リファラル採用とは?【メリット、デメリット】導入事例

昨今、リファラル採用という人材採用経路が注目を集めていますが、ご存じでしょうか?

  • リファラル採用とは
  • リファラル採用の目的
  • リファラル採用が注目を集めている背景
  • リファラル採用事例
  • リファラル採用のメリット、デメリット
  • リファラル採用に向く企業の特徴
  • リファラル採用が効果的に導入できるツール

などについて、説明します。

目次

1.リファラル採用とは?

リファラル採用とは、すでに自社で働いている社員から人材の紹介を受けたり、人材を推薦してもらったりして実施する採用活動のこと。

中には、人材を紹介した社員に対して企業がインセンティブを与えるケースも。大企業のように採用活動に多くのコストをかけられない中小企業、ベンチャー企業などで多く導入されています。

リファラル(referral)の意味

リファラル(referral)は、委託や推薦、紹介といった意味を持つ言葉です。

  • 自社の経営者や幹部社員
  • 優秀な社員
  • 外部の専門家

などからの紹介や推薦をイメージすると分かりやすいでしょう。

リファラル採用と縁故採用の違い

リファラル採用に類似する言葉に、縁故採用があります。縁故採用とは、血縁などの関係によって企業が応募者を採用すること

「nepotism」すなわち縁故主義に基づく採用では、応募者の資質や自社が求める人材、この両者のマッチングは置き去りにされ、コネクションを持つ人物や企業との関係が優先されます。

  • リファラル採用:応募者の資質に一定のレベルを求める採用活動
  • 縁故採用:コネクションを活用する仕組みの採用活動

両者は採用の趣旨が異なります。

リファラル採用とは、自社の社員から
・人材の紹介
・人材の推薦
を受けることによって行う採用活動のことです

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2.リファラル採用を行う目的

リファラル採用を行う目的は、採用活動を人材紹介会社や求人サイトといった既存のチャネルに頼ることなく、企業と社員もしくは社員と社員とのつながりを利用して、質の高い人材の確保、マッチングの精度向上を実現すること。

現代社会は、

  • 少子高齢化による労働力不足
  • 若者の離職率の高さ
  • などが社会問題化しています。その中、
  • 優秀な人材を採用する
  • 企業の戦力として活用する

ことは、企業の将来を左右する大きな課題となっているのです。

リファラル採用を行う目的は、採用活動を企業と社員、社員同士のつながりを利用して
・質の高い人材の確保
・マッチングの精度向上
を実現することにあります

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3.リファラル採用が注目される理由・背景

リファラル採用が注目される理由・背景はいくつかあります。

たとえば、

  • 労働力不足で応募者を確保することすらままならない
  • ローコストで採用活動を行いたい
  • 離職することなく、安定した就労ができる人材を確保したい
  • リファラル採用が注目されている背景には、
  • 少子高齢化による労働力不足
  • 採用コストの負担感の増大
  • 若年層の離職率の高さ

このような社会的背景が大きく影響を及ぼしているのです。

リファラル採用は、
・労働力不足
・採用コストの抑制
・離職率の低減
などの理由から注目を集めています

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4.リファラル採用の具体的事例

リファラル採用の活用の現状を海外の事例で見てみましょう。アメリカのコンサルティング会社CareerXroadsによる2012年時点の調査結果によると、アメリカにおいては、

  • 約70%の企業がリファラル採用を導入
  • 採用全体の約30%をリファラル採用が占めている

という報告がなされているのです。

リファラル採用がこれほどメジャーになっている理由には、

  • 企業文化や価値観への親和性
  • 採用プロセスの短縮
  • 採用コストの削減

などが挙げられています。

導入例①:メルカリ

メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」を運営している企業で、同社は社員の採用経路としてリファラル採用を活用しています。自社の社員に対して「いい人がいたら会社に紹介してください」という声掛けからリファラル採用を展開。

