ミッションとは? ミッション・ビジョン・バリューの意味の違いや具体例、優れたミッションの3つの条件、ステートメントの作成方法について

ミッションは、組織が成長していく方向性を定めるために必要な指針となるもの。組織で働くメンバーが団結するだけでなく、外部の関係者や社会から信頼を得る役割も果たします。

パブリックなメッセージとしてミッションを発信すれば、企業がどのような存在意義を持っているかを内外に示せます。そんなミッションの事例やメリット、役割について見ていきましょう。

目次

1.ミッション(Mission)とは?

新しい事業を立ち上げる際などに「ミッション」という言葉がよく使われます。ミッションには「目的、使命、存在意義、役割」という意味がありますが経営ではその組織や個人が社会において果たすべき使命や任務のことをいいます。

「自分たちは社会でどのような存在であり、誰に価値を提供する役割を担うのか」といった視点に立つこともできるのです。

企業理念を掲げるためのポイントとして、3つの構成要素があります。

  1. ミッション
  2. ビジョン
  3. バリュー

そのうちミッションは、組織の方向性を定める意味もあり、とても重要です。

ミッションの意味や語源

ミッションはもともとラテン語で「送る」を意味するmittereからきています。この表現が「神の言葉を送り届けよ」と解釈されるようになり、「キリスト教の宣教」やそのために設けられた団体(使節団、伝道団など)のことを意味するようになりました。

軍事や宇宙開発の分野では「作戦の使命や任務など一連の行動」として、「ミッションを達成する」「ミッションを遂行する」といったように使われます。

また、工学ではトランスミッション(変速機)の略として使われることがあります。
有名な映画『Mission:Impossible』では、「不可能な任務」という意味でタイトルに使われています。

ミッションはもともと「送る」という意味があり、現在ではビジネスなどの世界で「使命」「任務」として使われます

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2.ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは?

組織を成長させる礎となるのが「経営理念」ですが、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」(3つを略して「MVV」と呼ぶことがあります)はそれを構成する3つの要素です。

  1. ミッション:「組織が果たすべき使命」「社会に対してどう貢献するか」
  2. ビジョン:「実現を目指す」「理想とする姿の追求」
  3. バリュー:「組織が共通して持つ価値観」

多くの企業では、MVVの中から1つ以上を明文化し「経営理念(または企業理念)」として掲げているのです。組織の方向性を表すもので、チームが空中分解しないようまとめるための役割も果たしているといえます。

ピーター・F・ドラッカー『Managing in the Next Society(邦題:ネクスト・ソサエティ)』

「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」の起点となったのはどこなのでしょうか。

オーストリアの経営学者であるピーター・F・ドラッカーは、著書『Managing in the Next Society(邦題はネクスト・ソサエティ。日本では2002年に発行)』の中で、組織が存在意義や社会的なポジションを示すための方法としてMVVを提唱しています。

経営理念(企業理念)とは?

経営理念は、その企業の基本となる「価値観」や「企業の存在意義」を表し、企業が理想とする方向性を示すものです。主に企業の創業者や経営者が示すものとして、多くの組織で掲げられています。

ただ、経営理念という呼び方は組織やチームにより異なります。

たとえば、

  • 企業理念
  • 経営方針
  • 社訓
  • 経営哲学
  • 社是
  • 経営思想
  • クレド
  • フィロソフィー

明文化された経営理念は、組織で活躍する従業員やステークホルダー(利害関係者)に共有され、チームとして活動する指針のベースとなるのです。

MVVにおけるミッションの役割

社会における役割や存在意義を表します。企業や組織により定義が異なる場合もありますが、基本的には、バリューやビジョンに比べて長期的な戦略のもと、組織が究極的に果たすべき大きな使命を明文化したものとなります。

経営理念は「ミッション・ビジョン・バリュー」の要素で構成されます。組織の方向性を言語化し、従業員やステークホルダーと共有します

3.ミッションとビジョンの違い、ミッションとバリューの違い

「ミッション・ビジョン・バリュー」は観念的で、それぞれの違いが分かりにくいかもしれません。3つの要素を「5W1H」に例えたらそれぞれどうなるでしょう。

  • ミッション→Why
  • ビジョン→What
  • バリュー→How

という関係に当たるといえます。

このほかにも、ある場所へ行くと仮定した場合には、

  • ビジョン:目的地
  • バリュー:ルートと交通手段
  • ミッション:なぜその目的地へ向かうのか

に当たると考えられます。

このように、ビジョンとバリューが組織や企業そのものに対する共通認識であるのに対し、ミッションは社会における存在や社会に対する約束、という意味になるのです。

童話「桃太郎」におけるミッションの例

ミッション、ビジョン、バリューを分かりやすく説明する例として、童話『桃太郎』を取り上げましょう。桃太郎のお話は皆さんご存じだと思いますが、桃太郎の立場からミッション、ビジョン、バリューの3つを選ぶとこのようになります。

