組織図の作り方とは? 作成フロー、作成時のポイントを解説

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組織図は、目的とツール選択を明確にし、段階的に進めることで誰でも簡単に作成できます。ExcelやPowerPoint、スプレッドシートなどの身近なツールで作成可能です。

本記事では、組織構造の選び方から、ツールを活用した具体的な作成手順、作成する際のポイントを解説します。

人事異動にも柔軟に対応できる運用体制が整い、部署間コミュニケーションが活性化して業務効率の向上を期待できるため、ぜひ組織図を作成する際の参考にしてください。

組織図とは?

組織図とは?

組織図は会社の人間関係や部署のつながりを線や図形で表現します。

具体的な組織図によって確認できる内容は、以下のとおりです。

組織図で確認できる内容 具体例
階層関係 社長→部長→課長→一般社員の上下関係
部署構成 営業部、人事部、経理部などの部門分け
人員配置 各部署の従業員数と役割分担
報告関係 業務上の報告や相談をする相手

従業員数が少ない会社では直接コミュニケーションが取れますが、会社規模が大きくなると組織の構造を明確にする必要があります。

組織図があることで、従業員は自分の立場や役割を理解でき、効率的に業務を進められるでしょう。

また、以下の記事では、組織図となにか、種類や特徴について解説しています。まずは組織図について知りたいという方は、ぜひご覧ください。

組織図とは? 種類と特徴、作り方、メリットをわかりやすく
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組織図の作り方とは?

組織図の作り方とは、会社など組織の骨組みとなる構造を図に表すことです。ここでは作り方の手順について説明します。

  1. 数年後の目標を立てる
  2. 必要な機能を洗い出す
  3. 情報を集める
  4. 組織の関連性を整理し、組織図にする
  5. ソフトを使って組織図を作成する

①数年後の目標を立てる

組織図を作る最初の作業は、会社の未来を考えることです。3〜5年後にどんな会社になっているのか、会社のビジョンを描きます。

たとえば「会社の規模」「売り上げ」「どのような商品を取り扱っているか」「どのようなサービスを行っているか」「地域」など、目標になる数字・商品名・サービスについて具体的な目標を立てていくのです。

②必要な機能を洗い出す

数年後の会社のビジョンを実際に動かすためには、何が必要なのかを考えます。

たとえば、以下のような要素を洗い出しましょう。

  • 教育
  • 営業
  • 経理
  • マーケティング
  • 顧客サポート
  • IT
  • 経営企画
  • 提案力
  • マネジメント力 など

項目が多すぎると、現実離れした組織図になってしまうので、シンプルに考えるとよいでしょう。

③情報を集める

組織図を作る際の基礎となる従業員リストがある場合は、連絡先や住所、写真など、使用する可能性が高いものを集めていきましょう。

また、古い組織図が新しい組織図のたたき台として活用できる場合もあるため、あらゆる情報を集めていきます。

指揮系統を図に表すために、ほかのリソースが必要になる可能性があるため、作成中に必要になったものは随時情報収集していくとよいでしょう。

④組織の関連性を整理し、組織図にする

組織図の頂点から、どこにどの部門が並ぶのかなど、自社の組織がどのように機能しているのか、分析しましょう。

実態に沿って関連性を検討し、組織構造が整理できたら、組織図に落とし込みます。

組織図は部署ごとの関連性や、指揮命令体制をもとに作成していきましょう。

⑤ソフトを使って組織図を作成する

下記のようなソフトを使い、組織図を作成します。

  • SmartArt グラフィックの組織図レイアウトを使う
  • Microsoft Visioを使って組織図を作成する

SmartArtグラフィックは、下記のソフトなかで組織図を作成し、組織内の直属関係を示します。

  • Excel
  • Outlook
  • PowerPoint
  • Word

ExcelやPowerPointで作る

Officeソフトに搭載されているSmartArtを使えば、PowerPointでかんたんに組織図を作成できます。基本的な操作は、WordやExcelでも同様です。

用意されている図表のテンプレートにテキストを入力するだけで、組織図が作成できます。

ExcelやPowerPointで作成した場合、図形の数やサイズの調整、色やデザインの変更など、細やかなスタイル編集が可能です。

人材管理システムなどで作る

人事管理や人材管理システムの組織図作成機能を使って、組織図を作成する方法もあります。

人事管理システムの場合、組織図に顔写真を並べられる機能のついているソフトもあります。組織図ごとに所属長とメンバーの顔写真が並べられると、社内の組織状態が視覚的に把握できます。

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組織図を作る際のポイント

組織図を作る際のポイント

組織図を作る際のポイントは、以下のとおりです。

  • 組織図を活用する目的の明確化
  • レイアウトの統一性確保
  • 組織変化への対応力向上
  • 更新体制とルールの策定

組織図を活用する目的を明らかにする

組織図作成において、活用目的を明確に定義することが大切です。

目的が曖昧なまま組織図を作成すると、必要な情報が不足したり、情報過多で見づらい図になったりします。社内向けと社外向けでは、記載すべき情報の詳細度が大きく異なるため、目的に応じた適切な設計が必要です。

