マイクロラーニングとは、1回5分程度の短時間で完結する学習手法のことです。スマートフォンやタブレットを活用し、動画・クイズなどのコンテンツを隙間時間に繰り返し学ぶことで、知識の定着率を高められます。従来のeラーニングに比べ、コンテンツの作成・更新も容易な点が特徴です。本記事では、マイクロラーニングの効果やメリット・デメリット、コンテンツの作り方、プラットフォーム選びのポイントを解説します。
目次
1.マイクロラーニングとは?
マイクロラーニングとは、1回あたり5分程度の短い学習コンテンツを反復して学ぶことで知識の定着を図る学習手法のことです。
| 比較項目 | マイクロラーニング | eラーニング |
|---|---|---|
| 1コンテンツの時間 | 1〜5分程度 | 数十分〜1時間程度 |
| 学習形態 | 動画・クイズ・SNSなど多種多様 | 主に動画視聴やスライド学習 |
| 対応デバイス | スマートフォン・タブレット・PCなど幅広く対応 | 主にPC中心 |
| 学習スタイル | スキマ時間に繰り返し学習 | まとまった時間を確保して集中学習 |
マイクロラーニング(Micro Learning)とは、1回数分程度の動画や細分化されたWebコンテンツなどを使用する学習方法のこと。一般的に、1本の動画再生時間は1~5分程度です。
よって特定の学習方法について、限定するものではありません。そのため動画視聴だけでなくクイズ形式やSNSの活用など多種多様の形態があります。またパソコンはもちろん、タブレットやモバイル機器などさまざまなデバイスで視聴、学習可能です。
eラーニングとの違い
マイクロラーニングのルーツは従来のeラーニングにあります。
eラーニングはLMS(Learning Management System:学習管理システム)を利用して配信されるのが一般的です。しかし1コンテンツの時間が数十分から1時間程度におよぶものが多く、短時間で気軽に学びたい人には不向きでした。
そこでコンテンツの作成、視聴のハードルを下げて、手軽な学びを提供しているのがマイクロラーニングです。
LMS(学習管理システム)とは?【機能一覧・比較】メリット
LMSとは、学習管理システムのこと。eラーニングを提供するプラットフォームでもあり、受講機能のほか受講履歴や学習状況などの把握・管理が行えるなど、マルチ機能を備えています。
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2.マイクロラーニングが注目される背景
マイクロラーニングが注目される背景とは、多忙なビジネスパーソンの学習ニーズやモバイル環境の普及など、働き方と学び方の変化に対応する必要性が高まっていることです。
マイクロラーニングが注目されるようになった背景にあるのは、下記のとおりです。ここではマイクロラーニングが注目されるようになった背景について、解説します。
- 短時間の学習が、多忙なビジネスパーソンのライフスタイルにマッチ
- ビジネスパーソンを取り巻くシステム環境や志向の変化
- 従来の研修スタイルは非効率だった
①短時間の学習が、多忙なビジネスパーソンのライフスタイルにマッチ
先にも触れたとおり、従来のeラーニングは1回の想定学習時間を30分から1時間程度としています。学習者はこの時間のあいだパソコンの前に座ってコンテンツを視聴する必要がありました。
しかしこのスタイルには「まとまった時間の確保が難しい」「集中力が続かず非効率的」というふたつの問題がありました。そこでこれらを解決する学習方法として、短時間で集中して学べるマイクロラーニングが注目されるようになったのです。
②ビジネスパーソンを取り巻くシステム環境や志向の変化
Z世代(1996年頃から2010年頃に生まれた人)やミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭に生まれた人)による志向、システム環境の変化も、マイクロラーニングが注目されるようになった理由のひとつ。
「デジタルネイティブ」とも呼ばれる彼らは、モバイルデバイスが普及した時代に育ってきた世代です。スマートフォンやタブレット端末を使ったマイクロラーニングとの親和性が高く、短い動画を繰り返し見る学習方法を好む傾向にあります。
③従来の研修スタイルは非効率だった
