ジョブカフェとは? 他施設との違い、実施するサービス、企業への支援について

ジョブカフェは若者の就職支援を行う施設のことで、各地の特色を活かした就職セミナーや職場体験、カウンセリング、職業相談、職業紹介といったさまざまなサービスを行っています。

ここでは、類似している施設との違いからサービス内容、企業への支援までジョブカフェについて詳しくご紹介します。

1.ジョブカフェとは?

ジョブカフェは都道府県が主体となって設置している、若者の就職支援をワンストップで行う施設のこと。正式名称を「若年者のためのワンストップサービスセンター」といい、若者が自分に合った仕事を見つけるため、さまざまなサービスが無料で利用できるようになっているのです。

こうした施設は、平成16年に発表された「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」の一環として作られるようになりました。都道府県ごとにそれぞれ特徴があり、ハローワークを併設している施設もあります。

また、ジョブカフェの多くが県庁所在地に設置されていますが、地域によってはサテライトという出張所を作って同様のサービスを行っているところもあるのです。

ジョブカフェの意味・目的

目的は、「若者自立・挑戦プラン」の中核的施策となる新たな取り組みとして、各都道府県の実情に合った形で若者の能力向上や就業促進を図ること。就職支援にはさまざまな体制が関わってきますが、窓口が複数になると煩雑になってしまいます。

そこで、複数の施設をまたぐことなくワンストップ(1箇所)でサービスを提供し、スムーズに利用できるようにしているのです。若者が自分の道を見つけて就職できるよう全面的にバックアップしていると考えると分かりやすいでしょう。

ジョブカフェの名称はさまざま

ジョブカフェは地域ごとに名称が異なります。

  • 福岡県…「福岡県若者しごとサポートセンター」
  • 兵庫県…「ひょうご・しごと情報広場」
  • 鳥取県…「とっとり若者仕事プラザ」
  • 滋賀県…「おうみ若者未来サポートセンター」
  • 広島県…「わーくわくネットひろしま」
  • 新潟県…「若者しごと館」
  • 秋田県…「フレッシュワークAKITA」
  • 栃木県…「とちぎジョブモール」

また、個性的で親しみやすい名称が付けられているのです。

ジョブカフェは、若者の自立を目的に作られた施設です。都道府県別に個性的で親しみやすい名称が付けられています

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2.ジョブカフェとその他施設との違い

ジョブカフェに似た施設として、ジョブサロン、ジョブステーション、わかものハローワーク、地域若者サポートステーションなどがあります。

ジョブサロン

ジョブサロン北海道は、35歳以上の方を対象にした就職支援施設です。就職相談や業界・企業情報の提供、スキル習得期間・講習の紹介などを通じて、転職や再就職に向けたキャリアプランの策定からその実現に向けての活動までをトータルでサポートします。

一方ジョブカフェ北海道は44歳以下の方を対象としているのです。この点から、年齢による明確な違いはないことが分かります。

ジョブステーション

しずおかジョブステーションは、就職を目指している学生や若年層から子育て女性、高齢者まで幅広い年齢層を対象に支援しています。

世代やレベルに応じた相談やキャリアカウンセリング

  • 各種アドバイス
  • 臨床心理士による心の相談
  • スキルアップのためのセミナーの紹介
  • ハローワーク相談員による職業紹介、就職

までを一貫した支援で実施しています。

わかものハローワーク

わかものハローワークは、厚生労働省が運営する、正社員を目指す若者(おおむね45歳未満)を対象にした就職支援です。

  • 初回利用時のプレ相談の実施
  • 担当者制によるマンツーマンでの個別支援
  • 正社員就職に向けた就職プランの作成
  • セミナー、グループワークの実施
  • 就職後の定着支援の実施

など、きめ細かな支援やサービスを無料で行っています。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーション(サポステ)は、厚生労働省が運営している機関です。

働きたいけれど悩みを抱えてなかなか一歩が踏み出せない15~39歳までの若者に対して、

  • キャリアコンサルタントなどの専門家による相談
  • コミュニケーション訓練などによるステップアップ
  • 協力企業への就労体験

といったことを厚生労働省が委託したNPO法人などが実施しています。

就職支援と一口に言っても、全国にはさまざまな機関があり、その支援内容や対象者はそれぞれ異なるのです

3.若者の自立・挑戦のためのアクションプランとは?