  • ミッション:安全と平和のために村を守る
  • ビジョン:鬼を退治する
  • バリュー:仲間を大事にする、チームプレーを大切にする

ほかの物語で当てはめる練習をすると、具体的に連想しやすくなるでしょう。

ミッション、ビジョン、バリューを5W1Hや童話など知っているものにたとえると、理解しやすくなります

4.優れたミッションの3つの条件

「ミッション・ビジョン・バリュー」を提唱したドラッカーは、いくつかの自著でミッションの3つの条件について述べています。

  1. 社会的にミッションが受け入れられる機会(ニーズ)がある
  2. 組織が持つ強みや特性に合ったミッションである
  3. 組織の従業員らがミッションを遂行する価値を心の底から信じている

①社会的にミッションが受け入れられる機会(ニーズ)がある

ミッションは、社会の役に立てるような機会がなければ成り立ちません。困っている人や悩んでいる人を見つけ、ニーズが何であるかを知ることが大切です。

困ったり悩んだりしている人がいないところで、どれだけ美辞麗句を並べたミッションを掲げても、「独善的だ」と厳しい評価を下されるでしょう。

社会の中で存在意義を確立できるミッションを設定するためには、広い視野で世の中を見つめ、人々のニーズがどのようなところに潜在しているのか考えることが必要です。

②組織が持つ強みや特性に合ったミッションである

社会の中で困っていたり悩んでいたりする人を見つけたとしても、それだけではミッションを成り立たせることはできません。困っている人のニーズに応えられる十分な能力を持っていなければならないのです。

世の中のニーズに対して、組織の持つ特性や能力で良い結果を約束できるかを考えていきます。これは、自分たちの強みや特性をしっかり理解し、それを社会の中でどのように活かせるかと同じことです。

③組織の従業員らがミッションを遂行する価値を心の底から信じている

ミッションは究極的な使命であるため、短期的に実現するのは簡単ではありません。むしろ思い通りにいかないことがほとんどでしょう。だからこそ、社会的な使命を含めた揺るぎない想いを持っていなければなりません。

「ミッションは本当に価値があるのか」の検証は、組織が団結して動くためにも重要です。ミッションがもたらす価値の大きさを、組織全体が心の底から信じていなければなりません。

優れたミッションを設定するためには、3つの条件を検討する必要があります。自分たちの強みや特性を理解し、ニーズに応えられるのか考えていきましょう

5.ミッションステートメントとは?

ミッションステートメントとは企業の従業員が共有している価値観や社会的な使命であるミッションを、行動指針として具現化し明文化したもの

ステートメントには「意見、声明」という意味があり、「使命」「存在意義」を意味するミッションと合わせると、「組織や個人の使命を声明にして発信する」というような意味になるのです。

ミッションステートメントは組織内で共有するほか、顧客を含めた世の中全般へ発信するツールとしても応用されています。

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ミッションを具体的な行動指針として簡潔な文章にしたものを「ミッションステートメント」といいます。従業員だけでなく、世の中に向けて発信するツールとしても使われます

6.企業がミッションステートメントを定めるメリット

ミッションステートメントを定めるメリットは、下記の通りです。

  1. 社会的なPRになる
  2. 戦略的な事業展開を後押しする
  3. 組織内の権限委譲が進み、当事者意識が強まる
  4. 組織の結束が固くなる

①社会的なPRになる

事業内容だけでなく、その企業の信念や想い、どのような経済活動や社会貢献をしているのかを世間に知ってもらえます。それをミッションステートメントで明確にすると、社会における存在意義を示すことができるでしょう。

②戦略的な事業展開を後押しする

経済活動は正解が1つとは限らないため、ときに判断が分かれることもあるでしょう。このとき、メンバーが共通の価値を認識していなければ、選択に一貫性がなくなり、指針がブレてしまいます。

重要な意思決定を選択する場面でミッションステートメントに立ち返ると、メンバーから同意を得ながら一貫した方向へ進行できます。

究極の目的や組織の存在意義に合致しているかどうかを常にチェックしていけば、安定性を保ちながらも戦略的な事業展開へつなげられるでしょう。

反対に、ミッションステートメントに沿っていない事業は、企業の存在意義そのものの否定と捉えられることも忘れてはなりません。

③組織内の権限委譲が進み、当事者意識が強まる

意思決定の権限を経営陣だけが握っている状態が続くと、メンバーは事業に参加しているという主体的な意識を持てないため、モチベーションの低下へとつながります。

重要な意思決定を組織の経営陣からほかのメンバーに委譲したいときにも、ミッションステートメントが重要な役割を担います。「ミッションステートメントに沿っているか」を判断材料とすることで、メンバーが組織の意向に沿った戦略を選択できるのです。

