トランザクティブメモリー / transactive memoryとは?

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トランザクティブメモリーとは、組織学習に関する概念です。ここでは、トランザクティブメモリーについて解説します。

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1.トランザクティブメモリー(交換記憶)とは?

トランザクティブメモリーとは、組織学習に関する概念です。一般に、「交換記憶」と訳され、組織全体が同一知識を記憶せず、組織を構成するメンバーの中で誰が何を知っているかといった情報を把握することが重要であるという考え方です。

1980年代半ば、アメリカのハーバード大学の社会心理学者であったダニエル・ウェグナ―が提唱しました。

トランザクティブメモリーは、組織における効率的な情報共有を目的として活用されています。

組織学習について

組織学習とは、組織と個人のの両方がうまく機能している仕組みが変化することです。作られた組織では一定期間過ぎると、組織と個人が上手に機能する仕組みが構築されます。その仕組み自体を変化させれば、よりよい組織が形成できます。

組織学習における変化には、

  • 可視化できる変化
  • 潜在的な認知面の変化

の両方が含まれます。

組織内状況共有との違い

トランザクティブメモリー、すなわち組織学習と類似する言葉に組織内状況共有があります。

  • 組織学習
  • 組織内状況共有

このふたつの言葉の持つ意味の違いは、

  • トランザクティブメモリーは、「誰が」「何を」知っているかを共有している状態
  • 組織内の状況共有は、全員が情同一の情報を知っている状態

といったことです。

組織規模が大きくなるほど、トランザクティブメモリーが難しくなるでしょう。

規模の大きい組織でもトランザクティブメモリーで効率的に情報共有するには、誰もがアクセスできるプラットフォームで情報管理することがおすすめです。

カオナビなら、情報の一元化・見える化を実現します!クラウド型なので組織の誰もがアクセスできる一方、アクセス管理機能で共有する情報を選択することも可能です。

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2.トランザクティブメモリーのメリット

トランザクティブメモリーにはメリットがあります。ここでは、トランザクティブメモリーのメリットを4点あげて解説します。

組織力強化につながる

トランザクティブメモリーのメリットのひとつは、組織力強化につながることです。企業活動において、情報をいかにうまく活用するかは重要な課題です。

トランザクティブメモリーを導入することで、企業の財産とも言える情報を上手に活用できます。そうすれば、企業収益を効率的に向上させられます。

業務の効率化につながる

トランザクティブメモリーのふたつ目のメリットは、業務の効率化につながることです。情報は企業の財産です。

企業という組織において、財産である情報を効率的に管理、活用することが重要です。トランザクティブメモリーによって今ある情報共有システムを改善できれば、大幅な業務効率化につながります。

従業員の負担を軽減できる

トランザクティブメモリーの3点目のメリットは、従業員の負担を軽減できることです。企業が抱える情報は膨大です。しかし、ひとりの従業員が把握できる情報量は限られています。

トランザクティブメモリーは、ひとりの従業員が知っておくべき情報量を減らせます。そのため、従業員個人の負担を大きく軽減できるのです。

専門性の高い人材が育成できる

トランザクティブメモリーの4点目のメリットは、専門性の高い人材が育成できることです。トランザクティブメモリーでは、

  • 個々の専門性を活かした情報管理を行う
  • 従業員はそれぞれの専門性に応じた従業員から情報を取得する

ことになります。専門分野ごと情報が集約されることで、より専門性の高い人材を育成できます。

トランザクティブメモリーのメリットを発揮するには、情報が一元管理できるプラットフォームの存在や、その質が重要です。

企業が持つさまざまな情報を一元管理するにあたり、情報ごとにプラットフォームを分けていては非効率。カオナビなら、人材情報をはじめあらゆる情報がクラウドで一元管理できます。管理されている情報は分析にも活用でき、組織力のさらなる強化に貢献します!

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3.トランザクティブメモリーのデメリット

トランザクティブメモリーにはデメリットもあります。ここでは、トランザクティブメモリーのデメリットをふたつあげて解説します。

従業員の育成を阻害する可能性がある

トランザクティブメモリーのデメリットのひとつは、従業員の育成を阻害する可能性があることです。従業員の専門分野に応じて特定の情報を集約して専門分野のスペシャリストを育成することは、従業員の育成を阻害する側面もあります。

人材育成といった観点から考えた場合、計画的かつ体系的にトランザクティブメモリーを推進していく必要があります。

情報共有システムを作る必要がある

トランザクティブメモリーのもうひとつのデメリットは、情報共有システムを作る必要があることです。トランザクティブメモリーを社内に導入していく場合、システムの構築は不可避です。

