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組織運営において、業務の効率化とリスク管理は常に重要な課題です。特に、従業員一人ひとりの役割が不明確な状態では、業務の重複や責任の所在の曖昧さが生じ、生産性の低下や不正のリスクを高めるおそれがあります。
こうした課題を解決し、組織を健全に成長させるために不可欠なのが「職務分掌」です。職務分掌は、各従業員が担うべき職務内容、責任、権限を明確にすることで、業務の効率化、内部統制の強化、そして従業員のモチベーション向上に大きく貢献します。
この記事では、職務分掌の基本的な考え方から、類似する言葉との違い、導入によるメリットと注意点、さらに規程の具体的な作り方までをわかりやすく解説します。
目次
1.職務分掌とは?

職務分掌(しょくむぶんしょう)とは、組織内で各従業員が担う職務の内容、責任の範囲、そしてそれに伴う権限を明確に定め、適切に配分する仕組みを指します。言い換えれば、「誰が」「どのような仕事を」「どの範囲で行うか」をルールとして定めることです。
このルールを「職務分掌規程」や「職務分掌表」といった形で明文化することで、従業員は自身の役割を正確に理解し、業務を遂行できるようになります。
企業規模の拡大や業務の複雑化・多様化に伴い、職務分掌の重要性は一層高まっています。個々の業務の重複や漏れを防ぎ、組織全体の業務効率を向上させるだけでなく、内部統制を強化し、健全な組織運営を実現するための基盤となるのです。
そのため、担当範囲や責任だけにとどまらず、柔軟な対応が求められる場面があることも想定しておきましょう。近年では、大企業に限らず、組織体制の整備を進める段階にあるベンチャー企業においても導入が進んでいます。
職務分掌規程とは?
職務分掌規程とは、各職務の内容や権限、責任の範囲を明確に定めた文書です。規程内容を一覧表にまとめたものが「職務分掌表」と呼ばれる資料です。
法律で作成が義務づけられているわけではありませんが、多くの企業が社内ルールとして取り入れています。
文書化によって、仕事の分担が明確になり、業務の混乱を防げます。また、不正の防止や責任の所在を明確にするうえでも重要な仕組みです。
組織運営のために、欠かせない大切なツールといえるでしょう。
職務分掌の目的
職務分掌の主な目的は、業務の効率化と内部統制の強化を図ることです。誰がどの業務を担当し、どの範囲まで権限を持つかを明確にすることで、業務上の混乱や責任の押し付け合いなどのトラブルを防げます。
また、万が一問題が起きたときにも、関係者がすぐにわかるため、迅速に対応できるでしょう。
内部統制の面でも、一人の従業員に権限が集中しないように分担でき、不正やミスのリスクをあらかじめ減らせます。こうした仕組みは、組織の健全な運営を支える大切な要素の一つです。
職務とは? 意味や使い方、種類の具体例、業務との違いを簡単に
職務という言葉は、仕事でよく使われます。職務の類義語や業種別職務の例などについて、詳しく解説しましょう。
1.職務とは?
職務とは、組織に所属する従業員や公務員一人ひとりが担当する仕事のことです。...
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2.職務分掌と類似する言葉との違い
職務分掌について理解を深めるために、混同されがちな業務分掌との違いや、類似用語との違いを明確にしておきましょう。
業務分掌との違い
職務分掌ともっとも混同されやすいのが「業務分掌」です。両者の主な違いは、対象とする単位にあります。
- 職務分掌:対象は「個人」。部長・課長・一般社員といった各役職や、担当者一人ひとりの役割、責任、権限を定めます。
- 業務分掌:対象は「部署・部門」。人事部、営業部、開発部といった組織単位で、どのような業務を担当するのか、その業務領域や範囲を定めます。
| 職務分掌 | 業務分掌 |
| 対象:個人 部長・課長・一般社員といった各役職、担当者の役割、責任、権限を定める。 |
対象:部署・部門 人事部、営業部、開発部といった組織単位での業務領域や範囲を定める。 |
たとえば、「採用計画の立案」が人事部の業務であると定めるのが業務分掌です。そして、その中で「面接官の選定は人事部長の権限」「最終的な採用決定は役員の承認を得ること」といった個人の権限と責任を定めるのが職務分掌、という関係性になります。
業務分掌とは?【作り方】分掌規定、分掌表、内部統制
1.業務分掌とは?
