営業利益率とは? 計算方法、適正水準、算出のメリット

営業利益率とは、営業利益の売上高に対する割合のことです。ここでは、営業利益率について計算方法や適正水準とともに解説します。

1.営業利益率とは?

営業利益率とは、売上高から売上原価や販売費、一般管理費を差し引いた営業利益の売上高に対する割合のこと。これにより本業からどのくらい効率的に利益を出せたかが分かるのです。

営業利益率を明確にする理由とは?

なぜ営業利益率を明確にするのでしょうか。それは利益を出す力を知るためです。営業利益は経営上、通常発生するコストを除いて手元に残ります。発生するコストは、「人件費・賃借料・移動交通費・通信費・広告宣伝費」など。

「販売価格-仕入れ価格」に「販売した商品個数」をかけた金額が、最終的な利益の総額に近い金額となります。この営業利益率が高い企業は、一般的に経営が安定するといわれているのです。

営業利益率とは、利益を出す力を示す指標です。営業利益率が高い企業は、経営が安定しているといわれています

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2.そもそも利益率とは?

利益率とは、売上高の中に占める利益額の割合を示したもの「利益 ÷ 売上高 × 100(%)=利益率(%)」にて算出します。利益率は財務諸表に複数存在するものの、それぞれの持つ意味合いは異なるのです。5種類の利益率とそのほかについて解説します。

  1. 売上総利益率
  2. 営業利益率
  3. 経常利益率
  4. 税引き前当期純利益率
  5. 当期純利益率
  6. 決算賞与
  7. 内部留保
  8. 株主配当

①売上総利益率

売上総利益率とは、売上高から売上原価を除いた残金のことで、売上高(原材料費・仕入れた商品の代金・外注費といった、売上を生み出すため直接的に要した費用の合計)に占める売上総利益の割合を表します。

売上総利益率は、別名「粗利(あらり)」とも呼ばれ、業種や企業によって差が大きくなるといわれています。

②営業利益率

営業利益率とは、売上高の中に占める営業利益(売上総利益から販売管理費を除いた残りの金額)の割合を表したもの

平均値は業種によって異なります。しかし一般的に営業利益率が高いと、売上原価や事業経費を除いたあと、割合の分だけ手元にキャッシュを残している状況になるとされるのです。よって本業で利益を出す力が高いと見なせます。

③経常利益率

経常利益率とは、売上高の中に占める経常利益(営業利益から営業外損益を除いた残額)の割合を表したもの

営業外損益は、経営活動における金融や財務に関して発生する収益と費用の合計です。主に、「受取利息や雑収入などの営業外収益」「支払利息や手形割引料などの営業外費用」2つから構成されています。

経常利益の平均は一般的に4%程度で、業種や企業によって割合は大きく異なるのです。

④税引き前当期純利益率

税引き前当期純利益率とは、売上高に占める税を引く前の当期純利益の割合を表したもの。経常利益に特別利益をくわえ、特別損失を除して計算します。

特別利益・特別損失は、「有価証券売却による利益や損失」「固定資産売却による利益や損失」「早期退職者への割増退職金といった特別損失」「火災損失」など、臨時に発生した利益や損失です。

⑤当期純利益率

当期純利益率とは、売上高に占める当期純利益(税引き前当期純利益から法人税や都道府県税などの支払いを除いた残り)の割合を表したもの

当期純利益は、1年間の経済活動で手元に残る利益です。経営分析で活用する場合、突発的な特別損益によるものかどうかの見極めます。当期純利益率からは配当の原資ともなる当期純利益の水準が分かるため、投資家にとって関心のある指標のひとつです。

⑥決算賞与

決算賞与とは、夏や冬に支給される賞与と別に、決算月に支給される賞与のこと。要件を満たせば決算賞与の全額が損金となるため、業績のよい企業が法人税を節税するため、決算月に支給するのです。

