ボラティリティとは、証券などの価格変動の大きさを示す指標で、標準偏差で表されます。ボラティリティが高いほど価格変動が大きくハイリスク・ハイリターン、低いほど安定的な値動きとなります。本記事では、ボラティリティの種類(HV・IV)・高い/低い銘柄の特徴・活用法・計算方法・注意点・確認方法まで網羅的に解説します。
目次
1.ボラティリティとは?
ボラティリティとは証券などの価格変動性を示す指標で、標準偏差で数値化され、「高い=変動が大きい」「低い=安定的」と表現します。
ボラティリティは標準偏差で示され、高い・低いといった表現を用います。
つまり「ボラティリティが高いと期待収益率から大きく乖離」「ボラティリティが低いと期待収益率に近い変動」といった動きになるのです。そのほかボラティリティは、特定やそのほか変数の変動における感応性を意味する場合もあります。
ボラティリティブレイクアウトとは?
直近の価格変動幅、すなわちボラティリティを超える上昇や下降が起こった場合、その変動幅の特性に乗じること。ロウソク足やボリンジャーバンドを用いる方法があります。
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2.ボラティリティの種類
ボラティリティは過去データから算出する「ヒストリカルボラティリティ(HV)」と、市場の将来予想を反映する「インプライドボラティリティ(IV)」の2種類に分かれます。
| 種類 | 正式名称 | 略称 | 概要 |
|---|---|---|---|
| ヒストリカルボラティリティ | Historical Volatility | HV | 過去の一定期間のデータから算出した変動率。現在の値動き予測に使用 |
| インプライドボラティリティ | Implied Volatility | IV | オプション価格から逆算。市場の将来予想が反映される |
ボラティリティには2種類あります。それぞれについて解説しましょう。
ヒストリカルボラティリティ(HV)
過去の一定期間のデータをもとにして計算された変動率のこと。過去の動きから現在の値動きを予測する場合に用いられるのです。頭文字をとって「HV」と呼ばれるほか、歴史的変動率と訳されています。
統計学では標準偏差である「σ(シグマ)」に該当し、株式や為替、金利や債券、コモディティといった過去の原資産価格の変化率の平均値から算定します。代表的なものは、日本経済新聞社が公表している日経平均株価を対象とした、日経平均HVです。
インプライドボラティリティ(IV)
オプション価格から逆算して計算され、市場における将来予想が反映されるといった未来のボラティリティを表すもので、頭文字をとって「IV」と呼ばれています。
日本では予測変動率と訳され、オプション取引におけるテクニカル分析指標としても活用されています。投資家にとって未来の予測は非常に重要です。そのためヒストリカルボラティリティよりもインプライドボラティリティが重視される傾向にあります。
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上場直後の銘柄・好業績リリース直後の銘柄・小型成長株などがボラティリティの高い銘柄の代表例で、短期的に高い利益を狙える半面、損失リスクも大きくなります。
ボラティリティが高い銘柄の特徴は、下記のとおりです。
- 上場したばかりの銘柄
- 高業績といったプレスリリースを行った直後の銘柄
- 市場で人気を集める小型成長株
ボラティリティが高い銘柄を購入すれば、短期的に高い利益をあげると見込まれます。その半面、「どのタイミングで購入するか」「いつ損切りをするか」といった判断を間違えれば、大きな損失を招く可能性もあるのです。
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安定した業績の大型銘柄やディフェンシブ銘柄はボラティリティが低く、中長期保有では損を出しにくい反面、短期的な売買益は上がりにくい傾向があります。
ボラティリティが低い銘柄の特徴は、下記のとおりです。
- 安定した業績を維持する大型の銘柄
- 業績が景気の動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄
このような銘柄の多くは、株価に値動きが少なく安定している傾向にあります。そのため仮に中長期的に保有した場合でも、損を出しにくい運用が可能です。反面、短期的な投機を考えた場合、株価の安定性から株式売買による利益は上がりにくくなります。
