決算書とは? 貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、作り方について

決算書とはどんな書類なのでしょうか。ここでは決算書を作成する目的や読み方、作り方などについて解説します。

1.決算書とは?

決算書とは、会社の経営状態や財務状態を表す書類のことで、正しくは「財務諸表」といいます。「貸借対照表」や「損益計算書」、「株主資本等変動計算書」や「キャッシュフロー計算書」などが該当するのです。

どんな目的で導入されているのか

目的は、会社にどのくらい儲けや損失が生じたのか、現在の会社の財政状態はどうなっているのかを数字で表すこと。企業活動は基本的に「資金調達」「投資活動」「営業活動」の順に循環します。この流れを決算期で区切り、数字で表したものが決算書です。

決算書は会社の経営状態を判断するために活用される場合が多い書類です。会社を評価する重要な指針といえます。

決算書は企業における通知表

決算書は「企業の成績表」とも呼ばれています。企業活動の優れた点や問題点を数字に置き換えているため、会社のどこがよくてどこが悪いのかをかんたんに把握できるのです。

自社の状態を知るのはもちろん、既存顧客や新規取引先の企業状態を知るうえでも重要です。次の施策に備えるという意味で、経理関係者や経営層だけでなく、一般社員も決算書の読み方を理解しておくとよいでしょう。

決算書は確定申告に必要

決算書は毎年行われる確定申告で必要となります。青色申告を行う際は、確定申告書のほかに損益計算書、貸借対照表を用意しなければなりません。

決算書はほかにも企業への融資審査や株主への報告などに使用します。株主は出資したお金が有効に使われているかを判断する際、決算書を参考にするのです。また各金融機関がこの会社に融資すべきか否かを判断する材料にもなります。

「企業の成績表」とも呼ばれる決算書は、会社の財政状況や経営状態を判断するために必要な書類です

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2.決算書における貸借対照表(B/S)の読み方

企業活動の成果や結果をまとめた「決算書」のうち、決算日時点(基本的に期末)の財政状態を明らかにした表を「貸借対照表(B/S)」と呼ぶのです。ここでは決算書における「貸借対照表(B/S)」の読み方について説明します。

貸借対照表とは

「貸借対照表」とは、ある一定の時点(基本的に期末)における会社の財政状態を表す書類のこと。バランスシート(BalanceSheet)と呼ばれたり「B/S」と略されたりする場合もあります。

資金の調達源泉と現在の運用状態を表すもので、会社の資産と負債のバランスを比較して財政状況を把握する書類です。

貸借対照表の項目

貸借対照表は左側と右側に分かれており、左側には資産の運用形態を示す「資産の部」を、右側には資本の調達源泉となる「負債の部」と「純資産の部」を表示しています。ここでは左右に分かれた3つの項目について解説しましょう。

資産の部

左側に書かれた「資産の部」からは、期日現在の財政状況がどのような状態にあるのか、現在の運用状態はどうなっているのかを知っていけます。この「資産の部」は次の3つに分類できるのです。

  • 流動資産:通常の営業活動から生じる資産(現金、預金、売掛金など)
  • 固定資産:1年以上の期間を経て現金化、費用化される資産(建物、土地、車輌など)
  • 繰延資産:支払い義務が確定した費用の効果が1年以上におよぶ資産(開業費、創立費、開発費など)

負債の部

右側上段に書かれた「負債の部」では、会社がどのような方法で資金を調達したかを知っていけます。負債とはそもそも返済しなればならないマイナスの財産(会社の借金)のこと。この「負債の部」は2つの項目から構成されているのです。

  • 流動負債:1年以内に返済しなければならない負債(短期借入金、買掛金、支払手形など)
  • 固定負債:1年以内に支払われる予定のない負債(長期借入金、社債、退職給付引当金など)

純資産の部

同じ資金調達でも原則、返す必要のない資金を右側下段の「純資産の部」に記載します。これは決算日時点の資産と負債の差額を表しており、「自己資本」「正味財産」とも呼ばれるのです。

純資産には利益の貯蓄である「利益剰余金」や、株主が出資している「資本金」、「新株予約権」や「評価換算差額等」などが含まれています。

貸借対照表(B/S)は、財務上の安全性を表しているのです。会社の健全性を判断する際は細かい項目の1つずつではなく、全体のバランスを見ていきましょう

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3.決算書における損益計算書の読み方

英語の「Profit and LossStatement」を略して「P/L」とも呼ばれる「損益計算書」からは、会社が費用を何に使ってどれだけ売上を出したのかを知っていけます。ここでは「損益計算書」の読み方について解説しましょう。

損益計算書とは?

「損益計算書」とは、一定の期間内にどれだけの費用がかかり、どれだけの利益が生まれたのかを知っていける決算書のこと。「利益=収益-費用」にて利益を求めると、経営成績を判断できます。

経営判断を行うだけでなく、株主や債権者に経営成績に関する情報として提供する場合もあるのです。

損益計算書における項目

損益計算書には「収益・費用・利益」3つの要素が記載されています。このうちの「利益」は5つに分類されるのです。

  1. 売上総利益
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税引前当期純利益
  5. 当期純利益

①売上総利益

「売上総利益」とは、年度中の儲けを表すもので「売上高-売上原価」で算出できます。

ビジネスでは「粗利(粗利益)」と呼ばれ、ここから商品にどれだけの付加価値を付けて提供できたのかが分かるのです。企業が持つ商品やサービスの魅力によって利益を稼ぎ出す力ともいわれています。

