社員証とは? 作成方法、なくした際の対処法と紛失防止策

社員証とは従業員がその企業に勤めていると示す証明書です。ここでは社員証作成の目的やメリット、作成方法や紛失時の対処法などについて解説します。

1.社員証とは?

社員証とは、企業の従業員であると証明するカードや書面のこと。従業員一人ひとりの身分証明書代わりとして、名刺や名札のような役割を果たします。

社員証の書式に法律的な決まりはありません。シンプルなモノクロデザインの社員証もあれば、顔写真が入ったフルカラーのもの、ICチップを内蔵したICカードなどさまざまな様式があるのです。

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2.社員証を作成する目的

目的は、その企業に属する従業員であると証明すること。社外の人に社員証を提示すれば、在籍証明と同時に信頼感を与えられるでしょう。ここでは社員証作成の目的を、以下3つの視点から説明します。

  1. 在籍証明や身分証明
  2. セキュリティ強化
  3. 社員の責任感向上

①在籍証明や身分証明

社員証を作成する目的として第一に挙げられるのは、企業の従業員であると証明すること。

しかし公的な身分証明書としての、側面もあります。行政機関や金融機関によっては写真付きの社員証を運転免許証やパスポートと同じレベルの「本人確認書類」としているところもあるほどです。

②セキュリティ強化

社員証をICカードと組み合わせる企業も多くなってきました。これにより入退室の記録や勤怠管理システムへの登録などが自動的に行われます。不審な入退室の記録をすぐ特定できるほか、エリアごとに入室制限を設けてセキュリティを強化するのも可能です。

社員証を活用し、セキュリティレベルをわけた入退室管理を行うと情報漏えいの抑止にもつながります。

③社員の責任感向上

会社名や所属部署などが記載された社員証には、責任感向上の目的もあります。身分証を下げて行動させれば、従業員に会社の看板を背負っているという責任感を持たせられるでしょう。

「あの会社の人が〇〇していた」「〇〇していた人はあの会社の社員証を身につけていた」といわれないよう、従業員一人ひとりの言動を抑制させる目的です。

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3.社員証を作成するメリット

社員証を作成すると、会社は「社員の帰属意識向上」「社内外での信頼感向上」などのメリットを得られます。さらにICチップを搭載したIC社員証にすれば、勤怠管理の効率化や電子決済の実現なども可能です。

  1. 社員の帰属意識を向上
  2. 社内外での信頼感が向上
  3. IC社員証のメリット

①社員の帰属意識を向上

社員証はこの会社の従業員であるという証明です。当然、その会社に所属する人しか持てません。社員証を携帯すれば、この会社に属している、この会社で働いているのだという意識を持ち続けられるでしょう。

おのずと会社に対する帰属意識が高まり、離職率の低下、協調性や生産性の向上なども期待できます。

②社内外での信頼感が向上

仕事中つねに携帯する社員証は、会社内だけでなく社外でも人の目に留まります。会社内の人にとっては、所属や名前などがすぐにわかるため、安心して接していけるのです。

また社外の人にとってもその会社に属す人なのだとすぐに伝わるため「この会社の人なら信頼できる」「この会社の従業員に依頼したのなら安心だ」といった信頼感が生まれます。

③IC社員証のメリット

ICチップを搭載したICカードを社員証に活用すると、さらに大きなメリットを得られます。セキュリティ強化や管理業務の効率化にも効果的です。

感染リスクの減少

新型コロナウイルス拡大の影響により、会社では不特定多数の人が触る場所を減らして感染リスクを下げようとしています。

IC社員証を活用すれば、無人あるいは非接触型の受付システムを導入可能です。受付担当者を置かなくても非接触型セキュリティシステムによって社員証の読み取り、顔認証などによる入退場が実現できます。

