自責思考とは?【うつやストレスの原因】改善方法、他責思考

自責思考とは、物事がうまくいかないときにその原因が自分にあるととらえる思考のことです。ここでは自責思考のメリットとデメリット、他責思考との違いや自責思考が強い人の特徴について解説します。

1.自責思考とは?

自責思考とは、物事に何らかの問題が発生したとき、その原因が自分にあると考え、問題の原因を探る思考のこと。

一般的に自分を責める意味合いで用いられる場合の多い言葉です。しかしビジネスシーンでは問題に対して当事者意識を持って取り組んでいる、というポジティブな意味で使われます。

長く取引を続けていた顧客が他社のサービスに乗り換えてしまったときを、例に見てみましょう。「自分の態度のせいで、乗り換えを引き留められなかった」「自社サービスに至らない点はなかったか」などを考えるのが自責思考です。

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2.自責思考と他責思考

「自責思考」の対義語は「他責思考」です。それぞれが意味するものや、違いについて説明しましょう。

自責思考の意味するものは?

自責思考の人は、物事に何らかの問題が発生した際、その原因は自分にあると考えて自分の行いを振り返ります。

たとえばチームが目標を達成できなかったとしましょう。そのとき「新人に対する自分のフォローが不十分だった」「自分が未経験だったため先輩の時間を余計に割いてしまった」と考えます。

また仕事でミスをしたときは、「正しいやり方を身につけていなかった自分が悪い」「確認を怠った自分が悪い」と考えるのです。

自責とは?

読んで字のごとく自分に責を求める、自分で自分の過ちを責めることを意味します。自責思考が強い人は、責任感の強さから過度のストレスを感じたり、自己批判を過剰に行ってしまったりする一方、自分で原因を追究して改善する力を持っているのです。

自責は周囲からの信頼や責任感につながるものもあるため、一概にネガティブな思考とは言えません。

自責思考の対義語、他責思考の意味は?

他責思考とは、問題の責任や原因を自分以外に求める思考のこと。長く取引を続けていた顧客が他社サービスに乗り換えた原因を「取引先の予算の都合では?」「自社製品の特長を生かしきれない相手が悪い」というように、自分ではなく相手に求めます。

自責思考の人に比べて当事者意識が低く、問題を自分で解決しようとしないため、ビジネスではあまり歓迎されない思考です。

他責とは?

「他責」の考えを持つ人は、問題の原因を自分ではなく他人にあると考えます。これは他人に改善点を伝えたり、問題点を指摘したりする際に必要となる思考ともいえるのです。しかしこの「他責」の思考が強くなると自分が責任から逃れることを第一に考えます。

改善を試みる人がどこにもおらず、責任がたらいまわしにされる状態です。他者からの批判の的になったり、さらなるトラブルに発展したりする恐れもあります。

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3.自責思考のメリットとデメリット

問題発生の原因が自分にあると考え、原因を自分のなかに探す「自責思考」には、いくつかのメリット、デメリットが存在します。

自責思考のメリット

自責思考のメリットは、下記の3つです。

  1. 成長のチャンスが得られる
  2. 物事の本質を熟慮できる
  3. 周囲に優しくでき、助け合いができる

①成長のチャンスが得られる

自責思考では自分の中に原因を探すため、自身の振り返りと成長チャンスの獲得につなげられます。問題が発生した場合「自身にはどんなスキルや準備が足りなかったのか」「それらは自分の性格や能力に起因するものなのか」など、自己分析を行うのです。

目の前の問題や課題に対して「自分のやり方を変えてみよう」と考える自責の念は、自己分析から自身の成長につなげられます。

②物事の本質を熟慮できる

自責思考では、問題発生の原因を他人のせいにして終わらせず「何が悪かったのか」という本質の部分まで熟慮します。

たとえば商品不良のクレームが発生した際、「梱包に問題はなかったか」「商品管理はこの方法がよかったのではないか」など、さまざまな要因を考えるのです。これにより、それまで気づけなかった物事の本質が見つけられる可能性もあります。