決算賞与は節税効果だけでなく、社員のモチベーションの向上にも貢献します。

⑦内部留保

内部留保とは、企業の所有する資産のうち、自己の利益によって調達した部分のこと。しかし借入金や株主の出資は含まれません。

内部留保が豊かな企業には、資金を溜めているというイメージを持つでしょう。しかし実際は、オフィスや生産設備などとしてすでに有効活用されているケースが多いです。

⑧株主配当

株主配当とは、企業が得た利益の一部を株主へ還元したもの。多くの企業は、年1~2回、株主配当を実施しています。配当額は1株あたりの金額で表示されており、金額は企業ごとに異なるのです。

配当額は、株主が持っている株数に比例します。株主は株を買い、権利付き最終日の取引終了時点まで保有すると、株主配当を得られるのです。

利益率には、「売上総利益率」「営業利益率」「経常利益率」「税引き前当期純利益率」「当期純利益率」の5種類があります。

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3.売上と粗利に対する営業利益率とは?

売上と粗利に対する営業利益率とは、会社の収入に対する利益の構成比率のこと。ここでは下記3つの観点から、売上と粗利に対する営業利益率について解説します。

  1. 営業利益率の計算方法
  2. 営業利益率の計算例

①営業利益率の計算方法

営業利益率の計算式は、以下のとおりです。

  • 売上高営業利益率=(営業利益÷売上高)×100
  • 売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益高)×100

②営業利益率の計算例

営業利益率の計算例を見てみましょう。たとえば「売上が1,000万円」「売上総利益が500万円」「営業利益が50万円」という条件で営業利益率を計算すると、下記のようになります。

  • 売上高営業利益率=(50万円÷1,000万円)×100=5%
  • 売上総利益高営業利益率=(50万円÷500万円)×100=10%

営業利益率の計算式は「売上高営業利益率=(営業利益÷売上高)×100」「売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益高)×100」です

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4.売上高営業利益率を算出するメリット・デメリット

売上高営業利益率を算出すると、メリットとデメリットの両方が生じます。それぞれについて解説しましょう。

売上高営業利益率を算出するメリット

ここでは下記2つのメリットについて解説します。

  1. 会社の生存を左右する大きな要素となる
  2. 経営状態の正否がわかる

①会社の生存を左右する大きな要素となる

企業活動を存続させるカギは、売上でなく利益を出す点。営業利益率を無視して売上を拡大しようとすると、経営が傾く可能性もあります。企業の安定的な成長を考える際は、営業利益率に関する適切な目標管理が重要です。

②経営状態の正否が分かる

長期的な売上総利益高営業利益率の推移を分析すれば、以下のどちらにあたるかを見極められます。

  • 営業利益率が上昇傾向の場合、収益性と競争力が高まった正しい経営
  • 営業利益率が下降傾向の場合、収益性と競争力低下の誤った経営

売上高営業利益率を算出するデメリット

売上高営業利益率を算出するとメリットがある一方、デメリットも生み出すのです。ここでは下記2つのデメリットについて解説します。

  1. コスト管理がおろそかになりやすい
  2. 業種業態や事業構成によって不公平感が出る

①コスト管理がおろそかになりやすい

売上総利益率は、コストを差し引く前の仮の利益であるため、企業の儲けを正確に表しているわけではありません。利益目標の指標として「売上総利益率・売上高営業利益率」2つを判断基準にすると、業績の下降といったリスクを負う可能性があります。

②業種業態や事業構成によって不公平感が出る

売上高営業利益率では、「公平な営業利益水準の測定・合理的かつ公平な営業利益目標の設定」ができない可能性もあります。

評価に売上高営業利益率を用いる際、「売上高営業利益率が劣っている」「営業利益金額が同じ」といった社員の評価を低くすれば、公平さから不満が噴出するでしょう。

売上高営業利益率を算出すると、メリットとデメリットの両方が生じます。デメリットをいかに抑え、メリットを享受していくかが課題です

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5.営業利益率における適正水準の目安

営業利益率における適正水準の目安は、3つに分類できます。3つの目安と注意点について解説しましょう。

  1. 【標準的な水準】10%以下
  2. 【優良水準】11%~20%
  3. 【高水準だが、注意が必要】20%以上
  4. マイナスの場合、至急の改善が必要

