メンバーシップとは? 間違えやすい用語、メンバーシップ雇用

メンバーシップとは、組織を構成するメンバーが集団の一員として果たさなければならない役割や態度のことです。ここではメンバーシップと間違えやすい用語やメンバーシップ雇用について解説します。

1.メンバーシップとは?

メンバーシップとは、組織を構成するメンバーが自分の役割を果たし、その集団の一員として全体に貢献すること。同じ組織に属していても、年齢や性別、職業など、異なる要素を持ったメンバーが集まっています。

組織全体が限られた時間で目標を達成するためには、組織から期待される自分の役割を理解し、ほかのメンバーと協力して行動しなければなりません。忍耐や妥協を交えながら、組織の目標解決に向けた一連の行動や役割をメンバーシップといいます。

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2.メンバーシップと間違えやすい用語

組織のメンバーが自分の役割を果たしてチーム全体に貢献するメンバーシップと間違えやすい用語は、下記のとおりです。

リーダーシップ

目的やゴール、戦略(WHAT)を掲げて周囲に働きかける動きのこと。ゴールを示せる力、メンバーそれぞれにどのような期待をかけているか伝える力、とも言い換えられます。

対するメンバーシップは手段や戦術(HOW)を考えて実行する力のこと。ゴールに共感して自らの役割をイメージするメンバーシップに対して、リーダーシップはゴールを示して導く力と区別できます。

フォロワーシップ

フォロワー(部下やチームメンバー)の立場から、リーダーや組織のためを考えて支援すること。チームの成果を最大化させるためには、リーダーを含めたメンバー全員のフォロワーシップが欠かせません。

フォロワーシップでは、役職や立場に関係なく健全な批判をしたり提言を行ったりするのに対し、メンバーシップでは各自がそれぞれの立場で役割を果たして組織全体を支援する、という意味合いが強くなります。

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3.メンバーシップの使い方

メンバーシップという言葉はおもにビジネスの現場で使われます。しかし別の意味を持ってほかの分野で用いられる場合もあるのです。ここでは看護および商品、サービスのカテゴリにおけるメンバーシップの使い方について解説します。

看護

看護の分野におけるメンバーシップとは、看護チーム全体で進む目標を認識し、メンバーそれぞれが協力して患者に効果的な看護を提供すること。これは日本看護協会が発表した「看護師のクリニカルラダー」に「協同する力」として明記されています。

看護師の仕事は一人で完結しないためメンバーシップが欠かせません。新人看護師もチームの一員と自覚して、メンバーシップを理解した行動を取る必要があります。

商品・サービス

商品やサービスでは「会員」という意味でメンバーシップを使います。たとえば「YouTubeメンバーシップ」は、視聴者が特定のチャンネルに月額料金を払ってクリエイターを支援するシステムです。

メンバーシップに入ると、メンバー限定の動画や投稿を見られるようになったり、専用の絵文字を使えるようになったりします。限定の特典を受けられるのです。

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4.メンバーシップ型雇用とは?

メンバーシップ型雇用とは、人事の分野において、先に人材を確保し、そのあとに仕事を割り当てる方法のこと。入社時に職務内容や勤務地などを限定せず、おもに人物を重視して採用します。入社後に転勤や異動を繰り返しながらキャリアアップしていく方法です。

ジョブ型雇用との違い

ジョブ型雇用とは、業務内容や労働時間、勤務地などを明確に定めたうえで人材を採用する方法のこと。

メンバーシップ型雇用では、ほか分野にわたる総合的なスキルと知識を身につけていくのに対し、ジョブ型雇用では特定の分野における専門的なスキルや経験を求められます。

メンバーシップ雇用が議論される背景

新型コロナウイルスの影響を受けて「ジョブ型雇用への移行は本当に正しいのか。メンバーシップ型雇用のままでもよいのでは」と論じる様子が再びみられるようになりました。

経済のグローバル化が進むなか、「日本独自のメンバーシップ型はよくない。海外で主流のジョブ型雇用こそが最適」という論調が生まれているのは事実です。

目まぐるしい変化を遂げる現代では、これ以外にも新しい働き方が次々と誕生しています。企業はジョブ型やメンバーシップ型にとらわれず、時代や経済状況に合わせて変容していくことが重要です。