平成16年12月、当時の文部科学省より「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」に基づいて、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」が発表されました。

  1. 学生のうちからキャリア教育を進める
  2. 若年層やニートに対して就労支援
  3. 産業に関する人材の育成を促進
  4. ジョブカフェを充実し、若者を支援
  5. 若年層の問題について広く告知

①学生のうちからキャリア教育を進める

学生のうちからキャリア教育の推進を強化するプランで、5日間以上の職場体験の実施やハローワーク・産業界等が連携した企業や学校への派遣による職業意識の形成を行っています。

そのほか、

  • 民間の経験やアイデアを活用したものづくり等の働く楽しさを伝える教育を行うモデル地域の設置
  • 学校やPTA、教育委員会、労働局等の教育関係者による協議の場を設置
  • 各地域の産業界等と地域レベルで連携を図る

などがあります。

②若年層やニートに対して就労支援

若年層やニ―トに対して、働くために必要なスキルやマナーを得たり、仕事への意欲が感じられたりできるような「若者自立塾」を合宿形式で行う取り組みを推進しています。

さらに、

  • ボランティア活動などの無償の労働体験を通じたジョブパスポート事業の創設
  • 工場や訓練施設の開放
  • ものづくり技能技術大会の実施

など、ものづくりに親しむ機会を与えながら、ものづくり立国の推進といった積極的な取り組みも強化しているのです。

③産業に関する人材の育成を促進

企業における人材投資の減少傾向を食い止め、人材育成への取り組み強化へもつなげるために、人材投資促進税制が創設されました。さらに製造現場では、中核人材の育成を促進するためにベテランの技術を若者に継承するための拠点を設置しています。

また、ITなどのさまざまな成長分野では、今後の発展を支えられる人材の育成を進める「キャリア高度プラン」を実施し、大学といったどの教育機関などで専門職に対するスキルの育成をしているのです。

④ジョブカフェを充実し、若者を支援

日本版デュアルシステム(デュアルシステムとは、学術的教育と職業教育を同時に進めるドイツ発のシステムのこと)などを推進して、ジョブカフェの社会的定着を図りました。

また、ジョブカフェのサービスを充実するとともに、第三者による評価結果を踏まえて事業成果の向上や成功事例の普及・拡大を推進しています。

若者の就職・就労に役立つ知識やビジネススキルが手軽に学べる機会を提供するための「草の根eラーニング・システム」を整備するなどさまざまな取り組みが実施されているのです。

⑤若年層の問題について広く告知

日本は、働く意欲が不十分な若年者やニートと呼ばれる無業者など若年層の就労に関する問題を抱えています。これらを広く告知するために、セミナーやイベントを開催し、若者問題について国民的な関心を喚起するようにしているのです。

また、国民会議など若者の人間力を高めるための国民運動を推進するとともに、「若者チャレンジキャラバン(仮称)」などのシンポジウムを開催しています。これらは、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」のポイントといえるでしょう。

「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」では、学校段階からのキャリア教育を推進し、さらなる強化を図っています

4.ジョブカフェが実施するサービス

ジョブカフェでは求人情報はもちろんのこと、仕事をする際に必要となるさまざまなサービスを提供しています。

  1. 求人情報の提供
  2. パソコンの提供
  3. 相談窓口
  4. セミナー
  5. 各種対策
  6. 適職診断
  7. 就業体験

①求人情報の提供

ジョブカフェでは、下記のようなことを行っています。

登録企業の求人情報や求人サイトの案内

  • 雇用に関する情報等の閲覧
  • 応募先企業に関する情報収集
  • 就職に関する情報提供

また、検索方法や求人票の見方など、求人に関するあらゆる疑問に専任の相談員がマンツーマンでアドバイスしてくれるところもあるのです。

さらに、自分にはどのような仕事が向いているのかをジャッジするために有効な職業適性診断を行ったり、就職活動に役立つセミナー等の受講・職場や施設見学等を紹介したりなど、一人ひとりに合った支援を提供してくれる施設も多くあります。

②パソコンの提供

就職活動時は、パソコンを使って情報を閲覧したり、応募書類を作成したりします。スマートフォンやタブレットでの情報収集も可能ですが、書類の作成までとなるとなかなか難しいですし、そもそもパソコンが自宅にないという求人者もいます。

