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クレドとは、企業の価値観や行動規範を簡潔に表した言葉で、従業員の判断・行動の基準となる信条のことです。経営理念よりも実践的で、全社員への共有・浸透を重視した概念です。
ここでは、
- クレドとは何か
- 目的
- メリット
- クレドの作成方法
- クレドの類似語であるミッション、ビジョン
- クレドの活用事例
などについて説明します。
目次
1.クレド(Credo)とは?
クレド(Credo)とは、企業の価値観・行動規範を簡潔に表した言葉で、従業員の判断・行動の基準となる信条のことです。

クレド(Credo)は、企業活動が拠り所とする価値観・行動規範を簡潔に表した言葉のことです。ラテン語で「我は信じる」「信条」という意味を持ちます。アメリカの大手企業ジョンソン・エンド・ジョンソンが考案し、全世界に広まりました。
クレドは「経営理念」とほぼ同じ意味の言葉ですが、あえて両者を区別するとクレドは、
- 従業員への共有
- 従業員への浸透
を意識した際に用いる言葉となります。
クレドは経営理念と同様にそれぞれの企業が決定するため内容はさまざまですが、経営理念と比較すると、
- より具体的
- より実践的
という特徴が見えてくるのです。つまりクレドは、経営理念よりも業務活動や行動に落とし込みやすいといえるでしょう。クレドの内容を文章化したカードを配布する企業もあるなど、従業員の視認性を高めているところもあります。
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2.クレドが有名な企業の具体例
クレドが有名な企業の具体例とは、ジョンソン・エンド・ジョンソン・ザ・リッツ・カールトン・Zappos.comの3社であり、それぞれ顧客優先・おもてなし・コアバリューという形で実践されています。

クレドが有名な企業の具体例を3例説明します。
- ジョンソン・エンド・ジョンソン 「Our Credo」
- ザ・リッツ・カールトン「ゴールドスタンダード」
- Zappos.com Core Values
①ジョンソン・エンド・ジョンソン「Our Credo」
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アメリカの医薬品・健康関連用品の大手企業で、1943年に3代目社長ロバート・ウッド・ジョンソンJr.がクレドを考案しました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレドは、「Our Credo」と呼ばれており、企業として遵守すべき事柄や方向性の優先順位を示しています。
- 第1の責任は顧客に
- 第2の責任は全社員に
- 第3の責任は地域社会に
とし、最後の責任は会社の株主に対するものだと宣言しているのです。顧客を守ることで社員が守られ、社員を守ることで地域といったステークホルダーが維持、そして最後は株主の権利が守られるという哲学が貫かれています。
企業の利益や株主の配当などを尊重せず、あくまで顧客第一の姿勢を貫く中で企業を大きくしようとするクレドが、地域社会に根付く企業文化をしっかりと形成していることが分かります。
②ザ・リッツ・カールトン「ゴールドスタンダード」
ザ・リッツ・カールトンは、ホテルやリゾート、ウェディング事業を世界的に展開する企業です。ザ・リッツ・カールトンは企業理念である「ゴールドスタンダード」の中で、
- クレド
- モットー
- サービスの3ステップ
を掲げ、クレドも含めてモットーとサービスの3ステップを従業員だけでなく広く細やかに提示しています。
クレドは、
- お客様に心のこもったおもてなしと快適さを提供
- 洗練されたくつろぎのある最高のパーソナル・サービスと施設を提供
- お客様が言葉にしない願望やニーズを先読みしてこたえるサービスの心
モットーは「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」、サービスの3ステップでは、
- あたたかい、心からのごあいさつ
- お客様をお名前でお呼びし、一人一人のお客様のニーズを先読みし、こたえる
- 感じのよい見送りと、心のこもったさようならのあいさつにお客様のお名前をそえる
となっています。
③Zappos.com 「Core Values」
Zappos.comは、アメリカを本拠地とした、靴をメインとするアパレル関連通販小売店。Zappos.comには、クレドに相当する「Core Values」という中核的な価値観があり、以下のような10項目で構成されています。
- サービスを通して、WОW(驚き)を届けよ
- 変化を受け入れ、その原動力となれ
- 楽しさと、ちょっと変わったことを作り出せ
- 間違いを恐れず、創造的で、オープンマインドであれ
- 成長と学びを追求せよ
- コミュニケーションを通してオープンで正直な人間関係を構築せよ
