【用語解説】完全失業率とは? 実際より失業割合が低い? 計算方法と見方

ニュースや新聞で景気を判断する際の指標として頻繁に使用される「完全失業率」ですが、この言葉は具体的にはどんな意味を持つものなのでしょうか?

「完全失業率」とは? ― その定義と計算方法について

「完全失業率」とは「15歳以上の全労働人口の内完全失業者(仕事をする意思があり求職活動を行ってはいるものの仕事をしていない人)の割合」を意味しています。それゆえ完全失業率は、<完全失業者÷労働人口>という計算式で算出できます。

ちなみに完全失業者、労働人口ともに総務省が毎月実査している4万世帯10万人を対象にした「労働力調査」によって把握されています。「労働力調査」は対象者の月末の1週間の就業・失業状況を聴取することで、現在の労働状況を明らかにすることを目的としており、完全失業率はこの調査によって得られたデータから毎月の完全失業率が先の計算式から算出されるのです。

このように「完全失業率」とは非常にシンプルでわかりやすいものです。もしここで疑問に生じるとすれば「完全失業者とはどういった人のことなのだろうか」ということではないでしょうか。


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完全失業者とは誰のこと?

「完全失業者」とは、「失業している人」のことをただ意味するのではありません。先に述べたように、完全失業者とは「仕事をする意思があり求職活動を行ってはいるものの仕事をしていない人」のことを意味しています。厳密には次の3つの条件を満たす人として定義されています。

  • 1.調査期間中に全く仕事をしていなかった人である
  • 2.仕事が見つかりさえすれば今すぐにでも仕事ができる人のことである
  • 3.調査期間中に求職活動を行っていた人のことである(採用結果待ちの人も含む)

つまり完全失業者とは「失業者(仕事をしていない人)」からさらに恣意的に条件設定され選別された失業者のことであるとも言えるのです。

経済状況を測るバロメーターとしての完全失業率とその留意点

完全失業率はその性質からその時どきの経済状況を測るバロメーター、すなわち「経済指標」として使用されます。完全失業率が低ければ、世の中にはたくさんの求人があって仕事をしている人が多いことを意味するから「好景気」、逆に高ければ、世の中には十分な求人がなく仕事に就ける人が少ないから「不景気」といった風に、経済状況を判断する指標として非常にわかりやすく使いやすいのです。

このようにとても便利な「完全失業率」ですが、経済を測るバロメーターとして用いる際に気を付けなくてはいけないことがふたつ存在します。

ひとつは、「完全失業者」が全ての失業者を網羅しているわけではないということです。先にも説明した通り、完全失業者は世の中の失業者の中から恣意的に条件設定されて選別された失業者のことです。

そこには、不況による業務削減のために企業に席は置いているけれどあるけれど実際には仕事がない人の存在も、仕事を探しても探しても見つからなかったため仕事を探すことをあきらめてしまった人の存在もカウントされていません。だから「完全失業率」は「実際の失業者の割合」よりも低く出てしまう傾向にあります。

ふたつめは、完全失業率は本来の景気よりも遅れて変化する傾向があるということです。これは日本企業の性格に由来しています。というのも、日本の企業では不景気になってもすぐに従業員(とりわけ正規雇用の社員)を解雇するということはなく、不況が深刻化してから人員削減に踏み切る場合が多いのです。逆もまたしかりです。景気が上向いたとしてもすぐに増員することはなく、回復基調が確定的になってようやく増加に踏み切るのです。

これらの理由から「完全失業率」を鵜呑みにすることは景気を判断することは控えたほうがいいと言えるでしょう。つまり完全失業率は経済指標のひとつとして使用するに留め、総合的な景気判断にはその他の情報も吟味して行うことが望ましいと言えるのです。