リテラシーとは?【意味をわかりやすく】使い方、低いリスク

リテラシーとは、文章を読む、理解して文章を書くといった読み書き能力のこと。ビジネスではIT機器を使う能力を指します。

1.リテラシーとは?

リテラシー(Literacy)とは、文字や文章を読む、内容を理解して文章を書く能力のこと。膨大な情報から必要な情報を引き出し、活用するという意味も含みます。

リテラシーはビジネス上でどういった意味になるのか

ビジネス上では、情報を適切に理解したり、応用したりする能力を指します。「情報を使いこなす能力」ともいえるでしょう。

ただし「何に関するリテラシーか」を示すため、「○○リテラシー」と表す場合がほとんど。たとえば「ビジネスリテラシー」は、ビジネス全般に応用できる能力を指し、一般的には「社会人基礎力」を意味します。

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2.リテラシーが付く言葉一覧

「○○リテラシー」という言葉は多く、先頭の語がそれぞれの分野における能力を意味します。ビジネスシーンにおいてよく使用されるリテラシーを紹介しましょう。

  1. ITリテラシー
  2. メディアリテラシー
  3. 金融リテラシー
  4. ビジネスリテラシー
  5. ヘルスリテラシー

①ITリテラシー

コンピュータとネットワークといったIT技術を使いこなす能力のこと。例文は「研修でITリテラシーを身につける」といったものです。ITリテラシーには、「情報リテラシー」「ネットリテラシー」「コンピュータリテラシー」の3つが含まれます。

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情報リテラシー

膨大な情報を取捨選択し、活用する能力のこと。例文は「インターネット上の記事を読むうえで、情報リテラシーが試される」といったものです。

日々取得する情報のなかには、デマや嘘といった悪質な情報も少なくありません。そのような情報に惑わされてしまうと、誤った判断をしてしまうでしょう。情報リテラシーを向上させると、正しい情報かを見極められるようになります。

ネットリテラシー

インターネットを正しく使用できる知識や能力のこと。例文は「ネットリテラシーを高めて情報漏洩を防ぐ」といったものです。

ネットリテラシーが高い人は、セキュリティリスクや、SNSなどから生じるリスクも理解しているため、このようなリスクを起こす行動を避けられます。

コンピュータリテラシー

コンピュータを始めとするIT機器を安全かつ円滑に使用できる能力のこと。例文は「仕事で使うPCを使いこなせるよう、研修で社員のコンピュータリテラシーを高める」といったものです。

仕事でパソコンやタブレットなどのIT機器を使うのは当たり前の昨今、機器の基本操作はもちろん、社内システムや業務用のツールなども使いこなさなければなりません。業務をスムーズに進めるには、コンピュータリテラシーが必須といえます。

②メディアリテラシー

テレビや刊行物、Webなどのメディアを活用する知識や能力と、メディアから正確な情報を取捨選択する際に求められる能力のこと。例文は「サイトから情報を得るときに高いメディアリテラシーが必要だ」といったものです。

一般社員といったメディアから情報を得る側は嘘やデマを見抜く力を、マーケティング部といったメディアで情報を発信する側は各メディアの特性を生かして正しく利用する力を身につけます。

③金融リテラシー

金融や経済に関する知識を活用できる能力のこと。例文は「ライフステージで習得すべき金融リテラシーは変わる」といったものです。

金融商品の取引や関連法律の遵守、お金に関するリスクのマネジメントなどが行えるようになります。お金の知識はプライベートにもかかわるため、新入社員のうちに身につけさせるとよいでしょう。

④ビジネスリテラシー

ビジネスの場で必要とされる知識や能力のこと。「社会人基礎力」とも言い換えられます。例文は「ビジネスリテラシーを高めるためにビジネス検定の勉強をする」といったものです。

どのような仕事にも役立つ「論理的思考力」や「コミュニケーション能力」、「課題解決力」などが挙げられます。

⑤ヘルスリテラシー

健康情報を入手し、活用する能力のこと。例文は「企業の健康経営にはヘルスリテラシーが欠かせない」といったものです。

ヘルスリテラシーを高めると、健康に関する正しい情報を選別して取り入れ、自分にとって適切かを判断したうえで活用できるようになります。また健康の維持と病気に対する予防に対する意識も高まるでしょう。

健康な社員は、仕事のパフォーマンスを維持向上しやすくなります。

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3.リテラシーの使い方と例文

リテラシーは能力や意欲を指す言葉なので、有無や程度とともに表すのが一般的です。ここでは例文を挙げながら使い方を解説します。

  1. リテラシーがある/ない
  2. リテラシーが高い/低い
  3. リテラシーが上がる
  4. リテラシーを身につける
  5. リテラシーを持つ

①リテラシーがある/ない

知識や能力の有無を表すときに使います。以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • 例文1:情報リテラシーがあればネットの情報を鵜吞みにしない。
  • 例文2:今回のトラブルはネットリテラシーの欠如が招いた結果だ。

②リテラシーが高い/低い

知識や能力のレベルを評価する際に使用されます。以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • 例文:メディアリテラシーの高い社員にSNS運用を任せたい。