- チーム、家族精神を育てよ
- 限りあるところからより大きな成果を生み出せ
- 情熱と強い意志を持て
- 謙虚であれ
このようにZappos.comの「Core Values」は、具体的で実践的です。従業員に分かりやすくというクレドの性質をよく表しています。
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タイレノール事件とは、1982年にジョンソン・エンド・ジョンソンの製品に毒物が混入し7名が死亡した事件で、同社がクレドに基づき即座に全製品回収・警告発信を行い、売上を事件前の9割近くまで回復させた事例です。

クレドが効果的に機能した事例としてタイレノール事件があります。タイレノール事件の概要や企業の対応はどのようなものだったのでしょう。
事件の概要
1982年9月29日、シカゴ近郊のイリノイ州エルクグローブ村の12歳の少女がジョンソン・エンド・ジョンソンの「タイレノール・エクストラ・ストレングス」のカプセルを服用したところ、混入されていたシアン化合物によって死亡。
以後計5瓶のタイレノールによって計7名の死者を出し、この他に毒物が混入された3瓶が回収されました。事件は未解決で、この後シカゴ周辺では、1986年にエキセドリン殺人事件と多くの模倣事件が発生したのです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの対応
この事件を受けてジョンソン・エンド・ジョンソンは経営会議を開き、対応の協議を即断します。
- シアン化合物混入の疑いのみであり、タイレノールが事件にどう関与しているか不明瞭
- 緊急対応マニュアルなどの用意はなかった
という状態にもかかわらず、緊急対応の協議を行ったのです。
そしてジョンソン・エンド・ジョンソンは、
- 各マスコミやメディアを通して、「タイレノールを飲まないように」と警告を促す
- 疑いのある全製品の回収
といった対応に即座に取り掛かりました。それだけでなく事後異物混入ができないカプセル・パッケージングを開発し、大々的にキャンペーンを実施して、売り上げを事件前の9割近くまで回復するに至ります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレド「Our Credo」内にある「消費者の命を守る」に則ったことで、迅速な行動となりました。また「Our Credo」が全社員に徹底されていたことで、
- 緊急時の対応方針を決定
- 組織が一丸となって問題へ対処
を可能としたのです。
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クレドを作成する目的とは、コンプライアンス強化と従業員増加による価値観の希薄化に対応するため、全社員が判断の基準にできる明確な行動規範を作成・浸透させることです。

多くの企業がクレドを作成する理由は、
- コンプライアンス
- 従業員の増加
など。近年日本では、企業のコンプライアンスに疑問を持つような、
- 食品産地偽装
- 製品や安全検査に関わるデータの改ざん
- 粉飾決算
などの事件が起こっており、企業は今まで以上にコンプライアンスに力を入れざるを得なくなっているのです。そして経営層を含む従業員全員が、行動や意思決定のもととなる明確な価値基準の設定に迫られています。
また、事業規模が拡大するにつれ従業員数も増加。企業の経営理念やトップの思いが従業員に浸透しにくい問題も起こり始めています。
そのため多くの企業が、
- 従業員がいつでも目にできるようクレドに関するカードを作成
- カードなどでいつも目にすることで心に刻む
などを実施して、
- 迷ったときの道しるべができる
- 従業員のモチベーションを向上
- 活発なコミュニケーションを促す
など副次的効果も含めて、クレドを活用しようと考え始めているのです。
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クレドを従業員に浸透させるメリットとは、人材育成・従業員エンゲージメントの向上・コンプライアンス強化の3点であり、全社員の判断基準が統一されることで組織力が高まることです。

クレドを従業員に浸透させることで生じる3つのメリットを説明します。
- 人材育成
- 従業員エンゲージメントの向上
- コンプライアンス
①人材育成
1つ目は、人材の育成。クレドが持つ特徴の一つに、クレドカードの作成があります。
クレドカードは、
- クレドが記載してあるカードを従業員に配布する
- クレドカードを常に携帯
- 判断に迷ったときにはクレドカードを道しるべに問題を解決
といった使い方をするもの。このカードを朝礼などで読み上げる活動を行うと、
- 組織の一員としての自覚を促す
- 主体的に行動できる人材を育てる
などを実現させながら、業務に活用できるのです。従業員は、明確な行動基準を知ることにより、自信を持って業務を遂行できます。なぜなら、行動基準をもとに方向性を見定めながら、
