正社員とは? メリット、デメリットや特徴、正社員の種類について

正社員とは、期間の定めがなく企業に雇われている労働者のこと。ここでは、正社員の定義や正社員になるメリットとデメリット、その特徴や種類について紹介します。

1.正社員とは?

正社員とは、雇用期間を定めないで雇用主と労働契約を結んだ労働者のことで、雇用保険や社会保険への加入が義務付けられるなど、非正規労働者よりも労働者個人が保護されています。

また賞与が支給され退職時には退職金が支給される場合もほとんど。正社員は生涯を通して比較的安定した生活が保障されているといえるでしょう。

正社員とは、雇用期間を定めずに雇われている労働者のことです。雇用保険や社会保険への加入が義務付けられています

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2.正社員のメリット

正社員になるメリットはいくつかありますが、ここでは中でも特に大切な点を紹介します。

  1. 他の雇用形態より賃金が高い
  2. 出世できる
  3. 転職に有利
  4. 福利厚生が手厚い
  5. クレジットカードやローンなどの審査が通りやすくなる

①他の雇用形態より賃金が高い

正社員の賃金は、パートやアルバイトなど非正規雇用の社員の賃金と比較すると高い場合が多いです。また給料が安定的に支給され、働く年数が長くなると給料が上がっていく傾向にあります。

毎月決められた給与が受け取れるので、雇用されている企業で安心して働ける上、生活も安定するので長期的なライフプランも立てやすくなります。

②出世できる

正社員は企業で長期的に働くため、出世のチャンスが多いといえます。重要な仕事を任さ
れた際、遂行によって社内での信用を得て役職に就く可能性も生まれるでしょう。非正規社員は長期的に働くことが前提となっていないため、出世のチャンスも少なくなります。

③転職に有利

正社員のほうが非正規雇用の社員よりも重要な仕事を担っていたと捉えられる場合が多く、確実に仕事が遂行できる人材として信用されやすいため、転職の際に有利です。

特に同業種での転職では、転職前に身につけた技術や経験、資格などが転職先で有効に活用できるので、採用面接で高く評価されます。

④福利厚生が手厚い

社会保険への加入は、正社員として雇用されるメリットのひとつです。社会保険には健康保険や雇用保険、厚生年金や労災保険があります。

健康保険に加入すると医療費の自己負担額が3割になり、安心して医療を受けられるでしょう。また厚生年金に加入できるため、老後に受け取れる年金額が高くなります。

⑤クレジットカードやローンなどの審査が通りやすくなる

企業に正規雇用されている正社員は、クレジットカードを作る際や住宅や車のローンを借りようとした際の審査に通りやすくなります。正社員である、つまり長期的な雇用が保障され、安定的な収入が得られると見なされ、社会的に信用されるからです。

正社員のメリットは、「ほかの雇用形態より賃金が高い」「出世できる」「転職に有利」「福利厚生が手厚い」「クレジットカードやローンなどの審査が通りやすくなる」の5つです

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3.正社員のデメリット

正社員には、メリットだけでなくデメリットもあります。一体どんな内容なのか、見ていきましょう。

  1. 仕事の責任が重い
  2. 転勤の対象になる
  3. 残業など勤務時間が長くなりやすい

①仕事の責任が重い

正社員は会社にとって重要な仕事を任される場合も多く、成功を期待されています。失敗すれば会社に大きな損害を与えてしまい、自分の出世も阻まれるため、大きなプレッシャーの中で仕事をしなければならないのです。

もし失敗してしまった場合、プロジェクトから外されたり減給や転勤、配置換えなどもあったりするかもしれません。

②転勤の対象になる

社員育成や適材適所に人材を配置しようとする社内の方針に従って、正社員は転勤を命じられる場合があります。就業規則に転勤についての記載があれば、正社員は転勤が命じられた場合、一般的には断れません。

もし転勤を断わってしまうと、キャリアアップができなかったり出世に悪い影響を与えたりする場合があります。

③残業など勤務時間が長くなりやすい

任された仕事が終わらない場合、責任があるため、残業してでも終わらせなければなりません。ほとんどの場合、残業代は給料に加算されて支給されますが、残業時間の全てがきちんと加算されない場合もあるのです。

正社員は残業を断りにくい場合が多いため、残業時間が長くなればプライベートの時間が短くなり、ワークライフバランスが崩れるでしょう。

正社員のデメリットは、「仕事の責任が重い」「転勤の対象になる」「残業など勤務時間が長くなりやすい」の3つです

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4.「多様な正社員」を導入する目的やその背景とは?