これまでの研修といえば、一か所に大勢が集まり時間をかけて教育するというスタイルでした。かつてはそうしてじっくりと研修を行う余裕もありましたが、業務量が増えた現代、長時間の研修に人材を送り出す余裕がなくなりつつあります。
また研修コンテンツも時代の変化に合わせて次々作り直さなくてはなりません。その点1コンテンツの時間が短いマイクロラーニングなら、ひんぱんな情報更新にも柔軟に対応できるのです。
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マイクロラーニングのメリットとは、手軽に学習でき記憶が定着しやすく、コンテンツの作成・修正が容易であるという3つの利点のことです。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 手軽に学習できる | 1回数分で完結するため、通勤時間や休憩中などのスキマ時間を活用して学習できる |
| 学習内容が記憶に定着しやすい | 短い単位で繰り返し学習することで、記憶の定着率が高まる |
| コンテンツの作成や修正が容易 | 1本あたりの分量が少ないため、制作コストが低く、情報の更新にも迅速に対応できる |
①手軽に学習できる
コンテンツの一つひとつが短時間であるマイクロラーニングは、これまでのように何時間もパソコンの前に座る必要がありません。スマートフォンやタブレット端末を使って、移動中や業務の隙間時間などさまざまなタイミングで学習できます。
また短時間のコンテンツに要点が詰め込まれているため、重要箇所をおさえた学習が可能です。一回の学習にかける労力がおさえられるため、気軽に取り組めます。
②学習内容が記憶に定着しやすい
一回の学習に時間をかけるより、短時間の学習を繰り返したほうが効果的というのは広く知られています。どこにいても気軽に学習できるマイクロラーニングは本人の意欲次第で繰り返し何度も学習できるため、記憶に定着しやすいのです。
また人間の集中力は15分周期といわれています。ひとつのコンテンツを60分間学習し続けるより、15分のコンテンツを4回にわけて学ぶほうが高い学習効果が期待できるのです。
③コンテンツの作成や修正が容易
マイクロラーニングは学習者だけでなく教材作成者にとってもメリットがあります。
数十分~1時間ほどかけて行う研修スタイルの場合、必要な教材を作成するのも容易ではありません。とくに法律や制度など改正されやすい分野はひんぱんな修正、更新が必要です。
一般的にマイクロラーニングの1コンテンツは1~10分程度と非常に短い時間です。つまり教材の作成や修正にかかる時間や工数も少なく抑えられます。
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4.マイクロラーニングのデメリット
マイクロラーニングのデメリットとは、複雑な知識体系の習得には不向きであり、導入にシステムコストがかかるという課題のことです。
| デメリット | 内容 | 対応策 |
|---|---|---|
| 複雑な知識の学習には不向き | 体系的・専門的な内容は短時間に分割しにくく、深い理解が得にくい | eラーニングや集合研修と組み合わせて、基礎はマイクロラーニング・応用は従来型で補完する |
| システムにコストが必要 | コンテンツ配信や学習管理のためのLMSなどのプラットフォーム導入費用がかかる | 既存のツールやサービスを活用し、段階的に導入規模を拡大する |
①複雑な知識の学習には不向き
短時間で学ぶマイクロラーニングにはどうしても限度があります。専門知識をじっくり習得させるための詳細説明を、数分のコンテンツにおさめるのは困難です。
短時間にまとめた結果かえって理解しにくくなったり、必要な知識を十分取得できなかったりするおそれもあります。
複雑な知識の習得が必要なものや対人スキルが必要なものにマイクロラーニングは不向きです。これらには直接指導やeラーニング、双方向型研修が適しています。
②システムにコストが必要
マイクロラーニングを導入する際、各種システムの準備が欠かせません。教材作成やICT整備、コンテンツの管理や更新などさまざまなシステム管理が必要になるからです。
システム管理を外部に委託した場合はもちろん、費用が発生します。社内運用の場合は管理コストが、社外運用の場合は委託コストが発生するのもマイクロラーニングのデメリットです。
