問題と課題の違いとは?【わかりやすく解説】使い分け方

問題と課題が明らかにならなければ、適切なアクションは起こせません。
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「問題」とは、目標と現状とのギャップのこと。「課題」とは、ギャップを埋めるための取り組みのこと。ビジネスシーンにおいては、両者の違いを理解して使い分けることが大切です。

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1.問題と課題、対策の違いとは?

ビジネスにおける「問題」「課題」「対策」には、次の違いがあります。

  • 問題:実現したい目標と現状との間に生じている差異
  • 課題:差異を埋めるための取り組み
  • 対策:取り組みを実施するための具体的な方法

つまり「問題」を克服するために「課題」を明確にして、具体的な「対策」を練り、実行するのです。以下でそれぞれの意味を詳しく説明します。

問題の意味

問題とは、目標達成の障害になっている事柄や、理想の状態と現状との間に生じている差異のこと。一般的に問題という言葉には、以下のような意味があります。

  • 試験の問い
  • 解決すべきこと
  • 厄介な事象
  • 注目を集めていること

ビジネスにおいては、「解決すべきこと」の意味で使います。目標の達成や理想の状態を実現するために、克服しなければならないことや、解決するべきことを現すのです。

課題の意味

課題とは、問題を解決するために取り組むべきこと。一般的には「他人や自分自身によって与えられる題目や主題」を指します。しかし課題と問題は同じ意味で使われる場合も多いため、迷いやすいもの。もし迷ったら次のように区別するとわかりやすいでしょう。

  • 問題:解決すべき対象
  • 課題:解決するための取り組み

ひとつの問題から複数の課題が取り上げられる場合もあります。

対策の意味

対策は、課題を達成するための具体的なアクションを指し、「解決策」という言葉にも置き換えられます。
ビジネスシーンでは次のように使われます。

  • 対策を講じる:解決策を立案して実行する
  • 対策を立てる:解決策を立案する
  • 対策を打つ:解決策を実行する

それぞれニュアンスが異なるので注意しましょう。


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2.問題と課題の具体例

問題と課題は使いわけが曖昧になりやすい言葉です。しかし具体例を見ると理解しやすくなります。実際のビジネスシーンで起こりやすい3つのシチュエーションを例に、両者の違いを解説しましょう。

  1. システムの故障
  2. 業績の悪化
  3. 仕事の遅延

①システムの故障

「企業が利用しているシステムが故障した」というケースでは、次のような問題と課題が考えられます。

  • 問題:業務システムの故障
  • 課題:故障を防ぐための対策

システムが故障した原因や改善点を掘り下げ、具体的な対策を明確にする流れです。たとえば人為的なミスが原因なら、課題には「操作ミスの防止」が挙げられるでしょう。システムに問題がある場合、主な課題は「システムの再構築」です。

②業績の悪化

「企業の業績が悪化している」というケースでは、次のような問題と課題が考えられます。

  • 問題:売上の低下
  • 課題:売上を上げるための対策

売上が低迷している原因を究明して、改善対策を考案という流れです。たとえば商品の質低下が原因の場合、課題は「顧客が満足する商品の開発」が挙げられます。顧客へのアプローチ不足が原因ならば、「効果的なアプローチ方法の実践」が課題です。

③仕事の遅延

「社員の体調不良によって仕事が遅延している」というケースでは、次のような問題と課題が考えられます。

  • 問題:社員の体調不良による業務の遅れ
  • 課題:体調不良や業務遅延を防ぐための対策

この場合は、「健康診断やストレスチェックなどの実施」「遅れた業務のフォロー体制を構築」「業務計画の見直し」などが課題として挙げられるでしょう。

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3.問題と課題を使いわける重要性

ビジネスシーンでは、問題と課題を整理して、それぞれを的確に把握する必要があります。問題と課題を正しく使いわければ、最適な解決策を見いだせるからです。

課題の精度向上

問題を適切に分析すれば、精度の高い課題を導けます。上述したように、問題とは目標達成の障害となっている事柄のこと。

しかし問題だけを提示しても、どこから手をつければよいか定まりません。また問題を正しく把握していなければ、取り組みの方向性がずれていく恐れもあります。

できるだけ問題をチーム全体へ共有し、認識を統一させるとよいでしょう。全員が問題を正しく理解すれば、取り組むべき課題の切りわけが可能となるからです。課題が明確になれば、具体的かつ効果的な対策の考案と実施につながります。

