人事管理ツールとは? クラウド型ツールでできること、機能、効果、導入メリット、選び方・比較のポイントについて

人事管理ツールとは、労働者の雇用に始まり解雇に終わる人事活動の全般を管理するツールのことです。ここではツールを導入する効果やメリット、比較のポイントなどについて解説します。

1.人事管理ツールとは?

人事管理ツールとは、人事担当部門が受け持つ採用活動や人材開発、配置や人事評価などの情報を効率よく管理するツールのこと

企業向けIT製品の総合サイト・キーマンズネットが2020年に実施した「人事・労務管理の取り組みに関する調査」によると、約7割の企業で人事・労務管理システムを導入しているそうです。

そもそもなぜ「人事管理」する必要があるのか?

人事管理とは、企業の中心ともいうべき経営資源「人材」を効果的に活用するための管理のこと。しかしなぜ企業は「人事管理」をする必要があるのでしょうか。人事管理の目的は、次の4つです。

  1. 従業員一人ひとりが自身の能力を最大限発揮できるよう、適切な人材配置を行う
  2. 上記に伴う最適な処置により、人材を活性化させる
  3. 企業理念に応じた人材教育を行うことで、人材能力の向上を図る
  4. 組織経営に必要な人材を効率的に確保する

人事管理における悩みとは?

企業経営に欠かせない人事管理。人事向けオフライン勉強会イベント「HR-Study」が実施したアンケートでは、人事管理における悩みを次のように報告しています。以下、悩みを持っている領域の割合と実際の回答です。

  • 組織(47%):企業風土を組織強化のために変革させたいが具体的にどうすればよいのか分からない。従業員エンゲージメントを高めたい など
  • 採用(37%):採用課題に理解や危機感を持ってもらえない。現場と経営層のニーズに齟齬がある など
  • 労務(8%):勤怠管理の負担が大きい。給与計算にかかる業務をアウトソースしたい など

人事の現場が抱える「人」に関するストレスとは?

人事管理は「人」とかかわる業務です。それゆえ、人事の現場からは人事管理特有の「人」に関するストレスが数多く挙げられています。

  • 退職者と社長の間で板挟みになる:退職理由を会社都合退職にするか、自己都合退職にするか
  • 解雇に関する悩み:事実として解雇対象にすべき事案であるものの、情に訴えられる

上司と後輩の間で板挟みになる:高圧的なプレッシャーで休職する後輩を復職させるよう、上司から要求される

さまざまな悩みやストレスを抱える人事管理担当者の心労は、計り知れません。しかし人事管理はすべての会社において欠かせない業務なのです

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2.人事管理ツールが持つ5つの管理機能

人事管理ツールとは、人事・労務に関するデータを一元管理するツールのこと。業界規模にかかわらず多くの企業で導入しているこのツールには、5つの機能があります。ここではそれぞれの機能について、詳しく解説しましょう。

  1. 人事管理機能
  2. 労務管理機能
  3. 採用管理機能
  4. 給与管理機能
  5. 人事評価管理機能

①人事管理機能

人事管理機能では、従業員の勤怠データを管理します。これは労働基準法にて、「労働時間の適切な管理」が使用者に義務付けられているからです。

  • 従業員一人ひとりの出退勤時間を管理する
  • 休憩、有給取得状況を把握する
  • 時間外労働の時間を管理する
  • 勤務超過を未然に防ぐ
  • 打刻漏れや不正打刻を防止する

②労務管理機能

労務管理とは、労働基準法や企業規則に従って労働完了を管理すること。労務管理機能によって、次のような業務を効率的に進められます。

  • 健康保険や厚生年金などの社会保険、および雇用保険や労災保険などの労働保険に関する書類作成
  • 労働条件変更の履歴管理(人事異動や昇給など)
  • 労働条件通知書(雇用契約書)の交付や従業員名簿の作成
  • 行政への届け出

③採用管理機能

採用管理機能を活用すると、以下の情報を一元管理できます。

  • 求人情報の作成および履歴の管理
  • 応募者に関する情報
  • 面接の選考過程や結果の管理
  • 応募者に対する採用担当者の評価
  • 内定者の管理

これには採用コストの削減、応募者への対応にスピード感を持たせるといったメリットがあります。「採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)」とも呼ばれる機能です。

④給与管理機能

給与計算は、非常に工数のかかる業務です。また従業員のモチベーションや社会的評価にもつながるため、ミスが許されない業務でもあります。そこで給与管理機能を活用すれば、効率化できるうえヒューマンエラーも減らせるのです。

  • 基本給
  • 諸手当
  • 基準外手当
  • 各種控除

⑤人事評価管理機能

人事評価とは、職務に対する姿勢や能力、達成度合いや業績などを見て、等級や報酬などの処遇に反映する制度のこと。人事評価管理機能を活用すると、従業員一人ひとりの能力や保有資格、経験などの特性を一元管理できます。

