マルチタスクとは?【やり方を簡単に】苦手な人の特徴、能力

「マルチタスク」とは、仕事や家事、スマートフォンの連絡などにおいて、同時並行で物事を複数進行する能力のことをいいます。マルチタスクのメリットやデメリット、苦手な人の特徴などを見てみましょう。

1.マルチタスクとは?

マルチタスクとは、複数の作業を同時並行、短期間で切り替えながら同時進行で行う能力のこと。「同時並行で複数の作業を行うなど至難の業」と、同時進行の状態を難しく感じる人も少なくないでしょう。

しかし現代社会では、無意識にマルチタスクを実行している状況も多々。料理をしながら洗濯や掃除をしたり、スマートフォンをさわりながら爪にマニキュアを塗ったり、映画を観たりするのもマルチタスクといえるのです。

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2.マルチタスクとシングルタスクとの違い

シングルタスクは、ひとつの作業に没頭して作業を遂行すること。複数の作業を同時並行するマルチタスクが優れている訳ではありません。

仕事内容や職場環境、その人の性格などによってどちらが効率的かは異なります。場合によっては、シングルタスクが効率良く作業を行えるのです。

マルチタスクは効率が悪い?

要領良くマルチタスクを実行できれば、複数の作業を効率良く進められます。しかし一般的に人間は、ひとつの物事に一点集中して取り掛かるほうが、仕事の効率は上がるとされているのです。

またマルチタスクは、短期間なら集中力が向上するものの、その効果が続くのはあくまで短期間。状態を無理に続けると、脳にダメージを与えたりストレスを抱えたりする原因にもなるため注意が必要です。

複数を並行するマルチタスクは、仕事効率が良いと思いがちでしょう。しかし人間は一般的に、一点集中型となるシングルタスクのほうが効率良く業務を遂行できるのです

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3.マルチタスクのメリット

マルチタスクは複数の仕事を同時進行するため、比較的難易度が高そうに感じます。しかし誰しも大なり小なりマルチタスクを日常生活で実行しているのです。そんなマルチタスクによるメリットについて見ていきましょう。

  1. 同時進行で仕事ができる
  2. 全体像を把握できる
  3. コミュニケーションが円滑になる
  4. ほかの仕事が停滞しない

①同時進行で仕事ができる

マルチタスクは同時進行できるので、停滞させずに複数の仕事を進められます。突発的な対応や急な方向変換にも対応しやすくなるでしょう。

一つひとつ順序立てて仕事を終えていくのではなく、同時進行で複数の仕事を一気に進めます。適したサイクルや流れを掴めれば、シングルタスクよりも効率良く、仕事を終えられるのです。

②全体像を把握できる

複数の仕事を手掛けていると、全体像を把握できます。たとえばプロジェクトのAだけでなく、AもBもCも担当すると、それぞれの仕事面から見える全体像や仕事では見えなかった新しい考えや気付きを得られるのです。

そうして全容を把握していくと、より効率よく仕事を遂行できます。

③コミュニケーションが円滑になる

マルチタスクを上手に進められると、円滑なコミュニケーションを取れるのです。仕事の全体像を把握できるため、問題や課題も早期発見でき、スケジュールや仕事の進め方に変更がでた際、素早く行動できます。

「上司への相談」「部下への指示」「取引先へ情報を速やかに伝えられる」など、円滑なコミュニケーションによって仕事をスムーズに進められるようになるのです。

④ほかの仕事が停滞しない

シングルタスクの場合、並行するほかの作業が一時的にストップしてしまいます。つまりその仕事に携わる関係者の業務まで、ストップしてしまうかもしれないのです。

しかしマルチタスクを遂行できれば複数の作業を同時進行できるため、重要な業務を停滞させる心配はありません。また関係者の仕事が遅れていたり、停滞している場合にサポートしたり、協力したりもできるのでチーム内の結束力が高まります。

マルチタスクのメリットは「同時進行で仕事ができる」「全体像を把握できる」「コミュニケーションが円滑になる」「ほかの仕事が停滞しない」の4点です

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4.マルチタスクのデメリット

マルチタスクはにはデメリットも存在します。「いいことばかり」「複数の業務を同時並行したい」と取り入れる前に、マルチタスクのデメリットについて、一度確認してみましょう。

