連結決算とは? 作成しなければならない会社と具体的な手続きについて

連結決算は、日本でも多くの企業が採用している決算の方法です。ここでは、連結決算について詳しく解説します。

1.連結決算とは?

連結決算とは、親会社、国内の子会社、海外子会社、関連会社を含めたグループ全体で行う決算方法のことで、企業グループ全体で貸借対照表、損益計算書を連結財務諸表として作成、公開します。

連結財務諸表の作成義務は1978年3月期から始まりましたが、実際に連結決算の情報開示が進んだのは、2000年3月期から証券取引法(現金融商品取引法)のディスクロージャー制度の見直しからです。

連結決算とは、親会社、国内の子会社、海外子会社、関連会社を含めたグループ全体で行う決算方法です

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2.連結決算を行う意味

近年、多くの企業が連結決算を選択しています。連結決算を行う意味について、下記3つの視点から解説しましょう。

  1. 連結決算導入の流れ
  2. 連結決算の重要性
  3. 連結対象となる子会社

①連結決算導入の流れ

1978年3月期決算の会社から連結財務諸表の作成が義務付けられました。従前の日本では連結決算より単独決算のほうが重視されており、連結決算に関する情報開示は、ほとんど実施されていなかったのです。

その後、2000年3月期決算から金融商品取引法(旧証券取引法)におけるディスクロージャー制度の改正が行われ、連結決算の情報開示が一気に進みました。

②連結決算の重要性

従前の単独決算では、決算を目前にした親会社が、「子会社を使って恣意的に利益を計上する」「土地、有価証券などの意図的な子会社への譲渡」など利益操作をするケースが散見されたのです。

その中、

  • 2000年3月期決算からの金融商品取引法(旧証券取引法)におけるディスクロージャー制度の改正
  • IFRS(国際財務報告基準)における連結決算の開示要求

などによって、連結決算の重要性に注目が集まるようになりました。

③連結の対象となる子会社

連結決算の基本的なルールは、すべての子会社、すべての関連会社を含めたグループ全体の決算を行うこと。しかしグループ全体へ大きな影響を与えない子会社や関連会社については、連結決算対象から除外も可能です。

連結決算から除外するか否かの判定は、経営戦略上の子会社の位置付け、資産、売上、利益、利益剰余金などから行います。

連結決算では基本、子会社も含めますが、影響度の低い小会社は連結から外すことも可能です

3.連結決算と有価証券報告書

有価証券報告書とは、有価証券を発行する会社が自社の情報開示をするために用いる報告書のこと。連結決算と有価証券報告書の観点から、連結決算を解説しましょう。

連結決算を行う義務のある会社

連結決算を行う義務のある会社かどうかは、連結計算書類の規定を見ると分かります。またすべてとは限りませんが、有価証券報告書が提出されている会社を、連結決算を行っている会社だと見なすことも可能です。

社会的な影響の大きい上場企業の多くが有価証券報告書を提出しています。有価証券報告書には、企業概要や事業内容、設備状況や財務諸表などが記載されており、外部に対して情報開示を行う重要な手段になっているのです。

有価証券報告書を提出する義務

有価証券報告書を提出する義務のある企業は、下記のとおりです。

  • 証券取引所に株式公開している会社
  • 店頭登録している株式の発行人
  • 有価証券届出書の提出会社

上場会社は金融商品取引法にもとづいて、事業年度の終了後3カ月以内に有価証券報告書を作成し、その後、財務局長、上場証券取引所に提出します。有価証券報告書は、誰でも閲覧できる報告書のため、投資家の判断材料になるのです。

大会社は作成する必要がある

有価証券報告書を作成するような大会社とは、下記のとおりです。

  • 資本金5億円以上
  • 負債総額200億円以上

大会社の多くは子会社や関連会社などを保有し、社会的影響も大きい点から、グループ全体の財務状況を見ていく必要が生じます。また決算に際しては、連結計算書類を作成したり連結決算を行ったりするという義務が発生するのです。

