事業税とは? 【わかりやすく解説】個人事業主、法人、計算

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事業税とは、個人事業主や法人が事業で得た所得に対して課される地方税で、都道府県に納付します。個人事業税は法定70業種のみが課税対象で290万円の事業主控除がある一方、法人事業税は原則すべての収益事業に課税され、資本金1億円超の法人には外形標準課税が適用されます。

本記事では、事業税の定義と事業所税との違い、個人事業税と法人事業税の違い、個人事業税の申告方法・課税対象70業種・計算方法・減免ケース、法人事業税の計算方法(外形標準課税・収入割)・申告期限・納税方法、法人税・法人住民税との違いまで網羅的に解説します。

1.事業税とは?

事業税とは、個人事業主や法人が事業で得た所得に対して各都道府県に納める地方税で、集められた税金は道路・消防・警察などの公共サービスに使われます。

一部例外を除き、原則、事業を行うすべての法人に納税義務があります。

法人事業税の納付先は、各地方自治体です。ただし法人所得が赤字の場合、納付義務はありません。

法人事業税と法人税、法人住民税の違い

都道府県に納付する地方税のこと。課税対象は、法律で定められた70業種のみです。ここでは下記について、解説します。

  1. 個人事業税の申告期限と方法
  2. 個人事業税の課税対象職種と税率

①個人事業税の申告期限と方法

原則、毎年2月16日~3月15日までの1か月間に行います。もしそれぞれが土・日曜日もしくは国民の祝祭日である場合、翌日か翌々日の月曜日を期限になるのです。

対象期間は、提出年の前年1月1日~12月31日。提出の方法として挙げられるのは、「所轄税務署に出向いて書類を手渡す」「郵送する」「e-TaxによるWeb申請」です。

必要書類と添付書類

必要書類と添付書類は以下のとおりです。

  • 簡易版の確定申告書である確定申告書A、またはどの所得の申告にも対応するB
  • 本人確認書類
  • 所得の証明ができるもの
  • 所得控除や税額控除の適用が証明できるもの
  • 還付がある場合のみ銀行口座がわかるもの

個人事業主の場合、事業所得の申告に対応しているのは申告書Bのみです。よって新奥書Bを利用します。また青色申告か白色申告かで、添付する書類が異なるのです。

白色申告

白色申告とは会社員や個人事業主、年金生活者など納税義務のあるすべての人が対象となる確定申告の基本方法です。確定申告書と収支内訳書が必要で必要書類の項目が少なく、簡易な記載方法が認められています。

ただし特別控除制度がなく、赤字繰り越しもできません。

青色申告

必要書類が複雑になる反面、要件を満たせば節税となる特典を受けられる確定申告のこと。青色申告の必要書類は以下のとおりです。

  • 確定申告書B
  • 本人確認書類
  • 青色申告決算書
  • 所得控除のための所得証明書
  • 支払調書(提出義務なし)

申請する場合、開業から2か月以内に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

②個人事業税の課税対象職種と税率

各都道府県が確定申告を個人事業主や法人の所得に応じ税額を計算し、納税通知書を送付します。そして集まった事業税は、各自治体での活動に使用されるのです。

事業とは?

生産や営利を目的に、組織や会社を「反復性・継続性・独立性」のある形で営むこと。給与を得る会社員が従事する業務は該当しません。

事業所税との違い

事業所税とは、事業所に対し課税する税金のこと。事業規模が計算のベースになっており、市区町村内にある事業所で事業を行っている法人や個人に納税義務があるのです。事業所税には、下記の2つがあります。

