経営会議とは|意義、進め方、ファシリテーションスキル、事例

経営会議とは、会社の経営方針などを決定する会議です。ここでは、経営会議の意義や進め方などを解説します。

1.経営会議とは?

経営会議とは、企業が置かれている経営環境を踏まえた上で、「経営方針」「経営戦略」「各事業の進捗」「当初予算と実績数値」などについて決定や見直しを行う会議のこと

取締役や執行役員を中心として構成されており、企業戦略や事業展開に関する事項について幅広く議論を行い、その議論に基づいてさまざまな戦略を決定するのです。経営会議は、企業経営の中で意思決定を含めた重責を担っています。

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2.経営会議を行う意義と進め方

経営会議の意義と進め方について理解すると、経営会議が有意義なものになるでしょう。「なかなか成果が上がらない」「経営に混乱が生じる」といった状況を避けるためにも、効率的な経営会議の進め方を知っておきましょう。

経営会議の持つ意味

経営会議を行う意義は、「自社に関わるすべての事案について話し合う機会を持てる」「自社の課題に何らかの決定を下していく場を持てる」こと。

経営会議では、「経営計画の進捗」「業績の向上のために取り組むべき課題」「企業が成長するための財務基盤の強化」などについて、取締役や執行役員といった経営幹部が徹底的に話し合います。

経営会議における決定事項は、企業の成長の土台を形成するだけでなく、内容によっては社内のみならず社外に対しても影響を及ぼすと考えられます。

基本、定期的に行う

経営会議は、基本、定期的に行います。企業には月次決算の締め日があるため、経営会議は一般的に月次で実施される場合がほとんどなのです。

月次決算の締め日をもとにして経営会議を開催すると、「自社の経営状況をタイムリーに把握できる」「月次決算で作成された書類の中の具体的数値を判断基準として具体的な意思決定ができる」といったメリットが生まれます。

月次決算の数値を根拠として会議を開催して、「課題の検討や意思決定がスムーズに実施できる」「経営会議からの成果が得られやすくなる」ため、月次決算の締め日をもとにした定期開催が基本となっているのです。

経営会議を進めるための手順

経営会議を効率的に進めるためにも、会議の手順を理解しておくとよいでしょう。そもそも経営会議の目的は、「経営幹部が認識を共有する」「経営に関する意思決定を行う」こと。

これらを効率的に実施するため、経理担当者から月次決算や計画についての報告を受けたり必要に応じて各事業部の担当者から現状や実績報告を受けたりなどの情報交換を行うのです。

次に、次月以降の経営方針や経営計画について参加者間で意見交換をし、交換した意見をもとに最終的な意思決定を行います。

経営会議は、月次決算の締め日を基準に定期的に実施します。会議は、経理・各事業部担当者から報告を受け、意見交換後に意思決定という流れになります

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3.経営会議を行う上で気を付けておくべきポイント

経営会議を行う上で気を付けておくべきポイントを4つ解説します。

  1. 会議の参加者を厳選する
  2. 会議の実施日について調整しておく
  3. 事前に準備しておく
  4. 各部門にヒアリングする

①会議の参加者を厳選する

一般的に経営会議では、社長や役員、部門責任者や経営担当者が構成メンバーとなります。ただし、これは一般的な例であり、必ずしもこのメンバーで経営会議を開かなければならないわけではありません。

議題に無関係なメンバーまで参加させてしまうと、「意見が集約しづらい」「情報が漏えいする」などの原因になります。議題によって必要と思われるメンバーを参加させたり不必要なメンバーを招集したりしないといった工夫をしてみましょう。

②会議の実施日について調整しておく

経営会議は一般的に、月次決算の締め日を基準にして開催されます。もし経営会議が不定期に開催されたら、参加率が低下しがちになったり参加者の変動で意見交換や意見集約が難しくなったりするでしょう。

月次決算といった基準日をもとに会議を定例化すれば、「参加者が事前に予定を組みやすく会議への参加率が向上する」「月次決算の数字を使ってタイムリーな意思決定ができる」など、経営会議の効率化が進みます。

③事前に準備しておく

「経営計画と実績との乖離について調査、分析を事前に実施する」「作成した分析資料を事前に配布して目を通しておいてもらう」など事前準備をしておけば、会議もスムーズです。

また、「意見交換や意思決定のルールを定めておく」「議事録の作成や議事録の公開範囲を決めておく」ようにすると、会議時間をさらに効率よく活用できます。

④各部門にヒアリングする

経営会議は経営幹部が、経営方針や経営戦略を決定するための会議ですので、あらかじめ経営会議の議題に関する事項を各部門の担当者や責任者にヒアリングしておきましょう。

現場の声を聴くと、社内のリアルな現状を認識できます。それを活かして意思決定すると、より現実的な経営に近付くでしょう。

経営会議を行う際のポイントは、「参加者の厳選」「会議の実施日について調整しておく」「事前に準備しておく」「各部門にヒアリングする」です

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4.経営会議とファシリテーションスキル

ファシリテーションスキルとは、経営会議を円滑に進行する際には欠かせないスキルのこと。経営会議とファシリテーションとの関連性を踏まえて解説しましょう。

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ファシリテーションスキルとは、議論や会議の進行をスムーズに行う調整能力のことで、活用すると「会議の目的を達成」「意見やアイデアなどを引き出す」「参加者全員の合意を得る」といったさまざまな調整が実現できます。