- 思考
- 意思決定
- 判断
- 行動
などができるからです。抽象的な表現では、従業員が行動指針を理解しにくいことも。しかしクレドなら、従業員は行動指針を理解しやすくなりますし、モチベーションも高くなりやすいです。
②従業員エンゲージメントの向上
2つ目は、従業員エンゲージメントの向上。エンゲージメントとは、満足度のことです。
クレドカードを用いることで、従業員にクレドの内容を浸透させることができます。またそれにより従業員は、自らの判断や行動、思考に主体性を持って業務を遂行できるのです。当然モチベーションも高くなり、充実した日々となるでしょう。
日々の業務では、問題にぶつかることもありますし、落ち込むときもあるかもしれません。そんなときでも、クレドカードを読み返すことで、どうやったらそれらの課題に対処すればいいのかが見えてくるのです。
そして、クレドカードを携帯している同僚や上司とコミュニケーションを図り力を合わせることで、それらの課題を一つひとつ乗り越えていきます。
このような職場は当然、従業員エンゲージメントが高まります。なぜなら業務に主体的に関われる喜びが確かな従業員エンゲージメントを育むからです。
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③コンプライアンス
3つ目はコンプライアンスです。遵守する主体となる経営層や従業員が倫理的規範などを理解することは必須ともいえます。
もともとクレドは、コンプライアンスを目的として導入されたものです。クレドを設定することで従業員が自主的に意識改革を行えれば、企業のコンプライアンス強化も同時に実現します。
そのため多くの企業がクレドの導入によって、コンプライアンスの強化を図ろうとしているのです。「コンプライアンスのガイドラインはあるけれど、うまく従業員に浸透していない」といった企業でも、クレドをつくることで、
- 社会人としての規範となる具体的な行動指針
- 善悪の判断基準
なども併せて強化できます。従業員一人ひとりの意識を高め、組織力を強め、コンプライアンスを強化できることが、クレド導入の大きなメリットです。
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6.クレドの作成方法(例)
クレドの作成方法とは、プロジェクトチーム結成→目標・スケジュール決定→経営層ヒアリング→従業員ヒアリング→明文化→フィードバック調整→ツール化という7ステップで進めることです。
- プロジェクトチームをつくる: 経営層・管理部門・一般従業員など多様な部門からメンバーを集める
- 目標・スケジュールを決める: なぜ作るか・いつまでに作るか・どう浸透させるかを5W1Hで整理
- 経営層へのヒアリング: 経営姿勢・将来ビジョンを聞き取り、クレドに盛り込む
- 従業員へのヒアリング: 全従業員から広く意見を収集し、現場の声を反映させる
- 明文化・文章化: 短い言葉・一目でわかる・簡単な表現でコンパクトにまとめる
- フィードバックを得る&調整: 経営層・従業員代表にフィードバックし、修正・調整を行う
- 共有・伝達のためのツール化: クレドカード作成・会議室への掲出など全社員への浸透施策を実施

それでは、クレドの作成方法を説明します。
①プロジェクトチームをつくる
クレド作成の第1ステップは、プロジェクトチームをつくること。チーム作成においては、
- 経営層
- 管理部門
- 一般従業員
も含めて多様な部門やポジションからメンバーを集め、プロジェクトチームを結成します。全従業員がどのような考えを持っているのか、的確なかたちでクレドに反映できるメンバーを考えたプロジェクトチームを構成しましょう。
チームが結成できたら、
- 現在の経営理念
- 現在の行動指針
- をベースにして、
- 企業が向かうべき方向性
- 企業が持つべき行動指針
- 会社の存在意義
などについて幅広く議論を始めます。クレドは全従業員の行動指針になるもの。トップダウンといった決定方法ではなく、プロジェクトチームで議論を重ね、全従業員が納得できるクレドを考える、これを心掛けてください。
②目標・スケジュールを決める
クレド作成の第2ステップは、目標やスケジュールの決定。さまざまな部署から人材を集めたプロジェクトチームで、クレドの目標と目標に沿った計画を話し合い、
- クレドをなぜ作成するのか
- クレドをどうやって作成するのか
- クレドをいつまでに作成のか
を明らかにします。クレドを作成する際に、クレドの必要性を認識することが必要だからです。
- どうして自分たちにクレドが必要なのか
- クレドを作成することで何を実現したいのか
- クレドの作成期限
- クレドを全従業員に浸透させるための具体的な目標や目安
などについて、議論を深めてください。何について考えるか分からなくなったときは、5W1Hの考え方を参考にするとよいでしょう。