データは、企業戦略に応じた人材配置にも活用可能です。クラウドで管理すれば、複数の担当者が同時にデータベースにアクセスできます。

人事管理ツールを活用すると、業務の効率化や人的コストの削減、公平な人事評価などを実現できるのです

3.人事管理ツールの種類とそれぞれのメリット・デメリット

人事管理業務におけるさまざまな機能を兼ね備えた人事管理ツールには、3つのタイプがあります。それぞれ異なるメリット・デメリットを持つため、導入を検討する際はこれらの特徴をしっかりと理解しておきましょう。

  1. インターネット上のシステムを利用する「クラウド型
  2. 自社で回線を管理する「オンプレミス型
  3. 自社に必要な機能のみを選択し使用する「パッケージ型

①インターネット上のシステムを利用する「クラウド型」

「クラウド型」とは、委託企業(ベンダー)が提供するインターネット上のシステムを利用する形態のこと。物理的にサーバを設置・運用したり、ソフトを購入したりする必要がないため、ほとんどの場合、導入における追加費用がかかりません。

ユーザー数ごとの月額課金が基本となっており、導入・運用にかかるコストを抑えられる反面、自由度が低く自社に合わせてカスタマイズしにくいといったデメリットがあります。

②自社で回線を管理する「オンプレミス型」

「オンプレミス型(クライアント・サーバ型)」とは、サーバやパソコンにソフトをインストールして利用する形態のこと。自社内にサーバを購入もしくはリース契約する必要があるため、クラウト型に比べると初期費用はやや高額です。

一方で、「自社にあわせた独自システムを構築しやすい」「高いセキュリティを確保できる」といった強みも持ち合わせています。

またオンプレミス型はほかソフトウェアとの統合性も高いです。しかしそれにより、バックアップも自社内で実行・保管しなければなりません。

③自社に必要な機能のみを選択し使用する「パッケージ型」

「パッケージ型」とは、既存のソフトウェアを購入し、自社のパソコンにインストールして使う形態のこと。

クラウド型のような月額費用や、オンプレミス型のようなサーバ設置費用などはかかりません。しかし利用する端末ごとにソフトウェア購入・インストールが必要です。

ソフトウェアを購入するだけで始められるため、ランニングコストを抑えられます。その一方で、「必要な機能がそろわない」「ほかソフトウェアとの連携が難しい」といったデメリットもあるのです。

クラウド型、オンプレミス型、パッケージ型、それぞれ異なる特徴を持っています。自社の運用目的やランニングコスト、使用人数などに合わせてじっくり比較してみましょう

4.最低限おさえておきたい!人事管理ツールを選ぶときのポイント3つ

一口に人事管理ツールといっても、その特徴や機能はさまざま。導入の際は、自社の人事業務や企業風土、経営戦略などに合ったシステムを見極めなければなりません。ここでは、人事管理ツールを選ぶ際のポイントを3つ解説します。

  1. 導入したい機能が搭載されているか
  2. 導入後も安心できるサポート体制はあるか
  3. PCスキルが低くても問題なく使用できる操作性か

①導入したい機能が搭載されているか

人事管理ツールには給与計算機能や人事評価機能、要員配置機能や人事情報管理機能などさまざまな機能が搭載されています。まずは自社が必要としている機能が、ツールに搭載されているかを確認しましょう。

そのためにも人事管理ツールの導入目的を、明確にしておく必要があります。「給与計算、勤怠管理業務にかかる人的コストを削減したい」「データベースを経営戦略に活用したい」など、導入の目的をはっきりさせておきましょう。

②導入後も安心できるサポート体制はあるか

人事管理ツールは一度使用して終わりでなく、長期的に活用していくツールになります。導入を検討する際は、導入後のサポート体制についても確認しておきましょう。

  • 保険料率や税率が改定された際、素早くアップデートされるか
  • 法令遵守をサポートする体制が整っているか
  • ツール導入後に新設した自社制度にも柔軟に対応できるか
  • 長期的なサポート、フォローを行ってくれるか
  • 窓口の受付時間やサポート方法(電話、Web、訪問)がどのようになっているか
  • サポート料金は無料なのか有料なのか

③PCスキルが低くても問題なく使用できる操作性か

人事管理に携わるすべての人間が、PCスキルに精通しているわけではありません。「PC操作に不慣れな担当者でも問題なく使用できるか」「使いやすいUIになっているか」なども確認しておきましょう。

どんなに有能な機能を兼ね備えていても、実運用にかかる負荷が大きかったり、うまく活用しきれなかったりするツールでは、期待する効果を得られません。

人事管理ツールによっては無料トライアル期間を設けていたり、一部機能を無料で開放していたりするものも。クラウド型の場合、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでの使用感も見ておくとよいでしょう。

なかにはGPS機能を付けてシフト制やテレワーク勤務にも対応できるツールもあります。人事管理ツールを導入する目的に合わせて、それぞれ比較検討してみましょう