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6.ボラティリティの活用法
ボラティリティは「短期トレード銘柄の判別」「相場の大きな変動予測」「中長期投資のリスク判断」「投資金額の配分判断」の4つに活用できます。
| 活用法 | 内容 |
|---|---|
| 短期トレード銘柄の判別 | ボラティリティが大きい銘柄は値動きの幅が大きく短期売買に適している |
| 相場の大きな変動を予測 | HVが長期間低水準を維持→ブレイクアウト時に大きな変動が発生しやすい |
| 中長期投資のリスク判断 | 高ボラ銘柄と低ボラ銘柄を組み合わせてリスクとリターンのバランスを取る |
| 投資金額の配分判断 | ボラティリティの大きさに応じて投資比率を調整しリスクを管理する |
| ボラティリティ | 配分目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高い(変動幅大) | 10% | 短期的な高リターンを狙えるがリスクも大きい |
| 低い(変動幅小) | 60% | 安定運用の中核。損失リスクが小さい |
| 現金保有 | 30% | 急な下落時の買い増し余力・生活防衛資金 |
ボラティリティの活用法は4つです。それぞれについて解説しましょう。
- 短期トレードに適した銘柄かどうかの判別
- 相場の大きな変動を予測
- 中長期投資のリスク判断
- 投資金額の判断
①短期トレードに適した銘柄かどうかの判別
短期トレードに適した銘柄の特徴は、「値動きの幅が大きい」「流動性が高い」など。
ボラティリティが小さい場合、トレードに大きな変化がないため売買チャンスを確認できないまま終わってしまう可能性もあります。短期トレードを考えた際は、ボラティリティの大きさをひとつの判断基準にするとよいでしょう。
②相場の大きな変動を予測
ヒストリカルボラティリティを見たとき長いスパンで低いボラティリティを維持していれば、「相場として動きが少ない」「変動トレンドのエネルギーを蓄えている」と判断できるのです。
このようなボラティリティのトレンドでは、一旦ブレイクアウトすれば変動幅も大きくなると想定されます。ヒストリカルボラティリティが低下トレンドになれば、チャンス到来でしょう。
③中長期投資のリスク判断
中長期投資の場合、「ボラティリティが高い銘柄ばかりでは、リスクが高くなる」「ボラティリティが低い銘柄ばかりでは、リターンが少なすぎる」といった問題が生じます。
そこで中長期投資におけるリスクとリターンの両面をあらかじめ考え、ボラティリティを目安に投資対象を選別します。たとえば景気悪化を考慮し、ボラティリティが低い銘柄を組み込んでリスク回避を狙うといった方法です。
④投資金額の判断
資産運用を成功させるためには、投資先の分散によるリスク管理が有効です。ボラティリティの大きさを考えて投資配分を変えられれば、リスクを極限まで回避した資産運用ができます。
資産運用における一般的な投資金額の配分の目安は、下記比率での保有です。この目安をもとに、投資姿勢にて比率を変動させるとよいでしょう。
- ボラティリティが大きい変動幅の大きい銘柄は10%
- ボラティリティが小さい変動幅の小さい銘柄は60%
- 現金保有は30%
7.ボラティリティの計算方法
HVは過去の前日比率から標準偏差を算出し、IVはブラック・ショールズ・モデルでオプション価格から逆算して求めます。
ボラティリティの計算方法について、ケースごとに解説しましょう。
- ヒストリカルボラティリティ(HV)の場合
- インプライドボラティリティ(IV)の場合
①ヒストリカルボラティリティ(HV)の場合
ヒストリカルボラティリティのボラティリティは、「《『[[(前日比率-前日比率平均)の2乗]のn日合計]÷[n日]』の平方根》x《m日の平方根》」で算出できます。上記の計算式では、下記のようになります。
- 標準偏差は《『[[(前日比率-前日比率平均)の2乗]のn日合計]÷[n日]』の平方根》
- 単位率にするために《m日の平方根》を乗じる
表計算ソフトExcelを用いて計算する場合の計算式は、「《STDEVP(サンプル期間の前日比率の時系列データ)》x《SQRT(単位期間)》」です。
②インプライドボラティリティ(IV)の場合
インプライドボラティリティの場合、特別な算出方法はありません。
ただし上場オプションに関しては、プレミアムと呼ばれるオプション価格で取引されています。そのため1973年に発表された、オプション価格算出のための理論式ブラック・ショールズ・モデルを使って、インプライドボラティリティを計算できるのです。
ブラック・ショールズ・モデルとは
