リクルーターとは? 通称「リク面」の種類を徹底解説! 企業の目的と制度のしくみ

人材発掘やその確保は年々難しくなっており、その解決策としてリクルーター制度を導入する企業が増えています。リクルーター制度は社員が新卒者の採用活動に関わる制度で、この役割を担う社員のことをリクルーターと呼ぶのです。

ここでは、導入方法や成果につながるポイント、導入する際の注意点について説明します。

1.リクルーターとは?

一般的には採用担当者のことを指します。最近では学生とコンタクトを取って採用活動を行う社員を指す場合が多いでしょう。リクルーターを担当するのは学生と年齢が近い若手社員が多いようです。

リクルーター権限や役割などは、企業によって異なりますが、募集・採用活動の支援、調整役として機能しており、下記のような活動をします。

出身大学のゼミやサークルに出向いて、企業が希望する人材の発掘を行う

OB・OG訪問にて、面会した学生の評価をまとめて人事部に報告する

企業にとってリクルーターは効率的に学生と接触できるほか、採用する人材の適性をじかに判断できるなどのメリットを持つ存在です。そういったことから、近年ではリクルーターを重視する企業が増えてきました。

リクルーター制度とは?

リクルーター制度とは会社説明会の前、もしくは面接の合間に、リクルーターと呼ばれる社員が個別に面接やフォロー、スカウトを行うこと

リクルーター制度立ち上げの手順は、

  1. リクルーター制度の対象校の選定
  2. リクルーターの選抜
  3. リクルーターに活動内容の説明
  4. リクルーター活動の実施

と4段階に分けられます。リクルーターの選抜はとても重要です。もし、適切ではないリクルーターを選抜してしまったら、学生から「この程度の会社なのか」と思われてしまうでしょう。

学生に親近感を与えられるよう、年齢が近い若手社員の中から優秀な人材をリクルーターに選抜することが重要です。

リクルーターの属性

リクルーターは採用担当者、つまり人事部関連に所属していない社員がほとんどで、基本は学生と年齢の近い社員が選ばれます。

選定基準として挙げられるのは、

  • 学生に対して自社の魅力を効果的にアピールができる
  • 人間としても魅力がある

など。リクルーターは応募してきた学生から優秀な人材を見極める、適切な評価を下せるなど高いマネジメント能力が求められています。

リクルーターの働き

企業によって細かな部分は異なりますが、大まかには、

  • 出身大学やOB・OG訪問から人材を発掘する
  • 気になった学生と連絡を取る

といったことが挙げられます。

リクルーターには学生と年齢が近い若い社員が選抜されるため、学生とのやりとりも堅苦しいものではないことが多いです。たとえば学生の自己分析を手伝ったりアピールポイントを見つけて、簡潔かつ効果的なアピール方法を伝授したりといったフォローをします。

それによって、もともと自社に関心を持っていなかった優秀な学生の獲得につなげていくのです。企業の中には、学生たちをグループディスカッションさせて、リクルーターがコミュニケーション能力などをチェックする場合もあります。

リクルーター面接、通称リク面とは?

リクルーター面接、通称リク面とは、リクルーターが応募してきた学生に対して行う面接のこと。

ただし、

  1. 説明会
  2. スカウト
  3. 面接

3つを含めて指すこともあります。リクルーターの「若手」「同じ大学の出身者」といった要素が学生にとって親近感につながることも多々。そのためリクルーター面接は、会社の応接室だけでなく、社外の飲食店などで行われる場合もあります。

説明会

学生たちが抱いている「どんな企業なのか」「どういうことをしているのか」といった疑問に対して、リクルーターは実際に働いているからこそ分かるポイントを説明します。

たとえば、「ウチの会社は、こういう業務を主に行い、社風はこういう感じです」と、働く環境や内容を説明していくのです。また質疑応答の機会も設けて、学生の不安を解消します。

スカウト

スカウトとは出身大学やOB・OG訪問から、企業にふさわしい・企業が求めている人材を入社に導けるよう働きかける方法のこと。

また出身大学関係だけではなく、

  • 求人メディアの求職者データベースから求める人材を探してスカウトする
  • 採用ターゲットとなる層が集まるイベントに参加したり、イベントを主催したりして、適切だと判断した人物に声を掛ける

といった方法もあります。

面接

リクルーターの面接は入社を望む学生や就活生と話して、企業に合った人材なのか否かを見極めるものです。

「カフェでお茶をしながら」あるいは「ランチを食べながら」といったようにカジュアルな場面で行われることが多く、2次面接と3次面接などの間に数週間のインターバルを挟んで、リクルーター面接を実施する場合もあります。

