年末調整システム導入で実現する3つの業務効率化メリットと選定ポイント

年末調整業務は、膨大な書類管理や従業員への催促、計算ミスの確認など、人事労務担当者にとって悩みの種ではないでしょうか。近年は年末調整システムの導入が進んでいます。

一方で「導入コストに見合うメリットはあるのか」「システムはどう選ぶべきか」など、検討すべき点も少なくありません。この記事では、年末調整システムの導入メリットや課題、選定のポイントまで、人事労務担当者のお悩みを解決する情報を紹介します。

年末調整システム化のメリットは?業務効率化の具体例

システム化・ビジネス文書のイメージ
年末調整のシステム化を検討しているけれど、具体的にどの程度のメリットが得られるのか分からず悩んでいる人事労務担当者も多いのではないでしょうか。年末調整システムを導入した場合のメリットを、紙ベースの年末調整と比較しながら詳しく解説します。

業務工数と保管コストの削減

年末調整システム導入のメリットとしてまず挙げられるのは、業務工数と保管コストの大幅な削減です。従来の紙ベースの年末調整では、書類の印刷や配布・回収・確認・保管に多くの人的リソースが必要でした。

システム化することで、これらの作業がデジタルで完結します。紙の使用量減少により印刷代や送付手数料などのコストが削減されるのはもちろん、データの自動入力機能を使えば手作業での転記も必要ありません。

提出された電子データの確認で済むため、人事労務担当者の業務負担が軽減されます。

保管コストを削減できるのも大きなメリットです。年末調整書類には源泉徴収票を除いて法定保存期間があり、紙での保管には専用スペースが必要でした。電子化することでオフィススペースの有効活用が可能になり、場合によってはオフィス縮小によるコスト削減も検討できます。

さらに電子データは必要なときにすぐ検索・閲覧できるため、過去の情報確認も容易です。

参考:『No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間|国税庁』

年末調整業務の正確性向上

年末調整システムの導入は、業務の正確性の向上にも貢献します。紙ベースでの年末調整では、手書きによる数字の読み取りミスや計算ミスが発生しがちでした。システム化によって入力フォーマットが標準化され、自動計算機能の活用でヒューマンエラーのリスクを低減できます。

ミスを防止する代表的な機能が、前年データの自動複写機能です。従業員の過去の申告情報が自動的に表示されるため、入力の手間が省けます。

また、Web上にステータス管理機能があれば、提出された申告内容に不備があったとき即座に修正依頼を送信できるため、正確な申告の促進が可能です。

年末調整システムは給与システムと連携機能があるものが多く、申告データを自動的に給与計算に反映させることで、手入力によるミスを排除できます。最新の税制改正にも自動対応するため、常に正確な処理が可能になるのも魅力です。

効率的な催促による期限内の完了

年末調整システムのステータス管理機能は、担当者の作業効率化に大きく貢献するでしょう。例えばロウムメイトの年末調整機能では、未依頼や送信エラー、依頼中といったステータスが確認できます。これにより、管理部門チームが同じ画面を共有しながら進捗状況を把握できます。

特に便利なのがシステムからの催促メール配信機能です。未提出者に対して個別に電話やメールで催促する従来の方法と比べ、システムから直接催促メールを送信できれば、人事労務担当者の工数を大幅に削減できます。送信状況も管理部門で共有できるため、催促漏れの防止にも役立つでしょう。

リアルタイムでステータスを確認して催促することにより、期限内の年末調整完了率が向上します。

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年末調整システム導入時に発生する課題と対策法

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年末調整システムの導入は、人事労務業務の効率化やコストカットなど多くのメリットをもたらす半面、導入には課題があります。考え得る課題と対策を事前に押さえて、スムーズな導入を目指しましょう。

初期導入コストと運用コストの適正化方法

年末調整システム導入時のコストは、初期費用と運用費用のふたつに大別されます。初期導入コストと運用コストを適正化するには、自社の規模に適したシステムの選択が重要です。

年末調整特化型のシステムや年末調整機能だけを選べる労務管理システムは、既存の給与システムと連携させることによって低コストで運用できます。料金体系は各社で異なり、初期費用無料で従業員数に応じた月額課金、初期費用+年額料金のハイブリッド型までさまざまです。

純粋な価格だけで選ぶと、運用時に思わぬ隠れコストが発生することに注意しなければなりません。入力方法が分かりにくければ問い合わせ対応に工数がかかり、外部システムとの連携性が低ければデータ移行のコストが増加します。

