ソフトスキルとは? スキルの例、ハードスキル、鍛え方

ソフトスキルとは、仕事をするうえでベースとなる個人の人間性のこと。今回はソフトスキルの重要性や具体例、鍛え方について解説します。

1.ソフトスキルとは?

ソフトスキルとは、仕事をするうえでベースとなる個人の習慣や特性のこと。たとえば協調性や柔軟性、創造性などで、仕事の進め方や職場の雰囲気に影響をもたらすのです。

ソフトスキルの種類は幅広く、またその多くは人生経験のなかで自然と培われます。そのため意図的に身につけたり、基準を設けて評価したりするのが難しいとされているのです。

単に「性格」ともいえます。しかし「仕事で成功をもたらすための能力」ともいえるため、あえて「スキル」と表現されているのです。

ハードスキルとの違い

ハードスキルとは資格や技術、専門知識など、過去の教育や訓練で獲得した能力のこと。ソフトスキルと異なる点は、習得するための道筋が明らかで、かつ客観的な識別や評価がしやすいことです。

従来の採用活動で重視されてきたのは、即戦力化しやすいハードスキルでした。しかし昨今、「入社後、身に付けにくい」点を理由に、ソフトスキルを評価する動きが高まっています。

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2.ソフトスキルの重要性

ソフトスキルはビジネスの成功に欠かせない要素です。高いソフトスキルを有する人材は職場の生産性を向上し、成果を生み出します。たとえば職場に以下のようなプラスの効果をもたらすのです。

  • 前向きで活発な雰囲気
  • 適切なマネジメント
  • 取引先との良好な関係の構築・維持

ソフトスキルにおける成功例のひとつが、アメリカの野球チーム「シカゴカブス」。停滞していた成績を改善するため、チームは「逆境を乗り越えられる」「失敗に前向きに対処できる」などのソフトスキルを重視した運営を行いました。

結果、レギュラーシーズンの成績は飛躍的に向上。ワールドシリーズのチャンピオンシップまで獲得したのです。

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3.ソフトスキルが求められる背景

近年、日本ではソフトスキルへの注目が集まってきています。それはなぜなのでしょう。ソフトスキルが求められる3つの背景を説明します。

  1. 働き方改革の進行
  2. AIの進化
  3. エンゲージメントの低さ

①働き方改革の進行

ソフトスキルが生産性の向上を推進し、働き方改革の実現につながるとして注目を集めています。

働き方改革の目的は多様かつ柔軟な働き方から、個人の状況に合わせた選択を可能にすること。少子高齢化による働き手の減少を補うため、安倍政権により導入されました。しかし働き方改革を実現するには、より短時間でこれまで以上の成果をあげねばなりません。

ソフトスキルを有する人材が増えるほど職場の効率性や生産性は向上し、働き方改革の達成に近づくのです。

②AIの進化

AIにはない人間ならではの能力として、ソフトスキルを重視する傾向が強まっています。

最新技術の発展は生活を豊かにすると同時に、人間から多くの仕事を奪ってきました。AIによる自動化や機械化は、運転士や店員、一般事務などの仕事を奪うといわれています。

しかしAIによる代替が難しいとされるのが協調性や柔軟性、創造性などのソフトスキルです。これからの時代を生き抜くための能力として、ソフトスキルは多くの注目を集めています。

③エンゲージメントの低さ

日本の会社がこれまで以上の成果を生み出し続けるには、ソフトスキルによるエンゲージメントの向上が必要です。

エンゲージメントとは、会社や仕事に対しての愛情や思い入れのこと。エンゲージメントの低い会社では、業績や定着率、社員のモチベーションの低下、組織の衰退などが起こりえます。

しかしアメリカのギャラップ社が2017年に発表した調査では、日本のエンゲージメントは最下位レベルでした。このままエンゲージメントを向上させなければ、これからの国際競争を生き抜けません。

ソフトスキルが高まると、モチベーションやチャレンジ精神なども向上しやすくなります。社員のエンゲージメントを向上させ、グローバル人材を育成していくためにはソフトスキルの強化が必要なのです。

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4.ソフトスキルの例

AIの進化や働き方改革などを背景に、日本でも注目が高まってきているソフトスキル。ここではソフトスキルの具体例を7つ説明します。

  1. コミュニケーション能力
  2. リーダーシップ
  3. 創造力
  4. チームワーク
  5. 自発性
  6. 時間管理能力
  7. 心の知能指数