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4.問題と課題が区別できないと起こる失敗

ビジネスシーンで問題と課題が曖昧になると、何に向かって何をすべきかが不明瞭になり、適切な解決策を導き出せなくなります。もしかしたら目標を達成できなくなるかもしれません。

ここでは、問題と課題をはっきり区別しないときに起こりえる失敗をふたつご紹介します。

  1. 誤った課題の設定
  2. 根本的問題の未解決

①誤った課題の設定

問題と課題の区別が曖昧になっていると、それぞれを正確にとらえらず、課題の設定に失敗しやすくなります。

問題をそのまま課題に設定した場合、取り組み範囲が広すぎて何から手をつけたらよいかわからなくなるでしょう。問題を精査せず曖昧な課題を設けた場合は、誤った対策を実施してしまう恐れもあります。

問題と課題を混同すると、目標達成のための戦略や解決策がずれていく可能性も高く、投入したリソースを無駄にしかねません。

②根本的問題の未解決

問題と課題の区別ができないとき、根本的な原因を見極められていない可能性があります。問題の精査が不十分だと原因をつかめず、その原因を解消するための課題を特定しにくくなるからです。

たとえば業務効率の低下という問題があった場合、やみくもに効率向上施策を取り入れるだけでは改善が期待できません。問題の原因が業務量の過多なら、なぜ業務が集中してしまうのかをまず調べ、発見された原因を解消するための課題を設定しましょう。

問題と課題を正しく区別し、具体的な対策を実施するためには、検討の材料をしっかりと揃えることが重要です。

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5.問題と課題のビジネスシーンにおける使いわけ方

  1. 問題:目標達成の妨げになる事象や、理想の状態と現状のギャップ
  2. 課題:問題を解決するための取り組み

この2点を理解していれば、問題と課題の使いわけは難しくありません。ビジネスでよく見る4つのシーンを問題と課題に分類してみましょう。

  1. 書類のミスが15件あった
  2. 社内に書類チェックシステムを構築する
  3. 昨年と比較して売り上げが10%減少した
  4. 新規顧客へのアポイント数を10%増やす

1と3は目標達成の妨げになる事象なので問題、2と4は問題を解決する取り組みなので課題です。

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6.ビジネスにおける問題や課題の洗い出し方

問題や課題を明確にしなければ、解決すべき事象の本質を把握できず、目標達成が困難になります。ここではビジネスの問題や課題を洗い出す方法をご紹介しましょう。

  1. アンケートによる調査
  2. 社内でのヒアリング
  3. ブレインストーミングの実施
  4. 競合他社の分析
  5. フレームワークの活用

①アンケートによる調査

自社の商品やサービスを利用している顧客にアンケートをとると、今まで気づかなかった問題や課題が顕在化しやすくなります。

商品やサービスを提供している側は、利用する側のニーズや悩み、困りごとなどに気付きにくいからです。顧客からの要望や不満などの意見で問題点が明らかになると、おのずと課題も定まっていきます。

②社内でのヒアリング

問題や課題を正確に把握するには、現場の意見を丁寧に集めるのも大切です。

現場でのヒアリングを怠って上層部だけで判断してしまうと、焦点のずれた問題や課題を設定してしまう恐れもあります。結局目標を達成できず、時間や費用が無駄になりかねません。