リファラル採用のために用意した会食補助などを活用することで質の高い人材を安定採用することを目指しています。同社では、リファラル採用を推奨するためにも、経営層や採用担当者の社員に対するシンプルな声掛けが粘り強く行われているのです。

導入例②:freee

freeeは、クラウド会計ソフトを提供している企業で、創業当初の早い段階から、リファラル採用を重要な採用経路の一つとして位置付けていました。

無料で使えるクラウド会計ソフトではシェアNo.1の実績を誇るなど会社の規模が拡大している現在でも、社員の紹介で有能な人材を採用していくリファラル採用を継続的に実施しているのです。

たとえば、

  • 自宅に友人を招く感覚でオフィスに招待できる文化形成
  • リファラル採用プロセスの簡素化
  • リファラル採用状況の数値化、可視化

といった制度設計や環境構築を続けています。

導入例③:串カツ田中ホールディングス

串カツ田中ホールディングスは、日本だけでなく世界中に店舗を展開して串カツを広めている企業です。直営店やフランチャイズ店を合わせると170店舗超と店舗数が増加しており、採用コストや離職率のアップが大きな企業リスクとなっていました。

そこで取った施策がリファラル採用です。

経営層はリファラル採用に本気で向き合い、社員をリファラル採用の経路として取り込む工夫に取り組んで、福利厚生の充実や人材教育部の立ち上げ、リファラル採用システムの導入などの具体的施策によって企業リスクを着実に減らしていくことに成功しました。

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5.リファラル採用のメリット

リファラル採用を活用するのには、理由があります。ここでは、リファラル採用を活用することによるメリットを説明しましょう。

  1. 採用コストの削減
  2. 採用プロセスの簡略化
  3. 転職市場での獲得競争を避けられる
  4. 既存社員の意識改革につながる
  5. 採用の精度が高くなる
  6. 転職市場にいない人材との接点が生まれる
  7. 人材の定着率が向上する

①採用コストの削減

一般的な採用経路である人材紹介会社や求人媒体を経由しないため、採用コストがほとんどかからなくなります。

人材を紹介してくれた社員に対してインセンティブを支払う場合でも、求人媒体への掲載料や人材紹介会社への手数料と比較すれば、かなりのコスト削減となるのです。

②採用プロセスの簡略化

説明会や面接の手間と時間を大幅に短縮できるため、採用プロセスを簡略化し、さらに採用担当者の業務軽減にもつながります。

③転職市場での獲得競争を避けられる

転職市場で求めている人材を採用するには、激しい獲得競争が避けられません。リファラル採用では、潜在的な転職意識のある人材に直接コンタクトできるため、競争を回避しながらの人材獲得が可能になるのです。

④既存社員の意識改革につながる

自分の紹介した人物を会社が採用することになるので、社員の経営的視点が自然と育まれます。組織の状況や自分の役割、会社の将来などを考える良いきっかけになるでしょう。

⑤採用の精度が高くなる

自社が求めている人材像を理解している社員の紹介で採用活動ができるので、採用精度が一気に向上します。

⑥転職市場にいない人材との接点が生まれる

「自分の能力を発揮できる会社があれば転職したい」「自分に合う会社があれば転職したい」など、転職活動を行ってはいないが転職を何となくながら考えている潜在的転職組へアプローチできます。

⑦人材の定着率が向上する

すでに応募者は社員から、企業の理念や社風、職場の雰囲気、仕事内容、福利厚生といった就労環境などについてある程度の情報を得ています。そのため、入社後の行き違いも少なく、職場定着率が向上するのです。

リファラル採用は、企業、社員、応募者の3者共に、さまざまなメリットをもたらしてくれることが分かります

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6.リファラル採用のデメリット・注意点

リファラル採用を行う際、注意点があります。リファラル採用のデメリットにも通じる側面です。

  1. 人材が偏る可能性がある
  2. 社員へのリクルーターの教育が必要になる
  3. 公私混同した採用に見られやすい
  4. 不採用の場合には社員側に不利益が生じる
  5. 採用に伴う社員の負担を軽減する必要がある

