マイルストーンとは?【ビジネスでの意味・使い方を簡単に】

マイルストーンとは、歴史や人生の節目のことです。ビジネスシーンでの意味や言葉の使い方、書き方、設定のポイントなど詳しく解説します。

1.マイルストーンとは?

マイルストーン(Milestone)とは、歴史や人生における節目です。その語源は道路や線路に1マイルごとに置かれた標石にあります。このことから、物事の途中に起こる重要な出来事をマイルストーンと呼ぶようになりました。

ビジネスにおける意味

ビジネスにおけるマイルストーンとは業務の進捗状況を管理するために設けた、中間地点や節目、通過点となる主要ポイントのこと。たとえばプロジェクトの企画や設計、実施や評価といった節目をマイルストーンとして設定します。

日本語に言い換えると?

マイルストーンは日本語で、里程標や距離標などという意味です。里程標や距離標は、道路や線路のわきなどに立てられた標識で、起点からの距離を記しています。ビジネスシーンの場合は中間目標、各工程の区切りなどに言い換えられるでしょう。

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2.マイルストーンとスケジュールの違い

マイルストーンとは、節目のこと。一方スケジュールとは、業務の工程や予定を大枠で示した表で、業務をスムーズに遂行させるために不可欠なツールです。チームで行う業務は特に、規模が大きくなるほど長期的で、工程数も多く複雑になります。

業務にかかわるメンバー全員がスケジュールを把握することは、業務をスムーズに進行させるために重要なのです。

マイルストーンとの相違点

マスタースケジュールとは全体の予定のことで、マイルストーンは節目の設定です。スケジュールは業務日程や予定を日付を入れて表記します。一方、マイルストーンはそのスケジュールに企画立案、商品設計、試作などとチーム全体の目標を書き込むのです。

使いわけ方

作業(1)と作業(2)のふたつの工程があるプロジェクトを例に見てみましょう。仮にプロジェクト完了日は1月31日に設定したとします。そうなると作業(1)は1月1日〜15日、作業(2)は1月16日〜30日と計画されるでしょう。

作業(2)に取りかかるため「作業(1)を1月15日までに完了させる」と工程の区切りとして設定されるのがマイルストーンです。そしてこの全体の計画表がマスタースケジュールになります。

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3.マイルストーンとロードマップの違い

プロジェクトに使用されるロードマップとは、ゴールまでの道筋を大まかにまとめた計画書のことで、図表を用いて時系列で作成します。

ロードマップを作成する意図は、プロジェクトに関わるメンバー全員が目標や目的、達成期限などを認識し共有するため。企画書やプレゼン資料としてクライアントなどの外部に開示する場合もあります。

マイルストーンとの相違点

ロードマップはプロジェクトの目標設定や全体の工程を表す計画書です。一方のマイルストーンは、このロードマップ内の中間目標を示しています。プロジェクトの進捗をチェックするためのもので、業務に遅れがないかなどを定期的に確認します。

使いわけ方

たとえば30階建てビルの建設の場合、ロードマップは1〜10階、11〜20階、21〜30階と日程を組みます。そしてある工程や目標をクリアするごとに、1回目のマイルストーン、2回目のマイルストーン、3回目のマイルストーンを設定するのです。

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4.マイルストーンを使うメリット

マイルストーンの設定は必須ではないものの、さまざまなメリットがあります。よって中長期的なプロジェクトには活用したほうがよいでしょう。

  1. スケジュール管理の効率化
  2. モチベーション維持
  3. 品質の担保と向上
  4. プロジェクトの軌道修正が容易
  5. タスクの明確化

①スケジュール管理の効率化

マイルストーンは中間目標となるため、スケジュール管理がしやすくなります。

長期的なプロジェクトでマイルストーンを設定すると、スケジュールの全体像や現在位置、進捗などが把握しやすくなります。

納期が決まっている作業や、プロジェクトを期日までに完了させる必要がある場合、マイルストーンの設定により、トラブルなく進行できるでしょう。

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②モチベーション維持

小さなゴールを設定すると区切りごとに達成感が得られるため、メンバーのモチベーションを維持しやすくなります。

中長期プロジェクトはゴールまでの道のりが長く、メンバーのモチベーションを維持するのが困難です。中間地点でいくつかの目標を設定し、それをひとつずつクリアしていくことでチーム全体のモチベーションも向上するでしょう。

③品質の担保と向上

中間目標となるマイルストーンごとに、基準を満たしているかチェックするため、品質管理の維持向上につながります。マイルストーンは節目を区切るだけでなく、それぞれの区切りで検収を行うことを目的として設置する場合も多々あるのです。

品質水準をクリアして次へ進行していくことで品質を高められます。

④プロジェクトの軌道修正が容易

「いつまでに誰が何を行う」といった具体的な中間目標を設定するため、プロジェクト全体の方向性を保てます。

また中長期的なプロジェクトの場合、作業や工程などにずれが生じるときもあるでしょう。その際もマイルストーンごとに正しい方向へすぐに修正できます。最終目標を正確に達成させるために役立つのです。