業務分掌(ぎょうむぶんしょう)とは、組織内で部署ごとに業務や権限を明確化することです。業務分掌は必ずしもすべての組織で行うべきことではなく、企業の成長度合いや成熟度、実情などか...
職務権限との違い
「職務権限」とは、特定の職務を遂行するために与えられた決定権や実行権のことです。職務分掌が役割と責任の範囲を定める「ルール全体」を指すのに対し、職務権限はそのルールに含まれる「個別の権限」を指します。
▼職務分掌と職務権限の違い
| 職務分掌 | 職務権限 |
| 誰がどのような仕事を担当するか、責任を持つか | 職務に対して対してどこまで判断・承認できるか |
たとえば職務分掌で「人事部は採用業務を担当する」と定められていても、全員が採用の最終決定を下せるわけではありません。実際に採用の可否を判断できるのは、課長や部長といった権限を持つ管理職です。
このように、「担当する業務の範囲」を示すのが職務分掌、「意思決定できる範囲」を示すのが職務権限です。職務分掌と職務権限は両立して初めて効果を発揮する仕組みです。
どちらかが欠けると責任の範囲が曖昧になり、業務の停滞や不正発生のリスクを高まるおそれはあります。
セグリゲーションとの違い
「セグリゲーション(Segregation)」とは、日本語で「分離」を意味し、内部統制において用いられる専門用語です。特定の業務を一人の担当者に集中させず、一つのプロセスを複数の担当者に分割して担わせることで、ミスや不正を未然に防ぐ仕組みを指します。
たとえば、取引の承認、実行、記録、資産の保管といった一連の流れを、それぞれ別の担当者が行うように設計するのがセグリゲーションです。
一方、職務分掌は、不正防止も目的の一つではありますが、より広く組織運営の効率化や責任の明確化を目指すものです。したがって、セグリゲーションは職務分掌を具体化するための手法の一つと位置づけられます。
ジョブディスクリプションとの違い
「ジョブディスクリプション(Job Description)」は「職務記述書」を指します。特定のポジションについて、職務内容、目標、必要スキル・経験・資格などを詳細に記載した文書です。
職務分掌が組織全体の役割分担を整理するのに対し、ジョブディスクリプションは個々のポジションに焦点を当てます。主に採用活動や人事評価、人材育成の場面で活用され、従業員や求職者に対して、その職務に何を期待されているのかを具体的に伝えます。
職務分掌が組織の骨格を定めるものだとすれば、ジョブディスクリプションは個々の役割を肉づけするものといえるでしょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)とは?【意味を解説】
従業員の職務内容を明確にするジョブディスクリプション。日本ではあまりなじみがありませんでしたが、グローバル化やジョブ型雇用へのシフトが進む近年、注目されています。
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4-職務分掌の必要性

職務分掌は、日常的な業務効率化や内部統制の整備などに加え、次のような場面で必要になります。
- 内部監査
- 上場審査
内部監査
内部監査では、組織が法令や社内規程を守り、適切に業務を遂行しているかを点検します。この際、職務分掌が明確に定められ、実際の業務に沿って正しく運用されているかが重点的に確認されます。
もし役割分担が不明確であったり、規程と実務に乖離があったりする場合には「不適切」と判断され、信頼性を損なうリスクがあるでしょう。取引先や投資家からの信用を守るためにも、日頃からルールを整備し、問題のない体制を維持することが重要です。
監査とは?【意味・目的を簡単に】内部監査【誰がする?】
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1.監査とは?