①人材が偏る可能性がある

社員の個人的つながりで採用活動が行われるため、性格や特性、能力が似通った人材が集まりやすい傾向を持つのです。その延長線上に派閥のような集まりができるようでは、リファラル採用を行う意味が半減してしまいます。

②社員へのリクルーターの教育が必要になる

社員に採用活動の経験がないままでは、人事部や採用担当者が欲しない人材を紹介してしまうことも。そうなると、人材のミスマッチが起きてしまいます。

③公私混同した採用に見られやすい

リファラル採用された社員と、その社員を紹介した社員が職務上のコミュニケーションを取った際、知り合い同士で私的な会話をしているのではないかと公私混同の目で見られる可能性があります。

④不採用の場合には社員側に不利益が生じる

紹介した人が不採用だった場合、その人材と紹介者の人間関係が悪化する可能性が高いです。しかし、プライベートに影響を及ぼすことを恐れた場合、リファラル採用自体が機能しなくなることも考えられます。

⑤採用に伴う社員の負担を軽減する必要がある

リファラル採用の仕組みが複雑、煩雑であるほど、紹介する社員側の負担が増します。あくまで社員は紹介のみを担当し、面談の調整などは採用担当者が引き受けるなどの仕組みをつくりましょう。

リファラル採用を効果的に行うためにも、リファラル採用における5つの注意点に対して十分な配慮が必要です

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7.リファラル採用を効果的に活用できる企業の特徴

リファラル採用を効果的に活用できる企業には、特徴があります。その2つの特徴を説明しましょう。

  1. 中長期的に採用コストを抑えたいスタートアップ・ベンチャー企業
  2. 従業員エンゲージメントを向上させたい中小企業

①中長期的に採用コストを抑えたいスタートアップ・ベンチャー企業

採用に関する費用をできるだけ抑えつつ優秀な人材を定期的に採用したい際は、リファラル採用を活用すると1人当たりの採用単価を抑えられるのです。

②従業員エンゲージメントを向上させたい中小企業

リファラル採用は、自分が勤めている企業を自分の知り合いに紹介する仕組みですので自社の魅力を他者に伝える行為そのものが従業員エンゲージメントを向上させる一因になるのです。

また、リファラル採用は採用のミスマッチを起こしにくい仕組みを持っています。このことから見ても、リファラル採用は、従業員のエンゲージメントや定着率向上に大いに役立つ採用経路といえるのです。

リファラル採用を活用できる企業は、
・採用コストを抑えたい企業
・従業員エンゲージメントを高めたい企業
です

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8.企業がリファラル採用を成功させるポイント

企業がリファラル採用を成功させるためには、押さえておきたい3つのポイントを説明します。

  1. 制度導入だけでは効果を期待できない
  2. 制度定着まで一定の時間を要する
  3. その他の採用手法と併用して採用活動をする

①制度導入だけでは効果を期待できない

リファラル採用制度の導入だけでは、効果を期待できません。制度設計の際は、

  • リファラル採用制度の仕組みやプロセスを社内で周知徹底する
  • リファラル採用制度が利用されやすいような仕組みをつくる

など社員がリファラル採用に積極的に関われるような環境整備の検討と実施が欠かせません。

②制度定着まで一定の時間を要する

リファラル採用を成功させるためには、制度の定着まである程度の時間を要するという覚悟が必要です。リファラル採用制度を導入したからといって、すぐに採用が進むわけではありません。

社員に制度が浸透し、社員自らがアクションを起こすまでは一定の時間を要します。長期的な投資という視点でリファラル採用を考えていく必要があるのです。

③その他の採用手法と併用して採用活動をする

状況に応じてその他の採用経路、採用手段と併用していくことも成功へのポイントとなります。優秀な人材を確実に採用するには、採用経路を絞るのではなく、広く間口を設けることも重要です。