リクルーターは多くの場合、入社志望者とコンタクトを取る若手社員が担います。そして、募集・採用活動の支援、調整としての役目を果たすのです

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2.リクルーター制度のメリット、デメリット

近年は人材発掘や確保の難しさが増しており、その解決策としてリクルーター制度が導入されています。そんなリクルーター制度のメリット、デメリットについて説明しましょう。

リクルーター制度のメリット

企業側のメリット

幅広い人材と接触できる

リクルーターの特徴として、自由に動けることと人数が多くなりやすい点が挙げられます。そういったことから、リクルーターたちの働きによって幅広く、多くの人材を知ることができるのです。

そのためリクルーターには、自社で働きたいと思っている人、働いてもらいたいという人をなるべく多く集めるように、アクティブな行動力が求められます。

また、「どんな人材に自社への興味を持ってもらいたいのか、どんな人材に入社してもらいたいのか」ということを定義し、それをリクルーターたちが共通認識として持っておく必要もあるでしょう。

面接だけでは分からない点が見える

人事部が一括で面接を行っても、お互いに見えない部分は多くあります。しかしリクルーターたちはそれぞれが人材と接触するため、面接だけでは分からなかった下記のような点が見えてくるのです。

  • リクルーター面接で就活の悩みを聞きながら、自社の選考との兼ね合いを聞き出したり、自社の魅力を伝えたり、選考対策が立てられる
  • リクルーターが早期に優秀な学生と話し合いの場を設けることで、自社への志望度を高め、他社に採用されることを防ぐ
人材の心をつかみやすい

就活生は企業の人事担当者を前にするとどうしても緊張してしまいます。しかし年齢が近いリクルーターだと親近感を抱きやすくなります。たとえば、下記のようなことが考えられるでしょう。

  • 就活生の不安な点を聞き出して、安心して次の選考や入社の意思決定へと進めることができる
  • リクルーターがきちんと就活生とコンタクトを取ることで、コミュニケーション不足を防ぐことができる
  • リクルーターとのやりとりによって、自社の良さや社風のアピールができる

応募者側のメリット

不安の解消

相手が人事部の社員となると緊張して質問しにくいことも、年齢が近いリクルーターが相手だと気軽に尋ねることができます。

  • 「実際のところ、どうなのか?」といった知りたいポイントを聞き出すことが可能
  • リクルーターとのやりとりにから採用試験などで必要な要素や一般常識を聞き出すことができるため、不安が解消される
段階のある面接を簡略化

企業によっては何段階かに分けて面接を行います。実は、その面接の間で設けられるリクルーター面接自体が選考の場であることも多いのです。

事例としては、

  • 経団連に加盟する大手企業の中には、選考解禁の縛りをかいくぐるため、リク面という形で実質的な選考を実施しているところも
  • ある大手通信会社では、リクルーターが学生たちにグループディスカッションをさせて、それぞれのコミュニケーション能力などを審査している

このように複雑な面接の一部をカットして、採用に至る場合もあるのです。

リクルーター制度のデメリット

企業側のデメリット

リクルーターの能力不足が企業のイメージダウンに

リクルーターの質によって結果が大きく変わることはデメリットといえるでしょう。そういったことを理解しておかなければ、失敗を招いてしまう可能性があります。

また、リクルーターの能力が低い場合、応募者が抱く企業のイメージが下がってしまう恐れも。魅力ある人材を獲得するためにもリクルーター研修は欠かせません。

人材の質を的確に見抜いたり、就活生との対話によって自社の魅力を余すことなく伝えたりすることができなければ、徒労に終わってしまいます。

リクルーターの振る舞いが企業のイメージダウンに

リクルーターの振る舞い方によっては、応募者に迷惑をかけてしまい、企業そのもののイメージダウンにつながってしまうことも。

  • 「リクルーター面接」と称して、しつこく連絡を取り続ける
  • 「言うことを聞かないと、マイナス査定をつける」と脅す

などハラスメントとも捉えられるような行為を行わないよう注意しなければなりません。

応募者側のデメリット

公平ではない

企業内にその大学の出身者がいない場合、リクルーターの派遣がないことも多々あります。すると、リクルーター面接などの機会が訪れないため、その学校の学生は通常の選考のみとなってしまうのです。

つまり、リクルーターがいる場合といない場合で、大学によって差が生じてしまいます。
リクルーターの派遣は、一定ランク以上の大学に集中する傾向があり、大学のランクによって就活にどうしても差が出てしまうもの。これは就活生にとって大きなデメリットといえるでしょう。

