インナーコミュニケーションとは? 事例、施策、効果、ツール

インナーコミュニケーションとは、企業の組織力を高める目的で行われる社内コミュニケーションのことです。施策や成功事例、人気のツールなどについて解説します。

1.インナーコミュニケーションとは?

インナーコミュニケーションとは、組織力を強めるために行われるコミュニケーションのこと。社内コミュニケーションやインターナルコミュニケーションと呼ばれる場合もあります。従業員が目的意識や価値観などを擦り合わせ、管理職が従業員に企業の理念などを共有して、組織力を底上げして生産性を高めます。

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2.インナーコミュニケーションの意味と目的

インナーコミュニケーションに課題を感じている企業は、7割ほどといわれています。インナーコミュニケーションの基礎を理解するためにも、実施する意味とその目的を見ていきましょう。

インナーコミュニケーションの意味

社内でインナーコミュニケーションが充実すると、気軽に従業員同士が情報交換できる環境に変化します。気軽にコミュニケーションを取れるため、従業員も働きやすくなり、ミスの防止にもつながるのです。

こうしてコミュニケーションが活発な職場になれば、経営陣からのメッセージが従業員に届きやすくなります。ビジョンが浸透して組織の一体感も高まるでしょう。

こうしたビジョンの共有によって従業員の愛社精神が高まり、モチベーションも強化しやすくります。従業員が企業に愛着を持つため、生産性の向上とともに従業員自身の成長にもつながるでしょう。

インナーコミュニケーションの目的

インナーコミュニケーションの目的のひとつは、「企業と従業員の信頼関係を深める」。従業員と企業のコミュニケーションを活発にして信頼を深める方法として、以下のふたつがあります。

  1. 企業のビジョンを従業員が理解するための、トップダウンのコミュニケーション
  2. 現場の声を経営者に伝えるための、ボトムアップのコミュニケーション

このほか、インナーコミュニケーションには次に挙げるような目的があります。

  • 従業員や部署間などのつながりを強化する
  • 従業員のモチベーションを高める

これらが達成されると企業内でのコミュニケーションが深まり、モノやサービスの競争力が高まります。

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3.インナーコミュニケーションが注目される理由

インナーコミュニケーションが注目されるのには、下記のような理由があります。それぞれについて見ていきましょう。

  1. 新型コロナウイルス感染症対策として始まったテレワーク
  2. 終身雇用を前提としない働き方の多様化
  3. プライベートを充実させたい人の増加

①新型コロナウイルス感染症対策として始まったテレワーク

新型コロナウイルス感染症の全国的な流行により、感染対策としてテレワークを導入する企業が増加。テレワークの導入は働き方の選択肢が増える反面、遠隔での業務となるため従業員同士でコミュニケーションを取る機会が減ることにもなります。

コミュニケーション不足は、ミスの発生やモチベーションの低下につながると懸念されます。コミュニケーションの希薄化を解消して人材が流出するのを防ぐ手段として、インナーコミュニケーションが注目されているのです。

②終身雇用を前提としない働き方の多様化

終身雇用が当たり前だった時代と違い、現在は働き方が多様化。企業の存続が確定的ではないなか、自身のキャリアを見据えて転職を考えながら行動する労働者も増えています。

それにより企業は、能力のある従業員が離脱するリスクを抱えてしまいます。従業員が企業に愛着を持ち、高いモチベーションで働き続けられるようにする方法として、インナーコミュニケーションが注目されているのです。

③プライベートを充実させたい人の増加

昨今、仕事中心ではなくプライベートをさらに充実させたいと行動する従業員が増加。

このような背景から、業務時間外で行われる懇親会に参加する従業員が減少し、コミュニケーションの機会が減ってきているといわれます。コミュニケーションの減少により、従業員のモチベーションも低下しやすくなるでしょう。

従業員同士のコミュニケーションを補う手段として、インナーコミュニケーションが注目されるというケースもあるのです。

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4.インナーコミュニケーションの効果

インナーコミュニケーションの効果として、見込まれるのは下記のようなものです。

  • 社内での共感が、社外の共感にもつながる
  • 中長期的なコミュニケーション戦略によって、従業員らの継続した成長につながる
  • トップダウンという従来の形式ではなく、組織を横断したコミュニケーションの拡大