③リテラシーが上がる

知識や能力が高まる、向上していく様子を表すときに使います。以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • 例文:ブログ運営を何年も継続した結果、ITリテラシーが上がった。

④リテラシーを身につける

知識や能力、または応用力を習得する意味で使われます。以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • 例文:デバイスを安全かつ円滑に使用するためにはコンピュータリテラシーを身につけなければならない。

⑤リテラシーを持つ

知識や能力をすでに持っている、習得した状態を表すときに使います。以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • 例文:自分の生活を豊かにするため金融リテラシーを習得した。

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4.ITリテラシーが低いことによるリスク

企業においてもITの活用が進む現在では、ITリテラシーの低さはリスクを招きます。ここでは4つのリスクを解説しましょう。

  1. 情報の正確性
  2. 情報漏えいの危険性
  3. 情報格差の拡大
  4. 生産性の低下

①情報の正確性

ITリテラシーが低いと、インターネットで得られる情報の正確性を判断できません。正しい情報かどうか見極められないので、その情報にしたがって誤った判断を下してしまうかもしれないのです。

たとえば詐欺サイトだと気づかず、個人情報や企業情報を入力してしまう可能性があります。

②情報漏えいの危険性

SNSやチャットなどで情報が漏えいするリスクが高まります。セキュリティレベルが低いツールで機密情報や個人情報をやりとりした結果、外部から不正にアクセスされ、情報が漏えいしてしまう恐れもあるでしょう。

また社員の誤操作でも漏えいは起こり得ます。IT機器やネット、データなどの正しい扱い方を身につける必要があるでしょう。

③情報格差の拡大

ITリテラシーが低い社員と高い社員の間に、デジタルデバイド(情報格差)が生じ、低い社員は業務内容の制限や賃金・待遇の低下など不利益を被ってしまうかもしれません。

また求人市場でもITリテラシーが低い社員は価値が低くなり、転職の難易度が上がります。

④生産性の低下

パソコンやスマートフォンなどのIT機器を活用できないと、アナログな手法で業務を進めることになるため、業務効率や生産性が下がります。せっかくIT機器や業務システムを導入しても、コストの無駄になってしまいかねません。

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5.ITリテラシー向上のメリット

社員全員のITリテラシー向上は、企業に多くのメリットをもたらします。それぞれについて見ていきましょう。

  1. 正しい情報を瞬時に取得
  2. セキュリティトラブルの防止
  3. 業務効率化
  4. ニューノーマルな働き方に順応

①正しい情報を瞬時に取得

大量に出回っている情報から、正しい情報や必要な情報を瞬時に判断できるようになり、業務効率がアップします。

たとえばネットで何か調べ物をする際、完了するまでにかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。ITリテラシーが高いと、適切なキーワードで検索でき、検索結果一覧のなかでも公式サイトなど信憑性があるサイトを見つけられるからです。

調べ物が短時間で完了すれば、それだけ早く次の作業へ移れます。

②セキュリティトラブルの防止

情報セキュリティへの認識が高まると、漏えいや不正行為などを防げます。ITリテラシーが高いと、情報の重要性や情報が漏えいしたときの影響力、セキュリティの重要性などを理解でき、自ら漏えい防止に務めるようになるからです。

また情報を正しく扱うようになるので、改ざんや詐称といった不祥事も防げます。ITリテラシーが高い社員が増えれば、顧客や取引先からの信頼性を高められるのです。

③業務効率化

ITリテラシーを高めると、作業の円滑化と不要な作業の省略が可能となるため、業務効率を高められるのです。

そもそもパソコンを使えるだけでも業務効率化が向上します。しかし業務システムやアプリ、ツールなども活用できれば、少ない手間で情報共有や情報管理を行えるようになるでしょう。

業務効率化は生産性の向上にもつながるため、ITリテラシーを高める社内教育は必須といえます。

④ニューノーマルな働き方に順応

ITリテラシーが高いと、リモートワークやオンライン会議などを導入したニューノーマルな働き方にも対応しやすくなります。

ITリテラシーが高い社員は、オンライン会議ツールや社内システム、チャットツールなども使いこなせるため、テレワークであっても業務に支障が出ません。

自社の働き方改革でリモートワークの導入を検討しているなら、まずはこれらのツールを使いこなせるレベルのITリテラシーが必要です。

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6.ITリテラシーを高めるポイント

ITリテラシーを高めるには、まず自社のIT化を進め、IT環境が整ったところで社員への研修を行いましょう。またITを正しく活用し続けるために、知識のアップデートも欠かせません。ここではITリテラシーを高めるポイントについて、解説します。

  1. 組織体制の整備
  2. 知識のアップデート
  3. 研修による教育

①組織体制の整備

ITに対する関心を高めるためにも社内の管理体制や職場環境などを整備し、IT技術に触れる機会を増やしましょう。たとえばクラウドストレージを導入してペーパーレス化すれば、必然的に書類の閲覧や作成などの作業でIT機器に触ることになるのです。