たとえば、新入社員のオンボーディング用なら顔写真と連絡先を含める必要があります。一方、株主総会資料用なら役員クラスのみを簡潔に表示した組織図が望ましいです。

人事異動のシミュレーション用なら、スキルや適性情報も含めた詳細な情報があるとよいでしょう。

組織図作成前に、誰が・いつ・何のために使うか、という3つの観点で整理することで、承認者にとって価値のある組織図を短時間で作成できます。

レイアウトを統一する

統一されたレイアウトは、組織図の可読性を向上させる重要な要素です。

レイアウトの統一により、情報の階層性が明確になり、見る人が直感的に組織構造を理解できるようになります。

具体的には、以下のようなポイントを守ることで、可読性の高い組織図が作成できます。

  • 同じ階層の役職は同じ色とサイズで統一する
  • 部門ごとに色分けをおこなう
  • フォントは最大3種類に制限する
  • 図形の間隔も一定に保つ

作成前にレイアウトルールを文書化し、標準化しておくことで、複数人の作業でも統一感のある組織図を維持できます。

組織の変化に対応できるようにする

柔軟性のある組織図設計により、人事異動や組織改編にスムーズに対応できる仕組みを構築しましょう。

人事システムの中には、従業員の役職やスキルを更新すると、自動的に組織図を更新してくれるものもあります。

また、マトリックス型組織やアジャイル組織では、プロジェクトベースでの流動的な構造に対応できる表現方法を採用します。

将来の組織変更を事前に想定し、拡張性を考慮したツール選択と情報設計を行うことが重要です。

更新担当者と更新ルールを決める

組織図の正確性と信頼性を維持するためには、明確な更新体制とルールの確立が不可欠です。

更新責任者が不明確だと、情報の陳腐化や更新漏れが発生し、組織図の価値が損なわれます。

また、更新頻度やタイミングが定まっていないと、重要な人事異動が反映されずに混乱を招く可能性もあるでしょう。

効果的な更新体制として、人事部門を主担当とし、各部門から情報収集担当者を指名する方法があります。更新ルールには、四半期ごとの定期見直し、人事発令から3営業日以内の反映、変更履歴の記録保持などを含めます。

更新責任者の明確化や定期レビュー日程の設定、変更通知フローの文書化を実行することで、常に最新で信頼できる組織図を維持できます。

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組織図における分業と権限とは?

組織図における「分業」と「権限」とは、それぞれ次のような意味をもっています。

  • 分業…一目で把握できるようにした図の役割
  • 権限…役割の間の指揮命令

以下では、分業と権限について詳しく解説していきますので、参考にしてください。

組織の分業を可視化する

分業とは、ひとつの業務を複数人で分担することです。会社が掲げる目標を達成するためにさまざまな仕事を細分化して、誰がどの仕事を担当するのか役割を決めていく方法を指します。

分業では、高度な職務と比較的単純化された職務に切り分け、それぞれの専門性と効率性を高められます。

ただし、組織内の人の流動性を失うというデメリットには注意が必要です。

上司と部下の権限を可視化する

権限とは、企業や部署の目標を達成するために、命令する人の指示どおりに作業するよう従業員に求める命令などのことを指します。

組織図を作る際は、下記について決定する必要があります。

  • 会社の目標やビジョンに向けた分業
  • 上司と部下の権限をどのように分割するのか

組織の意思決定事項について、経営者はすべてを決められません。そこで権限委譲が必要になってくるのです。

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組織図を作る際に意識すべき目的について

組織図は役割分担や指揮命令系統を把握しやすいため、会社組織の目標を達成させるのに必要で便利なものです。

作成時には、以下の目的について意識しましょう。

  1. 責任所在の明確化
  2. 組織構造の可視化
  3. 必要な人材の可視化

①責任所在の明確化

命令系統・権限・責任を明らかにします。

組織で活動する際、権限や責任の階層が明確でなければ、トラブルが生じたり混乱を招いたりしてしまうためです。

責任の所在を明確にするには、組織図作成の際、以下のポイントに注意する必要があります。

  • 企業の部門や部署を余すところなく記載
  • どの部署や職位が誰とつながっているのかを明示

上記を適切に反映させることで、責任がどこにあるのかを明確にします。

②組織構造の可視化

組織図を作成すると、組織全体を視覚的に把握できます。

経営者と従業員それぞれが、下記について分かるようになるためです。

  • 経営者:自社の部門の具体的な役割や機能、従業員数、部門間の関係
  • 従業員:会社全体の組織関係

経営者と従業員が組織全体について把握することで、部門間の連携が整い、業務も効率化します。

③必要な人材の可視化

組織図があると、各部門の役割や関係などが整理され、必要な機能や必要な人材が明確になります。

有能・必要な人材が可視化されるため、ビジョンの達成に必要な機能を最も上手に扱える人材を、そのポジションに配置ます。

従業員にとっては、自身の強みを発揮できるため、モチベーションのアップにもつながりやすいという特徴もあります。

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組織図を作るメリットとは?