③経営層へのヒアリング
クレド作成の第3ステップは、経営層へのヒアリングです。クレドは経営層を含めた全従業員の行動指針。一般従業員の意見そして経営層の考えとのすり合わせが必要です。
- 経営層が考える経営姿勢
- 企業の将来のビジョン
などをヒアリングし、クレドに盛り込みます。
たとえば、
- サービス業ならば:「顧客第一主義」「顧客優先志向」
- IT企業ならば:「技術力の向上」「時代を先取りするスピード感」「最新技術の開発」
などが考えられるでしょう。このようなものもクレドにしっかり入れて、クレドカードに記載します。経営層の思い描く企業像に到達するための道筋をつくる必要があるからです。
④従業員へのヒアリング(アンケート調査など)
クレド作成の第4ステップは、アンケート調査などを使った従業員へのヒアリング。クレドを作成するためのプロジェクトチームで議論を終わらせてしまうのではなく、全従業員に対しクレドについてのアンケートを行い、広く意見を収集します。
従業員数が多い場合には、各部署、支店、プロジェクトごとに意見集約をしてもらい、現場の声を集めましょう。
こうやって一人ひとりの意見を吸い上げることで、
- 一体感のある組織を形成
- 従業員の関心を創造
- 熱意や積極性を集約
などが実現できるのです。全従業員の意見を集約することで、クレドの存在価値も高まります。実際にクレドを導入したときも、従業員は身近なこととして受け止めやすくなるでしょう。
⑤明文化・文章化
クレド作成の第5ステップは、クレドの明文化と文章化。
- プロジェクトチームでの議論
- 経営層へのヒアリング
- 従業員アンケートの調査結果
- インタビュー内容
など、クレド作成の各ステップで収集した要素をまとめて明文化します。
明文化の際は、
- 短い言葉
- 一目で分かる
- 簡単な表現
という点に注力してまとめてください。文章は、全従業員の行動指針になるよう誰でもイメージしやすい内容にします。クレドカードは、従業員に何かあったときサッと見返すアイテムとなるもの。それを踏まえると、本質をしっかり組み込み、かつコンパクトな文章での表現は欠かせません。
⑥フィードバックを得る&調整
クレド作成の第6ステップは、フィードバックをもらうこととそれによる調整です。前ステップでコンパクトに明文化したクレドを、
- 経営層
- 全従業員、もしくは従業員の代表
にフィードバックし、修正や調整すべき点があるかどうか再度議論します。クレドの特性を考えれば、経営層も含めた全従業員の意見が集結されているかどうか、念入りに調整することは当然でしょう。
⑦共有・伝達のためのツール化
クレド作成の第7ステップは、共有と伝達のためのツール化。フィードバックや調整が完了したら、クレドの最終ステップとしてクレドを全社員と共有する作業に入るのです。
- クレドの共有や伝達に向けて、
- クレドカードの作成
- 会議室やオフィスなどステークホルダーが利用する場所に置くパンフレットに掲載
といった具体的方法に取り組みます。クレドカードは、社員証と一緒にカードケースに入れると持ち歩きも楽でしょう。
またクレドでは、対象となるステークホルダー全員にクレドを浸透させることも重要となります。
ステークホルダーとは、
- 従業員
- 取引先
- 顧客
- 株主
- 地域社会
など。そのため携帯用クレドと別に配布用クレドも作成しましょう。そしてステークホルダーが頻繁に使用する会議室やオフィスなどに掲出するのです。意思決定の場として利用される会議室には、積極的に掲出するとよいでしょう。
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クレドの類似語とは、ミッション(企業の目的・使命)・ビジョン(企業のあるべき姿)・バリュー(企業の価値観・信条)の3つであり、クレドは経営理念よりも実践的な行動指針として位置づけられます。
| 用語 | 意味 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| クレド(Credo) | 企業の価値観・行動規範を簡潔に表した言葉 | 従業員の日常行動・意思決定の基準 | 経営理念より実践的・具体的。クレドカードで浸透させる |
| ミッション | 企業の目的・使命・任務 | 企業が社会にどんな価値を提供するかを示す | 「やり遂げることで企業活動に意味をもたらす」本質を表現 |
| ビジョン | 企業のあるべき姿・目指す方向性 | 全従業員の共通認識として方向性を示す | ミッションを前提に存在し、将来の理想像を描く |
| バリュー(コアバリュー) | 企業が最重要視する価値観・信条 | 思考・言動・働き方の土台 | 無意識の判断を含む「価値観」に焦点。中核的価値観はコアバリューと呼ぶ |

クレドと類似した言葉として、ミッション、ビジョンがあります。ここでは、クレドの類似語について説明しましょう。
ミッションとは?