①コミュニケーション能力

相手の話す内容を正確に理解し、また自分の考えを正確に伝えられる能力のこと。傾聴力や発信力、交渉力などもコミュニケーションスキルの一部です。

相手が発する文字や言葉を理解するだけでなく、声のトーンや話すスピード、表情や視線、仕草など非言語コミュニケーションまでも読み取る力を指します。

電話やメール、チャットや日常会話などはもちろん、会議やプレゼンテーション、商談などさまざまなビジネスシーンで役立つのです。

②リーダーシップ

目標達成に向けて個人や組織に行動を促す能力のこと。リーダーシップには、下記3つの要素が含まれます。

  • 個人を励ましてモチベーションを維持、向上させる
  • プロジェクトの全貌を把握して正しい道筋を示す
  • 組織の人間関係を友好に保ち、強化する

リーダーシップが必要なのは、経営者や管理職だけではありません。部署やチームなど複数人で仕事を進めていくため、リーダーシップを持つ一般社員も必要です。

③創造力

これまでにないやり方を起用し、新しい何かを生み出す能力のこと。

ビジネスの分野では、限られた条件のもとで成果を導き出す力を指します。「0から何かを創り出す」のではなく、「すでにあるものを改変して成果につなげる」ととらえるとわかりやすいでしょう。

昨今、ビジネス環境の変化が激しく、先行きが不透明な時代だといわれています。創造力がなければ変化に対応できず、競争に打ち勝って生き残れません。そのためいわゆる「クリエイティブな職業」以外でも、創造力が重視され始めているのです。

④チームワーク

個人の利益よりも組織の利益を重視し、組織のために必要な行動がとれる能力のこと。ほかのメンバーを尊敬するマインドはもちろん、協調性や交渉力、調整力や傾聴力なども求められます。

チームワークに優れた組織は、お互いに補い合い高め合い、結束力と信頼関係を強化できます。ビジネス環境の変化が激しい昨今、組織が成長や発展を続けていくには、ソフトスキルの高い人材を育成し、チームワークを強化する必要があるでしょう。

⑤自発性

上司や先輩の指示を単純に待ち続けず、自分から進んで行動する能力のこと。上からの監督や指示がなくとも、自分の裁量と判断で、責任を持って仕事を進める力です。

これまで「外資系の会社で働く」「経験のある分野で中途採用された」場合では、自発性が重視されてきました。しかし昨今、リモートワークの普及やビジネスのグローバル化などの背景により、一般企業でも一層の自発性が求められています。

⑥時間管理能力

限られた時間を有効に活用し、効率的に成果を生み出す能力のこと。目標や優先順位を設定する力、計画的に仕事の割り振る力のほか、ストレスを管理する力などが含まれます。そのまま「仕事管理能力」とも言い換えられるでしょう。

時間管理能力を身につければ、日々の雑多な業務に追われず、重要な課題に集中して取り組めます。そのためこれまでも複数の締め切りを抱える仕事で、重要視されてきました。

昨今、働き方改革を推進するにあたり、生産性を上げる方法のひとつとして注目を集めています。

⑦心の知能指数

自分や他者の感情を的確に察知、制御し、成果につなげていく能力のこと。共感力や傾聴力、ストレス耐性や素直さ、粘り強さなど、多くのソフトスキルを総合的に表したものと考えるとわかりやすいでしょう。

英語では「Emotional Intelligence Quotient」と表記され、「EQ」という略称でも親しまれています。

心の知能指数は、リーダーに必須のソフトスキルとしてこれまでも注目されてきました。先天的かつ遺伝的な要素が強い「IQ」と比べて、後天的なトレーニングで鍛えられるともいわれており、教育や強化に取り組む企業も増えています。

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5.ソフトスキルと対になるハードスキルの例

ソフトスキルと対をなすハードスキルとは、習得や評価がしやすい技術的なスキルのことです。ここではハードスキルの具体例を5つ説明します。

  1. プログラミング
  2. マーケティング
  3. データサイエンス
  4. UI・UXデザイン設計
  5. 語学力

①プログラミング

「プログラミング言語」という独自の言語を用いて、「ソースコード」というコンピューターへの指示書を作成する能力のこと。

プログラミング言語には多くの種類があり、それぞれ使える分野や製品が異なります。担当する仕事によっては、複数のプログラミング言語を求められるのも珍しくありません。相応の学習や専門知識が必要とされる、ハードスキルの代表例のひとつです。

②マーケティング

消費者のニーズを正確に捉え、商品を欲するターゲットに的確な広告をうつこと。市場調査やリサーチで情報を集め、さまざまな手法でそれらの情報を分析します。

この調査や分析に関する知識や技術がハードスキルに該当するのです。また関連資格もハードスキルに含まれます。たとえば中小企業診断士やネットマーケティング検定、経営学研士(MBA)、ウェブ解析士などです。

③データサイエンス

大量のデータを機械的に処理して、全体としての傾向を分析すること。統計学や情報工学、計算機科学やデザイン情報学、パターン認識や機械学習などさまざまな分野の専門知識が求められます。