⑤タスクの明確化

マイルストーンを設定すると、プロジェクトの区切りとなるタスクが明確になります。タスク管理は、作業の遅れや抜けなどを防げるので、プロジェクトをスムーズに進行できるのです。

またプロジェクトメンバー全員でマイルストーンごとにタスクの棚卸を行うと、各区切りの作業ミスの防止にもなり業務の効率化につながります。

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5.マイルストーンの書き方

マイルストーンの書き方に決まった形式はありません。多くは「プロジェクトのスケジュールから逆算してマイルストーンを置く」「タスクを洗い出して、検収としてマイルストーンを置く」といった方法になっているのです。

ここでは、スケジュールから逆算する下記の方法を紹介します。

  1. 中間地点の設定
  2. タスク設定
  3. 担当者の設定
  4. ガントチャートの作成

①中間目標の設定

まず、プロジェクトの終了日を設定します。納品日や出荷日などではなくプロジェクト全行程が完了となる最終日です。注意したいのは、トラブルが発生する可能性もふまえて、2〜3日余裕をもって設定すること。

次に、完了までの中間地点となるマイルストーンを設定します。長期プロジェクトの場合、2〜4週間単位で設定するのがいいでしょう。

②タスクの設定

マイルストーンごとに、目標をクリアするために必要なタスクを洗い出します。煩雑化を防ぐためにもタスクを大・中・小項目に分類し、それぞれ日程を設定しましょう。

細分化されたタスクごとに作業の開始や完了を設定すると、進捗管理しやすくなり、その後のスケジュールも立てやすくなります。タスクのチェックもこまめに実施しましょう。

③担当者の設定

各タスクに作業の実施と進捗管理を任せる担当者を設定しましょう。担当者はタスクが計画どおりに行われているか、チェックします。担当者を設置すると、タスクに遅れが生じても、早期にタスクの建て直しが可能です。

④ガントチャートの作成

各マイルストーンで設定したタスク・日程・担当者をまとめたガントチャートを作成します。ガントチャートとは、プロジェクトの作業工程や進捗状況を管理するための図表です。

一般的なガントチャートは「縦軸に担当者や開始日・完了日」「横軸に進捗率や日時」を表示します。マイルストーンの目印をつける行を追加しておくと見やすくなるので覚えておきましょう。

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6.マイルストーン設定のポイント

マイルストーンを設定する際、注意すべきポイントがあります。以下で詳しく解説しましょう。

  1. タスクと日程の洗い出しを徹底
  2. 実現可能なスケジューリング
  3. マイルストーンの必要性を判断

①タスクと日程の洗い出しを徹底

プロジェクト全体でやるべきタスクを見落としていないか、確認します。ガントチャート作成時にタスクの洗い出しを行うものの、タスクが漏れているとプロジェクトがスケジュールどおりに進行できません。

マスタースケジュールとともにWBSを作成しておくと、タスクの抜け漏れを防げます。WBSとはプロジェクトの作業を段階的に細かく分解して、各工程の計画を立て実績を管理する構成図で、やるべき作業が明確になるのです。

②実現可能なスケジューリング

実現可能な期間、タスク配分になっているか注意しましょう。実際にプロジェクトが始動すれば、タスク増につながるような思わぬトラブルも生じます。

そうした際に柔軟に対応できる、無理のないスケジュールでマイルストーンを設定しましょう。また特定の担当者へタスクを偏らせてしまうと、プロジェクトの進行に遅れが生じやすくなるので確認しておきます。

③マイルストーンの必要性を判断

プロジェクトによって、マイルストーンが不要な場合もあります。マイルストーンは、長期的なプロジェクトや多くの人が関わるような複雑なプロジェクトを進行するうえで、現在地を把握するために設置するもの。

よって「短期間で完了する」「作業が単純」「構造が単純でスケジュール管理が不要」といったプロジェクトに、マイルストーンは必要ないでしょう。

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7.マイルストーンの無料テンプレート【ExcelやWord等】

マイルストーンを設定できるExcel、Word、Googleツールの無料テンプレートを紹介しましょう。

【Word】プロジェクト計画のタイムライン

カレンダー形式で予定管理ができるWordの無料テンプレートです。カレンダー内のメモ欄に、その日やるべきタスクを記載します。確認漏れの発生を防ぐためにも2週間おきに効果を確認するといった定期的な業務を追加するとよいでしょう。

【Excel】マイルストーンつきタイムライン

マイルストーンつきタイムラインのExcel無料テンプレートです。シート左下の表プロジェクトの詳細へマイルストーンの日付や名称を入力すると、シート上部のタイムラインへマイルストーンが自動表示されます。

表の行を増やせばタイムライン自体が延長されるのです。

【Excel】マイルストーン グラフ ロードマップ

全体のロードマップと、短期・中期・長期でのマイルストーンを管理できる無料テンプレートです。データ用シートへタイムラインの名称と順番を入力すると、ロードマップ図表に反映されます。アクセシビリティ対応です。

Googleツールを使う場合

Googleスプレッドシートにあらかじめ用意されたガントチャートのテンプレートに自分でマイルストーンを追加します。またはGoogleカレンダーでマイルストーンのカレンダーを作ってチームで共有するといった方法もあります。