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マイクロラーニングを効果的に進めるポイントとは、シンプルな構成設計や自発的な学習環境づくりなど、運用面で押さえるべき4つの要素のことです。
| ポイント | 内容 | 具体的な取り組み |
|---|---|---|
| シンプルな構成にする | 1コンテンツ1テーマに絞り、学習者が迷わない構成にする | 要点を3つ以内に絞り、視覚的にわかりやすいスライドや動画を作成する |
| 自発的に学べる環境づくり | 強制ではなく、学習者が自ら取り組みたくなる仕組みを整える | ゲーミフィケーションの導入やランキング機能で学習意欲を高める |
| ほかの研修と併用する | マイクロラーニングだけに頼らず、集合研修やOJTと組み合わせる | 研修の事前・事後学習としてマイクロラーニングを活用する |
| 学習プランを社員の育成履歴に反映させる | 学習の進捗や成果を人材育成データとして蓄積・活用する | LMSと人事システムを連携し、スキルマップや評価に反映する |
①シンプルな構成にする
マイクロラーニングの強みは短時間での学習。短時間に収まらないからといって続編をいくつも作ったり、コンテンツを分割したりするとマイクロラーニングの強みが失われてしまいます。
たとえ「あれも伝えたい」「これも必要」と盛り込みたい情報が多くあっても、短時間の教材にならない場合はいさぎよく取捨選択しましょう。短時間におさめると、伝えたい内容はより明確になります。
②自発的に学べる環境づくり
スマートフォンやタブレット端末を使えばどこにいても学習できるのがマイクロラーニングの強み。しかしこれは自発的に学ぶ意欲や環境がなければ、期待する効果が得られないという意味でもあります。
「学習者が自発的に学べるのはどの配信ツールか」「どのプラットフォームを使用すれば学習意欲を高められるのか」などを見極めて、自発的な学びにつなげることが重要です。
③ほかの研修と併用する
前述のとおり、マイクロラーニングに不向きな分野もあります。たとえばマイクロラーニングにはディスカッションして意見交換する機能はありません。そこでマイクロラーニングに集合研修やオンライン研修をくわえて学習効果を高めます。
事前にマイクロラーニングを使って学習してもらい、そのうえで集合研修を行えば具体的な知識の取得やイメージの定着に結び付くでしょう。
④学習プランを社員の育成履歴に反映させる
マイクロラーニングやeラーニングでは学習者の受講状況や履歴などをデータとして確認できます。内容が細分化されているマイクロラーニングの場合学習プランのデータを分析すると学習者が興味を持つ分野やコンテンツなどを把握できるのです。
集計データを個人の育成プランに活用すれば、より納得度の高い育成、人事配置が実現できるでしょう。
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6.マイクロラーニングコンテンツの作り方
マイクロラーニングコンテンツの作り方とは、既存のeラーニング教材の分割や外部サービスの活用など、効率的に短尺教材を制作する方法のことです。
マイクロラーニングのコンテンツは自作可能です。以下3つのポイントをおさえると、会社も学習者も利用しやすいコンテンツを作成できます。
- eラーニングから置きかえる
- 容易な内容にする
- サービスの活用
①eラーニングから置きかえる
マイクロラーニングのコンテンツを作成する際、特に多いのが既存のeラーニングから置きかえる方法です。たとえばそれまで1時間あった動画をマイクロラーニングで項目ごとに細分化すれば、短時間での学習やクイズ形式での配信が可能になります。
②容易な内容にする
短時間で学習するマイクロラーニングに、複雑で難しい内容は不向きです。シンプルな内容で分かりやすいコンテンツにまとめる必要があります。
またコンテンツ数が少ないと学習範囲がまかないきれないため、コンテンツを増やしてさまざまな情報に触れてもらうのも重要です。
③サービスの活用
マイクロラーニングコンテンツの作成には、各種サービスの活用も効果的です。たとえコンテンツ作成に長時間割いても、学習者が視聴しにくいシステムを利用していたのでは期待する効果を十分に得られません。