また連結決算を行う際は、公認会計士や監査法人に監査を受けることも義務付けられています。

子会社や関連会社を抱える大会社には、「連結決算を行う」「有価証券報告書を作成、提出する」などが義務付けられています

4.連結決算の具体的な手続き

連結決算には、具体的な手続きが必要です。ここでは、連結決算を行うための手続きについて解説しましょう。

  1. 個別決算情報を収集する
  2. 連結調整前財務諸表を作成する
  3. 連結修正仕訳を行う
  4. 連結財務諸表を作成する

①個別決算情報を収集する

個別決算情報とは、各子会社や関連会社の、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書といった財務諸表のこと。これらを集めて決算を行うに当たっては、収集した個別決算情報を単純に合算するのではなく、グループ間の取引状況を反映させていきます。

具体的には、製品や商品の期末在庫金額、固定資産といった項目においてグループで計上している利益を控除した後、決算情報を合算するのです。

②連結調整前財務諸表を作成する

連結調整前財務諸表を作成する際、最初に連結調整を入れる前の合計金額を算出します。
合計金額を算出する際、「海外の子会社は外貨で財務諸表を作成するため、円換算する」「親会社と子会社などで決算月が異なる場合、調整を行う」点に注意するのです。

ただし決算月にズレが生じる場合もあるため、3カ月以内であれば数字のズレは許容されています。

③連結修正仕訳を行う

連結修正仕訳とは、グループ企業間の取引で、利益にならなかったものを除外したり資本金と子会社や関連会社の有価証券を相殺したりするために行う仕訳で、下記のようなものがあります。

  • 開始仕訳
  • 投資と資本の相殺消去
  • 取引高の消去
  • 未実現利益の消去
  • 貸倒引当金の調整

なお連結修正仕訳は今期のみ反映され、翌期に引き継がれるものではない点に注意してください。

④連結財務諸表を作成する

まず親会社、子会社、関連会社の個別財務諸表を集め、それぞれの個別財務諸表の中身が、「円換算する」「決算月のズレを修正する」「連結修正仕訳を行う」といったステップを踏んだと確認できたら、連結財務諸表を作成します。

連結修正仕訳は、親会社の個別財務諸表と子会社の個別財務諸表を合算した後に行い、完了したものが連結財務諸表になるのです。

連結決算の手順は、「個別決算情報を収集する」「連結調整前財務諸表を作成する」「連結修正仕訳を行う」「連結財務諸表を作成する」です

5.連結決算の作業を効率化する方法

企業情報を素早く処理するには、連結決算に関わる作業の効率化が欠かせません。ここでは効率化の方法を3つから解説します。

  1. 余裕を持ったスケジュール管理
  2. 「NetSuite」を使う
  3. 「Oracle ERP Cloud」を使う

①余裕を持ったスケジュール管理

どれだけ効率化を図っても、連結決算の公表には期限があり、個別財務諸表の合算にはそれ相応の労力が必要、といった事実からは逃れられません。そこで時間や労力がかかる点を前提に、余裕を持ったスケジュール管理が必要なのです。

②「NetSuite」を使う

「NetSuite」は、日本オラクル株式会社が提供するクラウドERPで、オンデマンドサービスとして提供され、下記の業務アプリケーション機能を一括導入できます。

  • 会計システム
  • ERP(Enterprise Resource Planning)
  • CRM(Customer Relationship Management)
  • Eコマース

またBI機能やダッシュボード機能により、リアルタイムな情報表示も可能にします。

③「Oracle ERP Cloud」を使う

「Oracle ERP Cloud」も、日本オラクル株式会社が提供するシステムで、下記の管理系業務のみならず、製造や物流の業務システムといった分野まで幅広く企業活動情報を一元管理してくれるのです。

  • 財務会計
  • 調達管理
  • プロジェクトポートフォリオ管理
  • リスク管理
  • 統合業績管理(EPM)

「Oracle ERP Cloud」はクラウドサービスですので、柔軟な導入や臨機応変な運用もできます。

連結決算作業の効率化には、余裕を持ったスケジュール管理や「NetSuite」「Oracle ERP Cloud」の導入が有効です