多くの企業で導入しようとしている「多様な正社員」。導入の目的は、優秀な人材確保や従業員の定着促進、ワークライフバランスの支援、賃金の節約などです。

導入の背景には、女性社員の活躍推進や事業の海外展開、国内製造拠点の維持があります。このような目的と背景を持って現在増えつつある多様な正社員にはさまざまな種類があるのです。

ここからは、最もポピュラーな正社員から労働時間に規定のある勤務時間限定正社員まで4種類を紹介しましょう。

  1. 最もポピュラーな正社員
  2. 仕事内容が区分される職務限定正社員
  3. エリア限定の地域地限定正社員
  4. 労働時間に規定のある勤務時間限定正社員

①最もポピュラーな正社員

最もポピュラーな正社員とは、労働契約の期間が無期限であり、就業規則において就業労働時間がフルタイムであると記載され、直接雇用である社員ですので、仕事内容に制限はありません。

②仕事内容が区分される職務限定正社員

仕事内容が限定される職務限定正社員とは、限定されている内容や範囲の職務を担う正社員のことで、勤務地や所定労働時間に限定はありません。

職務限定正社員という種類を導入すると、専門的な分野に特化している、高度なキャリア形成を目指している、資格を有しているなどの社員を活用できます。

③エリア限定の地域地限定正社員

エリア限定の地域地限定正社員とは、地域を限定して働ける勤務制度に従って雇われた正社員のことで、職務内容に限定はありません。

地域地限定正社員は、正社員でも転勤を命じられることがないため、希望する勤務地で安心して働けます。育児や介護で転勤はできないが仕事と両立させたい社員を活用できる正社員です。

④労働時間に規定のある勤務時間限定正社員

労働時間に規定のある勤務時間限定正社員とは、勤務地に限定はありませんが、所定労働時間がフルタイムではなかったり、残業が免除されていたりする正社員のことで、職務内容に限定はありません。

育児や介護と仕事を両立させたい社員を支援し、またプライベートな時間を活用して、自己啓発やキャリアアップを希望している社員の活用が可能です。

勤務地や所定労働時間、職務内容を限定して、多様な正社員を導入すると、正社員でも多様な働き方が可能となります

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5.正社員以外の一般的な雇用形態の種類

正規雇用で直接雇用に区分される正社員以外にも、多様な雇用形態があります。ここでは、雇用形態の区分とさまざまな雇用形態について解説します。

雇用形態の区分

雇用形態は、一般的に、正規雇用と非正規雇用、直接雇用と関節雇用に区分されます。

正社員は正規雇用で直接雇用に分類され、契約社員や嘱託社員、主婦層に多いパートタイマーや学生に多いアルバイトは非正規雇用で、直接雇用に分類されるのです。

派遣会社から派遣され派遣先で就労する派遣社員は、非正規雇用で間接雇用に分類されます。

契約社員

契約社員とは、雇用主と有期労働契約を結んでいる社員のこと。契約社員が労働契約を結ぶ際は、雇用期間だけではなく、給与や勤務時間、勤務日、勤務地なども決めます。

給与形態は月給制が多いですが、年俸制が採用される場合も。労働契約を結ぶ際は、詳細の確認が必要です。

嘱託社員

嘱託社員とは何かを定義する法律はありません。雇用主との間で有期労働契約を結んでいるという点では嘱託社員と契約社員は同じですので、嘱託社員は契約社員の一種ともいえます。

嘱託社員が契約社員と異なる点は、契約社員は基本的にはフルタイムで就労していますが、嘱託社員の多くが時短勤務や週に3~4日という就業形態で雇用契約を結んでいる点です。

アルバイト

アルバイトは自分の都合のよい日時に合わせて自由に仕事ができる雇用形態です。多くは、日中や夕方、夜や休日などの中で3~8時間など希望する時間に働く場合が多いとされています。

派遣社員

派遣社員とは、雇用契約を交わした企業とは別の企業において仕事をする労働者のことで、「登録型派遣」、「無期雇用派遣(常用型派遣)」「紹介予定派遣」などがあります。派遣先を選ぶ際は、労働条件などをしっかりと確認したほうがよいでしょう。