隠れコストを抑えるには、操作性の高いUI設計か、既存システムとスムーズに連携できるかどうかを事前に確認しましょう。

従業員への操作説明や入力サポート体制の構築

年末調整システムを導入しても、従業員側の理解が不十分だと入力ミスや未提出が発生し、管理部門の手間が増える恐れがあります。特に初めて電子申告に触れる従業員にとっては、操作方法が分かりづらく感じられることもあるでしょう。

年末調整システムを導入するにあたって、従業員への操作説明と入力サポート体制を用意するとスムーズです。効果的な対策として、まずパソコン版とスマートフォン版の両方に対応したマニュアルを用意しましょう。従業員が多国籍の場合は、英語版マニュアルも準備することで理解度が向上します。

システム移行期には専用の問い合わせ窓口を設置するほか、よくある質問とその回答をまとめたFAQの作成も有効です。特に初めての電子化では、一部の従業員向けに説明会や操作サポートの時間を設けることで、スムーズな移行が実現するでしょう。

セキュリティリスクへの対応と個人情報保護の徹底

年末調整システムには個人情報が多く蓄積されており、万が一漏えいしてしまうと企業の信用を大きく損なうリスクがあります。システム選定時にセキュリティ水準を軽視すると、運用後に脆弱性が発覚するケースも考えられるでしょう。

年末調整システムを導入する際、セキュリティの維持と個人情報の保護も重要なポイントです。年末調整システムは従業員の所得情報や家族構成など機微な個人情報を大量に扱うため、情報漏えいリスクへの対策が欠かせません。

まず確認したいのは、システム提供企業のセキュリティ認証取得状況です。ISO27001やPマークなど第三者機関による認証を取得しているかをチェックしましょう。データ保護については、暗号化通信(SSL/TLS)の採用や、アクセス権限の設定が可能かも重要なポイントとなります。

選定の際には、セキュリティ対策が充実していても操作性を損なわない設計かどうかも評価ポイントです。最終的に、安全性と使いやすさを両立したシステムを選ぶことで、セキュリティリスクを最低限に抑えながら年末調整業務を効率化できます。

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自社に最適な年末調整システムを選ぶポイント

複数の選択肢の中から中央を指さす手
年末調整システムで人事労務業務を効率化するにあたっては、自社に合ったシステム選びが非常に重要です。どのようなポイントに注目してシステムを選べばよいのでしょうか。主な比較ポイントを3つ挙げ、考え方を解説します。

企業規模と従業員数に合っているか

企業規模と従業員数は、年末調整システム選びにあたってまず考えなければならない要素です。多くのシステムは企業の規模に応じたプランを用意しているため、自社に最適なプランを選ぶことでコスト効率を高められます。

小規模企業向けには、従業員1人当たりの価格が安いプランが適しています。一方、大規模企業には豊富な導入実績があり、大量データの処理にも対応できる包括的なシステムが適切です。成長企業には拡張性の高いプラン、従業員数の変動が多い企業には柔軟な従量課金制が適切でしょう。

DX推進の観点からは、クラウド型の年末調整システムがおすすめです。初期費用を抑えやすく、法改正への対応も迅速に実施できます。システムを選定するときは自社の規模と業務フローに合わせて、必要な機能と運用コストを総合的に判断しましょう。

既存の人事・給与システムと連携できるか

年末調整システム選びで大切なのが、既存の人事・給与システムとの連携性です。導入後に業務効率化を実感するためにも、データの互換性を事前に確認しておくことが不可欠です。

多くの年末調整システムには、主要な給与計算ソフトとの連携機能が標準で用意されています。連携方法としては、CSVやXML形式でのデータ出力機能が一般的です。

例えばロウムメイトには、CSVフォーマットでデータアップロード・ダウンロードできる仕組みが整っています。

システム選定時には、既存システムが対応しているデータフォーマットを確認しましょう。給与システム連携用の情報CSVなど、標準的なフォーマットに対応しているかも選定ポイントとなります。

操作性とサポート体制は十分か

年末調整システムを選ぶ際、操作性とサポート体制は効率化を左右します。直感的に操作できるシンプルなインターフェースは、従業員がストレスなく入力作業を進められるため業務効率が向上します。パソコンが苦手でも簡単に使えるUI設計を備えており、Web上ですべての記入が完結するシステムが理想的です。