そこでジョブカフェで複数台のパソコンを用意し、求人情報の閲覧や応募書類の作成ができるようにしているのです。プリンターも用意されているので、情報の閲覧から応募書類の作成・印刷までワンストップでできます。

常駐している相談員からアドバイスも受けられるので安心です。

③相談窓口

就職した後、社内の人間関係、転職や仕事に関する悩みなど、アフターフォローにも応じてくれるのが、ジョブカフェの窓口です。忙しさから時間内に来館できない人に向け、テレビ電話やメールを使ったカウンセリングを受け付けているところも増えています。

身近な人に相談しにくい悩みであれば、ジョブカフェで相談に乗ってもらうのもひとつの手です。

ただし、就職活動をするにあたってジョブカフェだけで推し進めるのは限界があります。求人の紹介に関しては、ハローワークや求人サイトを検索するなど、他媒体も並行して利用しましょう。

④セミナー

ジョブカフェでは、

  • 求人情報の見方
  • 基本的な履歴書の書き方
  • 職務経歴書の書き方
  • 面接の受け方
  • さまざまな業界の特徴について

など就職に関するノウハウが学べるセミナーを随時開催しています。

中には、

  • ヘアスタイルやメイクに関するセミナー
  • 印象を良くするパーソナルカラーを発見するセミナー
  • 職場のトラブルから身を守るセミナー
  • コミュニケーション能力向上セミナー

など、ユニークなものや実社会で役立つものもあるのです。興味のあるものに参加してスキルアップを目指しましょう。

⑤各種対策

初めて書類を作成する際には勝手が分からず迷ってしまうもの。記載を誤ってせっかくの活動を台無しにしてはもったいないです。

ジョブカフェの専門スタッフに相談しながら、履歴書や職務経歴書などの応募書類一式を作成するとよいでしょう。基本的な書き方を教えてもらうだけでなく、添削までしてもらうと安心です。その際、特に大切な志望動機や自己PRの書き方も指導を仰ぎましょう。

セミナーを実施しているところも多いので、併せて受講すれば、説得力のある書類を作成できます。その際、面接の事前準備として、質問に対する受け答えや面接時のマナーなども学んでおくとよいでしょう。

⑥適職診断

適職診断では、職業への興味・能力・価値観・行動特性、性格の傾向、日常生活の基本的な志向性などから、一人ひとりに合った職業を診断します。さらに、診断結果をもとに専門スタッフと面談をし、興味のあることや強みを知って自己理解を深めていくのです。

自分がこれから何をしたいか、どんな仕事が向いているかが分かっている人はそう多くありません。

漠然と職業について考えるよりも、客観的な視点からのアドバイスは参考になるはずです。パソコンを使って質問に答えていく簡単なテストなので、気軽に受けてみるとよいでしょう。

⑦就業体験

実際の職場へ赴いて一定期間就業体験をさせてもらえるサービスもあります。

職業体験をするメリットは、

  • 興味のある仕事の実際の現場が見られる
  • これまで培ってきた自分のスキルをどう活かすことができるか、具体的にイメージしやすくなる
  • 働くことの意味を知ることができる
  • 従業員の話を聞くことができる

など。

積極的に利用することで多くの収穫が得られるだけでなく、就業意識を高め職業選択の幅も広がるでしょう。

これは、受け入れ側の企業とジョブカフェとの連携により実現できる貴重な機会です。参加の際は、誠実な態度を心掛けましょう。

ジョブカフェには、より良い就職先が見つかるようさまざまなサービスが用意されています。就職に向けた第一歩にふさわしい施設です

5.ジョブカフェで求人・採用を行う流れ

ここでは、ジョブカフェへ企業が求人票を出してから採用するまでのプロセスを、ステップ別にご紹介します。

STEP.1
申し込みとヒアリング
企業が求人情報の公開を申し込むと、求人内容について確認するため、ジョブカフェのスタッフが企業を訪問します。

スタッフが詳細に求人内容や採用条件を確認したら、その内容がジョブカフェ内で公開される求人情報に掲載され、求人者の目に留まることになるのです。中にはハローワークに掲載された情報がそのままジョブカフェの求人情報に掲載されることも。