結果が分からない

リクルーター面接は通常の面接とは異なり、基本的に不採用通知は行われません。そのため応募者は結果が分からず、「待っていればいいのか」「他社に応募していいのか」迷ってしまい、就活に支障をきたしてしまうことも考えられます。

これは、企業から「連絡がない場合はご縁がなかったということでご了承ください」と選考の際に伝えられ、連絡がないままいつの間にか不合格になってしまう「サイレントお祈り」と同じことです。

不安が生じやすい

リクルーターから応募者に連絡がきたとしても、基本は非通知で電話がかかってくるため、一方的な形となります。「後で連絡する」と伝えられても、いつ電話がかかってくるのか分からなければ、応募者に不必要な不安が生じるでしょう。

企業は応募者が多いと連絡が行き届かなくなりがちですし、合格者から順に通知しているため、不合格者への連絡の優先順位が下がっている場合も考えられます。

リクルーター制度は、就活生と年齢が近いリクルーターが担当するため、面接などを円滑に進めることができます。しかしリクルーターの質によっては企業のイメージダウンにつながってしまうこともあるのです

3.リクルーター制度を設けるには?

人材確保が急務の組織にとってリクルーター制度は課題解決の一策といえます。そんなリクルーター制度を設ける際には、以下の5つの段階が必要です。

  1. リクルーター制度そのものの構築
  2. リクルーター制度をどの学校に適用するか選定する
  3. リクルーター候補を選び、目的と方法を説明する
  4. リクルーターを育成する
  5. リクルーター制度を開始

ここではリクルーター制度の導入方法や成果につながるポイント、導入する際の注意点について説明しましょう。

①リクルーター制度そのものの構築

全社で意識共有

人事部を含めた一部だけの活動にならないよう、まず経営者をはじめ全社でリクルーター制度の必要性を理解することから始めます。

採用活動が主な業務ではない若手社員をリクルーターとして抜擢し、活動させることに社内から反対意見が出てしまうことも。そういった反対意見に対処するには、組織のトップ・経営者がリクルーター制度に対して積極的な姿勢を見せることが大切です。

トップ自らが優秀人材採用の重要性を訴えることで初めて、組織や部門の壁を超えた人選が可能となります。

ルールの策定

リクルーター制度の運用前に、リクルーターの活動において「どの程度の費用が必要なのか」をはじめ、活動そのものの扱いについて協議して、「採用活動における社内の協力ルールを策定」しておくことが重要です。

  • 学校訪問は業務活動とするのか
  • 学生と接触時の飲食費はどう取り扱うのか
  • 出張旅費はどのように精算するのか

などを具体的に取り決め、明示しておくことで、リクルーターが動きやすい環境が出来上がります。

獲得したい人材を明確にする

どういった人材を獲得したいのか、その方向性を共有する必要もあるでしょう。特にリクルーターは実際に面接を担当することもあるため、どんな人材を獲得したいのかを明確にしなければなりません。

また、優秀な技術者が欲しい技術系の現場など、部署によって獲得したい人材は異なります。そういった場合は、部署とリクルーターとの間で密にコミュニケーションを取るとよいでしょう。

②リクルーター制度をどの学校に適用するか選定する

リクルーターが最初に担う役割は、採用候補者を集めるということ。

「自社で働きたいと思っている人」「働いてもらいたいという人」をなるべく多く集めるように行動しなければなりません。そのためにもどの学校に対してリクルーター制度を適用するのかを話し合う必要があるのです。

  • 出身大学の教授などと面識がある場合は、ゼミや研究室に直接コンタクトを取って採用活動の旨を伝える
  • リクルーターが実際に大学に行き、ゼミ生などに対して個別説明会を開く

などを実施するとよいでしょう。

③リクルーター候補を選び、目的と方法を説明する

リクルーター候補を選ぶ

新卒就活生が対象の場合、リクルーター候補となるのは1~5年目の若手社員など学生と年齢が近く、大学のOBという場合が多いです。しかし、ただ年齢が近いだけでなく、ある程度の能力を持っていることも重要視されます。

しかし近年、業務の詳細を深く理解し、学生に企業の情報を十分に伝えられる中堅社員を選抜する企業も増えているのです。ただし、社員からランダムにリクルーターを選ぶ方法は、リクルーターの質に差が出やすいため、お勧めできません。

