人事部門での生成AI活用、55%が「文章生成」止まり。しかし「壁打ち」や「データ分析」にまで使いこなす層との間には、明確な差がありました。
AI活用レベルの分布「半数以上がLevel 1以下」
(L0+L1)
(L2+L3+L4)
(L4)
最も多いのはL1(文章生成)の38%。L0と合わせると過半数がまだ入り口にいます。一方で、L2以上に進んでいる層も45%おり、二極化の構造が見えてきます。
ChatGPTとGeminiが6割前後で拮抗し、Microsoft Copilotが37%で続きます。企業規模別に見ると、AI活用レベルには明確な傾向がありました。
| 企業規模 | n | L2以上の割合 |
|---|---|---|
| 50〜99名 | 9 | 11% ※n≦15のため傾向の示唆として |
| 100〜299名 | 16 | 25% |
| 300〜999名 | 25 | 48% |
| 1,000〜4,999名 | 29 | 52% |
| 5,000名以上 | 21 | 62% |
300名が1つの目安となりそうです。ただし5,000名以上でもL0が29%おり、大企業=進んでいるとは限りません。
AIに何をさせているか。プロンプト内容で見えるレベルの差
全体では「文章の作成・添削・要約」が56%でトップ。しかし、AI活用レベル別にクロス集計すると、プロンプト内容に大きな差が現れます。
| プロンプト内容 | L1(n=38) | L2以上(n=45) | 差 |
|---|---|---|---|
| 文章の作成・添削 | 76% | 56% | ▼-20pt |
| 壁打ち・アイデア出し | 34% | 60% | ▲+26pt |
| データ分析・傾向把握 | 16% | 53% | ▲+37pt |
| 業界動向・他社事例調査 | 11% | 36% | ▲+25pt |
| マネジメント相談 | 11% | 33% | ▲+22pt |
L1は「文章を書かせる」が76%で突出。L2以上は「壁打ち」60%、「データ分析」53%と用途が多様化しています。AIに何をさせるかの多様性が、レベルの差を生んでいることがデータから読み取れます。


「次のステップに進めない理由」。レベルが上がると壁の質が変わる
全体では「セキュリティリスク」が58%で最大の壁。しかし、AI活用レベル別に見ると壁の質が異なります。
| 障壁 | L1(n=38) | L2以上(n=45) |
|---|---|---|
| セキュリティリスク | 55% | 73% |
| ルール未整備 | 42% | 51% |
| AIスキル不足 | 42% | 38% |
| 業務フロー組込不明 | 11% | 20% |
| 浸透しないと思う | 8% | 2% |
L1の壁は「スキル不足(42%)」と「浸透しない(8%)」。つまり「使えない」。L2以上の壁は「セキュリティ(73%)」と「業務フロー組み込み(20%)」。つまり「使えるが、組織に埋め込めない」。レベルが上がると壁の質が変わることがわかります。
AI活用の失敗経験「半数が転んでいる」
(文章生成経験者ベース)
失敗1位
AI活用者83名に限ると、63%が失敗またはヒヤリハットを経験しています。文章生成経験者77名のうち53名(69%)が「バレた」または「バレている気がする」と回答しました。


失敗を仕組みに変えた企業「転んだ企業ほどルールが進む」
| グループ | n | ルール整備率 |
|---|---|---|
| 失敗あり/未遂 | 52 | 75% |
| 失敗なし/未活用 | 48 | 19% |
約4倍の差。失敗を経験した企業のほうが、ルール整備が進んでいます。
入力範囲の定義(51%)、ダブルチェック体制(39%)遅れている「攻め」のナレッジ
プロンプト共有(20%)、事例共有(17%)→ まず守りを固め、そこから攻めに転じるのが現実的な順序です。
まとめ:AI活用は「失敗を仕組みに変えられるか」が分岐点
調査結果から見えてきたのは、AI活用のレベルを分けるのは「ツールの性能」ではなく「何をさせるか」と「失敗をどう扱うか」だということです。
明日から取り組める3つのアクション
- 「壁打ち」用途を試す:「若手向けの新しい福利厚生のアイデアを5つ出して」「このサーベイ結果から課題を3つ抽出して」。文章生成から一歩踏み出すだけで、AIの活用領域は広がります。
- 入力してよい情報の範囲を「3行」で決めて共有する:「個人名NG」「売上数値NG」「制度の一般的な質問はOK」。完璧なガイドラインでなくていい。3行あるだけで、現場は安心して使い始められます。
- AI出力のダブルチェックを1人つける:失敗の69%は「出力の誤り」。AIの出力をそのまま使わず、もう1人が目を通すだけで防げる失敗が大半です。
「活用を広げたい」
意欲は80%。だが33%がルールなし。意欲はあるが仕組みが追いついていない。「まず失敗してもいい環境を整え、失敗から学んだことをルールに変える」。このサイクルを回せるかどうかが、次のレベルへの分岐点になります。
調査方法:ユニーリサーチによるインターネットリサーチ
調査期間:2026年6月
有効回答数:100名(スクリーニング回答584名)
回答者の企業規模:50〜99名 9%、100〜299名 16%、300〜999名 25%、1,000〜4,999名 29%、5,000名以上 21%
対象条件:従業員50名以上の企業に勤務する人事・総務・経営企画担当者(AI活用レベル不問)
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