作成や配信が容易であり、かつ学習者の利用がかんたんなサービスを活用して効果を高めましょう。
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マイクロラーニングのプラットフォームとは、短尺学習コンテンツの配信・管理・学習進捗の追跡を一元的に行うためのシステム基盤のことです。
マイクロラーニングの導入にはプラットフォームの利用がオススメです。
「LMS(Learning Management System:学習管理システム)」を活用すれば学習成績やコンテンツ制作、進捗管理などを一元管理できるうえ、会社と学習者、双方によりよいコンテンツが提供されます。
プラットフォーム選びのポイント
マイクロラーニングのプラットフォームを選ぶ際は、次の内容をチェックしましょう。
- 学習者にとって使いやすい、学びやすいシステムか
- 学習コンテンツの管理が容易にできるか
- 利用者人数は適しているか
- 明瞭な料金プランになっているか
- プラットフォームとしての実績はあるか
サービスによっては無料プランやトライアルを設けているものもあります。自社に適したシステムを比較検討してみましょう。
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8.マイクロラーニングを導入(実践)するステップ
以下に『マイクロラーニング』を導入(実践)するステップをまとめています。
9.関連する改善事例
以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。
【事例】トランスコスモス株式会社
トランスコスモス株式会社(従業員数71,416名)では、カオナビを導入し15種類のバッジ制度(スキル習熟度を3段階で可視化する育成制度)の申請・承認フローを自動化しました。従来はスキルデータの集約に手作業が必要でしたが、各担当者の入力だけで自動的に情報が集約される環境を構築。バッジ申請件数は約2年で6,600件に急増し、シャッフルフェイス機能で職種別・レベル別の人材配置も可視化しています。
【事例】社会医療法人ピエタ会石狩病院
社会医療法人ピエタ会石狩病院(北海道、職員324名)では、約15年間紙ベースで運用していた人事考課をカオナビで刷新した。スマートレビュー機能で「目標チャレンジシート」を作成し、部署・職種ごとに課業を設定して職員が5つの課業を選択する目標管理の仕組みを構築。評価点の自動計算により業務効率が大幅に向上し、評価スケジュールの遅延もほぼ解消された。職員満足度調査では処遇満足度の改善も確認されている。
【事例】リョービ株式会社
リョービ株式会社(ダイカストメーカー、従業員約7,600名)では、人事考課の結果を社員にフィードバックできていないことが課題だった。カオナビの評価ワークフロー機能「スマートレビュー」を導入し、段階的な閲覧権限を設定することで評価結果と理由を順次フィードバックする仕組みを構築した。導入後は適切なフィードバックが行われるようになり、社員の不満が軽減。自ら現状を把握して次のアクションを起こす環境が整備された。
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マイクロラーニングの1コンテンツあたりの適切な長さは?
1コンテンツあたり3〜5分が目安です。5分を超えると集中力が低下し、短すぎると内容が断片的になります。動画の場合は2〜3分、クイズ形式は5問程度が効果的とされています。
マイクロラーニングはどのような研修テーマに向いている?
コンプライアンス・情報セキュリティ・ビジネスマナーなど、知識のインプットが中心のテーマに向いています。反復学習で定着を図る語学や資格試験対策にも有効です。一方、ディスカッションやロールプレイが必要なテーマには不向きです。
マイクロラーニングの効果測定はどのように行う?
学習完了率・クイズ正答率・学習頻度などの定量指標で測定します。導入前後で業務テストのスコアや研修満足度を比較する方法も有効です。LMSのダッシュボード機能を活用すると、部署別・個人別の進捗を可視化できます。
評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など