データサイエンスのスキルを身につける方法として推奨されているのは、専門の理系大学卒業やデータベースエンジニアとしての経験などです。また見出した情報を効果的に成果につなげるため、ビジネスに対する深い見識も必要となります。

④UI・UXデザイン設計

  • UI:「User Interface」の略で、システムやサービス、アプリなどの見た目や使いやすさのこと
  • UX:「User Experience」の略で、UIを含むサービスで得られる経験

UI・UXデザイン設計に求められるハードスキルは、設計やデザインやコーディング、ユーザーや市場における調査や分析などのスキルです。デジタルサービスを差別化するハードスキルとして、近年ますます需要が高まっています。

⑤語学力

学習によって獲得でき、資格で証明しやすい語学力は、代表的なハードスキルのひとつです。

グローバル化に対応するためのスキルとして、これまでほぼ必須に近い扱いを受けてきました。自主的に学ぶビジネスパーソンも多く、複数言語の知識を持つ人材も珍しくありません。

昨今、翻訳ソフトが活用できるもののそれだけで商談を成功させるのは難しいでしょう。これまで以上に実践的なスキルが求められています。

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6.ソフトスキルとハードスキルそれぞれの鍛え方

仕事を成功に導くためには、ソフトスキルとハードスキルの双方が欠かせません。ここではそれぞれの鍛え方を説明します。

ソフトスキル

自分が持つソフトスキルを把握し、つねにソフトスキルを意識することが重要です。

  1. 自らのソフトスキルを特定する
  2. 注意力を鍛える
  3. 目上の人からコーチングを受ける

①自らのソフトスキルを特定する

ソフトスキルを鍛えるためにまず、自らが現在持っているソフトスキルを特定します。

できるだけ客観的に自らを振り返り、見つかったソフトスキルを並べていきましょう。そこから自分に足りないソフトスキルを見出すと同時に、普段から実践できているものといないものをわけていきます。

ひとりで行うのが難しい場合、友人や家族、上司など、信頼できる人物の助けを借りても構いません。

②注意力を鍛える

ある調査によれば、職場での集中力や注意力が低下傾向にあるようです。しかし注意力はチームワークや社外対応において、状況把握やミス防止につながるスキルです。たとえばメッセージの送信ひとつをとっても、以下に注意する必要があります。

  • 送信先に間違いはないか
  • 担当者名や本文の内容に間違いはないか
  • 誤字脱字はないか
  • 質問に対して答えている場合、相手の意図を汲んで漏れなく返せているか

こうした細やかな気遣いを意識せずにできるようになるのが理想です。

③目上の人からコーチングを受ける

経験豊富な上司や先輩にアドバイスをもらえば、効果的にソフトスキルを鍛えられます。以下のようなことを質問すると、ソフトスキルを磨くヒントを得られるでしょう。

  • 対人関係の悩み
  • トラブルへの対応
  • ビジネスマナー
  • 取引先との信頼関係の築き方

コーチングを受ける相手としておすすめなのは、「信頼できる」かつ「自らもスキルアップに取り組んでいる」人物です。

ハードスキル

ハードスキルは、資格取得や学校、研修などをとおして習得できます。

  1. 資格取得をめざす
  2. 大学院に進学する
  3. 研修に参加する

①資格取得をめざす

資格取得は合否にかかわらず、目標として勉強するだけでハードスキルの底上げにつながります。資格取得には期限や目標があり、独学でもモチベーションを保ちやすいです。さらに合格を目指す過程で、体系的かつ効率的に知識や技術を習得できます。

合格した場合は、昇進や昇給、今後の就職活動においても有利になるでしょう。もし資格取得に至らなかったとしても、習得した知識や技術を業務に生かせます。

②大学院に進学する

自らの仕事に関連する大学院で勉強すれば、より専門的な知識や経験が得られます。近年、MBA(Master of Business Administration:経営学修士)を取得できる大学院も増えているのです。

教授からの講義で専門性の高い知識を効率的に学べるうえ、学習の過程で文章力や英語力、プレゼンテーション能力なども身につきます。卒業時に得られる修士号も、就職や転職活動で役立つでしょう。

③研修に参加する

勉強会や講座などに参加すれば、仕事に関する知識やスキルを効率的に習得できます。

研修に参加する最大のメリットは、専任の講師から最新の知識や技術が得られること。参加する時間が確保できない場合、eラーニングで隙間時間に学ぶ方法もあります。

組織全体でのスキルアップを図りたいときは、全社員に対する研修と特定の層に対する研修を、それぞれわけて設定するとよいでしょう。たとえばマネジメント研修は役職者やリーダー格が対象、一方コンプライアンス研修は全社員が対象といったものです。