ネットポジティブとは?【意味を簡単に解説】

ネットポジティブとは、幸福度の向上を目指したビジネスのことです。ポストサステナブルや経済規模、企業のメリットや事例などを詳しく解説します。

1.ネットポジティブとは?

ネットポジティブとは、すべての利害関係者のため、幸福度を高めるビジネスのこと。ネスレのCFOやユニリーバ前CEOを務めたポール・ポールマン氏の定義は、下記のとおりです。

従業員やサプライヤー、地域社会、顧客、将来世代や地球を含むすべてのステークホルダーのために、すべての製品や事業、地域、国などあらゆるレベルにおいて、影響を与えるすべての人や存在するもののウェルビーイング(幸福)を向上させる。

同氏は停滞していたユニリーバ社を立て直し、企業の規模や分野を問わず企業がすべてのステークホルダーに貢献することで成功できる、と証明しました。

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2.ネットポジティブとポストサステナブル

環境破壊が加速する現代、持続可能性を意味するサステナビリティだけでは、問題の悪化を食い止められず、持続可能性の達成は難しいのではないかとの声が増加しています。

そのなかで、注目を集めるのが破壊された自然環境の再生に積極的に取り組み、価値を生み出そうというネットポジティブです。今後サステナビリティに代わる言葉として、日本でも広がっていくが見込まれています。

生物の多様性へのネットポジティブ

ネット・ポジティブ・インパクトとは、生物多様性の代償措置による効果が、生物多様性の損失を上回ること。それによって全体的な利益が生じる場合に発生するのです。

たとえば新規プロジェクトを開発する際、「再生可能エネルギー事業」「周辺地にて自然の生態系や生息地、種に対してネット・ポジティブな貢献をする」といった取り組みを実施します。

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3.ネットポジティブの経済規模

ネットポジティブに関心が集まる理由のひとつに、経済規模にあります。経済価値は10兆ドル(約1,100兆円)に上り、4億人近い雇用が生まれるといわれているのです。

世界経済フォーラムのレポートによると、

  1. 食料・土地・海洋
  2. インフラ
  3. エネルギー・採取産業

3分野でリジェネレーティブ・シフトした場合、2030年には年間の経済規模は10兆ドル以上となり、それによって3億9,500万人の雇用が生まれるとされています。

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4.ネットポジティブの関連用語

ネットポジティブの関連用語について、見ていきましょう。

  1. ネットゼロエネルギー
  2. ネットゼロカーボン
  3. ゼロウェイスト

①ネットゼロエネルギー

建物などの稼働のために年間消費するエネルギー量が、再生可能な資源(風や太陽光)を用いて生産したエネルギー量とつり合うこと。建物の運用やエネルギー供給源から温室効果ガスの排出を減らす点に、重きを置いています。

建物の運用だけで世界のCO2排出量のうち28%を占めているのです。よって建築環境セクターにおける温室効果ガス排出量の削減は、既存の建物を運用するうえでも必要と考えられます。

またネットゼロエネルギーは、徐々に建築でも新しい基準となりつつあるのです。

②ネットゼロカーボン

人為的な温室効果ガス排出を減らして可能な限りゼロに近づけ、同時に炭素排出ゼロを目指すこと。

今、世界のそれぞれで環境対策に取り組んでいます。2050年までに炭素排出量のゼロ達成を約束している国は100以上あるのです。

ブータンとスリナムの2カ国は、実際すでにカーボンニュートラルを達成しています。16カ国(増加中)はネットゼロ達成目標を法制化しているか、近いうちに予定しているのです。

またそのほか17~20カ国は、ネットゼロ達成の約束に関する何らかの政策文書案を示しています。

③ゼロウェイスト

ごみゼロを目標に、できるだけ廃棄物を減らそうとする活動のこと。大量生産・大量消費の現代社会に疑問を持った人の活動により今、世界中に広まっています。たとえば下記のような活動です。

  • ゴミの出ない生活スタイルを取る(リサイクル)
  • 物の流通のさせ方を変える(カーシェアリングや各種レンタルサービスなど)
  • 資源を浪費しない製品の生産方法

また自治体や企業がゴミ出しの仕組みを工夫して、ゼロウェイストを目指す事例も増え続けています。

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5.ネットポジティブに取り組むメリット

ネットポジティブへ取り組むメリットは何でしょうか。それぞれについて見ていきます。

  1. 企業イメージの向上
  2. 顧客との信頼関係の構築
  3. 従業員の満足度アップ

①企業イメージの向上

ネットポジティブへの取り組みを公表すると、消費者や投資家などの外部の第三者に良いイメージを与えられます。

消費者が企業に対して良いイメージを持てば、自社商品やサービスの売り上げが伸びたり、投資家からの評価が高まって積極的な出資を得られたりする可能性も高まるでしょう。

②顧客・仕入先との信頼関係の構築

ネットポジティブに取り組む企業は、企業イメージがアップするため顧客や取引先からの信頼が増します。それにより安定した利益が得やすくなるでしょう。

また消費者や取引先から信頼を得ている企業は、収益の途絶えるリスクが低いため、株主や投資家からの支持を得やすくなるのです。よって円滑な企業活動や利益向上へとつながります。

③従業員の満足度アップ

従業員は、自身が勤務する企業が社会貢献しているため、周囲から良いイメージを持たれます。

また従業員自身が社会的に意義のある事業に携わっていると自覚しやすいため、自社で働くことに誇りが持て、満足度の向上にもつながるのです。従業員満足度が高まれば、企業は離職率の低下や生産性の向上といったメリットを得られます。

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6.ネットポジティブに取り組むには?