リクルーター候補者に目的と方法を説明

企業はリクルーター候補者に対して、「何のためにリクルーター制度を導入したのか」という目的と「リクルーター制度でどんなことをするのか」という方法を説明して、リクルーター候補者たちの意識を下記のような方法で共有します。

「学生との対応の仕方」「学生が質問しやすい機会を提供する」といったリクルーター業務の内容を説明

場合によってはリクルーター用のトレーニングを行い、「採用したい人材のイメージ」や「どんなことを学生に伝えるか」などを明確に伝える

④リクルーターを育成する

どういう人材を見つけるのか

リクルーターたちはどういった人材に声を掛けてスカウトを行えばよいのか、見つけるべき人材の素質を共有します。

その際リクルーター候補者たちに、

  • どんな人材がなぜ欲しいのか
  • 採用で伝えたい自社の魅力
  • 今年の採用計画

などを具体的に伝えることが大切です。

また自社の人事担当者が用いている採用適性検査での、

  • ヒューマンスキル
  • ストレス耐性
  • コミュニケーション力

などの項目とそのチェック方法をリクルーター候補者たちに伝えるとより効果的でしょう。

コミュニケーション

リクルーターは、どう学生たちにコンタクトを取り、どのように話を進めていくのかといったコミュニケーションを学ぶ必要があります。採用活動は時間が限られているため、学生たちと早めにコミュニケーションを取らなければなりません。

リクルーターは採用に関する内容ばかりではなく、場合によっては学生たちの就活の相談に乗ることも。親近感の湧くコミュニケーションで学生の心をつかみ、自社の魅力を積極的にアピールすることが求められるのです。

学生について知る

学生と打ち解けて自社に興味を持ってもらい、自社の業務を詳しく理解してもらうこともリクルーターの役目といえます。そのためにもリクルーターは、学生が求めていることは何かを知る必要があるのです。

  • 近年の学生にどういった傾向があるのか
  • どんなことに興味があるのか
  • どんな不安を就職活動に対して抱いているのか

といった点を理解し、頼りがいのある先輩として、学生たちと良好な関係を築きます。また学生が通う大学のことをよく知ることも大事です。

個々のリクルーター同士で差が出ないよう育成

個々のリクルーター同士で差が出ない、具体的にいえばできる限り同一のレベルとなるようにリクルーターを育成しなければなりません。

過去にはリクルーターが就活生に対してセクハラ問題を起こした事例もあります。もしそうなった場合、企業のイメージは著しくダウンするでしょう。

そうした不測の事態を招かないためにも、リクルーターたちを同一のレベルに育成し、同じ意識を共有させる必要があるのです。またこれにより、リクルーター自身の「企業に対するエンゲージメント向上」や「自己成長」にもつながるでしょう。

⑤リクルーター制度を開始

リクルーター制度で各種活動を開始

リクルーター制度を導入して、リクルーター候補者たちを選別・育成した後は、各種活動を開始します。リクルーターは、基本的に以下3つの活動を実施します。

  1. 面接:採用試験や人事担当者との面接前に、リクルーターが応募者と個別面接を行う
  2. 説明会:学生たちを集めて、自社についての説明会を行う。学生たちにグループディスカッションをさせる場合も
  3. スカウト:出身大学から優秀な人材に声を掛ける

情報共有とフォロー

リクルーターが各種活動を開始したら、定期的に各リクルーター同士を集め、必要な情報を共有します。これにより想定外の事態が起きても、臨機応変に対処できるでしょう。

また、採用候補者に対してリクルーターがきちんとコンタクトを取っているかを管理し、コミュニケーション不足を防ぎ、リクルーターと進捗を確認します。

もし、リクルーターに何か困り事があった場合には、同じリクルーターたちや人事担当者たちによるフォローを行いましょう。

リクルーター制度には、「制度そのものの構築」「どの学校に適用するのかを選定」「リクルーター候補を選抜」「リクルーターを育成する」といった段階が必要です

4.変わったリクルーター制度|自衛隊のカレッジリクルータ

カレッジリクルータとは、自衛隊の仕事について現役の幹部自衛官が質問に答えたり話をしたりする制度のこと。カレッジリクルータは、一般大学を卒業して部隊で活躍している幹部自衛官が担当し、アドバイスだけでなく、さまざまな体験談を聞くことができます。

カレッジリクルータは地方協力本部にメールなどで連絡できますが、電話もしくは直接対面も可能です。

カレッジリクルータは、現役の幹部自衛官が自衛隊の仕事について質問に答えてくれる制度で、全国に地方協力本部が設けられています