「監査」は会社...
上場審査
企業が株式上場を申請する際、審査では内部管理体制の健全性が厳しく確認されます。特に、職務分掌をはじめとする社内ルールと、実際の業務運営が一致しているかどうかは大きな評価ポイントです。
職務分掌が不十分だと内部統制が機能していないとみなされ、上場審査の通過が難しくなる恐れもあります。そのため、上場を視野に入れる企業は、早期に職務分掌を整備し、定期的な見直しによって実態とのズレを防ぐことが欠かせません。
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職務分掌を導入することで、組織には多くのメリットがもたらされます。ここでは、職務分掌を適切に運用することで期待できる主な効果について、具体的に解説していきます。
- 担当外業務によるストレスを軽減できる
- 従業員の責任感が向上する
- 内部統制とリスクマネジメントを強化できる
- 効率的な人材育成が期待できる
- 公平な人事評価につながる
担当外業務によるストレスを軽減できる
「これは本来、自分の業務ではないはずなのに……」。多くの従業員が一度は抱くこのような担当外作業への不満やストレスは、モチベーション低下を招く大きな要因となります。
職務分掌によって自身の役割と責任範囲が明確になれば、従業員は本来注力すべき業務に集中できます。業務の押しつけ合いや曖昧な指示による混乱が減ることで、精神的な負担が軽減され、仕事への満足度向上にもつながります。
従業員が安心して自身の専門性を発揮できる環境は、組織全体の活性化を促すでしょう。
従業員の責任感が向上する
自分の仕事の範囲と責任が明確になることで、従業員一人ひとりに「この業務は自分が責任をもってやり遂げる」という当事者意識が芽生えます。
ミスやトラブルが発生した際も、他責にすることなく、自らの問題として捉え、迅速な解決に向けて行動できるようになるでしょう。
また、与えられた職務に対する責任感は、仕事の質を高めることにもつながります。自分の仕事が組織の中でどのような役割を果たしているのかを理解することで、やりがいや達成感を感じやすくなり、自律的な成長を促す効果も期待できます。
内部統制とリスクマネジメントを強化できる
職務分掌は、内部統制やリスクマネジメントを支える基本的な仕組みです。特定の個人に権限が集中することを防ぎ、業務を複数の担当者に分けて進めることで、不正や重大なミスを防ぐ牽制機能を働かせることができます。
たとえば、発注担当者と検収担当者、支払い承認者を分けて配置することで、架空発注や不正な支払いといったリスクを大幅に抑えられます。
さらに、万一問題が起きた場合でも、責任の所在が明確であるため迅速な原因究明と再発防止につなげやすいのが特徴です。結果として、企業の信頼性や資産を守る上で不可欠な仕組みとなります。
効率的な人材育成が期待できる
職務分掌によって各職務に必要なスキルや知識が明確になることは、人材育成の効率化にも大きく貢献します。特に、育成すべきスキルや成果目標が具体化されるため、OJTや研修プログラムを体系的に設計しやすくなるのです。
指導する側は「何を教えるべきか」が明確になり、指導される側も「何を学ぶべきか」を理解しやすいため、育成のミスマッチを防ぐことができます。従業員は自身のキャリアパスを描きやすくなり、目標達成に向けた意欲も高まるでしょう。
公平な人事評価につながる
人事評価への不満は、従業員のモチベーションやエンゲージメントを大きく低下させます。職務分掌を明確にすることは、公平で客観的な評価基準をつくる土台になります。
職務ごとに役割や責任が定義されていれば、それを基準に具体的な評価項目を設定できるからです。
評価者は、成果や貢献度を職務内容に照らして判断しやすくなり、評価のブレを抑えられます。さらに、評価される従業員にとっても基準が明確であるため結果を納得しやすく、自分の課題整理やキャリア目標の設定にもつなげやすいというメリットがあります。
人事評価の基準とは?具体的な作成方法や基準を決めるポイントを解説
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5.職務分掌デメリット