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5.インナーコミュニケーションを活性化させる4つの施策

インナーコミュニケーションを活性化させるための方法は、さまざまあります。代表的な次の4つの方法について、それぞれ解説しましょう。

  1. 社内報
  2. 社内SNS・チャット
  3. 社内イベント
  4. オフィス環境の整備

①社内報

従業員らに冊子を配布する社内報は、企業の理念を現場に伝えてコミュニケーションを作る手段として用いられます。

社内報はこれまで冊子のように一般的には紙媒体が配布されていました。しかし新型コロナウイルス感染症の影響もあり、社内報アプリやWebでの社内報発行、動画メッセージといった方法を導入する企業も増加しているのです。

社内報の手段が多様化した結果、企業の理念を社内に伝達しやすくなったといえます。

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②社内SNS・チャット

社内SNSはLINEやFacebookのような感覚で連絡ができるツールで、メールよりも連絡がしやすいです。手軽な連絡手段として従業員らが使うと、社内外のコミュニケーションが円滑になります。

社内SNSの導入によって、生産性の改善やコミュニケーションの活性化も期待されるでしょう。このツールはアメリカやイギリスでも導入する企業が増えており、日本でも増加傾向にあります。

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③社内イベント

コミュニケーションの手段は、言葉で伝えるだけではありません。さまざまなアクティビティを通じた交流も、コミュニケーションの一環になります。そうしたコミュニケーションを実現できるのが社内イベントです。

たとえばバーベキューやスポーツ、オンラインゲームなど。こうしたイベントを通じて、ほか従業員の意外な一面を知る機会になり、新たな関係性が生まれて業務に良い影響をもたらすことも考えられます。

④オフィス環境の整備

オフィス環境を工夫すると、部署間でのコミュニケーションが自然と活発になる場合があります。具体的な方法として挙げられるのは、次のようなものです。

  • 従業員の座席を固定しないフリーアドレス制
  • さまざまな従業員が集まる社内カフェの設置
  • 複合機の前や給湯室を工夫したマグネットエリアの設置

コミュニケーションが生まれる仕掛けづくりをすると、オフィスの価値が高まります。柔軟性のある空間ができて、従業員のコミュニケーションの質も上がるでしょう。

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6.インナーコミュニケーション活性化の成功事例

インナーコミュニケーション活性化の成功事例として、3社の取り組みを紹介します。

  1. TOYOTA
  2. カルビー
  3. SanSan

①TOYOTA

TOYOTAでは、インナーコミュニケーションの一環として、社内イベントやサークル活動が活発に行われています。サークル活動には補助制度もあるので、より積極的に従業員が参加しているのです。

社内イベントでは、駅伝大会やファミリーデーなど従業員が交流できる機会が多くあります。

②カルビー

カルビーでは、従業員同士のコミュニケーションを活発にするため、座席を固定しないフリーアドレス制を導入。それぞれの立場や部署を横断するようにコミュニケーションが取れる取り組みとなっています。

特徴は「ダーツシステム」と呼ばれるランダムに座席を指定してもらうものです。交流する人が限られず、ほか役職の様子も見られます。

③SanSan

SanSan社では、「見つカッチ」という独自の制度を導入しています。これは従業員に対し毎週月曜日に400pt(1pt=1円)のチップが付与されるもので、貯まったチップは給与に上乗せされるのです。

チップは、メンバーへのコメントとともに任意で贈ります。称賛をきっかけとした新たなコミュニケーションが期待されているシステムです。

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7.インナーコミュニケーション活性化に役立つツール

インナーコミュニケーションを活性化させるために役立つツールとして、下記を紹介します。

  1. チャット
  2. グループウェア
  3. 社内SNS

①チャット

チャットは会話をするようにテキストをやり取りできるツールのため、メールにくらべて気軽にコミュニケーションを取れます。

目的に応じて、「雑談用」「相談・質問用」などグループを作れば、従業員のニーズに合った情報を共有できるでしょう。コミュニケーションを深めると、目的意識を持って業務に取り組んでいけます。

②グループウェア

グループウェアには、従業員同士のコミュニケーションをより高める機能がついています。たとえば次のようなものです。

  • チャットによる情報交換
  • コミュニケーション
  • タスク管理
  • スケジュール共有

業務の目的に応じたグループを作成すれば、従業員同士が相談や情報交換などを目的とした気軽なコミュニケーションを取れるでしょう。

③社内SNS

社内SNSはメールに比べてすぐに、情報共有や意見交換が可能です。社内SNSは海外でも広く親しまれており、トレンドのツールとなっています。

国内でも多くの企業が利用しており、業務負担の軽減や従業員同士の気軽で活発なコミュニケーションを促すものとして期待されているのです。