  1. キャパシティオーバー
  2. 切り替えが難しい
  3. 焦りやすい
  4. 生産性の低下

①キャパシティオーバー

マルチタスクには、向き不向きがあります。

向いている人は、効率良く同時進行で複数の仕事を進められます。しかし仕事の進行具合を把握できなかったり、予定どおりに仕事が進まなかったりしてキャパシティオーバーになる人は、向いていません。

人によってはシングルタスクのほうが効率よく仕事できる場合も。必ずしもマルチタスクが最良とは限りません。各自にあった仕事の進め方を取り入れましょう。

②切り替えが難しい

マルチタスクで仕事を複数同時に行っていると、仕事と気持ちの切り替えが難しくなります。

ひとつの仕事で何かトラブルや失敗があり、次の仕事にネガティブな感情を持ち続けてしまったらどうなるでしょう。新しい仕事に手がつかなかったり、集中できなかったりなどさまざまな支障が出ます。

③焦りやすい

マルチタスクを取り入れると、時間に対するプレッシャーを強く感じるようになるのです。

「時間がない」「慌ただしい」「間に合わない」といった焦りが脳に強い負荷をかけるため、生産性が落ち、溜まってしまった仕事によって「時間がない」という感覚をさらに強めるという悪循環が起きます。

このような脳への強い負担によって、時間が細切れになった感覚に陥ってしまうこの現象は「時間汚染」とも呼ばれています。社会学者のジョン・ロビンソンによって提唱されました。

④生産性の低下

今行っている作業を切り替えるサオ、集中力を元に戻すまで約15分間かかるといわれています。よってシングルタスクなら30分で終わった仕事が、マルチタスクで進めた結果1時間、2時間とかかってしまうといったように、生産性が下がる可能性もあるのです。

また集中力を保てず、生産性の悪いダラダラとした状態になってしまうケースも出てくるでしょう。

向いている人が取り入れれば、複数の仕事を効率よく行えるマルチタスク。しかしキャパオーバーになりやすく切り替えも難しいというデメリットもあります。人によってはシングルタスクのほうが、効率よく仕事を進められるでしょう

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5.マルチタスクができない人や苦手な人の特徴

人間の脳は元々、ひとつにしか集中して取り組めないシングルタスクの構造になっています。すなわちマルチタスクというのはシングルタスクをスイッチング(切り替え)しているだけなのです。

このスイッチングが上手にできるかどうかが、マルチタスクの向き不向きを左右しているといってもいいでしょう。ここではスイッチングが苦手な人、すなわちマルチタスクが苦手な人の特徴を見ていきます。

こだわりが強い

マルチタスクに向いていない人の特徴として多いのが、こだわりが強く、ひとつに集中したい傾向が強いこと。

もちろん、ひとつに集中して取り組むシングルタスクでは、素晴らしい能力を発揮するでしょう。その反面こだわりが強いため、柔軟で臨機応変な対応ができず、効率よく物事を進めにくくなります。

ミスをしたくない(完璧主義)

「ミスをしたくない」という気持ちの強い人ほど、ひとつに集中して慎重に物事を運びたいと思う傾向にあるため、マルチタスクには向いていません。

逆にシングルタスクでひとつに集中すると、生産性が上がる傾向にあります。ミスのない正確な仕事を望む人は、シングルタスクが向いているでしょう。

マルチタスクが向いていない人は、内向型でこだわりが強い人や、ミスをしたくない人などが挙げられます。ひとつの物事に集中したい人は、シングルタスクのほうが向いているでしょう

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6.マルチタスクが求められる職業

職業によっては、マルチタスクが求められる職業もあります。同時進行で複数の仕事を行わなければいけない職業について解説しましょう。

管理職

管理職はチーム全体の仕事を把握して仕事を細分化し、部下へ与えなくてはなりません。

また1度各部下へ与えた仕事の進捗や品質などもチェックします。何人も部下を持つ管理職者には、それぞれの仕事と全体をマネジメントするためにマルチタスクが求められるのです。

医療従事者

医療従事者は毎日、突発的な出来事で人の生死にかかわる仕事を複数同時に行っています。つまりひとりの患者だけ対応するわけにはいきません。

医療従事者は、新人にマルチタスク能力を鍛えるための模擬的なシナリオベース訓練も行われるほど、マルチタスクが求められる職業なのです。

管理職や医療従事者はマルチタスクが日常的に必要といえます。職業によってはシングルタスクが向いている職業も存在します。それぞれの性格にあった職業を選びましょう

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7.効率よくマルチタスクを行うには?

