2045年問題とは?【AIが人間を超える?】シンギュラリティ

人工知能を語る上で避けて通れないのは、2045年問題です。2045年問題は、常に私たちに大きな問題を投げかけています。

  • 2045年問題とはどのような問題なのか
  • シンギュラリティ(技術的特異点)について
  • AIと人間との関係性

などについて考えてみましょう。

1.2045年問題とは?

近年、AI、すなわち人工知能は著しい進化を遂げているのです。生活の中でも気付かないうちに、人工知能による高度な技術の影響や恩恵を受けているものもあります。その技術発展には目を見張るものがあるといえるでしょう。

その人工知能の性能が2045年に人類の知能を超える、と予測されているのが技術的特異点と呼ばれる2045年問題。人工知能が人類に代わって文明の主役になるその転換点を意味しています。

2045年問題が現実となれば、私たち人類の想定を超えた多くの問題が発生する可能性は高いでしょう。これにより、さまざまな角度から2045年問題が語られるようになったのです。

2045年問題を提唱したカーツワイル氏

2045年問題を提唱したのは、アメリカ人でAI技術研究者のレイ・カーツワイル氏。彼がコンピュータ技術の進歩、発展について予測をしたのは、1990年頃でした。

当時の予測には、

  • インターネットの普及
  • コンピューターがチェスの試合で勝利する

といった現代の高度なAI技術を的中させたものもあり、その予測の精度は評価されているのです。

他にも、若返りや寿命延長などをテーマとした技術カンファレンスRAAD2018で、「AIの進歩は非常に早く、2045年頃にはコンピューターが人類の能力を上回る」と述べています。

レイ・カーツワイル氏は、このように人工知能の世界的権威ならではの視点からAI技術のたどる道筋について多くの予測を行っているのです。

2045年問題と密接するシンギュラリティ(技術的特異点)

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、現時点で予測されているスピードでAIが進化を続けた場合、人工知能の性能が人類の知能を上回ると見込まれる瞬間点のこと。

一般的に、シンギュラリティが起きるとされている年は2045年といわれています。シンギュラリティを超えた場合、機械的に人工知能のバージョンアップが行われることになり、人類が予想もしなかった高度な技術による知性が誕生するでしょう。

そうなれば、汎用人工知能が地球における文明や歴史の主役に躍り出ることも、全くないとはいえなくなります。

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AIに生じるとされる変化

2045年問題が現実に起きた場合、AIに生じると予測される変化がいくつかあります。

たとえば、

  • AIの知能が人類の脳と同程度、またはそれ以上の能力を保有する
  • AIが指数関数的に高度化しながら、自ら意思を持つ

しかしこれらの予測がある一方で、識者やコンピューターの技術者によっては、そのようにAIに支配される世界は訪れないとする意見も述べています。

  • 何が真実なのかは実際に2045年になってみなければ誰にも分からない
  • すべての予測はあくまで予測の域を超えないものである

というのがおおよその見方のようです。しかし、そのような議論が噴出するまでに人工知能が進化していることは事実でしょう。

2045年問題は、技術的特異点のこと。人工知能が人類の知能を上回るかどうかは、現段階では分かりません

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2.2045年問題が人間に与えるとされている影響

2045年問題が現実になった場合、高度化した人工知能が人間に与えるとされている影響は何でしょうか?

  1. 仕事がなくなる
  2. 働かない世界の到来
  3. 映画やゲームで見たような世界になる

①仕事がなくなる

1つ目は、人間の仕事がなくなってしまうこと。

人工知能が人間の脳を上回った効率の良い仕事をした場合、人間の出る幕はありません。パソコンを使った一般事務、メーカーの製造ラインなどを含めた多くの仕事が人工知能に取って代わられ、人間の仕事の多くが消滅してしまうと危惧されています。

すでに、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでのレジ清算業務が自動化されるといったニュースも流れています。私たちの身近な仕事の領域にも、人工知能の技術が浸透しつつあるのです。

②働かない世界の到来

2つ目は、人類が働く必要のない世界の到来。

「仕事がなくなる」ことをネガティブに捉えがちですが、人工知能が私たちの仕事を代わりに担ってくれると考えると違う解釈ができます。人類が労働そのものから解放されるという解釈も成り立つのです。

このことは、私たち人間が収入を得るための仕組み、労働やお金に対する概念、公的保障といった社会の仕組みそのもの、人間が持っている価値観、世界観などにも大きな変化をもたらすことでしょう。

③映画やゲームで見たような世界になる

3つ目は、映画やゲームの中だけの出来事と思っていた世界が現実の世界でも見られるようになること。

  • 過去にさかのぼることができ、未来に移動できるタイムマシーン
  • コンピューターの中だけに存在する仮想世界の実写
  • 高度な家電やコンピューターに囲まれたデジタル空間

などが現実のものになる可能性も秘めているのです。CGによって実現していた映像が現実の世界でいずれ見ることができる、そう想像するとき、2045年問題がどれほど大きなものか、改めて認識させられることでしょう。

高度化した人工知能は、人間の労働という概念を大きく変えたり、映画やゲームの世界を現実のものとしてくれたりする可能性を秘めています

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3.2045年問題の対策や解決策

2045年問題について手をこまねいて見ているわけではありません。すでに、対策や解決策が提案されているのです。

  1. 人間そのものの能力向上
  2. AIと人間が共存できるよう試みる

①人間そのものの能力向上

1つ目は、私たち人間そのものの能力を向上させること。人工知能が人類の英知を超えることのないよう、私たち自らが人間の能力を今まで以上に高めていく必要があるのです。

人工知能とて、もとを正せば私たち人間が作り出したマシーン。そのマシーンに私たちが支配されることのないよう、政治、経済、カルチャー、教育、生活、スポーツ、国際社会といったさまざまな側面において、自己の能力を高めていく必要があるのです。

また、そうすることができるのが私たち人間ともいえます。

②AIと人間が共存できるよう試みる

2つ目は、AIと人間が共存できるよう試みること。

多くの研究者が予想した通り、人工知能の性能が人間を上回ったとしましょう。しかし、人間と対峙する場所に人工知能を位置付けるのではなく人間と人工知能、双方の共存を図るように舵を取ることが重要です。

人工知能を活用したい人間と、人間によって生み出された人工知能が不用意に敵対するのではなく、お互いの不足部分を補いながら新たな関係性を築く。これこそが、双方がWin-Winになるための唯一の考え方といえるのではないでしょうか。

結論から言えば対策や解決策はない?

2045年に向けて私たち人間が行うべきことは特段ない、というのも答えの一つです。2045年というまだ見ぬ世界がどのようなものになるのか、誰も予想できません。

また不確定な要素があまりにも多く、誰も断定的なことを言えないのが実情です。そのため、何か具体的な対策を構築しようとしても、その対策が正しいのか正しくないのかさえ判断できません。

つまり今、私たちが2045年問題に対してできることは特段見当たらないともいえるのです。しかし、2045年問題が現実化した際に慌てないよう、常に情報収集を怠らず臨機応変に対応していくことは重要でしょう。

私たちは2045年問題に向けて、人間自身の能力の向上や人工知能との共存への試みを行うとともに、どんな状況が到来しても臨機応変に対応できるよう情報収集をしていくべきでしょう