USPとは? 作成のポイントと手順、USPである条件、事例などについて

USPとは、顧客に対して商品・サービスの特徴を活かした、効果的な売り込みの提案をすることです。ここでは、USP作成のポイントと手順、USPである条件や事例についてご紹介します。

1.USPとは?

USPとは、顧客に対して商品・サービスの特徴を活かした、効果的な売り込みの提案をすることで、「Unique Selling Proposition」の略称です。

あらゆる商品やサービスがあるなかから顧客が1つのものを選択する際、USPが明確で自らにとって利益があれば購入に迷いがなくなります。つまりUSPが明確になるほど、顧客に購入・利用してもらいやすくなるのです。

USPとは、顧客に対して商品・サービスの特徴を活かした、効果的な売り込みの提案をすることです。USPが明確だと顧客にもメリットが生まれます

【大変だった人事評価の運用が「半自動に」なってラクに】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.USPの3つの条件

1940年代、成功した多岐にわたる広告キャンペーンを調査した結果、共通するパターンが発見されました。それをもとにアメリカの広告業界の巨匠であるロッサー・リーブスによって提唱された考え方がUSPです。ここでは、USPの3つの条件について解説します。

  1. 広告は顧客への提案でなければならない
  2. 提案は独自のものである
  3. 提案は強力である

①広告は顧客への提案でなければならない

顧客への提案とは、単なる言葉や宣伝文句ではなく、「この商品・サービスを購入すれば、この利益が手に入る」といった提案です。

「誰のためのものか」「その商品・サービスを使えばどうなるのか」「他社のものと比較してどう違うのか」などがUSPを見た瞬間に分かるとベストです。

シンプルな1文で表現できていれば、力強い主張を持ったUSPといえます。ただ使い古された文言は使用せず、顧客にとって新鮮な言葉で強く提案する点も大切なポイントです。

②提案は独自のものである

競合他社が、「同じ提案はできない・しにくい」ものでなければなりません。競合他社に簡単に真似されるものであれば、最終的に価格競争に巻き込まれてしまいます。

価格競争は資金が潤沢な大企業の戦略ですので、リソースが少ない中小企業が価格競争を行うと疲弊してしまいます。このような事態に陥らないためにも、競合他社が真似できないUSPづくりが重要となるのです。

③提案は強力である

数百万という大衆を動かす力が必要となります。しかしいくら力強い主張でも、顧客にとって魅力がなければ意味はありません。そのためにも顧客が断れないほど魅力的なオファーを、USPに盛り込まなくてはならないのです。

たとえば「食事制限なし!辛い運動をせず、3か月で3kg痩せる○○ダイエット」といったUSPなら、「ダイエットはしたいけど極力運動はせず、好きなものも食べたい」という顧客の心を掴むでしょう。

USPの3つの条件は、「広告は顧客への提案でなければならない」「提案は独自のものである」「提案は強力である」です

3.USPを作成するためのポイント

USPを作成する際、押さえておきたいポイントを意識すると効果的なUSPがつくれます。ここからは、USPを作成する際の3つのポイントについて解説しましょう。

  1. 必ずしも独自性がある必要はない
  2. 自社の商品に合ったUSPを見つける
  3. 新たなサービスが生まれる場合も

①必ずしも独自性がある必要はない

世の中に広く売られている商品でも、競合他社に先駆けてUSPを打ち出していけば成功につながります。

たとえば除菌スプレーは世の中に広く普及していますが、ファブリーズは他社より先に、USPを全面に打ち出したテレビCMによって一気に知名度が上がり、大ヒット商品となりました。

このように他社がすでに持っているUSPでも、先に出したため成功した事例は多々あるのです。

②自社の商品に合ったUSPを見つける

たとえば飲食店であれば下記のようなものがあり、USPといってもどれに近いかで異なります。

  • ファミレスのように、万人に受け入れられやすい料理を安く提供している
  • 高級料亭のように、食材にこだわり美味しい料理を高い値段で提供している
  • 近所の小さなレストランのように、地元の常連客に向けて顧客単価にあった値段で提供している

このようにUSPは、今後のビジネス戦略に大きくかかわるため、じっくりと考える必要があるのです。

③新たなサービスに着目する

たとえばドミノピザには、「30分以内に届けます。もし30分以上かかった場合、料金はいただきません」があります。

今では馴染み深いクロネコヤマトの宅急便も、当時は革新的なサービス・USPとして「翌日発送、地域均一料金」をうたい文句に、一気に浸透しました。

このようにUSPは企業全体の戦略にも影響してくるのです。状況次第で、新たなサービスも視野に入れつつ、USPを考える必要があるでしょう。

USPを作成する際のポイントは、「必ずしも独自性がある必要はない」「自社の商品に合ったUSPを見つける」「新たなサービスに着目する」の3つです

4.USPの作成手順

USPの作成手順の詳細について、解説しましょう。

  1. 自社商品の売りを考えてみる
  2. USPをメッセージとして組み立てる
  3. 完成したUSPをチェックしてみる

①自社商品の売りを考えてみる

まずは、商品の「売り」を洗い出します。自社商品の売りを考える際は、商品の特徴やメリットだけでなく、会社の歴史までさかのぼって考えるのです。会社の歴史を使用したUSPの例として有名なのは、リーバイスでしょう。

リーバイスはUSPに「世界で最初のジーンズメーカー」という文言を採用しました。このように「世界初」は無理でも、「地元初」や「50年の実績」などといった文言は使用できるでしょう。