③周囲に優しくでき、助け合いができる

もしも自分が担当するプロジェクトが進まなかった場合、自責思考を持つ人は「自分がもっと周囲に目を向けてやれれば」「もっと効率的な役割分担ができたはず」と考えます。

これは相手から見ても、また周囲から見ても「優しい人」「助け合いのできる人」と映るでしょう。

組織には助け合いの精神が必要です。もし「プロジェクトの進行が遅れているのは彼のせいだから放っておこう」と考えれば問題改善にはつながらず、かえって事態が悪化する可能性もあるでしょう。

自責思考のデメリット

成長チャンスや本質の熟慮などさまざまなメリットを持つ自責思考には、いくつかのデメリットもあります。

  1. ストレスを感じやすくなる
  2. 自己中心的な考えから社会に適合できなくなる

①ストレスを感じやすくなる

自責思考では自らに責任を課すあまり、自己否定や精神的ストレスの増加につながりやすいです。自責思考の強い人は本人に実際の責任がなくとも責任を感じてしまうため、自身を追い込み、心の負担を増やしてしまいます。

また場合によっては鬱病を発症する原因にもなるでしょう。自責思考は自身を責め立てて追い詰めるものではありません。

②自己中心的な考えから社会に適合できなくなる

行き過ぎた自責思考は、自己中心的な考えとなる恐れもあります。本人に問題の原因がないことは明らかなのに「私が悪かった」「私がこうすればよかった」と言っていても、周囲は困惑するもの。

また自責思考が高い人は、周囲にも同じレベルの安全性を求めて圧迫感を与える可能性も高いです。自責思考が行き過ぎて社会適合の障害とならないよう注意しましょう。

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4.自責思考が強い人の5つの特徴

自責思考が強い人にはどのような特徴があるのでしょう。ここでは以下5つの視点から、自責思考が強い人の特徴について説明します。

  1. 真面目や几帳面な人
  2. 責任感が強い人
  3. 負けず嫌いで完璧主義の人
  4. ネガティブな感情が先立ち、後悔しやすい人
  5. 頼られた経験がない人

①真面目や几帳面な人

自責思考が強い人は、真面目で几帳面な人が多い傾向にあります。ルールを徹底的に遂行しようとする、またルール自体の妥当性を疑う真面目さは、現代でも必要とされる批判的思考です。

また自責思考が強いがゆえにメールの返信内容や時間にもこだわる、書類作成で細部までこだわる、といった特徴も見られます。

真面目さも几帳面さもビジネスにおいて評価されるものです。しかしどちらも、こだわり過ぎると自責思考に傾斜しすぎる恐れがあるため注意が必要です。

②責任感が強い人

「与えられた仕事は完璧にこなそう」「ルールは徹底しなければならない」という責任感が強い人も、自責思考が強い傾向にあります。「自分に責任がある」と考えて内省を促すことは、ビジネスをはじめさまざまなシーンで必要な能力です。

しかし責任感があまりに強すぎると、周囲の協力を求めず、自分一人で完結してしまいます。それにより、チーム内で孤立したりメンタルが疲弊したりする可能性も高いです。

③負けず嫌いで完璧主義の人

自責思考が強い人は、自分に高いレベルを課し、徹底的に「完璧」を求めます。つねに100%の結果、100点の評価を求めて、自分の理想や目標を達成できなかった際は自身を深く責めます。

負けず嫌いや完璧主義自体は悪くありません。しかしどちらも行き過ぎると臨機応変の能力や、よい意味での「曖昧さ」が作れず、自己中心的な人として孤立してしまう恐れもあります。

④ネガティブな感情が先立ち、後悔しやすい人

「自分はこれができないから今回の失敗につながってしまった」「自分が失敗したせいで周囲からの視線が辛い」など、人の目線や言葉の端々からネガティブな気持ちを強く感じてしまうのも、自責思考が強い人の特徴です。