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5.メンバーシップ型雇用の特徴

メンバーシップ型雇用には以下3つの特徴があります。

  1. 終身雇用
  2. 年功序列
  3. 企業別組合

いずれも欧米には見られない特徴であるため「日本型雇用」と呼ばれる場合もあります。ここでは「三種の神器」と呼ばれるメンバーシップ型雇用の特徴について解説しましょう。

①終身雇用

社員を定年まで雇用し続ける制度のこと。右肩上がりの成長を続けていた高度経済成長期、企業は優秀な人材を多く獲得するための奨励制度として終身雇用を導入しました。

終身雇用はあくまでも日本的な慣行にすぎず、法律で定められた制度ではありません。ただし大きな不祥事などを起こさない限り基本、解雇されないのが実情です。

②年功序列

社員の年齢や勤続年数に比例して、賃金を増やしたり上位の役職を与えたりする制度のこと。年齢を重ねて長期間働けば仕事に関する知識やスキルが蓄積され、さらに企業へ貢献する人材となる、という考えにもとづいた制度です。

離職率の低下や人事評価が容易になるなどのメリットがあります。しかし同時に優秀な若手の労働意識を低下させるおそれもあるのです。

③企業別組合

企業に在籍する社員によって結成された労働組合のこと。不当な解雇や扱いから社員を守り、安心して働き続けられる環境を整えるために形成されました。

欧米諸国では業界ごとに労働組合が形成されるため、企業別組合は日本独自の制度といえます。不当な扱いを受けた場合でも会社に苦情を伝えやすく、組合を通じて行動すれば組織と対等な立場で話し合いができるというメリットがあります。

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6.メンバーシップ型雇用のメリット

職種や勤務地などを限定せずに採用して、企業を長く支える人材を育てるメンバーシップ型雇用には、次のようなメリットがあります。

  1. 柔軟に異動・配置ができる
  2. チームワークが強化される
  3. ゼネラリストを育成できる
  4. 愛社精神の強い人材を育成できる
  5. 採用コストを抑えられる

①柔軟に異動・配置ができる

メンバーシップ型雇用では、社員を長く雇用するかわりに異動や転勤を柔軟に実施できます。長期的な雇用が保障されている以上、社員もかんたんに辞令には背けません。

特定の人材に特定の業務を依頼しているわけではないため、企業の方針変更や急な欠員、教育的観点などさまざまな理由に応じて迅速に異動させられます。

②チームワークが強化される

社員同士の関係性が構築され、チームワークが強化されるのもメンバーシップ型雇用のメリットです。時間をかけて社員同士の関係性が構築されていくうちに、それぞれの技術を共有、補完できるようになります。

チームワークが強化されれば、会社や組織に対する帰属意識も高まるでしょう。醸成されたチームワークをもって長期的なプロジェクトを計画できるうえ、業務を共同で進められるのです。