オプションの理論価格を算出する計算モデルのこと。
1973年、米国の経済学者であるフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズによって、考案・発表されました。当初、無配当株式のオプションが前提の計算理論でしたが、現在ではさまざまな取引形式に応用されているのです。
ブラック・ショールズ・モデルでは、ボラティリティに関する下記5つの変数を用いて計算します。
- 原資産価格
- 権利行使価格
- 金利
- 残存期間
- 原資産
難解な計算式であるものの、原資産と金利資産からなるポートフォリオとポートフォリオの現在価値がベースとなっています。
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ボラティリティだけで投資判断はできず、テクニカル指標との併用が必要であり、高ボラティリティ銘柄には流動性リスクも伴います。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| ボラティリティだけでは判断できない | テクニカル指標と併用して個別銘柄をより深く分析する必要がある |
| 流動性リスクがある | 高ボラティリティ銘柄は「買いたい値段で買えない・売りたい値段で売れない」リスクを伴う |
ボラティリティの注意点は2つあります。それぞれについて解説しましょう。
- ボラティリティだけでは判断できない
- ボラティリティが高い銘柄は流動性リスクがある
①ボラティリティだけでは判断できない
ボラティリティを計算して数値がわかっても、その数値を見ただけで投資の適不適を判断するのは困難です。
ボラティリティからは値動きの変動幅の大きさがわかります。よって実際に売買を行うための判断には、テクニカル指標を有効活用し、個別銘柄についてより深い分析が必要です。ボラティリティは、あくまでひとつの判断材料だという認識が必要でしょう。
②ボラティリティが高い銘柄は流動性リスクがある
ボラティリティは、値動きの変動制と市場での流動性の両方を示す指標です。変動率ばかりに気を取られると、市場における流動性のリスクを負うケースがあります。
「買いたいときに買いたい値段で買えない」「売りたいときに売りたい値段で売れない」といった流動性リスクも、判断材料のひとつにしましょう。
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SBI証券のスクリーニング機能や楽天証券のスーパースクリーナーを使えば、銘柄のボラティリティを手軽に確認できます。
ボラティリティの確認では、「SBI証券のスクリーニング機能」「楽天証券のスーパースクリーナー」などを利用します。SBI証券のスクリーニング機能では、以下操作でかんたんにボラティリティを確認できます。
- ログインし、国内株式のページの「スクリーニング」をクリックする
- スクリーニング画面の「過去60日ボラティリティー (%)」「並替」を降順もしくは昇順に設定し、「表示」のチェックボックスをオンにする
- 「検索実行」ボタンをクリックする
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よくある質問
ボラティリティが高い銘柄は初心者でも投資してよいですか?
ボラティリティが高い銘柄は短期的に大きな利益を狙える反面、損失リスクも大きいため、投資初心者にはおすすめしにくい銘柄です。まずはボラティリティが低く安定した大型銘柄やディフェンシブ銘柄で経験を積み、相場感やリスク管理の基本を身につけてから段階的に挑戦するのがよいでしょう。
ヒストリカルボラティリティ(HV)とインプライドボラティリティ(IV)はどちらを重視すべきですか?
一般的にはインプライドボラティリティ(IV)がより重視されます。HVは過去のデータにもとづく実績値ですが、IVは市場参加者の将来予想が反映されるため、今後の値動きを予測する際に有用です。ただしHVも相場のトレンド転換の兆候を読み取るのに役立つため、両方を組み合わせて判断するのが理想的です。
ボラティリティを簡単に確認する方法はありますか?
SBI証券のスクリーニング機能や楽天証券のスーパースクリーナーを使えば、無料で簡単にボラティリティを確認できます。SBI証券の場合、国内株式ページの「スクリーニング」から「過去60日ボラティリティー(%)」を選択し、降順・昇順で並べ替えて検索するだけです。
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など