勤怠管理の効率化

始業や終業時間を手入力で行う場合、入力のたびにシステムにログインしなければなりません。くわえて入力ミスが生じるリスクもあります。

IC社員証を活用すれば、入力ミスの修正や煩雑な集計管理業務が生じたり、本人以外のなりすましが発生したりするリスクを減らせるのです。

電子決済の実現

最近では電子決済できるICカード社員証を導入する企業も増えてきました。利用履歴が参照できる交通系ICカードを使えば、かんたんに交通費を精算できます。

さらに自動販売機や無人レジなどに組込型決済端末を取り付けて、タッチ決済を実現している企業もあります。購入代金を給与からの天引きにすれば、精算の手間もかかりません。

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4.社員証を作成するデメリット

社員証作成によって帰属意識の向上や勤怠管理効率化などのメリットを得られる一方、いくつかのデメリットもあるのです。

  1. カードを作成するコスト
  2. カードの保管や処理にかかる負担
  3. なりすましのリスク

①カードを作成するコスト

新たに社員証を作成する場合は当然、作成に関するコストが発生します。外注の場合はデザイン料やロゴマークの取り込み料、印刷料などが発生するためこれらを見越して作成する必要があります。もちろん紙に比べてICカードのほうが費用は高いです。

②カードの保管や処理にかかる負担

社員証は、従業員の個人情報や企業情報にかかわるため、保管や処理には十分な注意が必要です。IDカード付社員証を使える状態のまま廃棄してしまうと、悪意を持って社員証を入手した社外の人間が会社内に侵入してしまうリスクが生じます。

③なりすましのリスク

万が一社員証を紛失してしまった場合、他人に悪用される恐れがあるのもデメリットのひとつ。もしもそのカードがセキュリティレベルの高い部屋に入退室できるカードだった場合、重大な問題に発展する可能性も考えられるのです。

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5.社員証の作成方法

社員証を作成するときは、自社で作成するか外注するか、決めます。専用プリンターがセットになった社員証作成キットを購入したり、プラスチックカード台紙にインクジェットプリンターで印刷したりすれば、自社でも社員証を作成可能です。

STEP.1
社員証の種類を決定
社員証は2種類あります。それぞれ異なるメリット、デメリットがあるため自社都合にあわせてじっくり検討してみましょう。

プラスチックカード:キャッシュカードやクレジットカードなどと同じJIS規格に準じた規格の定番素材。厚みがあり、耐久性に強い

ICカード:他システムと連携させて業務効率化を図れる。直接印刷のほか、シールタイプもあり

STEP.2
記載項目を決定
次は社員証に記載する項目を決める段階です。記載項目に決まりはないものの、一般的には以下の情報を記載します。

  • 会社名
  • 会社の所在住所
  • 顔写真
  • 社員番号
  • 所属する部署名
  • 氏名
  • 会社印やロゴ

「社員証はつねに携帯するようにしてください」「他人に譲渡、貸与することはできません」などを、裏面に記載する企業もあります。

STEP.3
デザイン決定
記載する項目をもとに、社員証のデザインを決めていきましょう。作成にかかる費用をおさえたい場合、自社で作成するのも可能です。

もし「作成に時間をかけたくない」「費用をかけてでもしっかりとした社員証を作成したい」ときは、外注するとよいでしょう。その際は価格だけでなくセキュリティがしっかりしているか、情報漏えい対策を行っているかなどをチェックしておくと安心です。

STEP.4
顔写真の撮影
続いて社員証に掲載する顔写真を用意します。社員証の場合、免許証や面接時のように固い証明写真である必要はありません。

ただし社外の人とかかわる際には社員証の写真から会社の雰囲気が伝わるため、会社の顔になるという意識を持って節度のある写真にしましょう。明るい雰囲気を見せるために、笑顔で撮影した写真を使うのも効果的です。中身4

STEP.5
注文
すべての記載情報が決まったら、業者に注文あるいは自社内での作成に取り掛かりましょう。

業者に注文する際、カードの種類や用途、デザインのイメージなどをヒアリングされる場合もあります。なかにはヒアリングのため直接会社に訪ねてきたり、要望に合わせてサンプルカードを作成、送付してくれたりするところもあるのです。

