証券取引等監視委員会とは? SESCの役割と課題

金融関係者であれば知らない人がいない証券取引等監視委員会の存在。しかし具体的にどのような組織であり、どのような行為をしているのか明確に説明できる人は多くはありません。今回は証券取引等監視委員会について説明するとともに、沿革や他国との違いを説明していきます。

「証券取引等監視委員会」とは?

証券取引等監視委員会とは内閣総理大臣及び金融庁からの依頼を受けて、適正な証券取引や金融先物取引が金融商品取引法のもとに適正に行われているかどうか検査、また審査する機関です。

証券取引等監視委員会の歴史は意外と浅く、1992年に大蔵省によって設置されましたが、1998年以降の金融庁発足後は金融庁下の委員会として機能しています。

証券取引等監視委員会はSEC(Securities and Exchange Commission)と呼ばれるアメリカの証券取引監視機関をモデルにしていることから、SESC(Securities and Exchange Surveillance Commission)という略称があります。しかしながらSECと比較すると人員が足りない、金融庁が有する規則制定権がないことを指摘されることが多々あります。

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「証券取引等監視委員会」の主な任務(検査・審査・調査)

証券取引等監視委員会では金融商品取引法をもとに、金融商品取引業者への立ち入り検査や審査、また有価証券報告書の虚偽報告の調査が任務として知られています。しかし、実情はこれら以外にも多くの仕事を任されています。

例えば適切な証券取引を行うための行政処分や犯則事件の調査、また必要とされる施策の審議などです。行政処分については平成17年度から課徴金制度が導入され、違反を起こした業者に対して違反金の支払いを求められるようになりました。

また事務処理仕事も多く、資料や書類の提出を金融商品取引業者に呼びかけ、それらをもとに適切な取引が行われているかどうかのチェックも重要な仕事として知られています。

SESCとSECの違いに見る今後の課題

前述の通り証券取引等監視委員会はアメリカのSECをモデルとして立ち上げられた委員会ですが、まだまだ本家と比べると未熟な点があり、いくつかの課題を抱えています。

ここ10年を振り返ってもライブドア事件や村上ファンド事件など金融商品取引法に背く大規模な事件がいくつも発生し、世間も委員会のあり方に注目するようになりました。

こういった事件の再発を未然に防ぐためにも、証券取引等監視委員会の権限を強化すべきとの意見が上がっています。SECでは強制力のある召喚状を出すことができたり、さまざまな行政処分を行えたりするなどSESCにはない強い法執行能力を持ちます。

また現在の証券取引等監視委員会の監視対象はほぼ証券会社のみですが、銀行や保険会社など金融会社全般の融合が進む昨今ではこれでは監視不足という声が上がっているのです。現にSECだけではなくイギリスの金融サービス機構と言われるFSAも監視対象を金融市場全体に広げていることから、日本もそれに倣うべきという意見が目立ちます。

もしも監視対象を広げることになるとすれば、今後より一層多くの人員が必要とされるでしょう。高い調査能力を持つ優秀な人材をいかに育てていくのかは今後の課題のひとつです。