社内預金とは? 人事が知っておくべき適正な運用方法と財形貯蓄の比較

現在、銀行に預けるよりも金利が高いケースが多い社内預金。最初の金額設定や申請のみで勝手に貯蓄が増えていくので従業員にとって大変便利な制度です。今回は会社側のメリットやデメリットにも焦点を当ててみました。

「社内預金」とは?

企業が従業員の給与の一部を天引きして預かって、貯蓄を行う仕組みのことを社内預金と言います。労働基準法では従業員の足止めを企図する「強制貯金」が禁止されているため、あくまでも従業員が任意で利用が決められる制度です。これは福利厚生の一環であり、導入している企業としていない企業があります。

金利は会社によって異なりますが労働基準法で利率や保全措置等に関する規制が定められています。企業側としても、その受入預金を設備投資や会社の運転資金に充てられるなどのメリットがあります。

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社内預金制度の運用に際して確認すべきケーススタディ

従業員にとっても、企業にとってもメリットの多い社内預金制度。厚生労働省が策定している法令について運用開始の前に確認しましょう。

  • 1.労使協定の締結・届出が必要です
  • 2.貯蓄金の管理に関する規定を定め、これを労働者に周知するため、作業上に備え付ける等の措置を講じなければなりません
  • 3.利子を付けなければなりませんその利子は、厚生労働省令で定める利率(下限利率)を下回ることはできません(現在の下限利率は0.5%です)
  • 4.労働者が貯蓄金の返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければなりません
  • 5.毎年3月31日現在の受入預金額の金額について、同日後1年間を通じて保全措置を講じなければなりません保全措置としては、金融機関等による保証契約や信託会社との信託契約などが挙げられます
  • 6.毎年3月31日以前1年間における預金の管理の状況を「預金管理状況報告」により所轄 労働基準監督署長に4月30日までに報告しなければなりません

社内預金と財形貯蓄の比較

社内預金は企業が従業員の任意で給与の一部を天引きし貯蓄を行う仕組みのことです。それと似ている制度、財形貯蓄についても把握しておきましょう。

財形貯蓄とは、会社が従業員の任意でその給与から一部を天引きして提携している銀行などの金融機関に送金し、自動的に貯蓄される仕組みのことです。給与の一部を天引きして貯蓄するという点では同じです。大きな違いは「預金先」です。そのため、必然的に「金利」にも違いが生まれます。

前述したように、厚生労働省令で定められているため企業側は0.5%以上の利子を付けなければなりません。一方で、大手都市銀行では0.02~0.03%なので一般的に金融機関に貯蓄するよりも社内預金の方が金利が高いのです。

社内預金制度利用の際に人事が知っておきたいポイント

金利の利率が高く引き出しも自由、企業側としては受入預金を運用に使用できるといったメリットが多く挙げられる社内預金ですが、気を付けておきたいポイントがあります。

まず、企業は業績不振で経営が厳しくなったなどやむを得ない理由がある場合、労使協定を改訂して社内預金制度を廃止したり設定していた利率を引き下げたりすることが可能です。※利率を下げる場合、厚生労働省令で定められている社内預金の下限利率以下にすることはできません。

また、仮に経営破綻してしまった場合に従業員に大きな損失を与えないために予め何らかの保全措置を講じる義務があると法律で定められています。従来は社内預金の全預金額が最優先で弁済されるべき「共益債権」とされて更生手続きの制約をうけずに臨時弁済されていましたが、2006年の会社更生法改正によって現在は、共益債権の範囲が「更生手続きが始まる約6ヶ月前の給料の総額」もしくは「預金額の3分の1」どちらか大きい額に制約されて、残りの預金額は優先度の低い債権として扱われることになりました。

従業員に大きな損失を与えないためにも予め予見やシミュレーションが必要です。


参考「社内預金制度の適正な運用のために」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-2a.pdf