誰がどのような情報を保持しいているのかがひと目でわかる、

  • 情報共有システムの導入
  • オリジナルなシステムの構築

をしなければ、効果的にトランザクティブメモリーを実施することは困難です。

情報共有システムは自社で構築、またはツール導入の2つの方法があります。

どちらもメリット・デメリットがありますが、すぐにシステムが作れるのはツールの導入です。カオナビはクラウド型の情報共有システムであり、柔軟設計で自社に合わせたデータベースが作成できます。ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、初めてのツール導入でも簡単に使いこなせる安心感があります。

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4.トランザクティブメモリーを高める方法

トランザクティブメモリーを高める方法があります。ここでは、4点の方法をあげてそれぞれポイント解説します。

組織風土を改善する

トランザクティブメモリーを高める方法のひとつは、組織風土を改善することです。トランザクティブメモリーでは、情報を求める人が自ら情報を持っている人へアクセスする必要があります。そのため、従業員同士の交流がしやすいことが前提となります。

仮に交流しにくいといった企業風土があれば、改善していかなければなりません。

直接的な交流を促すような仕掛けをつくる

トランザクティブメモリーを高めるふたつ目の方法は、直接的な交流を促すような仕掛けをつくることです。トランザクティブメモリーには、従業員同士が、

  • 顔を知っている
  • 会って話をしたことがある

といった環境があるとスムーズに進みます。そのために、従業員同士が集まり、直接的な交流ができる機械を積極的に設けることが重要です。

対話を重視する

トランザクティブメモリーを高める3点目の方法は、対話を重視することです。誰が何の情報を持っているかを判断するためには、従業員がお互いをある程度知っていることが望ましいとされます。

たとえば、オープンな環境のもとで、

  • 体験を共有する
  • 想いを共感する

など、従業員同士の対話を重視する姿勢が企業に求められます。

ビジネスツールを活用する

トランザクティブメモリーを高める4点目の方法は、ビジネスツールを活用することです。ビジネス用のコミュニケーションツールには、トランザクティブメモリーを効果的に実施する機能が備わっています。

トランザクティブメモリーについての知識が不足していても、ビジネスツールを活用すればスムーズにトランザクティブメモリーを導入できます。

そのほか、トランザクティブメモリーを高めるためには、カオナビの活用がおすすめです!

カオナビは顔写真付きで人材情報が管理できるため、業務で関わる機会が少ない人の顔も知ることができます。ある程度顔を知っておくことで誰が何の情報を持っているか判断しやすくなり、いざコミュニケーションが必要になったときの対話がスムーズにできるでしょう。

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5.トランザクティブメモリーの事例

トランザクティブメモリーはさまざまな企業で実践されています。ここでは、トランザクティブメモリーの事例を紹介します。

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータでは、

  • トップダウンの社風の排除
  • 社員の自発的な活動の重視

を目指し、SNSツールを導入したコミュニケーションプラットフォーム「Nexti」を導入しています。

誰に情報を求めていいかわからなかった場面でも、「Nexti」を活用することでスムーズに情報を持っている人にアクセスできる知識流通を実現しました。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社は、

  • 従業員個人が自由に情報発信できる「個人ブログ」
  • プロジェクト単位で公の情報を発信する「チームブログ」

を運用しています。

  • 社員の人となりを知るきっかけにもなり情報のやり取りがしやすくなった
  • 横のつながりが生まれた

など、組織の在り方にも変化をもたらしています。

オリックス株式会社

オリックス株式会社は、オリックスグループ内で異動を希望する人に対し、

  • 異動希望部署と直に面談できるキャリアチャレンジ制度
  • 異動希望部署に5日間の社内インターンシップができる制度

を設けています。

戦略的な異動によって、

  • 社内で広く人間関係を構築できる
  • 困った時に相談できる人を多く持つ

といったトランザクティブメモリーのベースが構築されています。

株式会社パルコ

株式会社パルコは、パルコグループの社員同士で積極的なコミュニケーションをはかれるよう、

  • 人的資産に告知できるイベント機能
  • 副業案件募集などのプロジェクト機能

が備わったTeamlancerエンタープライズを導入しています。

システム導入によって、

  • グループ間での情報交換の活性化
  • 部門や会社の垣根を超えた人間関係の構築

といった実績を作っています。

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、

  • リアルタイムで必要な情報にアクセスできる企業情報ポータル「損保ジャパンの窓」の構築
  • オープンコミュニケーション場として、「Q&Aコミュニティ」「ブログ」「ノウフー」といったコミュニティツールの導入

などに取り組んでいます。

エントリーやアクセス数も高水準を維持しており、社内にシステムが浸透していることがわかります。

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6.コロナ禍におけるトランザクティブメモリーへの取り組み方