さまざまな立場の社員から話を聞いてリアルな現状を把握すれば、精度の高い問題や課題を設定できるでしょう。

③ブレインストーミングの実施

ブレインストーミングとは、複数人が自由に意見やアイディアを出し合う会議手法。それぞれの部署や個人が考える問題点を書き出し、集まった意見を分類して本質的な問題や課題をあぶり出していきます。

多くの人が意見を出し合うため思考の連鎖が起こりやすく、個人では考えつかない斬新なアイディアが創出されるかもしれません。

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④競合他社の分析

競合他社を分析して自社と比較すると、新たな問題点や課題を発見しやすくなります。たとえば実績をあげているライバル会社のホームページやクチコミをリサーチして、商品やサービスの特徴や長所、短所を分析し、自社との違いを洗い出して比較する方法です。

自社の問題や課題を浮き彫りにできるうえ、他社との差別化戦略を立てられます。

⑤フレームワークの活用

フレームワークとは、合理的に最適な答えを見出す思考の枠組みのこと。フレームワークに設定されている項目に沿って現状を論理的に分析していけるため、適切な問題や課題を切り出しやすくなるのです。

「顧客にアンケートを取る」「競合他社を分析する」などは、課題の洗い出しにて有用です。

しかし「どの業務をどのように改善するべきか」まで掘り下げるのは難しいでしょう。フレームワークを使うと短時間かつ的確に問題から課題を分類できます。フレームワークによっては、そのまま対策まで落とし込むのも可能です。

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7.問題や課題の解決に役立つフレームワーク

フレームワークは問題の発見や課題の切り出しにおいて、大いに役立ちます。ここでは代表的なフレームワークを4つご紹介しましょう。

  1. ロジックツリー
  2. ECRS(イクルス)
  3. SWOT分析
  4. PDCAサイクル

①ロジックツリー

事象を構成している要素をツリー状に書き出し、整理しながら解決策を見出していくフレームワーク。

根本的な問題を発見したいときは、ひとつの事象に「なぜ」を繰り返して原因を掘り下げていく「Whyツリー」が適しています。課題を設定したいときは、ひとつの事象に対して「どうしたらよいか」を問いかけていく「Howツリー」を使うとよいでしょう。

ロジックツリーを用いると思考の過程や経緯を可視化できるため、問題と課題をチーム全体へ共有しやすくなります。

②ECRS(イクルス)

4つの視点から業務効率化を考えるフレームワーク。フレームワーク名は、次の英単語から頭文字を組み合わせたものです。

  • Eliminate(排除):その業務を排除できないか
  • Combine(結合):業務をまとめられないか
  • Rearrange(交換・再配置):業務を入れ替えられないか
  • Simplify(簡素化):業務を簡略化できないか

「E(排除)→C(結合)→R(交換・再配置)→S(簡素化)」の順番で取り組むと、コストを削減しながら効率よく業務改善する方法を検討できます。

③SWOT分析

自社の現状を4つの要素で分析し、方向性や改善点を見つけ出すフレームワーク。フレームワーク名は、次の英単語から頭文字を組み合わせたものです。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

これらの4要素を客観的に分析すると、自社を取り巻く環境や現状が浮き彫りになり、適切な問題や課題を設定できます。また将来を見据えた戦略基盤を築きたいときにも、これらの分析が効果的です。

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④PDCAサイクル

4つのプロセスを繰り返して業務効率化をはかり、目的や目標を達成するためのフレームワーク。フレームワーク名は、次の英単語から頭文字を組み合わせています。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価・測定)
  • Action(改善・対策)

目標を設定し、達成に向けた立案した計画を実行、その結果を評価して検証するまでが一連の流れです。PDCAサイクルを徹底すれば、新たな問題や課題を発見し、改善し続けるという好循環を維持できます。

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問題は早期に特定してこそ、対処しやすいもの。解決・改善の難易度が高まる前に潜在的な問題を発見し、組織を良好な状態に保ちましょう

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