決裁の権利を与えることは、その人に責任ある仕事を任せることでもあります。メンバーの当事者意識を高めて、組織の活動を活発にしていきましょう。

④組織の結束が固くなる

企業で働くメンバーは、それぞれ異なる考えやバックボーンを持ちます。同じ会社やグループで働いているとはいえ、全員が同じ目標に向かっているとは限りません。組織で働く意味を見出せなくなれば、退職者も増加するでしょう。

ミッションステートメントは、メンバー全員が共通の目的意識を共有するための重要なツールになるのです。

さらに、今所属しているメンバーの結束力が高まるだけでなく、ミッションステートメントに共感する人材の入社も期待できるようになります。メンバーのモチベーションを高めるためにも、魅力的なミッションステートメントの作成は重要です。

ミッションステートメントの制定は、組織内部の運用を円滑にするだけでなく、外部に社会的な存在意義をアピールする意味でもメリットがあります

7.【企業事例】ミッションステートメントの具体例

誰もが知る有名企業は、どのようなミッションステートメントを定めているのでしょうか。

Google

世界でトップレベルの規模を誇るテクノロジー企業「Google」は、

  • Organize the world’s information and make it universally accessible and useful. (世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする)

をミッションステートメントに掲げています。シンプルなデザインや高精度の検索機能などは、このミッションステートメントの実践例といえるでしょう。

良品計画

良品計画は、「無印良品」などの専門店事業を展開する企業で、「無印良品の理想」と題して、ミッションステートメントを次のように明文化しています。

  • 美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、モノの本質を探究していく。そして「わけ」を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく

商品開発やものづくりの理念を「無印良品が何のために存在しているのか」という問いにまで掘り下げることで、無印良品ならではの簡素さをブランディングすることに成功しています。

LINE

スマートフォン向けの無料通話・メールアプリを展開する「LINE」は、

  • 私たちのミッションは、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることです。

といったミッションステートメントを定めています。現在はさまざまなサービスを展開しているLINEですが、こうした戦略もミッションステートメントに由来しているといえるでしょう。

社会的な地位を確立している企業は、魅力あるミッションステートメントを定めているのです。事業との関連性に注目すると、より企業理念への理解が深まります

8.ミッションステートメントの作り方と作成手順

いきなりメッセージを作るのではなく、まずは反映すべき要素について理解しましょう。

ミッションステートメント作成チームを編成する

ミッションステートメントは経営陣だけでなく、組織に関わるすべての人が理解・共有できるものでなくてはなりません。一人が考えて作ったミッションステートメントでは、どれだけ美しい言葉を並べたとしても組織のメンバーに響くものになるとは限りません。

ミッションステートメントの作成をひとつのプロジェクトと捉え、チームで協議しながら進めましょう。チームメンバーは組織で動く人だけでなく、あらゆるステークホルダーに参加してもらうとよいでしょう。

さまざまな立場の人の意見を取り入れることで、ステークホルダーが納得できるミッションステートメントを定められるようになります。

ミッションステートメントの「9つの要素」を明確にする

ミッションステートメントの作成に決まったルールはありません。しかし下記のような9つの要素を含むことで、メッセージ性が際立つと考えられます。

  • 環境に関連する要素:顧客、市場、技術
  • 自分の組織に関連する要素:製品(サービス)、経営理念、競争優位性、組織の成長性、財務の健全性、社会的責任、自然環境への配慮、社員に対する姿勢

ミッションステートメントのプロジェクトメンバーは、こうした要素について自分の部署や関係者らから意見を収集します。そして集まった情報を協議しながらまとめ上げ、ステークホルダーの共通認識を整合していくのです。

顧客

自分の組織がどういった顧客を抱えているのか、明確に定義することです。また、今後どの範囲まで顧客を広げて、どのように価値をもたらすのかを考えます。顧客の対象範囲は、認識のズレが生まれやすいポイントでもあるので注意が必要です。

製品(サービス)

自分の組織が出している製品やサービスの明文化は、意外と難しいものです。性質や外形だけでなく、顧客にもたらしたい付加価値がどのようなものかまで理解する必要があります。

市場

自社の事業がどの市場で展開されているのか理解するのはもちろん、今後目指すべき市場についても明確にします。海外も含む場合は、地域や国といったレベルまで整理できるとよいでしょう。

技術

今後の事業展開に向けてどのような技術やテクノロジーを利用するべきか理解します。今持っている技術だけでなく、先端テクノロジーなども視野に入れながら事業拡大の在り方を描きます。

経営理念

組織が最も重視する価値観や信念を明文化したものです。ミッションステートメントも従業員らと共通の価値を共有するものなので、経営理念とずれがないようにすり合わせましょう。

競争優位性

競争優位性は「企業の強み」とも言い換えられます。組織を拡大していく上で、どのような強みを土台としていくかを考えます。ミッションステートメントが実現する可能性に大きく関わる要素です。