職務分掌には多くのメリットがある一方で、導入や運用方法を誤ると、かえって組織の柔軟性を損なうなどのデメリットも生じます。事前にリスクを理解し、適切に対処しましょう。
- イレギュラーな業務への対応遅延
- 指令系統の硬直化による生産性の低下
- 責任の押し付け合いやモチベーションの低下
- 従業員の成長機会の損失
イレギュラーな業務への対応遅延
職務分掌によって従業員ごとの役割や業務範囲が明確になる一方で、想定外の業務に対応しにくいという課題もあります。具体的には、突発的なトラブルや急な業務変更が起きた際に「規定外の業務だから」と誰も対応せず、業務が滞ってしまうおそれがあります。
こうした事態を避けるには、臨機応変に対応できる範囲を決めておくことや、相互にサポートできる仕組みを整えておくことが効果的です。
指令系統の硬直化による生産性の低下
職務分掌を必要以上に厳格に運用すると、組織内の意思決定が硬直化し、柔軟な対応が難しくなるおそれがあります。たとえば、責任者が不在のときや複数部署の承認が必要な場合、手順にこだわりすぎることで業務が止まり、生産性が落ちてしまうことがあります。
特に変化の激しいビジネス環境では、迅速な判断と行動が求められるため、硬直した仕組みは組織の足かせになりかねません。これを防ぐには、従業員が主体的に動ける教育や、部門間の連携を高める仕組みを整えることが重要です。
責任の押し付け合いやモチベーションの低下
業務の範囲が明確になることで、逆にその範囲外の業務に対して無関心になる従業員が出てくる可能性があります。隣の部署が困っていても「自分の担当ではないから」と協力しない、といった状況は、組織の一体感を失います。
さらに、割り当てられた職務が単調だったり、本人の適性や希望と合っていなかったりすると、モチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。
決められた業務だけをこなす意識が強まると、改善提案や新しい挑戦といった前向きな行動も生まれにくくなります。
従業員の成長機会の損失
職務分掌は、従業員が自身の専門性を深める上で有効ですが、担当業務が固定化されることで幅広い知識やスキルを習得する機会が失われるという側面もあります。特に、キャリアの浅い若手従業員にとっては、さまざまな業務を経験することが成長の糧となります。
決められた範囲の仕事しか経験できない環境は、長期的な視点で見ると、ゼネラリストや次世代のリーダー候補の育成を妨げる要因になりかねません。ジョブローテーション制度を組み合わせるなど、意図的に多様な経験を積ませる工夫が必要になるでしょう。
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職務分掌は、社内の役割や責任を明確にすることで業務の効率化や内部統制の強化につながる仕組みです。
しかし、すべての企業に向いているとは言えません。ここでは、作成が向いている企業・向いていない企業をそれぞれ紹介します。
向いている企業
従業員数が多く、部門や部署が細分化されている大企業では、業務の重複や責任の曖昧さを防ぐために職務分掌を定めることが重要です。
また、上場企業や上場を目指す企業では、証券取引所による審査への対応の一環として、職務分掌の整備が求められます。さらに、複数の部門が連携して業務を行うような企業にとっても、連携ミスや判断の遅れを防ぐ効果があります。
向いていない企業
従業員数が少なく、一人が幅広い業務を担当する小規模企業やスタートアップ企業では、厳密な職務分掌を設けることでかえって柔軟性を失う可能性があります。
また、業務内容や体制が頻繁に変わる業界や、フラットな組織文化を重視している企業においても、固定的な役割分担は運営の障害になりかねません。そのため、職務分掌は企業規模や文化、自社の状況に応じて「必要な範囲で整備する」という柔軟な姿勢が求められます。
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職務分掌を導入するためには、計画的かつ段階的なアプローチが必要です。ここでは、職務分掌規程を作成する際の具体的な手順を解説します。
- 目的を明確にする