クレドの類似語の一つに、ミッションがあります。ミッションをビジネス用語として解釈すると、
- 企業の目的
- 企業の使命
- 企業の任務
企業が経営を通して、
- 何を実現したいのか
- 何を目指していくのか
を語る言葉として用いられるのです。
よってミッションとは、
- 企業がどのような対象に向かってどのような価値を提供していくのか
- 企業として社会にどんな貢献をしていくのか
を具体的に文章に落とし込んだものといえます。
たとえばキヤノンのミッションは、「先進的なイメージング&ITソリューションにより社会課題の解決に貢献する」。ミッションは「やり遂げることで企業活動に意味をもたらす」という企業の本質をシンプルに表現したものともいえます。
ビジョンとは?
クレドの類似語に、ビジョンという言葉があります。
ビジョンとは、
- 企業のあるべき姿
- 企業がそうでありたいと願う姿
すなわち、
- 企業の目標
- 企業の方向性
を明文化したもので、単独では存在せず前段階にはミッションが存在します。それぞれの企業はミッションを前提に置き、将来の自分たちの理想像、すなわちビジョンを形成するのです。
ビジョンとは、全従業員が共通に認識しておくべきもの。企業の方向性を決定する際に、共通認識がピントを合わせてくれるからです。
- ビジョンはミッションを前提にしたもの
- ビジョンは全社員で共有しておくべきもの
これらがビジョンの特徴となっています。
(コア)バリューとは?
クレドの類似語には、バリューがあります。
バリューとは、
- 企業が最も重要視している価値観
- 日常業務を従業員が推敲する際、思考や言動の指標となるもの
- 企業の魂
- 企業の信条
- 従業員の考え方
- 従業員の働き方
の土台となるものとイメージすると分かりやすいでしょう。
バリューに似た言葉に、コアバリューという言葉があります。コアバリューは、中核的価値観と訳される言葉で、コアバリュー経営では、
- 組織を構成する全メンバー共通の価値観を定める
- 共通の価値観を持つことで、組織の結束力を高める
ことを目指します。無意識の判断などを含めて、「価値観」に焦点を当てたものがバリューであり、中核になる価値観はコアバリューと呼ばれるのです。
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クレドの導入・活用事例とは、楽天・ANAサイエンスホールディングス・グリー・JTBプロモーション・ニチレイの5社の取り組みであり、各社がクレドを従業員の行動規範として浸透・活用しています。
| 企業名 | クレド・行動規範の名称 | 特徴・活用方法 |
|---|---|---|
| 楽天 | 成功の5つのコンセプト | 「常に改善」「プロフェッショナリズム」「仮説→実行→検証→仕組化」「顧客満足最大化」「スピード」の5項目。顧客・従業員・株主と共有 |
| ANAサイエンスHD | 合同クレド | M&A統合時にクレド研修合宿を実施。2社のミッションをもとに合同クレドを作成し、組織の一体感を醸成 |
| グリー | Value(5つの行動規範) | 「ロジカル×クリエイティブ×スピード」など独自視点の5項目。ステークホルダーを従業員・取引先・社会全体と設定 |
| JTBプロモーション | 改訂クレドカード | 形骸化したクレドを全社アンケートと他社事例参考に改訂。クレドカードで浸透を継続中 |
| ニチレイ | ミッション+ビジョン型クレド | 「くらしを見つめ、人々の心に満足を提供する」をミッションに、ビジョン2項目と合わせてシンプルに明文化 |

クレドを実際に活用している企業から5社をピックアップして、それぞれどのようにクレドを活用しているのか、説明しましょう。
- 楽天
- ANAサイエンスホールディングス
- グリー
- JTBプロモーション
- ニチレイ
楽天
楽天は、日本有数のインターネット通販事業を展開している企業。楽天では、「世界一のインターネット・サービス企業へ 成功の5つのコンセプト」と題したクレドを掲げています。
その5つとは、
- 常に改善、常に前進
- Professionalismの徹底
- 仮説→実行→検証→仕組化
- 顧客満足の最大化
- スピード!!スピード!!スピード!!
