株価の下落、金融危機が発生。日本でも株価の暴落や受注の激減、プロジェクトの打ち切りなどが相次いだ点は記憶に新しいでしょう。

コーポレートガバナンス、すなわち内部統制に対するニーズは国内外で急増し、それに伴い法令整備も進められました。古いシステムを刷新し、スピードと俊敏性が求められるようになった転換期はまさに「ニューノーマル」と呼ぶにふさわしい出来事です。

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3.今求められる「ニューノーマル」とは?

2020年、新型コロナウイルスの世界的蔓延によって第三の転換期と呼ばれるニューノーマルの時代を迎えました。今日の私たちが立たされているこのニューノーマルに対して、どのような取り組みが必要になるのでしょう。

日常生活を営むうえでの基本様式

新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえて、国は「新しい生活様式」の実践例を提唱しています。

  1. 身体的距離の確保
  2. マスクの着用
  3. 手洗い

以上3つを基本として、「まめに手洗いや手指消毒を行う」「こまめに換気する」「3密(密集、密接、密閉)を回避して、身体的距離を確保する」などを伝えるものです。

日常生活の各場面別の生活様式

同ガイドラインでは、買い物や公共交通機関の利用、娯楽や食事など各場面別の生活様式についても述べています。

  • 買い物:通販や電子決済などを利用して、展示品への接触は控えめにする
  • 公共交通機関の利用:混んでいる時間帯を避け、会話は控えめにする
  • 食事:持ち帰りや出前、デリバリーを活用して会話を控える

働き方の新しいスタイル

新たな世界観が必要なのは日常生活だけでなく、働き方についても同様です。「テレワークや時差出勤を活用する」「会議や名刺交換にオンラインを活用する」「対面での打ち合わせではマスク着用と換気を意識付ける」などが叫ばれています。

新しい働き方のスタイルについては厚生労働省からの依頼を受け、経団連も各参加団体、企業に周知徹底を促す通知を出しました。

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4.ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるか

2020年、私たちは次代の節目に訪れる転換期とも呼ぶべきニューノーマルを再び迎えました。ニューノーマル時代のビジネスは、どのように変化していくのでしょう。

Uber Eatsなどの新しい飲食店の営業形態

新型コロナウイルスによって深刻な被害を受けた業界のひとつに飲食業があります。我が国でも緊急事態宣言の発令に伴う営業時間の短縮、日本各地でクラスターが発生したことによる外食産業の売上激減を余儀なくされました。

そこで注目を集めたのが「Uber Eats」に代表される「ゴーストレストラン」です。店舗を持たず、デリバリーサービスを利用した営業形態は、今後も定着すると見られています。

ECサイトなどのデジタル接客の台頭

ニューノーマルでは、消費者の購買行動も大きく変化するのです。直接店舗に出向かず、インターネット上のオンラインストアを介したショッピングは、すでに多くの人が経験しているでしょう。

ネットショップやオンラインストアとも呼ばれる「ECサイト」の利用も、店舗の閉鎖や営業時間短縮の増加に伴って増加していくと考えられています。

キャッシュレス決済が浸透する

経産省の調査によれば、2015年時点での日本のキャッシュレス決済比率は2割ほど。世界的に見ても低い数値となっています。しかしニューノーマル時代の到来に伴い、キャッシュレスの普及は今後急速に進むと見られます。

キャッシュレス決済では端末に機械をかざしたり、QRコードを読み込んだりして決済するため、接触の機会が発生しません。人手不足解消や会計スピードの向上、店舗コストの効率化といったメリットも期待できるでしょう。

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5.ニューノーマルにて企業が取り組むべきこと

ニューノーマル時代において変化が求められるのは企業活動も同じです。これまで普通とされてきた働き方や仕事への取り組み方もまた、新常態へ変化する必要があるでしょう。ここではニューノーマル時代の企業活動の変化について見ていきます。

在宅ワークの常態化

企業活動の変化として、特に注目されているのが「在宅ワークの常態化」。これまではすべての社員が同じ会社に集まり、それぞれの業務に取り組むのが一般的でした。

しかし人の密集を避けるような生活様式に変わったため、働き方も変化しつつあります。会社によっては従業員同士が密集しないよう、自社オフィスではなく自宅での勤務を推奨する企業も増えてきたのです。

デジタルトランスフォーメーションの導入

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術を浸透させて、人々の生活をよりよいものへ変えていこうとする取り組みのこと

人々の行動が制限されるなか、時間や空間の制約を排除した取り組みは欠かせません。Web会議システムの「Zoom」や、ビジネスチャットツールの「slack」などを活用すると、オフィスや顧客先に直接出向かなければならなかった業務も自宅で行えます。

オフィスのレイアウトの改善

すべての企業活動がオフィス以外でできるわけではありません。高い生産性や高品質の仕事を遂行するには、社員が安心して働けるオフィスづくりも必要です。

「従来一般的だった対面式のデスク配置を並列式に変更する」「ソーシャルディスタンス確保のため、島型レイアウトでは体格に席を配置する」など、身体的距離の確保が必要です。

事業継続計画の重要性を再認識する

「BCP(Business Continuity Plan)」、すなわち事業継続計画への意識も変化しています。BCPとは、企業が自然災害やテロなどの緊急事態に遭遇した場合、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、事業を継続するための方法を取り決めておく計画のこと。

東日本大震災以降、対策を進める企業は急激に上昇しました。ニューノーマルの到来によって「場所にとらわれない働き方」を強化すべきというBCP対策も進められています。

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6.ニューノーマル時代の働き方の主流「テレワーク」

テレワークとはどのような働き方を指すのでしょうか。メリットやデメリット、定着率などとともに見ていきます。

テレワークとは?