また自分たちのアイデアだけでなく、顧客や現場担当者の声にも耳を傾けるのです。特に現場担当者の声にUSP作成の際のヒントが隠れている場合も多々あります。

②USPをメッセージとして組み立てる

次にUSPを、メッセージとして組み立てていきます。USPをメッセージとして組み立てる際は、顧客の声を軸にするとよいでしょう。

たとえば明太子で有名な幻の工房とくやでは、明太子を売り出すために自社でアイデアを考えていました。しかししっくりこず、その際のヒントとなったのが「明太子はご飯に合う」という顧客の声だったのです。

これをもとに「ご飯おかわり!と言わせてしまう幻の工房の明太子」を全面に打ち出し、大ヒットにつながりました。

USPとキャッチコピーは似ている部分もあるため、差別化しにくい場合もあるでしょう。しかし売り上げを増やすという意味において、違いにこだわる必要はありません。

③完成したUSPをチェックしてみる

最後に、完成したUSPをチェックします。ホームページやチラシが顧客に閲覧されていない問題がある場合、あらかじめそちらの解決を進めましょう。チェック項目は、下記のとおりです。

  • 顧客にとって商品・サービスが魅力あるものになっているか
  • 顧客が欲しがるようなユニークさを備えているか
  • 提案ではなく、ただユニークなだけになっていないか
  • USPが真実として顧客に捉えられるか
  • 商圏や顧客を絞りすぎていないか
  • 価格などUSP以外の部分で対象外にされていないか

USPを作成する際は、各手順を丁寧に行いましょう。そしてできあがったUSPによって顧客に行動を起こさせ、売り上げアップにつなげます

5.USPを活用した具体的な事例

最後にUSPを活用した事例について、6つご紹介しましょう。

  1. ドミノピザ
  2. 稲葉製作所
  3. M&Ms
  4. ニトリ
  5. QBハウス
  6. ASKUL

①ドミノピザ

ドミノピザは、世界的に有名なUSPである「ピザを30分以内にお届けします。もし30分以上かかったら料金はいただきません」を掲げました。このUSPは「30以内に届けられなければ無料」というメリットを簡潔に表現しています。

注意すべきはUSPで「味」に言及していない点。「味」ではなく「早さ」を顧客に訴えたドミノピザは、「早さ」を求める顧客に受け入れられたのです。

このようにUSPはターゲットを絞り込み、自社のサービスを本当に必要としている人に対してピンポイントで訴求する力を持っています。

②稲葉製作所

稲葉製作所が製造する「イナバ物置」は、厚い鉄板を使用した頑丈な製品です。「屋根に一定の荷重をかける荷重試験」「毎分5L/㎡の人工雨を降らせる雨水侵入試験」など、厳しい耐性試験を経て販売されています。

1987年、「やっぱりイナバ!100人乗っても大丈夫」というUSPを使ったCMが制作されました。物置の上に実際に100人が乗っている映像からは、一目で頑丈さが伝わります。

CM制作の意図は、「見ただけで製品の良さがわかるような内容にしたい」というシンプルなもの。この有名なUSPは、社員がアイデアを出し合ったなかから、当時の社長が選んだものだったようです。

③M&Ms

アメリカのチョコレートブランドであるM&Msの掲げた「お口でとろけて、手にとけない」は、世界で初めてのUSPといわれています。

もともとM&Msは、アメリカ陸軍兵士からの「口の中で溶けて、手に溶けないチョコレートを開発してほしい」という要望から開発されたものでした。

砂糖菓子でチョコレートがコーティングされているため、夏でもチョコレートが溶けず、手が汚れないという特徴を持ちます。この分かりやすい文言を採用したUSPは、母親たちの共感を得ただけでなく、子供からも大きな支持を得たのでした。

④ニトリ

インテリア小売大手のニトリの「お、ねだん以上。」というUSPは、「付けられている値段以上の、価値がある質の高い商品を提供する」というものです。

「質の高いものはほしいが、出費は抑えたい」という多くの消費者のニーズに応える提案で、年々店舗を増やし、現在は国内外合わせて300店舗以上のチェーンストア展開するほどの成長を遂げました。

スーパーなどが打ち出している毎日低価格といったUSPもお得感を得ますが、ニトリの場合、値段よりも品質を強調しているのです。ニトリは品質に注目しているため、商品のチープさを感じさせない特徴もあるといえます。

⑤QBハウス

ヘアカット専門店のQBハウスでは、「10分の身だしなみ」というUSPを採用しています。所要時間10分、価格は1,000円(税別)でヘアカットを提供するという、従来の美容院や理容店にはない新しいサービスを展開しました。

顧客自身ができることはサービスに含まず、顧客にできない「カット」のみに特化したサービスを提供しているのです。

このように「速く、安く」カットしてほしいという顧客のニーズに応えるUSPを打ち出し、1996年に創業してから2016年までで、すでに500店舗以上を全国展開。来客数1,600万人という大規模ビジネスに発展しています。

⑥ASKUL

事務用品を中心に扱うASKULでは、「明日来るアスクル!オフィスに必要なモノやサービスをスピーディに『明日(あす)』お届けするサービスです」というUSPを採用しています。

幅広い商品から顧客が必要なものを「明日」届けてくれるという迅速さを謳ったサービスと、そのサービスを謳った企業名が世の中に広く認知されました。サービスの利便性を印象づけられたのが成功の鍵だといえます。

ASUKULが注目を集めた当時、法人の事務用品を発注してもすぐに届けてくれる会社はなかったたえ、困っていた顧客のニーズにかなったサービスでした。

他社が真似できないような自社だけの価値を提案すれば、競合他社の中でも際立った存在になれます