「自分がもっとこうしておけば」「自分の何が悪かったのだろう」と自分の言動を思い返して不安になりやすいタイプといえます。

自責思考が強い人は「自分の選択はこれでよかったのだ」と肯定するのが苦手です。そのため日常の些細なことにも後悔しやすく、その気持ちからなかなか抜け出せません。

⑤頼られた経験がない人

人から頼りにされた経験が少ない人も、自責思考が強くなる傾向にあります。「相手から頼りにされないのは自分に信用がないからだ」「これができれば周囲からも頼りにされるかもしれない」と自責の念に駆られている状態です。

しかし自責思考が強い人は「自分で何でも解決したがる」と見られているため、周囲はそこにあえて頼ろうとしません。これは協調性が足りず、独りよがりになっている状態でもあります。

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5.自責思考は悪いもの?

自責思考はつねに最善な思考ではなく、またつねに最悪な思考でもありません。ここでは過度な自責思考がもたらす影響やその改善方法、また理想の自責思考について説明します。

過度な自責思考はうつ病の原因にも

うつ病になった人すべてに共通する性格や条件はないものの、過度な自責思考がうつ病の原因となっているケースも少なくありません。

「自分が至らなかったせいで今回の問題が発生してしまった」という思考から「自分が存在しなければ問題は発生しなかったかもしれない」という極端な発想になっていないか、注意しましょう。

ビジネスにおける健全な自責思考とは「自分に責任があると正しく認識して、問題解決につなげること」。過度な自責思考で本人を追い詰めるものではありません。

過度な自責思考を改善するための4つの方法

過度な自責思考を改善し、自分の可能性を広げるための「正しい自責思考」を身につけるためには、以下の4点に注意する必要があります。

  1. 自分を許す
  2. 自分を賞賛する
  3. 自分の責任や権限を理解する
  4. 自分より他者のことを考える

①自分を許す

自責思考が強い人にとって、自身を許すのは難しいかもしれません。しかし自分を許すことは甘えではないのです。望む結果が出ないとき、何でもかんでも「自分の責任だ」「すべて自分が悪い」と考えて自分の世界に閉じこもっていては、問題を解決できません。

状況が悪化している真の原因を見つけるためにも、一度自分を許して他者からのアドバイスを受け入れてみましょう。

②自分を賞賛する

「自分がこんな失敗をしなければ」「自分にもっとこんな能力があれば」というように、自分を責めたことが一度もない人はおそらくいないでしょう。自責思考が強くなると自分に自信がなくなり、他人からの評価が気になります。

そこで自身を賞賛してあげれば、自己肯定感が高まるのです。

「問題は発生してしまったけれど、自分がここに注力したので被害を最小限に食い止められた」「新たな失敗をしてしまったけれど、前回と同じ失敗はしなかった」と自分を褒め、認めてあげることが成長につながります。

③自分の責任や権限を理解する

過度な自責思考は視野を狭め、責任や権限をあやふやにする危険があります。問題に際して自分が取れる対策は、あくまで自己権限の範疇のみ。

他者に責任を押し付けることと、自他の責任や権限の範疇を正しく理解することは違います。自分の力だけではどうしようもないことを考えていても、根本的な問題解決にはなりません。

④自分より他者のことを考える

自責思考が強いと、周囲が見えなくなります。実際の責任の所在にかかわらず、独りよがりになって自分に責任を押し付けている可能性があります。これは他人のことを考えていない状態です。

自分よりも他人のことを考えると、気持ちが外に向くため、過度な自責思考に陥るのを防げます。

また相手が喜ぶ姿を想像して日々を過ごすと、潜在意識が働いて、人のためを考えた行動がとれるようになります。ただし自分の感情や想いが相手よりも先に行き過ぎないよう注意が必要です。

ビジネスで求められる理想の自責思考とは?