組織図を作るメリットは、以下の4つです。

  1. 情報伝達の効率化
  2. 権限譲渡が可能
  3. モチベーションのアップ
  4. 組織戦略に生かせる

それぞれについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

①情報伝達の効率化

組織図は、組織内の関係性や役割が図で示されているため、誰が見ても分かりやすい点が特徴です。そのため下記のようなメリットが生じます。

  • 組織内の報告系統の理解と必要な情報の周知がはかどる
  • メンバー同士が知り合うための機能が含まれるため、情報伝達の効率化が図れる

業務の生産性アップや顧客対応の迅速化が実現できるでしょう。

②権限譲渡が可能

組織図を作ると、権限や責任がどこに集中しているのか、把握できます。経営トップに意思決定の権限が集中しているケースは多いものの、これではトップが不在になったとき業務がストップしてしまうでしょう。

そこで権限譲渡などで集中した点を改善していくのです。

適切な権限譲渡により経営リスクが軽減され、組織の継続性が確保されるとともに、現場での迅速な判断が可能になり競争力が向上するでしょう。

③モチベーションのアップ

組織図によって、従業員一人ひとりが自分の立ち位置を明確に理解できます。

それにより下記のようなメリットが生まれます。

  • 自分の役割を理解・把握できるため、将来のビジョンが見えるようになる
  • 「ビジョンの達成に必要な事柄について考える」など、従業員のモチベーションアップにつながる
  • 会社への貢献度が高くなり、離職防止にもなる

従業員のモチベーションアップや離職の防止は、長期的な企業成長につながっていくでしょう。

④組織戦略に生かせる

組織図は、組織全体を視覚的に理解できるので、企業が抱える問題点や課題に気付けます。

組織の無駄を解消や人員の最適な配置、部門の役割を見直しといった効果的な施策を生み出しやすくなるのです。

組織戦略では、事業構造や部門ごとの役割など、現在の体制をしっかり把握しましょう。また、効率的な人材配置によって収益性が向上し、持続可能な企業経営が実現できます。

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組織図の種類について

組織図にはさまざまな種類があります。一般的に使用されている、以下の4つの組織図について、メリット・デメリットを見ていきます。

  1. 階層型組織図
  2. マトリックス型組織図
  3. ティール型組織図
  4. 部門別組織図

①階層型組織図

階層型組織図は、「ピラミッド型組織」とも呼ばれるもので、昔からある企業の組織構造形態のひとつとなり、最も広く使われています。

権限と責任を組織のトップに置き、命令や指示がひとつの指揮命令系統を通じて、下方や左右に分散されていきます。通常、以下のような階層別に組織されています。

  • 社長
  • 部長
  • 課長
  • 係長
  • 社員

②マトリックス型組織図

マトリックス型組織図とは、複数の事業部を抱え、さらに各事業部を機能ごとに細分化された組織図のことを指します。

たとえば、以下のように、機能別組織図と事業部制組織とを組み合わせたような形になっています。

  • 機能別組織図
  • 部門組織図
  • 階層組織図

メリットとデメリットは、下記のとおりです。

  • メリット…大きな組織でも全体をもれなく網羅できる
  • デメリット…組織の数が多いと、関連性や指揮命令系統が複雑に見える

③ティール型組織図

ティール型組織図とは、社長や上司がいない組織形態です。

指示系統がなく、メンバーひとりひとりが自分たちのルールや仕組みを理解して、意思決定していきます。

メリットとデメリットは、下記のとおりです。

  • メリット…新たなプロジェクトにてどのような役割があって、それぞれの役割にはどのような関係性があるのか、可視化しやすい
  • デメリット…指示系統や評価系統の可視化が難しい

④部門別組織図

部門別組織図は、社長をトップに置いて共通のリソースを持つ部門に分け、組織を作ります。

たとえば、以下のように部門ごとに同じような仕事に携わる人たちを集めて組織を編成します。

  • 営業
  • 製造
  • 経理
  • 人事
  • 法務
  • マーケティング など

メリットとデメリットは、下記のようになっています。

  • メリット…各部門で仕事や人材の重複がない
  • デメリット…部門間を超えた統制が取れていないため、責任が不明確になる

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カオナビの組織ツリー図では、さまざまな機能が搭載されています。

具体的には、以下のような機能を利用できます。

  • 顔写真付きの組織図
  • ドラッグ&ドロップでのシミュレーション
  • 作成済みの組織図をアプリから確認

マウスひとつでわかりやすい組織図を作成した上、さまざまなシミュレーションを行えます。

社員の入れ替えや、異動配置など直感的な層さで配置シュミレーションが可能です。シュミレーション後の組織比較も行うことができるので、総合的な人材配置が可能となります。

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まとめ

まとめ

Organization Process Structure Management Concept

組織図は、会社の構造を明確にし、効率的な業務運営を支援する重要なツールです。

適切な組織図を作成することで、従業員の役割が明確になり、コミュニケーションの向上や業務効率の改善が期待できます。

組織図の作成では、目的の明確化、定期的な更新、組織の変化への対応がポイントで、ExcelやPowerPointといった身近なツールから、専門的な人材管理システムまで、さまざまな方法で作成が可能です。

自社の規模や目的に応じて最適なツールを選択し、継続的に活用していくことが組織運営の成功につながります。


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