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のことで、「tele(離れた所)」と「work(働く)」をあわせた造語です。後述する在宅ワークやリモートワーク、モバイルワークなどもテレワークのひとつとなっています。

テレワークをする主なメリット

企業がテレワークを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょう。ここではテレワークのメリットを3つの視点から解説します。

  1. 生産性や効率性の向上
  2. 継続雇用の容易化
  3. 通勤によるストレスからの解放

①生産性や効率性の向上

従来までの社内業務であれば、予定外の打ち合わせや顧客の訪問などによって、自身の作業が想定外に中断される場合も度々ありました。

しかし端末と通信機器があれば会社でなくとも業務を進められます。結果、社員はより業務に集中でき、生産性や効率性の向上につながるのです。

②継続雇用の容易化

テレワークでは、インターネット環境さえあればそこが仕事場となるため時間や場所に縛られません。

テレワークによって、「夫の海外転勤についてきたが異国で働けない」「妊娠出産を機に育児を優先しながら働きたい」「家族の介護をしながら仕事を続けたい」といった希望を叶えられます。

企業としても既存社員の離職を防げるため、新規採用にかかるコストを削減できるのです。

③通勤によるストレスからの解放

NHK放送文化研究所が2015年に発表した調査によると、東京都心部に住む会社員の平均通勤時間は往復で1時間42分。多くの時間と体力を業務以外の通勤に費やしていると分かります。

「痛勤」「通勤地獄」とも呼ばれるとおり、通勤にかかるストレスは大きな割合を占めます。テレワークならオフィスに出勤する必要がないため、業務時間外の疲労を軽減し、本来の仕事に十分なエネルギーを注げるのです。

テレワークをする主なデメリット

さまざまなメリットを持つテレワークですが、いくつかのデメリットも存在します。ここではテレワーク導入に伴う主なデメリットを2つ紹介します。

  1. 情報漏えいのリスクが高まる
  2. 自己管理の難しさ

①情報漏えいのリスクが高まる

オフィス内のパソコンは基本的に社内ネットワークに接続しており、不正侵入防止システムにてしっかり保護されています。しかし個人の自宅や外出先のモバイル通信ではそれほどの保護が望めません。

サイバー攻撃や無線通信の傍受、持ち運びするノートパソコンやタブレットなどの紛失、盗難といったリスクが付きまといます。

②自己管理の難しさ

社員側から見たデメリットとして大きいのが、自己管理の難しさです。オフィスでの勤務と異なり、テレワークでは仕事の進め方は基本的に個人の裁量に任せられます。

社員に自己管理能力が備わっていない場合、生産性や効率が下がる可能性も十分考えられるのです。自己管理方法や社内コミュニケーションの不足にはそれぞれ工夫が必要でしょう。

テレワークの実施率はまだ低い

テレワーク実態調査によると、2020年11月時点での正社員テレワーク実施率は全国平均で24.7%。企業規模や雇用形態によっても差があると明らかになりました。我が国におけるテレワーク実施率はまだまだ低いといわざるを得ません。

これには、「テレワークにて行える業務ではない」「会社がテレワークに消極的で実施しにくい」「組織としてテレワーク推奨を継続するメッセージが明示されていない」「上司や同僚の出社による同調圧力」などがあると見られています。

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7.ニューノーマル時代に働く個人に求められる能力

日常生活や企業活動、さまざまな分野で新業態への変化が求められるニューノーマルで働く際、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。ここではニューノーマル時代に働く個人に求められる能力を、3つの角度から解説します。

  1. コミュニケーション能力
  2. セキュリティへの意識
  3. セルフマネジメント

①コミュニケーション能力

ニューノーマルでは、社内外を問わずオンラインでコミュニケーションを取る機会が大幅に増えます。これまで対人対面で伝わっていた身振りや手振り、場の空気感や相手の反応は、オンラインによって伝わりにくくなるため、新たなコミュニケーション能力を見つけなければなりません。

連絡や報告に会議や打ち合わせの場を設けず、メールやチャットを使うシーンも増えるでしょう。オンライン通話におけるコミュニケーション能力のほか、論理的で分かりやすい文章を書くスキルも必要になります。

②セキュリティへの意識

先に触れたとおり、セキュリティ面でのリスクはテレワークの大きなデメリットです。企業が環境を整えるのはもちろん、社員一人ひとりのセキュリティに対する意識向上も不可欠となります。

マネジメント層だけでなく社員それぞれが、研修やセミナーなどをとおしてセキュリティ対策のための知識やスキルをアップデートしておきましょう。

③セルフマネジメント

自身のコンディションを含めて仕事を管理し、効率よく進める手法を「セルフマネジメント」といいます。テレワークは個人の裁量による部分が非常に多いです。そのため自分自身で目標を設定したり、時間あたりの生産量を意識したりしなければなりません。

セルフマネジメントのコツは、目標の数値化と時間あたりの生産数を意識すること。数値にこだわり、目標を日々の行動レベルに落とし込んでみましょう。