リファラル採用の間口以外にも、状況に応じて適切な採用経路、採用手段を選択できるようにしましょう。

リファラル採用を成功させるためには、
・環境整備
・長期的な視点
・その他の採用経路の確保
がポイントになります

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9.リファラル採用の導入前に確認しておきたいポイントと導入手順

リファラル採用を採用経路として効率よく自社に導入するために、押さえておきたいポイントがあるのです。そのポイントを導入手順とともに知っておきましょう。

リファラル採用にかかる想定費用

まず、リファラル採用にかかる費用を想定します。リファラル採用は、求人媒体への広告掲載と比較すると、コストがかかりにくいもの。しかし、全く費用がかからないというわけではありません。

①紹介報奨制度(リファラル採用成功時のボーナス)

リファラル採用では、採用時の成功報酬として知人や友人を紹介してくれた社員に報奨金を出す紹介報奨制度を導入するケースが多くあります。金額は企業によってさまざまですが、多すぎても企業経営を圧迫するため、20万円以下の金額設定が妥当です。

②採用活動にかかる交際費

リファラル採用では、社員による採用活動にかかる交際費を支給する必要が出てきます。知人、友人と食事の場を通して打ち合わせをするケースも多く、それらの費用をすべて社員負担にするわけにはいきません。飲食代などの交際費の支給は不可欠です。

リファラル採用の導入手順

リファラル採用を効果的に導入したい場合は、手順にも気を配る必要があります。制度をつくっても、社員に周知徹底され浸透しない限り、リファラル採用は機能しません。社員が積極的に採用活動に参加するためにも、導入手順を押さえておきましょう。

①エンゲージメントの高い社員を集めてプロジェクトを発足

まずエンゲージメントの高い社員を集めてプロジェクトを発足させます。最初から全社員に知人や友人を紹介してくれというのは無理があるでしょう。

まずは、社長や会社の幹部社員、愛社精神の高い社員を5、6名集めてプロジェクトを立ち上げます。社長が中心となり3カ月以内で1人以上の採用実績をつくれば、リファラル採用の最初の段階はクリアです。

②メンバーを増やしてリファラル採用プロジェクトを推進

プロジェクトを発足させた後は、プロジェクトメンバーを増やしてリファラル採用プロジェクトを本格的に推進していきます。

増員したメンバーを含めた小チームを複数つくって、チームごとにリファラル採用の実績人数を競わせるのもよいでしょう。そして、3カ月以内にさらに1人以上の採用実績をつくれるように取り組みます。

③全社へ展開

プロジェクトメンバーの増員後は、全社員へとリファラル採用の実施を広げましょう。すでにリファラル採用の実績も積まれている場合、社員がリファラル採用の仕組みとメリットを理解している可能性が高いと予想されます。

社員全員が「自分もリクルーターの一人」という認識が深まれば、価値観を共有できる人材の採用がより一層進むでしょう。

リファラル採用を効果的に導入するためには、費用と導入手順の確認が必要不可欠です

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10.リファラル採用ツールの紹介

リファラル採用は、

  1. 社員個人の人的ネットワークを活用した求人を拡大
  2. リファラル採用の費用対効果を常に測定し、把握

2つの徹底で、より効果的なリファラル採用を実施できるもの。そのためには、リファラル採用に特化したツールを活用することがお勧めです。ここでは、2つのリファラル採用ツールをご紹介しましょう。

Refcome(リフカム)

リフカムが提供しているリファラル採用ツール「Refcome」は、

  • 煩雑な手続きを簡略化
  • データの分析や可視化
  • 社員の心理やモチベーションの把握

などの機能で、リファラル採用をバックアップしてくれるツールです。

GLOVER HR(リクルートキャリア)

リクルートキャリアが提供しているリファラル採用ツール「GLOVER HR」は、

  • 社員が使いやすいプロセス設計
  • 推進状況の可視化
  • リファラル採用の定着促進

をサポートしてくれるツールです。

リファラル採用を効果的に活用したい際は、リファラル採用に特化したツールの導入を検討しましょう