人員配置の管理方法とは? 目的・考え方・人員配置表について

人員配置の管理方法とは、事業計画達成の目標に向けて、適切な人員配置に向けたさまざまな方法を管理することです。

1.人員管理における「人員配置」とは?

人員配置とは、企業が事業計画を達成するために誰をどこに配置するかを決めること。業務の収益性を改善するための「人事マネジメント」とも位置付けられています。

人員配置の目的とは?

人員配置の最終的な目的は、収益性向上の実現。適切な人員配置を行って、業務効率の改善や人件費の適正化を行います。

一般社団法人日本能率協会の調査によると、国内の多くの企業が収益性の向上を企業課題としているそうです。こうした収益性を改善する方法のひとつとして、人員配置が重要視されています。

事業計画を達成させる

人員配置の目的として最も重要視されるのが「事業計画の達成」。そのために企業は部署ごとのニーズと会社としてのニーズ、両方を把握しておかなければなりません。

そして従業員一人ひとりの適性や経験などを踏まえて、適材適所の配置を実現し、事業計画の達成を目指していくのです。

各部署の問題を解消するため

人員配置には、各部署が抱えるさまざまな問題を解消する目的もあります。

  • 経営不振が続いており、慢性的に人手が足りていない
  • 人数は足りているが、現在の人員配置と業務にミスマッチがある
  • 従業員のモチベーションが上がらず効率性や生産性が低い

これらの問題を解決するためにも、適切な人員配置が必要になるのです。

人材育成

労働力不足が叫ばれる一方、ビジネスの現場は日々目まぐるしく変化し続けています。場合によってはこれまで経験のない業務に携わる可能性も高いでしょう。そこで戦略的な人員配置によって、新しい配置先で能力の開発、向上を目指すのです。

「事業計画の達成」「部署の問題解消」「人材育成」のため、戦略的に人員配置することを人員管理における「人員配置」といいます

【大変だった人事評価の運用が「半自動に」なってラクに】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.人員管理で行われる人員配置の種類

一口に「人員配置」といっても、人的資産の再配分にはいくつかの方法があります。ここではいくつかある人員配置の種類のなかでも代表的な5つの施策について解説しましょう。いずれも管理部門にとっては非常に重要なミッションです。

  1. ジョブローテーション
  2. 新規採用
  3. 昇進
  4. 雇用形態を変更する
  5. リストラ・雇い止め

①ジョブローテーション

ジョブローテーションとは、人材育成計画にもとづいて、人材の移動や配置転換を戦略的に行うこと。

従業員の教育や能力開発を目的に行うもので、組織を活性化するために昇格や配置転換を行う「人事異動」とは明確に区別されます。短期間での現場体験で終わらせず、戦略的な人員育成制度として位置付けられている施策です。

②新規採用

組織の活性化につながる新卒学生や経験豊富な人材の新規採用・配置も、人員配置のひとつです。これまでにない新たな人材を登用すると、組織にフレッシュさや活気がもたらされるでしょう。

中途採用で即戦力になる人材を投入できれば、さらなる効率性・生産性の向上につながるでしょう。ただし既存社員との兼ね合いもあるため、新規採用の際は現状の配置を十分把握してから進める必要があります。

③昇進

昇進とは、平社員から主任へ、課長から部長へ、といったように役職や肩書が良い方向へ変わること。昇進によって従業員のモチベーションや生産性を向上するのです。

従業員にとっては給与が上がると同時に、責任感やある種のプレッシャーが生まれます。配置後のフォローやフィードバックも重要です。

④雇用形態を変更する

働き方の多様化や終身雇用の崩壊に伴い、近年、ひとつの会社に正社員やパート、アルバイトや派遣社員など複数の雇用形態が混在している状況も当たり前となりました。

業務範囲は雇用形態によって異なるため、雇用形態が変われば自己の裁量や給与が変わります。それによってモチベーションアップが期待できるのです。

⑤リストラ・雇い止め

人員配置には、ポジティブな方向だけでなくネガティブな施策もあります。使用者側の都合によって従業員を解雇する「リストラ」や、契約社員やパートタイマーなどの有期雇用契約を更新せずに打ち切る「雇い止め」です。

業績悪化に伴って雇用の継続が困難になった場合や、事業の縮小によって人員がオーバーした際にやむを得ず選択する場合もあります。

人員配置を適切に行えれば、業務効率や従業員からの評価を高められます。穴埋めではなくプラスを生み出すための人員配置を意識しましょう

3.人員配置の流れ

それでは実際に人員配置で管理する際の流れについて見ていきましょう。先に述べた5つの手法を活用して、具体的な施策に落とし込むための大枠を固めていきます。ここでは人員配置の流れを4つの段階に分けて解説しましょう。

  1. 定員計画
  2. 要員計画
  3. 人員計画
  4. 代謝計画

①定員計画

定員計画とは、事業所や現場で業務ごとに必要な人員数見込みをまとめること。はじめに、定員計画で、業務上必要なレベルや役職などからおおよその人件費を計算します。

業務を円滑に進め、かつ事業計画を実現するには、数量的な人員の確保だけでなく業務内容に応じたある種の柔軟さも必要です。人件費の総額決定や振り分けは従業員のモチベーションにも影響するため、慎重に計画を立てなければなりません。