経営会議の目的は、「参加者が議題に関して意見交換を行う」「経営に関する最終的な意思決定を行う」。ファシリテーションスキルを効果的に活用できれば、経営会議が効率よく進行するでしょう。

ただし、ファシリテーションスキルを活用する際には、会議前までにどのような意見があるのかを確認しておくといった下準備が必要です。

会議の目的に合わせて進行方法を考える

ファシリテーションスキルを活かして会の進行役を担うのがファシリテーター。「情報共有を目的としている」「闊達な意見交換を目的としている」など、会議の目的に合わせて議事進行方法を変えていくスキルを持ちます。

経営会議でファシリテーターを活用できれば、「参加者が自由闊達に発言して意見の交換を行う」「さまざまな意見を共通認識や共通意見に集約させながら、最終的な着地点を見出す」といった効果が期待できます。

ファシリテーターの活用によって、経営会議が抱えるさまざまな難題をスムーズに解決できるのです。

合意形成に結び付けるためのポイント

経営会議では、合意形成や意思決定をしなければならない場面が多くあります。複数の参加者が集まる経営会議では、どのように全員の合意を形成していくかが課題となります。

「一部の参加者の意見だけを採用することで、強権的に議事進行を行う」「さまざまな意見を尊重するあまり、なかなか意見の集約ができない」といった状況は、混乱を生じさせてしまうでしょう。

ファシリテーションスキルを持ち合わせたファシリテーターは、「参加者全員が自然に意見交換できる雰囲気をつくる」「特定の人物に発言が偏らないよう、全員に発言を促す」といった合意形成に向けた流れづくりが求められます。

会議をスムーズに進めるためのコツ

経営会議をスムーズに進行し、会議の目的である意見の集約を実現させるためには、いくつかのコツが必要です。

  • 議題に応じた時間配分:経営会議の参加者は多忙な役職に就く人物ばかりなのでファシリテーターは、事前に議題と時間配分を提示する
  • 情報共有を徹底:会議自体の時間を可能な限り削減するために、事前に会議資料を配布しておくなど工夫する
  • ネゴシエーションやヒアリング:意見が対立といった事態が起きそうな議題があれば、あらかじめ実施して備える

経営会議をスムーズに進行するためにも、ファシリテーションスキルを持ち合わせたファシリテーターを活用しましょう

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5.効率的な会議の事例

効率的な会議の実現に取り組んだ企業事例から学ぶことは多いです。世界を代表する3社の事例をもとに、どのように会議を効率的に進行するのか、解説しましょう。

トヨタ自動車

日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車の経営会議に相当するのが、「本音で語り合う場」と定義されているトップミーティングです。

ここでは自由闊達な意見交換が前提となり、「マンネリ化回避のため、事前に議題を決めない」「進行役や議長を指名しない」「共有すべきテーマを選択し、フリートーク形式で議論する」といったトヨタ自動車独自の取り組みが実践されています。

また、「議論の方向性を決めない」「内部資料の作成は無駄な時間である」という観点から、会議に資料を持ち込まないといった取り組みも実践しているのです。

Apple

Appleは、インターネット関連製品やデジタル家庭電化製品などを開発、販売するアメリカの多国籍企業で、会議を「イノベーションの場」と定義しています。

会議の参加者には、「闊達な意見交換や議論を行う」「全員の力でブレイクスルーを達成する」ことが求められます。

そのほか、「最少人員での会議開催」「参加する理由のある当事者のみの参加」「確実な実践のために会議での決定事項ごとに責任者を選任」「参加者に対し、課題に対するエビデンスを徹底的に証明させる」などの取り組みも実践しているのです。

Google

Googleは、インターネット関連のサービスおよび製品を扱うアメリカの多国籍テクノロジー企業です。Googleでは、会議を「最も効率的にデータや意見を発表し、問題を議論し、判断を下すことができる場」と位置付けています。

スマート・クリエイティブと呼ばれる専門性と無限のアイデアで問題解決できる、有能な人材も魅力を感じるような会議を目標としています。具体的な取り組みは下記のとおりです。

  • 必要に応じて会議開催を待たない意思決定
  • コンパクトな規模の会議
  • 会議の意思決定者の指名
  • データをもとにした議論

会議そのものの変革を実践している企業は多くあります。会議の在り方そのものにメスを入れることも経営課題のひとつでしょう