ミッションクリティカルとは? システム、使い方、クラウド

ミッションクリティカルとは、機関業務に不可欠な情報システムのことです。ここではミッションクリティカルについて解説します。

1.ミッションクリティカルとは?

ミッションクリティカルとは、基幹業務に必要不可欠な情報システムのこと。ミッションクリティカルシステムがダウンすると、企業は取引停止といった大きな損失を被ってしまうのです。

そのためミッションクリティカルには、非常に高度なレベルでの信頼性や耐障害性、連続稼働率が求められます。ミッションクリティカルの例は、下記のとおりです。

  • 企業の勘定システム
  • 電子商取引に関するオンラインシステム
  • 銀行など金融機関の情報システム

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2.ミッションクリティカルという言葉の意味と類似する言葉

ミッションクリティカルという言葉は、どのような意味を持つのでしょう。ミッションクリティカルに類似する言葉とともに解説します。

ミッションクリティカルという言葉の持つ意味

ミッションクリティカルという言葉の持つ意味は、広義・狭義で異なります。

広義は、「欠損が生じると致命的な損害を与えうる要素」です。たとえばひとつの企業の内部で非常に重要な要素と考えられるものがそれにあたります。

一方、狭義は、社会インフラにかかわるシステムといった「それが停止すれば社会的混乱や損失が生じるシステム」です。

ミッションクリティカルの深刻度をさらに上回るのが、セーフティクリティカルやライフクリティカルです。原子力の制御システムや警察の緊急通報システムが該当します。

ミッションの意味

ミッションの意味は使命や使節、キリスト教の伝導です。ミッションは依頼や義務、目標や目標を達成する手段といった要素から成り立っています。

ビジネスシーンでは、組織が果たさなければならない任務や企業が社会のために担うべき使命といった使い方をします。

ミッションでは、「誰からどのようなものを求められているか」「何を目指すのか」「どのような方法で達成するのか」を考える必要があるのです。

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クリティカルの意味

クリティカルの意味は2つあります。

  1. 危機的な、重大な、致命的な
  2. 批判的な、検討して評価する、欠点を判定する

クリティカルの語源は英語の「critical」で、ここには、「命の危機がある」「物事の重大な」「物事を批判する」「物事を評価する」といった意味が含まれます。ビジネスシーンでクリティカルは、「危機的」「批判的」「重要な」といった意味で用いられるのです。

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ミッションクリティカルに類似する言葉

ミッションクリティカルに類似する言葉があります。それぞれについて解説しましょう。

  1. ミッションクリティカルシステム
  2. ビジネスクリティカル
  3. ノンミッションクリティカル

①ミッションクリティカルシステム

基幹系業務システムのこと。官公庁や企業などが使用している情報システムのうち、「中核に位置している」「組織全体で使用する」といった組織の基盤を担う非常に重要なシステムを差します。

たとえば下記に使用されるシステムです。ミッションクリティカルシステムに不具合が生じると、多大な損害が発生すると予想されます。

  • 受発注管理
  • 在庫管理
  • 生産管理
  • 人事労務管理
  • 給与計算
  • 金銭管理

②ビジネスクリティカル

組織にて円滑なビジネスの継続を目的として使用しているシステムのこと。たとえばネットワークシステムやクラウドシステム、バンキングシステムなどです。ミッションクリティカルシステムである場合、その企業のビジネスクリティカルだと考えられます。

ビジネスクリティカルに不具合が生じると、生産性・顧客満足度などの低下が予想されてしまうのです。

③ノンミッションクリティカル

ミッションクリティカル業務を除くすべてを網羅する言葉で、分析用語のひとつ。ミッションクリティカルと異なり、不具合が生じても深刻なダメージをもたらさず、低リスクです。

企業の存続に大きな影響を与えない要素すべてを、ノンミッションクリティカルと呼びます。

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3.ミッションクリティカルの使用例

ミッションクリティカルという言葉、そしてミッションクリティカルシステムの使用例について、解説します。

ミッションクリティカルの言葉の使用例

ミッションクリティカルの使用例は以下のとおりです。

  • 地震といった大規模災害が起きても公共サービスの提供が止まらぬよう、官公庁や社会インフラに関するミッションクリティカルについて早急に検討する必要がある
  • 従来、メインフレームを活用していた金融機関の勘定系システムが、ミッションクリティカルな局面でもオープンシステムを用いるようになってきた
  • 企業活動ではミッションクリティカルを想定した技術や製品の開発が不可欠であり、達成できれば企業としての信頼性を高められる
  • ネット取り引きが活発化する今、ミッションクリティカルの重要性が高まっている

