メセナとは? 企業メセナ活動の事例、意味、社会的責任、CSR効果

メセナとは、企業が芸術文化活動を支援することです。バブル期には豊富な資金を使って派手なメセナ活動が行われていましたが、今はCSRの一環として着実に多様化されたメセナ活動が行われています。企業によるメセナ活動について紹介します。

「メセナ活動」とは?芸術文化を支える企業のメセナ活動今昔

メセナ (Mécénat) は、フランス語で芸術文化支援という意味を持っています。古代ローマ時代、初代皇帝のアウグストゥスは、友人で、政府高官でもあったマエケナス(Maecenas)を通じて、詩人や芸術家を庇護しラテン文学の全盛期を迎えました。メセナは、このマエケナスの名前が由来となっています。

メセナは、バブル時代、投資の目的で高額な絵画を購入し、収蔵場所として美術館をつくるなど、一部の企業の派手な活動が注目されました。しかし、今ではメセナ活動は多くの企業に広がり、企業の広告宣伝や販促、そしてもちろん投資目的でもなく、企業のCSR(社会的責任)として地道な支援を行う企業が増えています。

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企業によるメセナ活動の様々な取り組み方

メセナは、演劇や音楽など舞台芸術はもちろん、伝統芸能、建築や映像、そして文化遺産や歴史的建造物の保護など、様々な分野で支援が行われています。芸術文化が様々に多様化していく中で、メセナの範囲もまた広がってきているのです。そして、メセナによる援助方法のかたちもまた様々です。

文化・芸術活動の主催

コンサートや美術展、ワークショップなど、様々な芸術文化活動を企業自らが主催する方法です。

文化施設経営

コンサートホール、美術館などの芸術文化施設を運営します。

資金援助

芸術文化団体の活動に対して資金を提供する、イベントに協賛するなどの形で資金を援助します。

資金以外でのサポート

芸術文化活動のイベントなどに人員を提供、あるいは運搬、倉庫保管、イベント会場の提供など自社のサービスで支援します。

コンクールなどの主催

新人芸術家の発掘や、優れた芸術家の功績を称えることを目的に、コンクールやコンペディションを主催して、入賞者に資金提供、留学援助などを行います。

企業財団

企業が基金を出して芸術文化を支援する財団を設立します。財団には、外部の個人や団体に支援を行う『助成財団』と、自社で芸術文化施設を運営し、コンサートや美術展を主催する『事業財団』の2種類があります。

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企業のメセナ活動の取り組み方の実態調査

1990年に設立された企業メセナ協議会では、日本の各企業のメセナ活動への取り組みについて、毎年実態調査を行っています。この2015年度の報告から、日本のメセナ活動の傾向が見えてきます。

2015年度「メセナ活動実態調査」は調査対象が企業1700社、財団300社で、その内有効回答数が企業455社、財団206社でした。調査によると、地方で地場産業や地域の特性を生かした自主的なメセナ活動が地方でも展開されており、一方で2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたメセナ活動の展開に前向きな企業も多いことがわかりました。

また、企業でメセナ活動を担当する部署は、以前は広報、総務関連の部署が多かったのですが、今回の調査ではCSR 関連部署(14%)が多いことがわかり、メセナ活動が企業の社会的な責任として取り組まれていることがわかります。

社員参画型のメセナ活動を行っている291社の中で、社員100人以上が参画している企業が57社に上っていることもわかっており、これらのことから企業メセナ協議会では、メセナ活動が企業の CSR として認識されることにより、継続的な事業の運営が可能となり、社内ではボランティア制度などを利用して社員参画を促せているのではないかとしています。

※全国メセナ協議会の実態調査
http://www.mecenat.or.jp/ja/introduction/research/post/2015/ を参考にしました。