- 従業員の了承を得る
- 組織図を作成する
- 部署や職務ごとに業務内容や責任を細分化する
- 権限を振り分ける
- 職務分掌規程を作成し周知する
① 目的を明確にする
まず「なぜ職務分掌を作成するのか」という目的を明確にすることが大切です。主な目的には次のようなものがあります。
- 内部統制を強化し、不正を防止する
- 財務報告の信頼性を向上させる
- 業務の非効率を解消する
- 公平な人事評価制度を実現する
- 企業資産を適切に管理する
企業が抱える課題によって、目指すべき職務分掌の形は異なります。この目的が不明確なままでは、現場で活用されない規程になりかねません。導入を進める際は、経営層や関連部署と十分に話し合い、全社で共通の目的意識を持つことから始めましょう。
② 従業員の了承を得る
職務分掌の導入は、従業員の働き方に大きな影響を与えるため、経営者の指示として一方的に押し付けるのではなく、丁寧に説明し協力を得ながら進めることが重要です。
導入の目的や従業員にとってのメリットを具体的に伝えることで、理解と納得を得やすくなります。
さらに、後の工程で行う業務の洗い出しには、現場の声が不可欠です。全社的な取り組みとして従業員を巻き込み、全社員が納得して運用できるルールを整備しましょう。
③ 組織図を作成する
現在の組織構造を正確に把握するために、最新の組織図を作成します。経営者をトップに、本社・支社・事業部・部署・チームといった単位まで整理し、会社全体の構造を図で可視化します。
もし既存の組織図が古かったり、実態と合っていなかったりする場合は、この機会に必ず更新しましょう。組織全体を俯瞰できれば、部署間の連携や指揮命令系統を正確に理解でき、業務の細分化や権限分配もスムーズに進められます。
④ 部署や職務ごとに業務内容や責任を細分化する
部門・部署・チームごとに、業務内容や役割、権限の範囲を整理します。その際は、従業員へのヒアリングや業務日報・手順書の確認を行い、現状の業務内容を正確に洗い出しましょう。
こうした作業を通じて、これまで見えにくかった属人化した業務や非効率なプロセスを明らかにできます。
⑤ 権限を振り分ける
職務内容を整理したら、各職務に必要な権限を割り振ります。特に、業務上の関わりが深い部署や、他部門との連携が多い部署では注意が必要です。
こうした部門では、責任の押しつけや突発的な対応による混乱が起こりやすいため、権限範囲を明確にするだけでなく、最終責任者を誰にするのか、イレギュラー発生時の対応ルールを事前に定めておくことがポイントです。
⑥ 職務分掌規程を作成し周知する
最後に、これまで整理・決定した内容を「職務分掌規程」や「職務分掌表」として文書化します。職務分掌を作成する際は、ゼロから作り上げるのではなく、既存のテンプレートを活用したり、社労士などの専門家に相談したりするのがおすすめです。
専門家に依頼すれば、必要な項目を網羅した内容を作成できるだけでなく、作成にかかる手間を省き、その分を他の業務に充てられるというメリットがあります。
完成した規程は、作成して終わりではなく、全従業員への周知と定着が不可欠です。社内ポータルでの公開や説明会の開催を通じて共有し、規程にもとづいた運用が組織全体に浸透するよう継続的に取り組みましょう。
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ここでは、職務分掌を定める上で押さえておくべきポイントを6つ解説します。
- 経営陣のビジョンを反映させる
- 現実の業務実態との整合性を図る
- 柔軟性を持たせる
- 定期的に見直す
- テンプレートを活用する
- タレントマネジメントシステムで効率化する
経営陣のビジョンを反映させる
職務分掌は、会社の経営理念やビジョンを実現するための土台となる仕組みです。人事担当者が作成する際は、必ず経営層の考えをヒアリングして反映させましょう。
経営陣は、職務分掌によって組織運営を円滑にし、健全な体制を築くことを重視しています。現場を理解する担当者と経営層の意向を事前にすり合わせておくことで、内部統制やリスクマネジメントを伴う運用もスムーズに実現できます。
現実の業務実態との整合性を図る