この5要素のクレドによって従業員は、
- 自身はプロフェッショナルな集団に帰属している
- プロフェッショナルとして業務を遂行する
- 業務遂行の中で顧客満足度の最大化を実現する
という意識を常に保つことができるのです。
また楽天では、行動指針も明確に設定しています。「現状に満足せずに従業員一人ひとりが強い意志を持って、物事を進めていく主体的な人材になる」というもの。これを、顧客・従業員・株主・取引先などと共有して、さまざまなことを実現しています。
ANAサイエンスホールディングス
ANAサイエンスホールディングスは、科学計測機器商社のアオバサイエンスとナルセが共同株式移転を実施して設立したグループ企業です。
両社は、
- 顧客、取引先、社員、企業の満足を実現することで社会に奉仕する
- 仕事は生きがいであり、職場は夢を提供する場所
を共通のミッションに掲げており、グループ会社を設立するに当たって、グループ企業としてのクレドを作成することにしたのです。その際クレド研修合宿を行い、そこで両社のミッションをもとにした合同クレドを作成、発表しました。
研修の参加者からは、
- グループ企業としての財産ができた
- 迷ったときの行動指針にクレドを活用できる
- クレドを見れば具体的に行動できる
- クレドを通して、他部門との共通認識が構築できた
といった声が上がっており、2社はクレドの作成を通じて強い絆で結ばれた共同体になったのです。
グリー
グリーは、世界初のモバイルソーシャルゲームを開発した企業で、企業の存在意義に「インターネットを通じて、世界をより良くする。」を掲げています。さらに、それを実現するための行動規範を5つ設定し、「Value」と位置付けているのです。
- ロジカル × クリエイティブ × スピード。
- 現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす
- 常に前向きに挑戦する。成功するまでやり続ける
- 一流の仲間を集め一流のチームを作る
- 人に、社会に、仕事にまじめ
「ロジカル × クリエイティブ × スピード」を掛け合わせることで最大の効果を発揮するという点から、グリーが独自の視点で行動規範を捉えていると分かります。
グリーのクレドではステークホルダーを、
- 従業員
- 取引先
- 社会全体
と設定。そして、
- コンプライアンス
- 価値あるサービスの提供
を掲げています。
JTBプロモーション
JTBプロモーションは、愛知県にある広告および宣伝事業や販促用印刷物の企画、編集、制作事業、各種イベント事業を展開している企業です。
クレドへの取り組みは早かったものの、改訂版が出されてからかなり年月が経過したこともあり、クレドの浸透度が低いという問題を抱えていました。
こうした形骸化しているクレドを一新しようと、
- 自社ブランドを推進するメンバーが全従業員にクレドアンケートを実施
- ブランド推進メンバーを中心としてクレドの改訂に着手
することにしたのです。
- クレドとは何?
- クレドを導入する目的は?
- クレドはどうして必要なのか?
- クレドがもたらす効果?