コロナ禍におけるトランザクティブメモリーへの取り組み方があります。ここでは、

  • Web会議システムの導入
  • 社内用データベースの構築
  • 社内用SNSの活用

といった取り組み方について解説します。

Web会議システムの導入

コロナ禍におけるトランザクティブメモリーへの取り組み方のひとつは、Web会議システムの導入です。

コロナ禍で、テレワークが広く推奨されました。しかし、テレワークの課題は、対面でのコミュニケーションが図りづらいことでした。

Web会議システムを導入すれば、遠隔地でも一対一のコミュニケーションが可能になります。

Web会議システムを導入するポイント

Web会議システムを導入するポイントは、運用のためのサービスや機材を準備することです。たとえば、

  • Web会議用接続サービスの契約に申し込む
  • Web会議に用いるWeb用カメラなどを購入する

ことです。

Web会議システムは、月額利用料を支払えば利用できるものもあります。また、機材に通常のモバイルPCでも対応できます。

Web会議システムを導入する際の注意点

Web会議システムを導入する際の注意点は、セキュリティ対策です。もし、Web会議システムのための

  • ユーザーID
  • URL
  • ログインパスワード

などが流出すれば、

  • 会議の様子をのぞき見され
  • なりすまし参加

などのリスクが発生します。セキュリティ対策に力を入れているシステムの利用が必須です。

社内用データベースの構築

コロナ禍におけるトランザクティブメモリーへのふたつ目の取り組み方は、社内用データベースの構築です。

あらかじめ社員情報や管理していきたい情報をデータベース化しておけば、情報管理がよりスムーズに進みます。新たな情報を加える際も現在の情報に紐づけするだけなので、効率よく情報を管理、活用できます。

社内用データベースを構築するポイント

社内用データベースを構築するポイントは、業務システムのパッケージソフトウェアを使用することです。自社でシステムを作れば、手間とコストがかかります。

一方、パッケージソフトウェアは、

  • 基本的機能が備わっている
  • サポート体制が整っている

など、使い勝手の良さと安心感があります。自社に合ったパッケージソフトウェアを選択できるよう、比較検討してください。

社内用データベースを導入する際の注意点

社内用データベースを導入する際の注意点は、

  • セキュリティ対策
  • 導入コスト
  • 保守コスト
  • 運用や管理にかかる手間

などの課題を一つひとつ確認していくことです。

導入後、

  • 想定外にコストが発生した
  • 意外と手間がかかる

といった失敗がないよう、これら課題をクリアした社内用データベースを導入します。

社内用SNSの活用

コロナ禍におけるトランザクティブメモリーへの3点目の取り組み方は、社内用SNSの活用です。社内用SNSは、従業員同士が自由に情報交換のできる場のひとつです。

社内用SNSを使えば、必要な情報を持った人と、迅速に、

  • 問題共有
  • 問題解決

を進められます。また、広く意見を募りたい場合にも、自由な意見を簡単に集められます。

社内用SNSを活用するポイント

社内用SNSを活用する際のポイントは、

  • 失敗事例
  • 禁止事項

を理解した上で活用することです。

たとえば、

  • いつも同じメンバーしかSNSを活用しない
  • 不平不満が多く書き込まれる
  • プライベートで活用される
  • 上司などが過剰に介入する

といったことが起こらないように、あらかじめルールを決めておくことが必要です。

社内用SNSを活用する際の注意点

社内用SNSを活用する際の注意点は、運用方法をあらかじめ検討しておくことです。社内用SNSを利用する人が限定されてしまっては、トランザクティブメモリーの効果は期待できません。

そこで、

  • 手軽に使えるテンプレートの準備
  • モチベーションアップ策の導入

といった仕組みを積極的に活用することが重要です。


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トランザクティブメモリーのQ&A

トランザクティブメモリーとは、同一の知識を組織の全員が記憶するのではなく、組織内の「誰が何を知っているか(Who knows What)」を共有することを重視するという考え方です。 1980年代にアメリカのハーバード大ダニエル・ウェグナー氏によって提唱されました。組織力向上のために必要な情報共有の姿をあらわします。
「この問題の解決に求められる知識・スキルの専門は○○課にいる○○さんだ」などの情報を、組織内の誰もが知っている状況にできると、組織学習力を向上することができます。 トランザクティブメモリーを活用するには、人材管理システムやタレントマネジメントシステムの導入をおすすめします。カオナビでは、人材が保有する知識・スキルも含めたすべての情報をクラウドで一元管理することができます。
興味深い研究として、トランザクティブメモリーの高い組織では、直接対話が行われる傾向が強いという報告があります。 トランザクティブメモリーを高めるためには顔と顔を合わせたコミュニケーションが効果的であるという趣旨の報告です。 電話やメッセージなど、声や字による会話よりも、膝を突き合わせたコミュニケーションを心がけましょう。