労働安全衛生法の改正とは? 知っておきたい改正点とストレスチェック制度

労働安全衛生対策をより一層充実させて働く労働者の安全と健康を守るために、2014年6月に労働安全衛生法は改正されました。ここでは労働安全衛生法の改正点と、新たに加わったストレスチェック制度の義務化について紹介します。

労働安全衛生法の改正とは?改正点の概要について

労働安全衛生法は、労働者の安全と衛生についての基準を定めた法律で、1972年に制定されました。

今回の改正では、社会的にも問題になった労働現場での化学物質被害による胆管がんの発症などの健康被害問題、過重労働やパワハラなどによる労働者のメンタル不調から精神障害が起き、労災認定が増加している問題、そして同一の企業で繰り返し同じような災害が発生している問題について、防止策が加えられ、7つの改正事項が盛り込まれました。

この労働安全衛生法改正については、2014年6月に公布されて、順次施行されています。この中で、精神障害の労災認定については、認定件数が2010年、2011年、2012年、2013年の推移を見ると234件→308件→325件→475件と増え続けており、2010年と2013年を比較するとたった3年で倍増、この475件は過去最高になっています。

また、厚生労働省によると、働き盛りといわれる世代の死因の1位が自殺というデータもあり、労働者のストレスによるメンタル不調、精神障害発症の防止策が急務となっています。今回の改正案では、これらを踏まえてストレスチェック制度が義務化され、2015年12月から施行されました。

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安全衛生法改正でのストレスチェック制度とは?

この労働衛生法改正で、企業は労働者のストレスの度合いを把握するために、産業医などの医師、保健師等によるストレスチェックが必須と決められました。

回数は年に1度とし、経年による状態の変化を把握するために、毎年同じ月の実施が想定されており、労働基準監督署への報告が義務付けられています。また、当面の間は、ストレスチェック実施は、労働者が50人未満の企業については努力義務とされています。

検査結果について、検査を実施した産業医などの医師や保健師等から、本人に直接通知されることになっています。この検査結果は、本人の承諾なしで産業医や保健師等が企業に提供することが禁止されています。

また、検査の結果、高ストレスであると認められる労働者は、医師の面接指導を受けることが可能です。そして、この面接指導を元に医師から企業に指導があった場合、企業はただちに就業上の措置を図る義務が生じます。

ここでいう就業上の措置とは、労働者の現在の状況を把握考慮し、就業場所の変更、業務内容の変更、労働時間の短縮、深夜勤務がある場合はその回数を減らすことなどがあげられています。

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労働安全衛生法での健康診断とストレスチェックの違い

労働安全衛生法では、健康診断は労働者側にも受ける義務が発生するとされています。もし、これを労働者が拒否し、企業の受診命令に従わない場合は、企業は労働者を懲戒処分で対処することも可能です。

懲戒処分にはどのような種類があるのでしょうか?
6つあります。 処分の軽いものから順に見ていくと、 戒告やけん責 減給 出勤停止 降格や降職 諭旨解雇 懲戒解雇 です。しかしこれは一般的な紹介処分の種類ともいえます。会社によって就労規定に沿った...

一方、ストレスチェックには、労働者側に受ける義務は規定されていません。ということは、労働者が必要ないと判断すれば、受けさせなくても問題ないということになるのでしょうか。

もし労働者本人が検査を拒否した場合、従業員にストレスチェック受診の義務が課されていないため、法令違反にはなりません。しかし、メンタルヘルスの不調は本人も気づかぬうちに心を蝕んでいきます。

メンタルヘルスの不調を予め防止するためにも、できるだけ全員が受けるようにすることが大切です。

メンタルヘルスケアの重要性を理解し、取り組み対策を進めている企業は増えてはいるものの、健康被害と比べて目に見えにくい問題でもあり、取り組みが遅れている企業も多いのが実情です。

人事としては、メンタルヘルスケアの重要性を認識し、組織全体にその必要性を日頃から周知して、対象者全員がストレスチェックを受けるように取り組んでいきましょう。