健康診断の義務とは? 企業が実施するべき健康診断の内容と料金

事業主には従業員に対して健康診断を受診させる義務がある事はよく知られています。しかし、総務や人事など実務の現場では判断に迷う場面があるものです。そこで、企業が押さえておくべき健康診断の義務に関するポイントについてまとめました。

企業における健康診断の義務について

労働安全衛生法では「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」と定められています。これは従業員の人数や事業の規模は関係ありません。つまり、一人でも従業員を雇えば義務が発生します。対象は常時雇用する労働者とされ、正社員が該当します。

また、パート、アルバイトなど正社員以外の従業員も1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上の場合は、常時雇用する労働者とみなされ、対象になります。この健康診断の実施義務を怠った場合には罰金に処せられます。健康診断の結果は、5年間の保管が義務付けられています。また、常時50以上の労働者を雇用する場合は労働基準監督署への報告義務があります。


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企業が実施するべき健康診断の内容と料金について

企業が実施する健康診断には主に通常の業務を行う労働者が対象の「一般健康診断」と、特定の有害業務を行う労働者が対象の「特殊健康診断」があります。また、「一般健康診断」には、雇い入れ時に行う健康診断と定期的に行う定期健康診断があります。

健康診断の項目は、

  • 既往歴
  • 自覚症状
  • 身体測定(身長、体重、胸囲)
  • 視力
  • 聴力
  • 胸部エックス線
  • 血圧
  • 貧血
  • 肝機能
  • 血中脂質
  • 血糖値
  • 尿
  • 心電図

の13項目が労働安全衛生規則第44号で示されています。健康診断の実施は事業者に対する義務ですので、費用は会社負担です。健康診断の料金は検査機関と項目によっても差がありますが、8,000円~10,000円程度が相場でしょう。また、本人が費用を負担して追加の検査を行うケースもあります。健康診断は事業者の義務ですが、基本項目以外の検査は福利厚生的な判断と費用との兼ね合いもあるため、企業によって異なります。

健康診断の義務は事業主だけではありません

健康診断は事業者の義務ですが、業務が忙しい、病院が苦手、など様々な理由で健康診断を拒否する従業員もいます。労働安全衛生法では労働者に対しても事業者が行う健康診断を受診しなければならないと定めています。つまり、労働者にとっても義務なのです。

しかし、事業者と違い、労働者に対しては法律上の罰則はありません。そこで、従業員の受診拒否を回避する工夫が必要になります。例えば、業務や勤務シフトを調整する、受診しやすい検査機関を選ぶなどの方法があります。また、就業規則に健康診断の受診義務を明記し、受診しない場合は制裁の対象にする事も効果的です。

ただ、最も大切なのは、健康管理は義務や罰則の問題ではなく、従業員本人とその家族にとって大切な事である事をしっかりと認識してもらう為の啓蒙活動であり、それが事業主及び人事部門の大切な仕事と言えるでしょう。