「マルチタスクは脳にも悪影響で効率もそれほどよくない」と批判的な意見も数多いです。ではどのようにすればマルチタスクを効率よく進められるのでしょう。ここでは、マルチタスクを効率よく行う方法について解説します。

  1. ひとつの業務に集中
  2. 「1×10×1」システム
  3. パーキングロット思考
  4. タスク管理ツール

①ひとつの業務に集中

ひとつの業務に集中できる環境をつくり、目先の仕事を着実にクリアしていきましょう。また仕事を妨害する外的な要因は、可能な限り排除しなければいけません。さらに

「作業用BGMなどの音を取り入れる」「会議室や図書室などで仕事を行う」といった工夫も大切です。しかしそれだけでは足りません。仕事一つひとつを「何時までに切り上げる」など時間を決めると、効率よく仕事を進められます。

②「1×10×1」システム

仕事が積み上がってしまった際は、「1×10×1」システムで一気に解決しましょう。1分以内で終わる仕事を先に終わらせ、次に10分あれば終わる仕事を完了します。

最後に1時間あれば終わる仕事を終わらせると、山積みになった仕事を効率的に終わらせられます。これは仕事一つひとつの仕事に集中してシングルタスクの要領を得ながら、終わったら次のタスクへ移行するという方法です。

③パーキングロット思考

パーキングロットは「駐車場」という意味で、パーキングロット思考とは業務中にほかの仕事や外的要因が入り込んできた際、それを一旦脇に置いて、この業務が終わってから取り掛かるといった考え方のこと。

やり方はいたってシンプル。一旦脇に置いた仕事をメモしておき、ひとつの業務が終わった際にそのメモを実行する方法です。

④タスク管理ツール

タスク管理ツールを導入すると、下記のようなメリットが得られます。

  • 複数のタスクを管理できる
  • 現状を可視化できる
  • 優先順位が明確になる
  • 情報共有が円滑になる

ほかにスケジュール管理機能やファイル添付機能など別機能を追加するのも可能です。

複数のタスクを管理できる

タスク管理ツールを利用すると、複数のタスクの内容や納期、担当者などを記録できます。個人として使用する場合はメモとしての機能を発揮し、チームとして使用する場合、コミュニケーションを取るるツールとして利用できるのです。

管理ツールを通じて、認識の齟齬の確認やタスクへの共有なども行えるでしょう。

現状を可視化できる

タスク管理ツールは、現状確認やチームの方向性を見極める指標にもなります。

チャートやグラフなどで可視化されるため、どのメンバーがどのタスクをこなし、クリアしていっているのかを一目で判断可能です。チーム内のモチベーションの維持、向上や改善点を見極める際の資料ともなるでしょう。

優先順位が明確になる

複数の仕事を同時進行で行う際、どの仕事の優先順位が高いのか、つねに把握する必要があります。しかしすべてを把握し続けるのは難しいもの。

そこでタスク管理ツールを利用すると、今やっている仕事の納期や優先順位を把握したり、次に取り組む仕事を的確に見極めたりできます。複数の仕事を掛け持ちするマルチタスクには、必要不可欠なツールでしょう。

情報共有が円滑になる

タスク管理ツールでは、ファイル添付機能やチャット機能が利用できる場合も。社内だけでなく、リモートワークや出張先でも同じ資料を一斉に得られるので、情報共有がスムーズになるでしょう。

またタスク内でコミュニケーションも取れるため、伝達忘れやコミュニケーション不足による行き違いなどを防ぎます。情報の集約も図れるでしょう。

マルチタスクのやり方をしっかりと学べば、仕事も効率良くなります。チームや部署でタスク管理ツールを導入するのも有効です