といったクレドの目的や意義を考え、さらに、
- バリュー策定
- 文例集
- 他社事例
なども参考にしながら試行錯誤の上、次期クレドを作成することに成功しました。現在では、クレドカードを作成して社員への浸透を深めています。
ニチレイ
ニチレイは、冷凍食品でも有名な大手食品関連会社です。
以前より、
- お客様
- 社会
- 取引先
といったステークホルダーに対して自社の責任や社会貢献などの行動指針を示していましたが、そこにクレドを象徴するミッションやビジョンを用いて、企業としての姿勢や行動指針を示したのです。
まずミッションとして「くらしを見つめ、人々の心に満足を提供する」を掲げ、次にビジョンとして、
- 食品と物流に関しての「フロンティアカンパニー」であり続ける
- 「広く好感と信頼を寄せられる企業として、社会とともに成長」するため優れた品質・価値を持つ商品・サービスの提供を続ける
を掲げます。ミッションやビジョンを合わせても3つしかありません。しかし、身近なフレーズで従業員の行動指針を示すことができています。従業員そしてその他のステークホルダーが、企業活動の具体的な姿勢をしっかりと掴むきっかけになったのです。
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クレドは、日常の業務会話や意思決定の場面で自然に登場する言葉です。以下に、職場で実際に使われる代表的な会話例を紹介します。
会話例①:判断に迷ったときの拠り所として
上司:「今回のクレームへの対応、どう判断した?」
部下:「クレドに『お客様の期待を超えることが私たちの使命』とあるので、費用がかかっても最優先で対応する方向で動きました。」
上司:「そうだね。クレドに沿った判断だ。」
会話例②:新入社員への説明場面で
先輩:「うちの会社のクレドは読んだ?」
新入社員:「はい、配布されたクレドカードで確認しました。」
先輩:「日々の業務で迷ったことがあれば、まずクレドを見てみて。答えのヒントがあることが多いよ。」
会話例③:会議での方針検討場面で
営業担当:「値引き対応を広げれば受注が増えると思います。」
マネージャー:「確かに短期の数字は伸びるかもしれないけれど、クレドで謳っている『価値で選ばれる』という方針とズレないか確認しましょう。」
類義語との違い:クレド・ミッション・ビジョン・バリューの使い分け
これらの言葉はしばしば混同されますが、役割と使用する場面が異なります。
| 用語 | 一言で表すと | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| クレド | 行動の拠り所となる信条 | 「判断に迷ったときはクレドを見てほしい」 |
| ミッション | 企業の存在意義・使命 | 「私たちのミッションは〇〇です」 |
| ビジョン | 目指すべき将来像 | 「5年後のビジョンはこうありたい」 |
| バリュー | 大切にしている価値観 | 「私たちのコアバリューは誠実さです」 |
違いを一文で表すと
- ミッション:「なぜ存在するか」(存在意義)
- ビジョン:「どこを目指すか」(未来像)
- バリュー:「何を大切にするか」(価値観)
- クレド:「どう行動するか」(実践的信条)
クレドはミッション・ビジョン・バリューを統合し、従業員が実際に行動できるレベルまで落とし込んだものといえます。特に規模が拡大した組織では、クレドが日々の意思決定の「判断軸」として機能します。
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クレドとミッションは何が違うのですか?
クレドは従業員の日常の行動・判断基準を具体的に示す「信条」で、実践的な行動規範として機能します。一方、ミッションは「企業が社会に何を提供するか」という使命・目的の宣言であり、クレドの上位概念にあたります。クレドはミッションをより行動レベルに落とし込んだもの、と理解すると分かりやすいでしょう。
中小企業やベンチャーでもクレドは必要ですか?
規模に関わらず必要です。むしろ創業期・成長期こそ、経営者の価値観を言語化してチームに浸透させるためにクレドが有効です。従業員が少ない段階では経営者の考えが直接伝わりやすいですが、組織が拡大し始めると口頭だけでは限界が生じます。クレドを早期に整備することで、採用・意思決定・行動のブレを防ぐことができます。
クレドを作成した後、形骸化させないためにはどうすればよいですか?
形骸化を防ぐためには、クレドカードの配布や朝礼での読み上げなど日常業務に組み込む仕組みが重要です。また、定期的に見直しを行い、事業環境や組織の変化に応じてアップデートすることも必要です。JTBプロモーションのように一度形骸化したクレドを全社アンケートで見直した事例もあります。評価・表彰・採用基準にクレドの価値観を紐づけることで、実効性をより高めることができます。
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