②要員計画

要員計画とは、事業目標を達成するために必要な人員を算出し、人員配置や採用活動を計画すること。この部署にはどれだけの人員が必要か、目標を達成するためには新たに何人を採用する必要があるのか、などを決める段階です。

次に述べる「人員計画」と混同されやすいので、違いについて理解しておきましょう。

  • 要員計画は経営に近い計画
  • 人員計画は現場状況に近い計画

③人員計画

人員計画の段階では、先に出てきた要員計画をベースにしてより具体的な計画に落とし込みます。この部署にはどのような人材が必要か、逆に人員余剰となっている部署がないかなどを見て、異動や配置転換、昇進など具体的な人員配置の計画を立てるのです。

人員計画では、必要な人員数が明らかになり、適正な人件費を算出できます。しかし売上計画や人件費計画とのバランスを十分に考慮しなければなりません。

④代謝計画

代謝計画とは、新卒・中途採用や社内異動などで不足分を補い、要員計画と人員計画との差を埋めること。それぞれの計画を進めるなかで、人手が足りなくなる状況も十分考えられます。

勤続年数の長い社員が多い部署に若手や新人を増やしたり、特定の部門に経験者を増やして活性化させたりすることも代謝計画の一環です。

企業の持続的な成長や目標を達成するためには、将来を見据えた人員配置が重要となります。人手不足が叫ばれる現代だからこそ、慎重に計画を立てる必要があるのです

4.人員配置で適材適所を実現させる方法4つ

「適切な人員配置を行う」を言い換えると、「従業員を適材適所に配置する」になります。ここではその「適材適所」を実現するための方法について、下記4つの角度から解説しましょう。

  1. 現在の業務量と人員配置を可視化
  2. 適正な人員の可視化
  3. 異動の意思確認
  4. 配置後の効果測定

①現在の業務量と人員配置を可視化

適材適所の実現は、現状の可視化から始まります。

  • 配置先の業務量に対するマンパワーは適切か
  • 必要なスキルや経験を積んだ従業員は在籍しているか
  • 不足している場合はどんな人材が、いつまでに必要か

後述する「人員配置図」を活用して現場課題の把握、可視化を進めましょう。

②適正な人員の可視化

現在の業務量と人員配置を可視化したら、適正な人員を見極めます。人員配置の失敗として多いのが、現場の監督者しか従業員のデータを把握していないというケース。これでは部分最適の人員配置しかできないため、全社的な適材適所が実現できません。

全従業員のスキルや知識を一元に管理・可視化し、一人の意見や感覚のみで人員配置が行われていないか確認しましょう。

③異動の意思確認

適材適所の実現には、従業員のヒアリングも欠かせません。意思にそぐわないミスマッチな人員配置は、モチベーションや生産性の低下につながります。

  • 現在の業務に対して不安や疑問、相談したい点はないか
  • 担当している業務以外にはどのような仕事に興味があるか
  • 仕事を通じてどのようなワークライフバランスを実現したいと考えているか

これらを聞き出し、異動に対する意思確認を行うのです。

④配置後の効果測定

「適材適所は人員をうまく配置すれば完了」というものではありません。売上高や契約数、利益率などが人員配置後にどう変化したかを数値化し、人員配置の効果を分析する必要があるのです。

人員配置後も定期的な面談やメンタルヘルスマネジメントなどを実施してフォローします。適切なフォローやフィードバックができれば、人員配置のブラックボックス化を防げるでしょう。

人員配置後の効果測定は、次回以降の指標作りに役立ちます。作業効率や労働生産性の変化、人員と業務のバランスなどは定期的に測定しましょう

5.人員配置図の作成方法や記載項目

適材適所な人員配置を行うために有効なのが「人員配置図(人員配置表)」。これは組織全体像を把握し、適切な人員配置を行うために効果的です。ここでは人員配置図の作成方法や記載項目について解説しましょう。

システムを利用する

人員配置図では従業員データを一元管理するため、人員配置に必要なデータをかんたんかつ多角的に見られます。Excelでも作成できますが、専用システムを使うとより視覚的かつ理解しやすい配置図を作成できるのです。

またシステムによって必要なデータを必要な分だけすぐに抽出できるようになります。

エクセルで作成する

Excelなら日常的に使い慣れた従業員も多く、項目の追加や削除といったカスタマイズも容易に行えます。

人事マネジメントを行う企業のなかには、人員配置表やテンプレートを提供している企業も。これらを活用して自社に合った人員配置図にカスタマイズするのもよいでしょう。

必要とされる項目

人員配置図を自分たちで作る場合は、以下を参考にして必要な項目を差し込みましょう。

  • 仕事内容
  • 配置人員
  • 稼働人員数
  • 人件費
  • 配置した人員の氏名や年齢
  • 雇用形態
  • 経歴および実務経験
  • 労働時間
  • 販売数や利益率などの目標値

Excelの「組織図ウィザード」テンプレートを活用すれば、視覚的に判断しやすいかんたんな組織図を作成できます。

人員配置図を作成し、現状の課題や過不足を可視化すると、将来的に活用できる人員配置計画が立てやすくなります