システムのサポート体制も、システム選定では見逃せません。初期導入時のサポートや、運用後のFAQやカスタマーサポートの充実度を確認しましょう。丁寧なサポート体制があれば、万が一トラブルが起きたときも迅速な対応が可能です。

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「ロウムメイト」で実現する年末調整の効率化

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カオナビが提供する労務管理システム「ロウムメイト」には、年末調整に特化した機能があります。人事労務担当者や従業員の負担を最小限に抑えることができ、初めての電子化にもおすすめです。

簡単な入力操作で人事労務担当者の負担を軽減

ロウムメイトの年末調整機能の特徴は、直感的な操作性です。CSVテンプレートに沿って入力するだけなので、人事労務担当者は迷うことなく操作できます。

事前に年末調整データをCSVで一括登録できるほか、CSVにより勤怠システムなどの外部システムとスムーズな連携が可能です。

また、ダブルワークの有無や主たる勤務先の確認など、よくある質問に対するコメントを自由にカスタマイズできる点も業務効率化に貢献します。収集した情報はCSV出力やPDF出力にも対応しているため、基礎控除申告書や扶養控除申告書・保険料控除申告書などの書類作成も簡単です。

ステータス管理機能で効率的な進捗把握と催促が可能に

ロウムメイトの年末調整にあるステータス管理は進捗管理に最適です。「未依頼」「依頼中」「入力済」「差し戻し・依頼中」「差し戻し・受領済」「確認済」「対象外」「期限切れ」など、細かなステータス区分により、各従業員の処理状況を一目で把握できます。

人事労務担当者にとってうれしいポイントは、未提出者への催促業務が効率化できることです。従来は担当者が未提出者リストを手作業で作成し、個別に声かけや催促メールを送る必要がありました。ロウムメイトなら、ステータスごとにフィルタリングして対象者を抽出し、一括でリマインドを送信できます。

また、進捗状況を視覚的に把握できるため、全社的な提出率や処理状況をリアルタイムでモニタリングすることも可能です。これにより「後何名の従業員が未提出か」「どの部署の提出率が低いか」といった情報に基づいた効率的な催促が実現します。

年末調整の締め切り前に効率的に進捗を把握し、適切なタイミングで催促することで、期限内の完了率が大幅に向上するでしょう。

入力不備の防止機能で負担を軽減

年末調整業務で人事労務担当者を悩ませるのが、入力不備のチェックです。ロウムメイトはこの問題を解決する機能を搭載しています。

従業員側の入力画面では、入力必須項目の明示やフォーマットガイドにより、初めから正確な情報入力を促します。未入力項目があれば次に進めない仕様になっているため、漏れのない入力が可能です。人事労務担当者が修正依頼を出す手間が削減され、年末調整業務の効率が向上します。

必要な機能だけを選んで利用できる

ロウムメイトの魅力のひとつが、必要な機能だけを選択して利用できる柔軟性です。ロウムメイトは初期費用が無料なうえ、企業規模や業務フローに合わせて機能をカスタマイズできる、アラカルト方式を採用しています。

使わない機能に余分なコストをかけることなく導入できるのは大きなメリットです。年末調整機能のみを必要とする企業は、給与明細や電子申請などの機能は選択する必要がありません。
また、運用開始後に必要に応じて機能を追加できるため、段階的な導入にもおすすめです。この選択型の料金体系により、中小企業でも必要十分な機能だけで年末調整システム化を実現でき、コスト効率の良いDX推進が可能になります。

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まとめ

年末調整書類とパソコン・マウス
年末調整システムの導入は、業務効率化に大きく貢献します。ペーパーレス化によって工数・保管コストが削減できる、自動検証機能で正確性が上がる、進捗管理機能を活用すれば期限内完了率が向上するといった明確なメリットがあります。

一方で、導入コストや従業員へのサポート体制構築、セキュリティ対策といった実務的な要件にも目を向ける必要があります。システムを選定する際には、企業規模や従業員数と見合っているか、操作性が良いか、サポート体制が充実しているかを総合的にチェックしましょう。

ロウムメイトの年末調整システムを活用すれば、人事労務担当者の負担が大幅に軽減され、未提出者や入力不備も効率的に管理できます。年末調整システムの導入で、コスト削減や働き方改革を推進していきましょう。