①【標準的な水準】10%以下

営業利益率が10%程度のときは、標準的な水準といえます。ただし標準的な経営ができているからといって、安心はできません。

上位の優良水準に向けて企業の経営の改善を継続していかなければ、ほんの少しのきっかけで安定経営が一気に衰退に向かう可能性もあるのです。

標準的な水準にある場合、今の水準である点に安住せず、さらに利益が拡大できるように意識を強く持ち、積極的な戦略を展開していかなければなりません。

②【優良水準】11%~20%

営業利益率が11%~20%であるときは、優良水準といえます。この範囲で営業利益率を維持できれば、「成長や投資に関する好循環が期待できる」「持続的成長を実現できる」といった展開が期待できるでしょう。

企業が安定経営を目指す際は、下記3点を満たすとより盤石な基盤を構築できます。

  • 営業利益金額が一定水準を上回っている
  • 売上が増加傾向にある
  • 営業利益率が11~20%の水準に達している

③【高水準だが、注意が必要】20%以上

営業利益率が20%以上であるときは、高水準であるものの注意が必要だといえます。

社内になんらかの歪みが生じていなければ、営業利益率の水準が20%以上でも問題はありません。しかし一般的に、営業利益率が20%以上の企業は社内に歪みが生じており、儲かり過ぎだと考えられるのです。

「人件費が低水準」「保守修繕に不足がある」「取引先に無理を強いている」といった歪みがある場合、急成長のあとで一気に衰退する危険性もあります。

④マイナスの場合、至急の改善が必要

営業利益率がマイナスの場合、至急の改善が必要となります。なぜなら営業利益率がマイナスだと赤字経営になっているからです。

このようなときは、「早急に再建計画を作成する」「黒字化を第一優先とする」といった取り組みが必要になります。営業利益率がマイナスの状況が長引くと、赤字からの脱却はますます困難になるでしょう。

営業利益率における適正水準の目安は3つあります。「10%以下の標準的な水準」「11%~20%の優良水準」「20%以上の高水準」の3つです

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6.営業利益率を増加させる方法

営業利益率を増加させるにはどうしたらよいのでしょうか。ここではその方法を4つ解説します。

  1. 経費の削減
  2. 販売構成割合の変更
  3. 販売単価の値上げ
  4. 販売数量を増やす

①経費の削減

削減する経費は、変動経費・固定経費の2つです。方法は「発生する一定額の固定経費の水準を下げる」「業務全般の効率化による内製化により、売上高に対する変動経費の割合を減らす」など

しかし安易に削減すべきでない固定経費もあるので、注意が必要です。

②販売構成割合の変更

複数ある販売商品のなかで営業利益率の高い販売商品の販売構成割合を高くします

たとえば「営業利益率が8%の商品Aの構成割合を、70%から30%へ」「営業利益率が10%の商品Bの構成割合を30%から70%へ」といったものです。そうすると、全営業利益率は8.6%から9.4%へと改善されます。

③販売単価の値上げ

販売単価を上げたり総売上高が増加したりすると、営業利益率が増加します。しかし販売単価を値上げすると販売数量が落ち込むときもあり、それによって総売上高が減少すれば営業利益率は低下します。値上げの際は、付加価値を明確にしましょう。

④販売数量を増やす

売上高は、販売数量と販売単価を掛け合わせて算出します。方法として考えられるノア、「宣伝広告を強化して、販売数量を増加させながら仕入れ単価の引き下げにつなげる」「販売単価を下げて販売数量を増やす」といった方法です。

営業利益率を増加させる方法には、「経費の削減」「販売構成割合の変更」「販売単価の値上げ」「販売数量の増加」の4つがあります