パートタイマー

パートタイマーは、主に主婦層をターゲットとして、短い労働時間と短時間でもできる業務内容を設定している場合が多いです。労働時間は子どもが学校に行っている間に設定するのが一般的で、夫の扶養範囲内で勤務することを希望する人も多くいます。

企業の中には、パートタイマーから正社員への登用制度を備えているところもあります。

正社員以外の雇用形態も多様です。契約社員や嘱託社員、アルバイトや派遣社員、パートタイマーなどがあり、それぞれに特徴があります

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6.正社員の特徴とは?

正社員は、法律上の用語ではなく、特別の定義はありません。一般的には雇用期限が無期限であるために、企業側は解雇が難しく安定して働けます。

通常、正社員の労働はフルタイムで残業が義務付けられていますが、近年、正社員にも勤務形態や処遇方法において多様性が見られるようになりつつあります。

勤務期間の定めがない

正社員という用語は、労働基準法によって定められているわけではありません。正社員の勤務期間や契約期間などに定めはないため、一般的には定年まで働けます。

正社員として雇用されると、福利厚生も充実し、給与も安定して長期間支給されると見なされるため社会的にも信用度が高く、クレジットカードや住宅ローンの審査にも通りやすくなるのです。

解雇が厳しく制限されている

正社員の雇用期間には定めがないため、雇用契約を結んだ企業は、解雇権を行使した正社員の解雇を法律にて厳しく制限されています。

企業が正社員を解雇する場合は、「犯罪を犯した」「企業の規則に従わない行為をした」「無断欠勤や頻繁な遅刻など勤務態度が著しく悪い」など、解雇が正当と見なされる理由が必要です。

フルタイム勤務が基本となっている

正社員の勤務時間は、企業が定める正規の勤務時間をすべての時間帯にて勤務するフルタイムが基本です。正規の勤務時間が交代制であれば、フルタイムとは交代制で決められている労働時間帯に勤務することを指し、必ずしも朝から夕方まで働くことではありません。

また36協定にて定められている範囲内での残業が、義務付けられています。

賞与が設けられていることが多い

一般的に正社員には賞与を支給される場合が多いです。月給に加えて賞与が支給されるため年収も上がり、安定した生活が送れるでしょう。

しかし賞与の支給が法律上定められているわけではありませんので、正社員でも賞与がない場合もあります。逆に非正規雇用の社員でも、賞与が支給される場合もあるのです。

他の雇用形態との違い

正社員は、派遣社員や契約社員、アルバイトやパートなどの非正規雇用の社員と異なり、労働契約に期間の定めがありません。

また就業規則に記載された所定労働時間に従ってフルタイムで働くため、通常は非正規雇用の社員よりも労働時間が長く、残業も義務付けられています。また企業は正社員の解雇が難しいため、一般的に定年まで働けるのです。

雇用期間に定めのない正社員は、フルタイム勤務を基本とし、一般的に定年まで働けます。さらに賞与が支給される場合も多いため、安定した収入が得られるでしょう

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7.正社員になるための方法とは?

ここからは、正社員になるためにはどうしたらよいのかを2つのケースに分けて解説します。

  1. 非正規雇用から正社員になる
  2. 未経験から正社員になる

①非正規雇用から正社員になる

非正規雇用として勤めている会社に正社員登用制度があるかを確かめる必要があります。実際に非正規雇用社員から正社員になった人が社内にいれば、参考になるでしょう。

非正規雇用社員としての仕事の成果が会社から評価されれば、正社員として登用される可能性も高くなりますが、会社によっては、正社員になるための採用試験が設けられている場合もあります。

②未経験から正社員になる

職種によっては、これまでの経験やスキルを問わず、未経験者を正社員として採用する場合があります。しかし一般的に企業は、即戦力となる高い能力がある人材を求めているもの。

未経験者で正社員として採用されるためには、仕事に生かせる資格を取得したり、事前に必要な知識を身につけたりしておくとよいでしょう。採用面接で評価され、正社員として採用される可能性が高くなります。

会社に正社員登用制度があれば、非正規雇用から正社員になれるかもしれません。また未経験者でも、能力次第で採用される可能性はあるでしょう