企業がネットポジティブに取り組むには、経営トップの理解と決断が必要不可欠です。取り組みを始める際は、下記のようなポイントをおさえるとよいでしょう。

  1. 従業員の理解
  2. 取り組むメリットや目的の明確化
  3. マンパワーや体制の確認(担当部署、担当者と取り組みについての充分な意見交換)
  4. 企業の環境資産の把握
  5. 費用対効果の確認
  6. 取り組みの結果を広報に生かすといった具体的な目標を設定し、理解を得る

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7.ネットポジティブの事例

ネットポジティブに取り組む企業は世界各国に増えています。国内の大手企業をはじめとする5社の事例を紹介しましょう。

  1. 三菱地所
  2. 味の素
  3. 日清食品
  4. ケリング
  5. ティンバーランド

①三菱地所

三菱地所では、5つのアクションを展開しています。

  • 守ること:行政の定める特定外来生物や侵略的外来種などの侵略植物を採用しない
  • 育てること:日本の在来種を植栽の50%以上で採用
  • つなぐこと:地域の美しい並木の樹木や、その地域の在来種を多くとり入れ、地域に飛来する鳥や蝶などの休息中継地の確保に貢献する
  • 生かすこと:大きな枝打ち、強い剪定をできるだけ減らし、樹木の持つ自然な形を生かす
  • 減らすこと:低灌木・地被植物等を密植させる。ウッドチップを土の表面に施し、土の露出を少なくして草の発生を抑制し、除草管理コストを減らす

②味の素

グループの事業活動と生物多様性とのかかわりすなわち、「グループの事業活動が生態系や生態系サービスにどのように依存しているか」「どのような影響を与えているか」を把握しています。そのうえで下記を目指しているのです。

  • 事業活動が生物多様性に与える影響を減らす
  • 生態系の持つ再生産能力や物質循環能力の範囲内で行われるように改善する
  • 生態系の回復にも寄与する
  • また下記の取り組みが、相互で効果が生まれるようにしています。
  • 生物多様性の保全や生物資源の持続可能な利用への取り組み
  • 温室効果ガスの排出抑制や資源の有効活用、廃棄物の削減などの他の環境負荷低減への取り組み

③日清食品

生物多様性の観点から保全重要度の高い地域で事業活動を実施する場合、関連する国際的な規則や取り決めを遵守しているのです。
外部ステークホルダーとともに生物多様性に与える影響の科学的調査を推進し、もし負の影響が判明した場合、その低減やネットポジティブ化の実現に取り組みます。世界遺産に指定されている地域での事業活動は実施しておらず、今後も実施しません。

さらにサプライヤーの協力も重要であるため、全ての一次サプライヤーに対して、生物多様性の保全遵守を含む「日清食品グループ持続可能な調達方針」を周知し、その内容を確認したことに対する署名を得ているのです。

④ケリング

2025年までに生物多様性におけるネット・ポジティブ・インパクトを実現するため、新たな生物多様性の目標を発表しました。

  • サプライチェーンにおける原材料の生産までさかのぼったうえで、期間内に生産に要する土地面積の合計の約6倍に当たる土地を再生・保護する
  • サプライチェーンを展開する地域にて、100万ヘクタールの農地および放牧地を環境再生型農業に転換させる
  • 生物多様性の保全、炭素の吸収・固定、生息環境の改善を支援するプログラムを通じて、サプライチェーンの外部にある極めて重要で「代替不可能な」生息地をさらに100万ヘクタールにわたって保護する

⑤ティンバーランド

ネットポジティブなビジョンを追求するため、2030年までに達成を目指す具体的で測定可能な目標を設定しました。それは下記の2点です。

  • すべての製品を循環型デザインにする
  • 製品に使用するすべての天然素材を、環境再生型農業から調達する

ティンバーランドは循環型の製品デザインをとおして廃棄物ゼロの達成を目指す一方、環境再生型農業からすべての天然素材を調達するとネットゼロを超え、自然にネットポジティブな影響を与えられると考えています。

先駆的な環境再生型農家と協力し、環境再生型農業によるラバーやコットン、ウールやサトウキビの新しいサプライチェーンを、試験的に作ることにも取り組んでいるのです。