②営業利益

「営業利益」とは、企業が本来の営業活動によって稼いだ利益のことで、「売上総利益—販売費および一般管理費」にて算出します。

ここでいう販売費および一般管理費とは、商品やサービスを売り込むために欠かせない経費のこと。オフィスの家賃や社員の給与、接待交際費などが該当します。

③経常利益

「経常利益」とは、企業活動の結果、経常的に得た利益のことで「営業利益+営業外収益—営業外費用」にて算出できます。経理業務では「けいつね」と呼ばれているのです。

「経常利益」では株の売却益や借入金にともなう支払利息など、本業以外の収益や費用(営業外費用)を含みます。経常利益は企業の経営成績を把握しやすい数字でもあるのです。

④税引前当期純利益

「税引前当期純利益」とは、住民税や法人税など各種税金を支払う前の利益のことで、「経常利益+特別利益-特別損失」で算出できます。税引前利益と呼ばれる場合もあるのです。

ここでいう「特別利益(特別損益)」とは、通常の営業活動から外れた臨時の出来事による利益(損失)のこと。「不動産の売却・突発的な災害によって受けた損害・通常サイクルから外れた固定資産の廃棄」などが該当します。

⑤当期純利益

「当期純利益」とは、会社が最終的に得られる利益のことで「税引前当期利益-法人税等(法人税+法人住民税+法人事業税)」で算出できます。「最終利益」や「税引後利益」、シンプルに「純利益」と呼ばれる場合もあるのです。

会社が1年間でどれだの利益をあげたかが分かるうえ、成長率や納税額を決める際の基準となります。

損益計算書に書かれた5つの項目を読み解くと、企業の稼ぐ力や損失などの経営成績を把握できるのです

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4.決算書におけるキャッシュフロー計算書の読み方

「キャッシュフロー計算書」は決算書のなかでも「貸借対照表」「損益計算書」と並んで重要な役割を果たします。なぜなら手元にある現金の額を把握できるからです。ここではキャッシュフロー計算書の読み方について解説しましょう。

キャッシュフロー計算書とは?

「キャッシュフロー計算書」とは、「営業活動・投資活動・財務活動(資金調達)」からなる企業活動それぞれにおける現金の出入りを見る決算書のこと。

「貸借対照表」では資金の調達方法と運用方法を、「損益計算書」では利益の生み出し方を表しており、ここに「キャッシュフロー計算書」の分析をくわえると、企業の状況を総合的に判断できます。

営業活動によるキャッシュフロー

「営業活動によるキャッシュフロー」では、売上や仕入、経費など企業の中心的な事業でどれだけのお金を稼いでいるかを表します。

プラスであれば事業は資金を生み出していることに、マイナスであれば事業は資金を食いつぶしていることになるのです。

また前提として、プラスとなります。マイナスの場合は在庫圧縮や買掛金支払延期などを検討しましょう。

投資活動によるキャッシュフロー

「投資活動によるキャッシュフロー」は、設備投資や企業買収などの投資活動からどれだけ資金を回収しているかを表します。この項目を見ると、その会社がどのような投資活動に力を入れているかを把握できるのです。

たとえば固定資産の取得や売却、貸し付けの実行や回収などがここに含まれます。経常的に設備投資を行っている会社の場合、この項目がマイナスとなっている場合も少なくありません。

財務活動によるキャッシュフロー

「財務活動によるキャッシュフロー」では、会社が資金不足に陥ったときの資金調達方法を表します。新規の借り入れや社債の発行、新株の発行などが含まれるのです。

「財務活動によるキャッシュフロー」を見れば、足りない資金を会社がどのような方法で調達したかが分かります。資金増減の要因を分析し、会社の活動に見合ったキャッシュフローであるかどうか、確認する必要があるでしょう。

キャッシュフロー計算書を読み解ければ、キャッシュが入ってくるタイミングを早めたり、出ていくタイミングを遅らせたりできます。それによって少しでも長い時間手元にキャッシュを残しておけるのです

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5.決算書の作り方

企業は1年間つけてきた帳簿をもとに「貸借対照表」や「損益計算書」などの決算書を作成します。しかしそれぞれの決算書を作成する際は「決算残高の確定」と「税金の計算」が必要なのです。ここでは決算書の作り方について解説しましょう。

決算残高の確定

まずはじめに決算残高を確定します。現金や預金、借入金や固定資産などすべての勘定科目をチェックして、決算日時点での各勘定科目の残高が実際の残高と一致しているかを確かめる作業です。

正しい残高が確定したら「勘定科目内訳明細」を作成します。これは法人税申告の際に提出しなければならない書類のひとつです。

税金の計算

決算残高が確定したら、金額をもとに税金を計算します。税金は「1.消費税、2.法人税等」の順に計算するのです。

  • 消費税の算出:仮受消費税(売上などで預かった消費税)-仮払消費税(経費支払や仕入れなどで支払った消費税)
  • 法人税等:法人税や法人住民税、法人事業税など。法令改正による影響が大きく、専門的な知識を要するため税理士に依頼する場合も多い

エクセルやテンプレートを使って作成

決算残高の確定、税金計算が完了したら決算書を作成します。決算書はいずれも法令により書式が定められているため、Excelやテンプレート、会計ソフトを活用するとよいでしょう。決算書の作成が難しい場合は、税理士事務所へ作成を依頼するのがオススメです。

決算書作成で役に立つツール

Excelでも作成できますが、テンプレートやツールを活用すればよりかんたんです。中小企業庁のホームページでは、決算書の作成に役立つ簡易作成ツールを公開しています。

同ページでは貸借対照表や損益計算書の様式例も公開しているのです。初めて決算書を作成する場合は、これらを一度確認しておくと安心でしょう。

決算書は1年間つけてきた帳簿をもとに作成するため、日々の帳簿付けが重要です。「決算期が近くなったらまとめて進めよう」と後回しにせず、余裕をもって準備を進めましょう