自責思考は失敗をすべて自分のせいにして思い詰めることではありません。自責思考が行き過ぎると、本人だけではどうしようもないことにまで思い詰めてしまいます。この状態では本人にとっても会社にとってもメリットが生まれません。

ビジネスにおける自責思考はあくまでも「自分に責任がある範囲を正しく認識して、問題解決につなげること」が目的。健全な「自責思考」と適度な「他責思考」を使いわけましょう。

健全な自責思考

自己の責任範囲を正しく自覚したうえで他人からのアドバイスにも耳を傾け、状況改善に向けて成長できる状態のこと。

問題が発生した際「すべて自分の責任です」と自己の世界に閉じこもってしまっては、他者からの的確なアドバイスやサポートを受けられません。

この状態では問題をさらに複雑にしたり、的外れな範囲に原因を求めたりして、解決まで遠回りする可能性もあります。

自責思考と他責思考のバランス

ベストなのは、健全な「自責思考」と適度な「他責思考」を使いわけること。たとえば既存の業務マニュアルに対して、さらなる改善点や効率をよくするための手段を提案したとします。

「ここはみんなが間違えるポイント」という業務があれば、それは仕組みに問題があるのかもしれません。自責思考では解決しないため、他責思考を使った改善案の提示が必要です。

自責思考と他責思考をバランスよく使いわけられれば、本人も会社もともに成長できます。

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6.自責思考への理解を深めるためのおすすめの本

自責思考への理解を深めるためには、心理カウンセラーやコンサルタントが執筆した書籍を参考にする方法も効果的です。

いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本

心理カウンセラーの根本裕幸氏による本書では、日常生活における「何かと自分を責めてダメだしする癖がある」「他人の期待に過度に応えようとしてしまう」などの悩みは自己への罪悪感、つまり自責思考が原因であると述べています。

本書では罪悪感を手放して、自分を許すための方法について触れています。「自責思考が強すぎるあまり自分を許せない、精神的に疲弊している」人にとっては「自分を許す」手掛かりとなるでしょう。

自責社員と他責社員

日本IBM元会長の椎名武雄氏が推薦する本書では「自身に責任を求める「自責思考」ではなく、他者に責任を求める「他責思考」では会社は成長しない」と述べています。

数々の企業再生を成功させてきた松本洋氏によって、とくに「部下が期待どおりに動いてくれない」「部下の努力が足りない」と考えるマネジメント層に有効な書籍となっているのです。

前述のとおり考えるマネージャーは多いものの、その原因がマネージャー自身の振る舞いだと自覚している人はそう多くありません。本書は社員のやる気に火をつけて、自責思考を会社全体に根付かせるためにはどうすればよいかを説いた一冊です。

なぜ、誰もあなたの思い通りに動いてくれないのか――成功する企業に共通する「自責」のルール

APIコンサルタンツの創業兼代表取締役社長をつとめる松本洋氏は、本書で成功する企業には共通して「自責思考」があると述べています。

「Clarify(役割を明確に)」「Observe(よく見る)」「Realize(変化に気付く)」「Evaluate(正当な評価)」4つの「CORE」が社員の自責を促し、会社を変えていくと説いた一冊です。

自責思考のルールにもとづいた成果創出の方法について解説しているため、より身近に、より実践的に自責思考への理解を深められます。

後悔と自責の哲学

本書では「なぜ私ではなくあの人なのだろう」「なぜあの時にああしてしまったのだろう」など、哲学の視点から自責思考への理解を深められます。著者は「戦う哲学」としてその名を知られる中島義道氏。

「あの時の失敗はこの対策を万全にしておけば防げたはずだった。どうしてその行程を省略してしまったのか」といった自責と後悔の感情に、哲学的な検討をくわえています。

自責思考にストレスを感じた際や、なぜ自責思考が生まれるのかという根源についての理解が深められる一冊です。