  1. 事業所の床面積に応じ課税する、資産割
  2. 従業者の給与総額に応じ課税する、従業者割

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2.個人事業税と法人事業税の違い

個人事業税は地方税法で定められた70業種のみが課税対象で290万円の事業主控除がある一方、法人事業税は原則すべての収益事業に課税され事業主控除はありません。

項目 個人事業税 法人事業税
納税者 法定70業種に該当する個人事業主 原則すべての法人
課税対象 地方税法で定められた業種のみ すべての収益事業
事業主控除 年額290万円あり なし
税率 3〜5%(業種別に固定) 法人の種類・規模・都道府県により異なる
申告方法 確定申告で自動反映(別途申告は原則不要) 法人自身が申告納付
申告期限 2月16日〜3月15日(所得税の確定申告) 事業年度終了日の翌日から2か月以内
納付時期 8月・11月の年2回(1万円以下は8月のみ) 申告期限と同時
赤字の場合 課税されない(所得が290万円以下も同様) 課税されない(ただし外形標準課税の付加価値割・資本割は赤字でも課税)

個人事業主

個人で事業を営む人のことで、税務署に開業届を提出して申請します。働き方改革における働き方のひとつとして注目されているのです。

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法人

法律で自然人と同等の権利義務を認められた組織のこと。たとえば株式会社や合名会社などがあります。法人を設立するには、定款や法人登記といった必要書類の準備、許認可申請や資本金の準備が必要です。

法人の種類

法人は種類によって出資者の責任範囲に違いがあるのです。大きくわけると下記2種類に分類できます。

  1. 公共団体や独立行政法人など行政を目的とした活動を行う、公法人
  2. 営利法人や非営利法人、一般的な起業といった活動を行う、私法人

また営利法人は下記のようにわかれ、

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合資会社
  • 合名会社

非営利法人は、下記のようにわかれます。

  • NPO法人
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人

税金の仕組みの違い

個人事業主と法人は、税金の仕組みに以下のような違いがあります。

  • 個人事業主:地方税法といった税法で定められた事業に、個人事業税が課される。税率は事業により異なる
  • 法人:事業で利用する公共サービスや公共施設に対する経費の一部負担を目的に、法人事業税が課される。税率は法人の種類や規模などにより各都道府県で異なる
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3.個人事業税とは?

個人事業税は、法律で定められた70業種に該当する個人事業主が都道府県に納付する地方税で、確定申告をしていれば別途の申告は原則不要です。

区分 税率 代表的な業種
第1種事業 5% 物品販売業、保険業、製造業、不動産貸付業、飲食店業、運送業 など37業種
第2種事業 4% 畜産業、水産業、薪炭製造業 の3業種
第3種事業(5%) 5% 医業、弁護士業、司法書士業、デザイン業、理容業 など28業種
第3種事業(3%) 3% あんま・マッサージ等の医業類似、装蹄師業 の2業種
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4.個人事業税の計算方法

個人事業税は「(売上−経費−事業専従者給与−各種控除)×税率」で算出し、税率は第1種事業5%・第2種事業4%・第3種事業5%(一部3%)と業種ごとに異なります。

税率は、該当する事業の税率を当てはめましょう。ここでは下記について、解説します。

  1. 各種控除
  2. 納期と納税方法
  3. 事業税が減免されるケース

①各種控除

個人事業税には以下のような控除があります。

  • 青色申告者の損失の繰越控除
  • 被災事業用資産の損失の繰越控除
  • 機械や車両などの譲渡による損失に対する事業用資産の譲渡損失控除、譲渡損失の繰越控除
  • 事業者と生計を一にする15歳以上の親族で、事業に従事する者がいる場合の事業専従者控除
  • 年額290万円の事業主控除

②個人事業税の納期と納税方法

個人事業税は、都道府県から送付される納税通知書をもとに原則、8月と11月の2回にわけて納付します。ただし税額1万円以下の場合は、8月にすべて納付するのです。納税方法として、窓口やコンビニ、クレジットカードや口座振替での納付が認められています。

③事業税が減免されるケース

減免事由 具体例 申請先
天災等の被災 地震・洪水・火災などで事業用資産に損害を受けた場合 都道府県の税事務所
生活保護の受給 生活保護法による生活扶助を受けている場合 都道府県の税事務所
高額な医療費の負担 本人または生計を共にする家族に高額な医療費が発生した場合 都道府県の税事務所
障がい者の扶養 本人または扶養家族に障がい者がいる場合 都道府県の税事務所

なお減免措置を受けるためには、納税者が期限日までに都道府県の税事務所へ申請する必要があります。減免措置に該当するかどうか、早めに確認しましょう。

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5.法人事業税とは?