そして企業が求めている人物像と求職者がマッチングしたら、次のステップに進むのです。見学会などを実施し、求職者と企業の相互理解を図る機会をつくっているところもあります。

STEP.2
ジョブカフェからの連絡
就職希望者があった場合、ジョブカフェから企業へ連絡が入り、その後、希望者には紹介状が発行され(発行しないケースもある)、面接へと進みます。

中には、知名度が低い企業がジョブカフェに相談して、求人票の備考欄を活用した企業PRや各種手当などに関する記載方法のアドバイスを得たところ、新卒3名を正規雇用できたという事例もあるのです。

また、人材確保が難しい介護職の訴求方法として、自社ホームページ内で福利厚生の長所について積極的にPRしたほうがよいとアドバイスを受け、5名を正規雇用できたという事例などもあります。求人に悩んでいる企業は活用してみるのもひとつの手でしょう。

ハローワークだけではなく、ジョブカフェを利用することで求人の幅が広がり、採用のチャンスも増える可能性があります

6.ジョブカフェが行う企業支援

ジョブカフェは、就職を目指している若者だけでなく、優秀な労働力確保を目指す地元企業の支援も行っています。

人材確保に関する支援

企業の人材確保に関して、

  • 求職者からの応募が少ない
  • 内定辞退や離職者が多い
  • 女性が働きやすい職場環境に整備したいがどのようにしたらいいか分からない
  • 高卒の採用を進めたいが思うようにできない

など、若者の雇用問題に注力するだけでなく、さまざまな悩みが相談できる窓口を設けて課題に応じた支援を行っているジョブカフェもあります。

たとえば、

  • 課題を可視化することで現状認識と課題解決に向けた支援メニューへとつなぐ企業診断
  • 無料でスカウトできる求人掲載サイトなどが用意される

など前向きな施策による企業と求職者の橋渡しが行われているのです。中には、合同企業説明会や求職者との交流会、人事担当者向けセミナーなどを行っているところもあります。

採用に関する支援

  • より円滑に採用を進めるためにどのような戦略が必要なのか
  • どういったアプローチが適当なのか

など課題を持つ企業も多いようです。これらを解消するために、人材の確保や企業主導型保育施設の設置、高校生の採用など、時代に則したテーマを掲げ、専門講師を招いたセミナーを開催するなどの支援を行っている機関もあります。

また、製造関連や建設関連、運輸関連、インバウンド関連といった多様な業種の企業を対象に人材確保に向けたステップアップセミナーも開催されているのです。

さらに、求める人材へアピールする広告制作や応募者への対応方法、面接の仕方といった、企業の採用担当者へ向けた採用活動支援マニュアルをウェブサイト上にアップしている機関もあります。参考にしましょう。

マッチングに関する支援

応募者の中から自社が求めている人材が見つからず、ミスマッチになることも多々あります。こうしたミスマッチを未然に防ぐためにも、採用活動前に求職者と出会える交流イベントや合同企業説明会を開催している機関があります。

たとえば、

  • 業界別に求職者と出会える交流会
  • 求職者の特性に合った企業とのマッチングを図る合同説明会
  • 数社によるワークショップ形式で行う交流会

など。

うまく活用することで企業はより多くの求職者と触れ合う機会を増やせるでしょう。また、高校生とのネットワーク構築を目的としている交流会もあります。若い人材を希望している企業は利用するとよいでしょう。

人材定着に関する支援

時間と労力をかけて採用まで進んだものの、短期間で退職してしまう社員も少なくありません。

  • 若手社員の育成
  • 長期定着に向けて職場環境の整備
  • 女性の活躍推進
  • 働き方の多様性

などをテーマにしたセミナーの開催も実施されているのです。

さらに、ジョブカフェから企業に講師を派遣し、

  • 新入社員研修
  • 若手社員研修
  • ビジネスマナー研修
  • 好感度の高い営業マン訪問セミナー
  • コミュニケーション能力アップセミナー
  • 新入社員育成担当者研修

などを行っているケースもあります。採用される側と採用する側、同時にノウハウを学ぶことで、課題解決の第一歩になります。企業も常に学び、相互理解を深める努力をするとよいでしょう。

優秀な人材を確保するためにも、企業は採用努力が必要です。雇用に関する最新の情報を得ながら、職場環境を整えて採用者を迎えるようにしましょう