職務分掌はトップダウンで決定される側面もありますが、その運用を担うのは現場の従業員です。そのため、規程を作成する際はもちろん、運用を開始した後も、現場からのフィードバックを積極的に収集し、実態に即した内容にしましょう。
実際に業務を行う中で出てきた課題や改善案に耳を傾け、必要であれば規程を柔軟に改訂していくことが、職務分掌を組織に根づかせるための鍵となります。管理側と現場が対話を通じて、よりよいルールを共創していくという意識が大切です。
定期的な見直しと更新を行う
ビジネス環境や組織の状況は常に変化しています。そのため、一度作成した職務分掌も、定期的に見直し、常に最新の状態に保つことが不可欠です。
新規事業の立ち上げ、組織改編、技術革新、法改正などの節目ごとに、現状と乖離がないかを確認する仕組みを設けましょう。
古いまま運用を続けると、責任の所在が曖昧になり、業務の重複や放置が生じやすくなります。常に更新しておくことで、職務分掌は現場で有効に機能し、組織全体の健全な運営につながります。
柔軟性を持たせる
ビジネス環境の変化や組織の成長に応じて、新しい業務や想定外の事態は必ず発生します。規程を厳格にしすぎると、逆に業務の遅延や非効率化を招くおそれがあります。
そのため、緊急時の対応ルールの明示や、部署間の協力を促す仕組みの採用など、一定の柔軟性を持たせることが大切です。
たとえば、職務分掌規程に「緊急時や特別な事情がある場合は、上長の指示により職務範囲外の業務を担当することがある」と明記しておけば、従業員が臨機応変に動きやすくなります。
さらに、ジョブローテーション制度を導入すれば、複数の職務を経験することで組織全体への理解が深まり、属人化の解消や不測の事態への対応力強化にもつながります。
テンプレートを活用する
職務分掌表や規程の作成は、記載内容が多く担当者の負担になりやすい作業です。そこで、あらかじめテンプレートを用意しておくと、作成や更新の効率を大幅に向上させられます。
統一されたフォーマットを使えば、記載漏れや表現のばらつきを防ぎ、全社での共有や運用もスムーズに進みます。
厚生労働省では役職や職種ごとに整理された職務分掌表を無料公開しています。こうした公的なテンプレートを活用すれば、作業の手間を減らしながら効率的に作成できます。
出典:厚生労働省「職務分掌:課長職(課長代理・課長)」
タレントマネジメントシステムと併用する
職務分掌を効果的に運用するには、タレントマネジメントシステムの活用も有効です。このシステムでは、従業員のスキル・経歴・評価情報を一元管理できるため、適性に応じた職務の割り振りが容易になります。
さらに、サーベイやアンケート機能を使えば現場の声を収集でき、実態に即した分掌内容の見直しにも役立ちます。また、職務分掌のデメリットとして挙げられる「柔軟性や自発性の低下」も、目標管理機能や人事評価機能を組み合わせて運用することで、バランスを保ちながら改善することが可能です。
Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。 タレントマネジメントシステム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決! ⇒【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード8.まとめ|職務分掌で組織を強化し、持続的な成長を
職務分掌は、従業員一人ひとりの役割や責任を明確にし、業務効率の向上・リスク管理の強化・公正な評価や人材育成を実現するための基盤です。ただし導入には手間がかかり、運用方法を誤れば硬直化や非効率を招くおそれもあります。
したがって、自社の現状を正確に把握し、明確な目的を持って計画的に進めることが不可欠です。
「カオナビ」のタレントマネジメントシステムを活用すれば、従業員のスキルや評価情報を顔写真付きで一元管理でき、組織図シミュレーションも容易に行えます。
人材情報の整理や見直しを効率化することで、職務分掌の運用を支え、組織力の強化と持続的な成長を後押しする有力なツールとなるでしょう。
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など