法人事業税とは、事業で利用する公共サービスや施設の経費の一部を法人が負担する地方税で、一部例外を除き事業を行うすべての法人に納税義務があります。

項目 法人税 法人事業税 法人住民税
税の種類 国税 地方税(都道府県) 地方税(都道府県・市町村)
納付先 国(税務署) 都道府県 都道府県・市町村
課税根拠 法人の所得に対する課税 公共サービス利用の経費負担 地域社会の費用負担
課税標準 課税所得 所得・付加価値・資本金等 法人税額(法人税割)+資本金等(均等割)
赤字の場合 課税されない 所得割は課税されない(外形標準課税の付加価値割・資本割は課税) 法人税割は課税されないが均等割は課税
損金算入 不可 可能(翌期の損金に算入) 不可
計算式 課税所得×法人税率 課税標準額×税率 法人税額×税率+均等割額

①法人税

会社の課税所得に対して課される税金のこと。国税であるため、納税先は国になるのです。法人税は下記にわかれ、法人自身が申告する申告納税方式となっています。

  • 各事業年度の所得に対する法人税
  • 各連結事業年度の所得に対する法人税
  • 退職年金等積立金に対する法人税

具体的な税額は、「課税所得×法人税率」で算出可能です。

②法人事業税

事務所や事業所がある都道府県が、法人の事業活動に対し課する税金のこと。下記のような内容で構成されています。

  • 企業の所得に課される「所得割」
  • 企業規模に応じて課される「付加価値割」と「資本割」

法人事業税は、一部を除き原則、事業を行うすべての法人に課税されます。申告納付期限は、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。

③法人住民税

地域社会の費用負担を法人に求める税のこと。法人市民税や法人県民税ともいい、所在地の都道府県及び市町村が課税します。また法人住民税の内訳は下記のとおりです。

  • 法人の資本金等の額により区分される都道府県民税
  • 法人の資本金等の額と従業者数で払う税金の額により区分される市町村民税

そして法人住民税には下記があります。

  • 法人税額に応じて課税される法人税割。赤字の場合は課税されず、税率は標準税額と制限税率の範囲内で決められる
  • 資本金の額や従業員数などに応じて課税される均等割

法人税割も均等割も地方税であるため、税率は公共団体ごとに設定されています。

法人事業税の納税義務者と税率

法人事業税の納税義務者は原則、事業を行うすべての法人です。ただし下記のように状況によって課税されるかどうか、変わるのです。もちろん、法人の種類や規模で税率が異なります。

  • 学校法人、特定非営利活動法人などの公益法人:収益事業を行っている場合のみ課税される
  • 同窓会、青色申告会など法人格のない社団や財団:収益事業を行い、法人とみなされた場合のみ課税される

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6.法人事業税の計算方法

法人事業税は「課税標準額(所得等)×税率」で計算し、資本金1億円超の法人には所得割・付加価値割・資本割の3つで課税する外形標準課税が適用されます。

ここでは法人事業税の計算方法について、解説します。

  1. 外形標準課税
  2. 収入割
  3. 法人事業税の申告期限と納税方法

①外形標準課税

資本金1億円超の法人を対象とした課税制度のこと。まず法人事業税の2分の1を所得割(所得が基準)にて課税します。そして残りの2分の1を付加価値割(法人が生み出した付加価値が基準)と資本割(資本金といった金額が基準)で、課税徴収するのです。
で徴収します。

所得割や付加価値割、資本割は、法人における外形が基準のため、外形標準課税と呼ばれているのです。

②収入割

「電気事業法にもとづく許可を問わず電気を現に供給している電気供給業」「ガス供給業」「保険業」を行う法人に課される税のこと。各事業年度の収入金額を課税標準として課されます。