③ゼネラリストを育成できる

業務内容や勤務地を限定せず、企業側の都合で部署や業務を変えられるメンバーシップ型雇用には、ゼネラリストの育成に役立つという側面もあります。

たとえば営業からマーケティング、マーケティングから人事などさまざまな業種を経験させていけば、あらゆる業務に精通したバランスのよいゼネラリストを育てられるのです。

④愛社精神の強い人材を育成できる

終身雇用や年功序列の制度は、社員に「いつまでもこの会社にいていいんだ」「長いあいだ働ければ安定した賃金と職位が手に入るんだ」という安心感を与えます。

同時に「会社に大切にされている」「その分会社に貢献しなければ」という気持ちが生まれる、忠誠心の高い人材も育成できるのです。

また長期間働いているうちに、家族より長い時間をともに過ごす仲間も増えてきます。それによりおのずと会社に愛着がわき、帰属意識も高まるでしょう。

⑤採用コストを抑えられる

メンバーシップ型雇用は、おもに新卒社員の一括採用に用いられます。通年採用の場合、欠員が出るたび広告費や宣伝費をかけた採用活動を行わなければなりません。

そのうえ、採用活動を行ったところで必ずしもベストな人材に巡り会えるとも限らないため、採用活動が長期化する場合もあります。

卒業後の就職先を探している学生をターゲットにした新卒一括採用なら、広告費や宣伝費などの経費を最小限に抑えられるのです。

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7.メンバーシップ型雇用のデメリット

メンバーシップ型雇用には、ゼネラリストの育成や柔軟な人事異動の実現などさまざまなメリットがある一方で、次のようなデメリットも存在します。

  1. スペシャリストが育ちにくい
  2. 人件費が増える
  3. 人員整理がしにくい
  4. 正規雇用と非正規雇用の待遇差が大きくなる
  5. 生産性が低くなる

①スペシャリストが育ちにくい

メンバーシップ型雇用は特定分野のスキルを極めたスペシャリストの育成には不向きです。メンバーシップ型雇用はゼネラリストの育成に長けている分、スペシャリストは育ちにくいといえます。

なぜならメンバーシップ型雇用は、同じ企業のなかでジョブローテーションや研修を行いさまざまな業務につくため、どうしても専門的な知識やスキルを身につけるのが難しいのです。

②人件費が増える

メンバーシップ型雇用の特徴として挙げられる「終身雇用」と「年功序列」によって、将来的な人件費が増える点もデメリットのひとつ。

メンバーシップ型雇用では勤続年数が長くなれば長くなるほど、給与の額が増えていきます。一人採用するごとにその先数十年分の人件費が上昇するため、企業にとっては将来的に大きな負担となってしまうのです。

③人員整理がしにくい

先に触れたとおり、メンバーシップ型雇用では社員をかんたんに解雇できません。生産性の低い社員でも、企業は給与を支払い続けなければならないのです。

そのためかつてはあえて社員のモチベーションを下げるような出向や左遷を行い、退職に追い込むやり方が横行していました。しかし現代では、これらは不当な人事として問題視されています。

④正規雇用と非正規雇用の待遇差が大きくなる

正規雇用と非正規雇用の社員に対する不合理な待遇差についても、たびたび問題となってきました。同じ成果を出しても雇用システムによっては正規雇用の社員の方が優遇されやすく、社員間で不合理な待遇差が生じていたのです。

これについては2020年度に「同一労働同一賃金」の取り組みが義務化されました。同一の仕事をしている社員には、雇用形態にかかわらず同一の賃金を支給しなければなりません。

⑤生産性が低くなる

メンバーシップ型雇用では基本、年齢や勤続年数が長くなるほど賃金が高くなります。そこに仕事の成果や実績はさほど影響しません。積極的に仕事に取り掛からなくても、長く勤めればそこそこの給与が得られるのです。

一方、どれだけ成果をあげても、年齢が若く勤続年数が浅ければ成果に見合った報酬は得られません。そのため優秀な若手のモチベーションが下がり、会社に依存した生産性の低い社員が常習化するおそれもあります。

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8.メンバーシップ型雇用の展望と課題

メンバーシップ型雇用にはさまざまなメリットとデメリットが存在します。企業はこれらを踏まえて今後の展望と課題について考えていく必要があるでしょう。

生産年齢人口の減少

少子高齢化にともなう生産年齢人口、すなわち「労働者」とみなされる年齢層の減少は深刻な問題です。

総務省が報告した「我が国の人口の推移」によれば、日本の生産年齢人口は1995年の8716万人をピークに低下。2030年には6773万人、2060年には4418万人と推定されるなかで、従来のメンバーシップ型雇用を継続して生産性の向上を目指すのは非常に困難です。

ジョブ型雇用へ移行すべきか

しかしジョブ型雇用への移行が最善であるともいえません。メンバーシップ型雇用が日本の高度経済成長を長く支えてきたのも事実です。

近年、仕事が発生するごとに人材を雇用する「タスク型雇用」や、勤務地や職務が限定された「ジョブ型正社員」など新しい働き方が増えてきました。ジョブ型やメンバーシップ型にとらわれない新たな雇用の在り方を追求することが重要です。