マネジメントに欠かせない従業員エンゲージメントとは?  取り組みや問題、効果など

日本の企業では人材流出が問題になっています。優秀な人材の定着率を高め、企業の生産性を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。従業員エンゲージメントという観点から考えてみましょう。

1.自社の従業員は幸せに働いていますか?

企業に対して満足感や愛着を持ちながら幸せに働いている人はどれだけいるでしょうか。中には、ほかに良い条件や環境があれば、いつでも転職しようと思っている人も存在するでしょう。

企業に対して思い入れや愛着を持ち幸せな気持ちを抱く、つまり従業員エンゲージメントが高くなると、離職の可能性が低くなり、長い目で見れば業績につながるのです。そのため日本企業では従業員エンゲージメントの向上が必要だとされています。

従業員エンゲージメントが高い企業では、従業員が幸せに働くことができ、業績向上にもつながります

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2.マネジメントにおける「エンゲージメント」の意味

人事領域におけるエンゲージメントは、企業に対して従業員が抱く愛着心や思い入れなどを意味します。マネジメントでは、そのエンゲージメントが現在どのくらいかを見極め、向上を目指して取り組んでいくのです。

なぜ従業員エンゲージメントのマネジメントは難しい?

現代では多様な価値観があり、また「ダイバーシティ」といった言葉があるように、さまざまな背景や考え方を持った従業員がいます。

数十年前のように、「従業員とはこういうものだ」と一律にマネジメントしていては、従業員それぞれに合ったものとはならず、能力を引き出すこともできません。

そこで、従業員エンゲージメントという観点から、従業員と企業との間によい関係を構築するようマネジメントしていくのです。

しかし従業員エンゲージメントの現状を調べ、エンゲージメントの成長を阻む要因を特定し、対策を講じるとなると、知識やツールなどが必要となり、コストや時間がかかります。また取り組んでも、すぐに結果が出ない場合も多々あるでしょう。

そのため従業員エンゲージメントのマネジメントは難しいとされるのです。

従業員エンゲージメントを向上させるには、コストや時間がかかります。もちろんすぐに結果が出ない場合も考えられるでしょう。そのため従業員エンゲージメントのマネジメントは難しいとされるのです

3.従業員エンゲージメントは重要な経営指標のひとつ

従業員エンゲージメントは、業績にかかわるため、重要な経営指標のひとつと考えられます。このことをしっかり受け止め、従業員の現状を調査して改善している企業では、着実に業績が向上しているのです。

海外の企業では早くから、「従業員が幸せに働き続ける」つまり従業員エンゲージメントの高さが重要視されていました。日本でも最近になって、注目を集めています。

従業員エンゲージメントの向上に成功している企業の取り組み

従業員エンゲージメントの向上に成功している企業では、どんな取り組みを行ったのでしょうか。一例を見てみましょう。

まず、eNPSと呼ばれる従業員の愛着や思いやりを数値化する指標を用いて、従業員エンゲージメントの実態を調査します。それによって、どんな事柄がどのように影響しているかを把握するのです。

もし、愛着や思いやりを削ぐような要因があったら特定し、改善に努めます。こうした調査と改善を繰り返して、従業員エンゲージメントを向上させていくのです。

従業員エンゲージメントの向上に成功した企業では、指標を用いて実態を調査し、改善に取り組むといったサイクルを回しています

4.従業員エンゲージメントの向上に注力すべき企業の特徴

従業員エンゲージメントが低下すると、さまざまな問題を引き起こします。ここでは、従業員エンゲージメントの向上に注力したほうがよい企業の特徴を見ていきましょう。

若手の離職率が高い

近年の調査では、20~30代の若い従業員ほど、近い将来に会社を離れたいと思う割合が高くなっているのです(図表1)。2016年の国別調査では、2年以内に会社を離れたいと思っている20代の比率は、日本が最も高くなっています(図表2)。

企業への貢献意欲が低い従業員が存在する

「企業に期待はないが在籍していれば給与も生じるので退職はしない」つまり、「与えられた仕事以上に貢献しようという意欲が低い」状態という従業員が存在する場合、注意が必要です。

従業員が、家族や知人に自社を勧めない

従業員エンゲージメントの低い企業では、従業員は家族や知人に自社を勧めることはしません。なぜなら、自社に愛着や思い入れを持てていないからです。

若手の定着率を高め、従業員全体が意欲的に働くようにするためにも、従業員エンゲージメントの向上に取り組みましょう

5.従業員エンゲージメントの低下が招く問題

かつて、新卒の一括採用、終身雇用や年功序列に裏打ちされた風土がありました。「長く勤務すれば報われる」という、従業員が企業に尽くす一方的な関係です。

しかしその後、成果主義が重んじられるようになり、良い条件があれば、優秀な人材がはためらいなく転職してしまうようになりました。そのため人材確保が課題となったのです。

人材確保を阻む要因

なぜ、人材が離職してしまうのでしょうか。

「目標はあるが、この企業では成長できない」「成果を挙げたのに正しく評価してもらえない」「この企業では自分が認められていない」などと思った場合、おのずと別の企業に目が向いてしまいます。

しかし、人材を定着させるためとはいえ、金銭的な報酬を出すには企業にも限界があり、それだけでは補えない部分も多いでしょう。そこで従業員エンゲージメントの調査、そして結果から改善に取り組むといった方法が有効となるのです。

成果主義が重んじられるに従って、人材確保が課題となりました。そこで有効な方法が従業員エンゲージメントの調査と改善への取り組みです

6.従業員エンゲージメントの向上がもたらす効果

従業員エンゲージメントを高めれば、さまざまな効果が見込まれ、それは企業の発展につながります。一体どのような効果がもたらされるのでしょうか。具体的な内容は、下記の通りです。

  • 従業員が熱意を持って、前向きに仕事に取り組む
  • 成果が正しく評価された、と従業員が満足感を得る
  • 従業員は幸せに働けていると感じ、企業に愛着や思い入れを抱く
  • 従業員はずっと働き続けたいと思うため、離職率が低下する
  • 従業員のパフォーマンスが向上するため、顧客満足度も高まる
  • 従業員とともに企業が成長し、業績も上がる

従業員エンゲージメントが高まると、さまざまな効果がもたらされます。よりよい方向へ進むためにも、エンゲージメントの向上について今一度考えてみましょう