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6.従業員が社員証を紛失、なくした場合の対処法

万が一社員証を紛失してしまったときは、すみやかに会社に連絡して指示を仰ぎましょう。その際は、状況に応じて警察に「遺失届出書」を届けることも考慮してください。

入退室管理も可能な社員証を紛失した場合、入退室に必要な「鍵」と、どこで使うのかを記載した「会社住所」を同時になくしてしまったことになります。悪用されないよう、早めに対応しなければなりません。

  1. 会社へ連絡
  2. 警察へ「遺失届出書」を提出

①会社へ連絡

社員証をなくしたときはじめにやることは、上司や総務部など会社への報告です。紛失時の対応は会社によって異なります。

すぐ警察に遺失届出書を提出しなければならない会社や、紛失したカードでの入退室を拒否する手続きを取る会社、一時的な置忘れであれば取りに戻って紛失でないことを証明する会社などもあります。

いずれも報告を後回しにするとリスクが大きくなるため、早めに連絡しておきましょう。

派遣社員は派遣先に連絡する

派遣社員が社員証を紛失した場合は、派遣先の会社と派遣元の会社どちらにも報告が必要です。派遣先の会社に紛失届や経緯報告書などを準備すると同時に、派遣元から社員証紛失のお詫びをしなければなりません。

会社によっては臨時的に予備の社員証を貸与して、紛失した社員証が見つかったあと、あるいは新たに作成した社員証が発行されたあとに返却しなければならない場合もあります。いずれによせ派遣先、派遣元どちらにもすみやかに連絡しましょう。

②警察へ「遺失届出書」を提出

「たかが社員証だし」「そのうちどこからか出てくるだろう」と安易に考えるのは危険です。紛失した社員証を悪意のある人が拾った場合、企業情報や個人情報の流出、詐欺などに悪用される危険もあります。

万が一悪用された場合、警察に届出がないと後々不利になる可能性も高いです。またもしも誰かが拾って届けてくれれば、手元に返ってくることも期待できます。

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7.社員証の紛失防止策

そもそも社員証を紛失しないよう防止策を講じるのも重要です。ここでは社員証紛失の防止策を「紛失時のマニュアル作成」「再発防止策の考案」「IoTの活用」という3つの視点から、説明します。

  1. 社員証紛失時のマニュアル作成
  2. 再発防止の策定考案
  3. スマートタグの活用

①社員証紛失時のマニュアル作成

社員証は、誰にでも紛失の可能性はあります。万が一に備えて紛失時の対応マニュアルを作成しておきましょう。

社員証の紛失によって発現するリスクとあわせ、リスク排除までの実施事項をマニュアルにわかりやすく明記します。さらに書面化した対応マニュアルを全社的に周知しましょう。それにより、すべての従業員に行動を徹底させます。

②再発防止の策定考案

マニュアルを作成する際は、紛失時の対応策と同時に再発防止策も考えておきましょう。なぜ紛失してしまったのか、その原因を究明して具体的な再発防止策を策定します。具体的な策としては以下の方法が効果的です。

  • 社員証をしまう位置を固定する
  • ひんぱんに何かを出し入れする場所に社員証を入れない
  • ストラップの強度を高めて抜け落ちや破損を防ぐ
  • ビジネスとプライベートで使用するバッグをわける
  • 移動中や出先ではバッグを手放さない

③スマートタグの活用

近年、アラート機能やトラッキング機能を搭載したスマートタグも多く普及しています。スマートタグを社員証と一緒に持ち歩けば、紛失時もスマートフォンと連携して音を鳴らしたり、接続が途切れた場所を辿ったりできるでしょう。

製品によってはスマートタグが手元から離れた時点でスマートフォンにアラートが飛び、置き忘れにすぐ気付けるものも。このような機能を活用するのも効果的です。