②知識のアップデート

ITリテラシーの向上には、最新の情報が欠かせません。めまぐるしく進歩するITの世界では、短期間のうちに情報や技術が更新あるいは登場するからです。勉強会やセミナー、SNSなどを活用して最新の情報を入手する仕組みを構築しておきましょう。

③研修による教育

社内のITリテラシーを均一化するには、定期的に研修が必要です。

定期的な知識のアップデートが必要ですし、新入社員には社内システムなどの使い方を教えなければなりません。セキュリティ研修は、企業の信頼や安全性を守るために必須といえるでしょう。

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7.ビジネスでも重要なネットリテラシーの基本

ビジネスをするうえで、インターネットに代表されるネットワークの使用は必要不可欠でしょう。会社の情報の安全性を保つためには、ネットリテラシーを高める必要があるからです。まずはネットリテラシーの基本を抑えましょう。

  1. ログイン情報の管理
  2. 情報管理の体制を強化
  3. 社外への情報発信におけるリスク
  4. 警察によるネットリテラシーの基本

①ログイン情報の管理

インターネットで情報を入手する際、IDとパスワードのログイン情報の管理は慎重に行わなければなりません。IDとパスワードを第三者に知られてしまうと、社内の情報が勝手に抜き取られる可能性が高まるからです。

ログイン情報管理の基本には、以下が挙げられます。

  • 初期設定のIDとパスワードは使い続けない
  • 同じパスワードの使いまわしをしない
  • 同僚や上司にパスワードを教えない

社員の育成

政府の方針も、社員の育成へ反映しましょう。たとえば「PPAP方式によるパスワード送信の禁止」もそのひとつ。

PPAP方式とは、ファイルをパスワード付きのzip形式で送り、そのパスワードをメールで送ること。パスワードを付けるため、一見すると問題ないように見えるでしょう。

しかし送信者が間違えて第三者にzipファイルとパスワードを送ってしまうと、情報漏えいを避けられません。そのため政府や企業では、PPAPの使用を禁止する動きが進んでいます。

②情報管理の体制を強化

業務上重要なデータを管理する際、ハッキング対策だけでなく、ヒューマンエラーにも注意が必要です。

いくら注意してもうっかりミスは起こりえます。そのためミスを減らす仕組み作りを講じなければなりません。たとえば「ダブルチェックといった複数人によるチェック体制の整備」「物理的にデータの持ち出しができない環境を整える」などです。

③社外への情報発信におけるリスク

外部へ発信した情報から生じるリスクを理解する必要があります。内容に嘘や偽りがあったり、顧客に不快感を与えたりする情報は、自社の信頼や価値を大きく失う恐れがあるからです。

社員が軽い気持ちでSNSにアップした投稿がきっかけで、倒産や閉店などに追い込まれた例も少なくありません。とくに不特定多数の目に触れる情報は拡散も早いため、慎重に扱う必要があります。

④警察によるネットリテラシーの基本

ビジネスでも活用できるのが、千葉県警が公開している「ネットリテラシーの基本」です。以下の5項目で構成されています。

  • ネットは世界中の人が見ている(知らないうちに拡散され、炎上などの可能性がある)
  • ネットの情報を鵜呑みにしない(嘘やデマが含まれる可能性がある)
  • 面と向かって言えないことはネットでも言わない(顔が見えないため対立が激化しやすく、大きなトラブルになりえる)
  • ネットに一度出たものをすべて回収するのは不可能(無数に情報の複製が容易なので不都合な情報も残ってしまう)
  • ネットで行ったことは通信事業者に記録が残っている(完全に匿名ではないため不正や悪事も追求できる)

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8.リテラシーとコンピテンシーの違い

リテラシーとコンピテンシーは混同されやすい言葉です。しかしリテラシーは知識の活用、コンピテンシーは行動につながる特性という点で異なります。

コンピテンシー(Competency)とは?

パフォーマンスの高い人に共通する行動特性のこと。行動特性とは、人が行動する動機や欲求とそれらの背景となる考え方を指します。

つまりコンピテンシーは、「高い業績や成果につながる思考や価値観と、これらから起こされる行動」です。たとえば「期待値を上回る結果を出す」という価値観を持つ社員は、同じ業務を担当する人よりも高い成果を出しやすくなります。

コンピテンシーとは?【意味を簡単に】活用方法、評価、レベル
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コンピテンシーとの意味の違い

コンピテンシーは過去、成果につながった行動、リテラシーはこれから活用できる知識です。またリテラシーにおける基準やレベルはさまざまですが、コンピテンシーの基準はハイパフォーマーに限定されます。

コンピテンシーの活用方法

コンピテンシーはモデル(理想の社員像)として採用や評価、人材育成に活用されているのです。

採用では、対話をとおして応募者の行動特性を探り、適性や能力などをコンピテンシーモデルと比較します。そのため自社の求める人材に近いか、判断できるのです。

評価でもコンピテンシーモデルと被評価者の能力や成果を比較する際に活用できます。人材育成では、コンピテンシーモデルの行動や能力を目標に設定し、判断や行動の改善やスキルアップなどに役立てられているのです。