組織の成長性、財務の健全性

ミッションステートメントが崇高なものになったとして、それを実現できる成長性がなければ絵に描いた餅になってしまいます。自社の成長力を裏付ける財務の健全性を把握しましょう。

社会的責任、自然環境への配慮

企業の社会的責任や環境への配慮は、いわば社会的なパブリックイメージといえます。企業や従業員も社会の一員であり、地域やコミュニティへの貢献も重視すべき評価軸です。社会での役割や責務がどのようなもので、どう行動するべきか定めましょう。

社員に対する姿勢

企業で働く従業員らに向けたメッセージです。キャリア形成や待遇への考え方だけでなく、チームとしてどのような社会的使命を持って事業に取り組みたいか、明確に発信することが期待されます。

「9つの要素」を踏まえて文章化する

意見収集によって得られた9つの要素を整理してつなぎ合わせ、ブラッシュアップしながら文章化していきます。文章を書く上で気を付けたいのは、多くの人から共感を得られるような文言を選ぶこと。

社会的に広く公開される文章であり、公の立場で発信するという視点に立つことで、整合性の取れたメッセージが徐々に形成されていきます。

9つの要素を検討することで、ミッションステートメントが形成されていきます。社会に向けたメッセージであることを忘れずにブラッシュアップしましょう

9.ミッションステートメントの活用方法

ミッションステートメントは、

  • どのような人間になりたいのか
  • 社会にどう貢献したいのか

といったように、組織だけでなく個人の理念にも応用できます。価値観や存在意義の明文化といった土台を変えることなく、自身の人生哲学にも役立てられます。

個人のミッションステートメントとは?

アメリカの経営学者であるスティーブン・R・コヴィーが書いた『7つの習慣 人格主義の回復』で提唱されている考え方です。この著書は全世界で3,000万部を売り上げるなど、人生哲学の名著として高く評価されています。

コヴィーは著書の中で「果たすべき原則をもとに自らの信条や価値観を明確にすることで、時代の変化に対応しながら生活できる」としました。

これが、個人のミッションステートメントです。激動の時代だからこそ、原理原則を軸にすることが人々に求められている、としています。

スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣 人格主義の回復』

『7つの習慣 成功には原則があった!』は、原著が1989年、日本では1996年に初めて発行されました。

著者のコヴィーは2012年に亡くなりましたが、没後1年を期に「人格主義」に基づく形で原著に忠実に訳し直されたのです。それが『7つの習慣 人格主義の回復』。500ページを超える大著ですが、より理解しやすい完訳として広く親しまれています。

個人のミッションステートメントが重要な理由

転職や結婚など、人生は選択の連続です。もちろん、日常にも選択を迫られる場面が幾度となく登場します。

たとえば、以下のどちらかを優先しなければならないシーンに出くわしたとします。

  • 家族と一緒に過ごす時間
  • 残業して手当をもらう

個人のミッションステートメントは、このような物事の優先順位を決めるときの基準となります。あなたのミッションステートメントが、事前に家族からも共感され認められているものであれば、難しい選択でも迷わず決めることができるでしょう。

組織のミッションステートメントと同様に、自身の原則に基づきながら理念や信条を明らかにします。激動の現代だからこそ、変わらない軸が必要とされているのです

10.ミッションリーダーシップ(ML)におけるミッションとは?

1999年、元イギリス海兵隊特殊部隊のダミアン・マッキニーが提唱した概念です。

死と隣合わせの軍隊では「コマンド&コントロール」という中央集権型のマネジメントが主流でした。そこから発展したものが権限委譲型の「ミッションコマンド」と呼ばれるものです。

テロリストなどを仮想敵としたとき、前線の指揮官が迅速に判断・行動をする必要があるために生まれました。マッキニーは、この「ミッションコマンド」をビジネス界に応用したのです。

MLにおけるミッションの意味

まず、シンプルだけれど夢のあるビジョンを設定します。「顧客が満足できる低価格の実現」のような簡潔な一文でよいでしょう。

このビジョンに対して、「What(何をするか)」「Why(何のためにするか)」を示し、これがミッションになっていきます。この「What」や「Why」を明示することで、組織のメンバーが自律的に行動できるようになるのです。

また、ミッションはビジョンと同様にシンプルかつ明快なものでなければなりません。あまりに多くの要素を1つのミッションに盛り込むと、優先順位を付けられなくなり、混乱を招きます。

優先度が不明確なまま放置すると、現場ではやりやすいことばかり進めてしまい方向性が定まらなくなるでしょう。そうした指針のぶれを防ぐために、ミッションを明確にする必要があるのです。

ミッションリーダーシップは、軍隊のマネジメントを参考に構築されました。権限を現場に委譲するためにも、ミッションは簡潔でなければなりません