ミッションクリティカルシステムとしての使用例

ミッションクリティカルシステムとしての使用例とは何でしょうか。下記2つから見ていきます。

  1. 金融機関の基幹業務システム
  2. 公共機関

①金融機関の基幹業務システム

金融機関の基幹業務システムは、24時間365日止まることが許されないミッションクリティカルシステムです。もしシステムになんらかの不具合が生じれば、ユーザーである企業に大きな損失を与えてしまいます。

大規模な災害が発生してアクセスが集中するような場合でも、「ATMが使えない」「振込ができない」「給与の支払いが滞る」などの障害が発生しないよう、システムを構築する際にはバックアップ体制も含めて綿密な設計が求められるのです。

②公共機関

公共機関には救急救命や警察、消防といった社会の安心安全につながる業務が多くあります。大地震といった災害時でも、これら通信システムに不具合が生じてはならないと考えられているのです。

有事の際でも、活動を止めず即時行動するためには、ミッションクリティカルシステムのシームレスな接続の実現が不可欠。公共機関には、このような社会の安心安全を守る取り組みがつねに求められています。

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4.ミッションクリティカルIoT

インテリジェントネットワークを解説する場合の用語です。電気やガス、水道といった社会インフラネットワークに関するリアルタイムの通信実現に用いられます。

社会インフラに障害が発生すれば、大きな経済的損失が生じるでしょう。これを避けるためには、完全なるミッションクリティカルIoTの実現が不可欠です。

IoT

「Internet of Things」の頭文字をとった略語です。今までインターネットにアクセスできなかったものがIoTネットワークの構築によって、多様なサービスへ接続できるようになります。

IoTを導入すればサーバー上で分析や変換、処理ができるため、従来にない付加価値の高いサービスを生み出せるでしょう。IoTの導入をバックアップするための機材やインフラも高性能化も進んでいます。

ミッションクリティカルIoTに求められるもの

基幹ITから収集したデータのシステム間共有やAIを用いたビッグデータの解析、制御システムへのリアルタイムのフィードバックです。

これらを実現するには、サイバーセキュリティ対策や処理経路の確保、AIモデルの実効性の担保などが必要です。それらをともに実現できれば、高性能のミッションクリティカルIoTが機能するようになります。

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5.ミッションクリティカルのクラウド化

不具合が生じれば組織の死活問題にもなりかねない基幹システムを、クラウド化(インターネット上のサーバーにデータを保存・運用すること)すること。

ミッションクリティカルのクラウド化により、システム運用費といったコストの削減や環境変化への迅速かつ柔軟な対応、セキュリティ対策が実現します。

ミッションクリティカルシステムのクラウド化への投資意向

ミッションクリティカルシステムのクラウド化への投資意向に関する調査によると、「オンプレミスかクラウドサービスか」「オープンシステムか、プロプライエタリーシステムか」といった選択肢について、以下のような数字が結果として出ています。

  • 現在オンプレミスで運用しているが83.5%、クラウドサービスは15.6%であるが、次期更新時にはオンプレミスが55.0%、クラウドサービスが43.8%とする
  • オンプレミスのサーバーとしてオープンシステムが44.2%、プロプライエタリーシステムが39.3%であるが、次期更新時にはオープンシステム30.4%がオープンシステム、プロプライエタリーシステムが24.6%とする

ミッションクリティカルがクラウド化される理由

ミッションクリティカルがクラウド化されるのは、万が一トラブルが発生しても復旧がスムーズで、オンプレミスとクラウドを融合させて高性能な運用ができるからです。

クラウドではトラブル発生時の対応も迅速なうえ、トラブルを前提にしたトラブルを未然に防ぐための仕組み作りを行えます。クラウドが持つ柔軟性と高機能を背景に、金融機関や航空会社などでもミッションクリティカルのクラウド化が進んでいるのです。

ミッションクリティカルをクラウド化するときの注意点

ミッションクリティカルをクラウド化するとき、何に注意すればよいのでしょう。それは万が一の場合を想定しておくこと。サーバー上にあるシステム本体や電源装置をはじめとするネットワークに使用している機材類が、トラブルを発生させる可能性もあります。

そのため想定外を可能な限り排除し、起こりうる可能性のあるトラブルすべてを想定して、対処する仕組みを構築しておくのです。これは、クラウドでもオンプレミスでも同じとなります。

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6.ミッションクリティカルの関連書籍

ミッションクリティカルの関連書籍があります。ここでは、『ミッション・クリティカルERPからエンタープライズ・システムへ』をご紹介します。

ミッション・クリティカルERPからエンタープライズ・システムへ

アクセンチュアのトマス・H.ダヴェンポートが著した書籍です。下記について詳しく解説しています。

  • エンタープライズシステムとは何か
  • エンタープライズシステムを導入すべきか
  • エンタープライズシステムと戦略
  • エンタープライズシステム導入段階で達成すべきバリュー

止まることが許されないミッションクリティカルの構築が、企業の最重要任務だとわかります。