課税標準となる収入金額は「収入すべき金額の総額-控除すべき金額」で、収入割額は「収入金額×収入割の超過税率」にてそれぞれ算出するのです。

③法人事業税の申告期限と納税方法

法人事業税の申告期限は原則、事業年度終了日の翌日から2か月以内となります。また法人事業税の納付方法は、下記のとおりです。

  • 納付書に現金を添えて税務署の窓口で納付
  • 都道府県や市区町村の窓口で納付
  • コンビニや郵便局などで納税
  • クレジットカード、ATM、インターネットバンキングなどの電子納税

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7.事業税の申告・納付手順まとめ【個人・法人別ステップ】

ここまで個人・法人それぞれの計算方法や税率を解説してきました。最後に、申告から納付までの実務の流れを個人・法人別にステップ形式でまとめます。「自分はいつ・何をすればよいのか」を確認するチェックリストとして活用してください。

STEP.1
【個人】確定申告を行う(2月16日〜3月15日)
所得税の確定申告書Bを税務署に提出します。個人事業税は確定申告のデータをもとに都道府県が税額を計算するため、別途の申告は原則不要です。青色申告・白色申告いずれの場合も、事業所得を正確に記載しましょう。
STEP.2
【個人】都道府県から納税通知書が届く(8月頃)
確定申告の内容をもとに、都道府県が事業税額を計算し、納税通知書を送付します。届いたら税額と課税対象業種を確認しましょう。
STEP.3
【個人】第1期分を納付する(8月)
納税通知書に記載された第1期分の税額を、窓口・コンビニ・クレジットカード・口座振替のいずれかで納付します。税額が1万円以下の場合は、この回で全額を納付します。
STEP.4
【個人】第2期分を納付する(11月)
税額が1万円超の場合、残りの第2期分を11月に納付します。口座振替を設定している場合は自動引落しとなります。
STEP.1
【法人】決算を確定する
事業年度終了後、決算書を作成して課税所得を確定させます。外形標準課税の対象法人(資本金1億円超)は、付加価値額と資本金等の額も算出します。
STEP.2
【法人】税額を計算する
確定した課税所得に税率を乗じて税額を算出します。外形標準課税の対象法人は、所得割・付加価値割・資本割の3つを合算します。税率は都道府県ごとに異なるため、事業所所在地の税率を確認しましょう。
STEP.3
【法人】申告書を作成・提出する(事業年度終了日の翌日から2か月以内)
法人事業税の申告書を作成し、事業所が所在する都道府県の税事務所に提出します。法人税や法人住民税の申告とあわせて行うのが一般的です。
STEP.4
【法人】税額を納付する(申告期限と同時)
申告書の提出と同時に、算出した税額を納付します。納付方法は、税務署窓口・都道府県窓口・コンビニ・電子納税(クレジットカード・ATM・インターネットバンキング)から選択できます。
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よくある質問

フリーランスのエンジニアやライターは個人事業税の課税対象ですか?

フリーランスのエンジニアやライターが個人事業税の課税対象になるかどうかは、都道府県の判断によります。個人事業税は法律で定められた70業種に該当する場合に課税されますが、「プログラマー」「ライター」という業種名は70業種の一覧には直接記載されていません。ただし、業務内容によっては「デザイン業」「コンサルタント業」「請負業」などに該当すると判断されるケースがあります。課税対象かどうか不安な場合は、管轄の都道府県税事務所に確認することをおすすめします。

法人事業税は損金に算入できると聞きましたが、法人税や法人住民税も同様ですか?

いいえ、損金算入できるのは法人事業税のみです。法人事業税は翌事業年度の損金として算入できるため、課税所得を減らす効果があります。一方、法人税と法人住民税は損金算入が認められていません。この違いは税務申告時の計算に影響するため、法人の経理担当者は3つの税金の取り扱いを正確に区別する必要があります。

個人事業税の290万円控除は、開業初年度でも満額適用されますか?

いいえ、開業初年度は月割計算になります。事業主控除の290万円は年額であり、年の途中で開業した場合は「290万円×事業を行った月数÷12」で按分されます。たとえば7月に開業した場合は、290万円×6÷12=145万円が控除額となります。同様に、年の途中で廃業した場合も月割で計算されます。


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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて   など