有期実習型訓練とは?【ジョブカード】助成金、カリキュラム

企業にとって自社に適した人材の採用・育成は企業の発展に欠かせない重要課題です。その方法の一つとして、助成金の対象でもあり、新規採用から自社の人材育成などに活用できる有期自習型訓練があります。そこで今回は、有期自習型訓練について紹介します。

「有期実習型訓練」とは?

有期実習型訓練とは、期間に定めのある労働契約を結んでいる労働者(有期契約労働者)に対して、正社員(正規雇用労働者)として採用する上で必要な能力を習得するために実施する訓練のことです。

この訓練によって企業は自社に適した人材が確保でき、求職者は正規雇用のチャンスが増えるというメリットがあります。対象となる有期雇用契約者については、新たに雇用する有期契約労働者や、すでに雇用している有期契約労働者、紹介予定派遣で受け入れた派遣労働者の3通りがあります。

有期実習型訓練はジョブ・カードを使用し、訓練は社内で行うOJTと外部の訓練機関等で行うOff-JTによって行います。有期実習型訓練はキャリア形成促進助成金の対象であり、この助成金を活用することで企業は訓練費用の負担を減らすことができます。

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有期実習型訓練で使用するジョブ・カードとは?

ジョブ・カードとは、キャリア・プランを作ったり職業能力の証明をしたりするのに活用できるツールで、厚生労働省が推奨しています。ジョブ・カードは職務経歴シートやキャリア・プランシート、職業能力証明(訓練や実務の成果・学習や訓練の履歴・免許や資格)シートなど、各種シートで構成されています。

有期実習型訓練は、同分野で過去5年以内に3年以上正規雇用をされておらず、キャリア・コンサルタントによって有期実習型訓練が必要と判断され、ジョブ・カードの交付を受けた人が対象になります。

また、有期実習型訓練を受けるためには、有期契約労働者扱いで訓練を行う企業に雇用されている必要があります。企業に雇用されていない場合は、ジョブ・カードを応募書類として利用し、有期実習型訓練を実施している企業に応募します。

訓練を実施する企業は、訓練の目標設定や実施成果の確認・評価などにジョブ・カードを活用します。このように、ジョブ・カードは有期実習型訓練に欠かせないツールと言えます。この他にもジョブ・カードは人材の採用・育成に幅広く活用されているため、人事担当者は基礎知識としてその概要を理解してく必要があります。

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有期実習型訓練の訓練実施計画について

有期実習型訓練を実施するためには、訓練実施計画を立てる必要があります。この訓練実施計画は、有期契約労働者に対するキャリアアップをどのように行うのか、その概要をまとめたキャリアアップ計画に基づいて作成します(キャリアアップ計画のガイドラインは厚生労働省のホームページで確認できます)。
訓練実施計画には次の要件があります。

1 訓練内容OJTとOff-JTを組み合わせ、OJTの占める割合が10%以上~90%以下になること
2 訓練時間数は6ヶ月当たり425時間以上
3 訓練期間は3ヶ月以上6ヶ月以下
4 訓練科目、実施内容、実施時間を明確にすること
5 評価にはジョブ・カードを用いること
6 訓練の担当者、責任者を選任すること
7 訓練終了後の受講者の取り扱いを定めること

なお、訓練実施計画にこれらが含まれているか、都道府県労働局長の確認を受ける必要があります。有期実習型訓練はこの訓練を受ける側だけでなく、OJTで訓練を行う側にとっても指導・育成に関するスキルを得る機会になります。人事担当者は自社の人材育成や正社員採用の計画なども踏まえて訓練計画を作成することで、有期実習型訓練をより効果的に実施できます。