インシデントとは? 意味、アクシデントとの違い、インシデント管理、解決のポイント、インシデントプロセス面接について

「インシデント」はビジネスにおいて、システムやサービスに問題が発生し、ユーザーに対して悪影響が起きている状態を指します。アクシデントとはどう違うのかといったさまざまな面からインシデントについて解説しましょう。

1.インシデントとは?

インシデントとは、システムやサービスに何らかの問題が発生しており、仕事やサービスを受けているユーザーに悪影響が起きている状態のこと。ここからはインシデントについて、詳しく見ていきましょう。

企業にとって好ましくない出来事のこと

インシデントは、日本語では「好ましくない状況」や「出来事」と訳されます。そのため、ビジネスシーンでこの言葉を用いる際は、企業にとって良くない事象が起こっている状況といえるのです。

たとえば、「現在、自社において重大なインシデントが発生している」のように使います。そしてここで発生した問題の解決を「インシデント管理」と呼ぶのです。

アクシデントの違い

インシデントは「事件」、アクシデントは「事故」を意味します。事件が事故にならなかった場合がインシデント、事件が事故に発展して大きな問題となってしまった場合をアクシデントと呼ぶのです。

たとえば旅客機や電車が故障し、大きな事故につながるかもしれない状況はインシデント、大事故が起きて被害が出てしまった場合はアクシデントとなります。

ヒヤリハットの違い

ヒヤリハットとは、作業中に「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりするインシデントのこと。ヒヤリハットがないインシデントも存在するため、2つは同義になりません。インシデントにヒヤリハットが含まれると解釈しましょう。

ヒヤリハットがないインシデントを見逃してしまうと、大きな事故につながる可能性もあります。

業種によって意味合いが変わる

インシデントは、携わる業種によってその意味が異なります。たとえば情報システム運用の分野では、「セキュリティに影響を及ぼすかもしれない予期しないトラブルや外部からの攻撃」という使われ方をするのが一般的です。

医療の分野では「日常の業務で起こりそうな、医療事故や医療過誤を未然に防げた事例」として使われます。

「インシデント」は重大な事故につながりかねない事態や事件のことです。業種によって意味が異なるため注意しましょう

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2.インシデント管理とは?

「インシデント管理」とは、発生したインシデントに対応して終息させること。何らかの原因で正常な企業運営ができなくなってしまったとき、正常に戻すための対策を取らなければなりません。

インシデントが発生したら緊急度や重要度で分類し、優先順位を決めて対応に当たります。

インシデント管理の目的はインシデントの解決

早急な解決が最優先事項のため、インシデントが起こった原因についての言及はありません。インシデントが終息したら、インシデントの経緯を報告して対応を完了するのです。

インシデント管理と似た意味の言葉として「問題管理」があり、原因究明についてはこちらの管轄になります。

問題管理との違い

2つの違いは、下記のとおりです。

  1. インシデント管理:インシデントを解決する。根本的な解決にはならなくてもユーザーのサポートを最優先し、ビジネスへの影響を最小限に抑える
  2. 問題管理:インシデントが起きた原因を究明する。時間がかかっても原因を追及して解決にあたる

インシデント管理のメリット

インシデント管理を行うと、インシデントが起こった際に対応できる人材が増えます。インシデント管理では日常的なインシデントとその解決方法を記録するもの。そのため現場の担当者はどのようなインシデントでも対応できるようになるのです。

結果、上司が手を煩わされる場面も減ります。ユーザーは迅速な対応を受けられるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

インシデント管理を行うと、問題が起こっても過去の経験から迅速に対応できます。業務やサービスの質の向上につながり、顧客にも信頼や安心を与えられるでしょう

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3.インシデント管理の課題

インシデント管理を行う際の課題は、情報共有と人材確保。これらが不足すると、正常なインシデント管理ができなくなってしまうからです。ここでは、情報共有と人材確保が重要な理由について解説します。

対応者が誰なのか分からない

インシデント管理では、社内での情報共有が必須です。どこで誰がどのインシデント管理を行っているのかが把握できないと、インシデントをスムーズに終息できません。

ひとつのインシデントに同時に複数チームで対応しようとしたり、関連部署間でうまく連携が取れなくなったりといった問題が起こりえます。

スキルのある人材がいない

インシデントを解決するには、スキルをもった人材の確保が必要です。スキルのある人材を確保できれば、インシデント管理を正常に行えるため、大きな問題へと発展してしまう可能性も低くなります。

それと同時に、誰でも対応できるようにツールを作成したり、解決法を共有したりするのも重要です。

インシデント管理では、「誰が対応しているかが明確にわかる体制・インシデント管理スキルを持つ人材」が課題となります

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4.インシデントを速やかに解決するポイント

インシデントを速やかに解決するためには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、それぞれの工程とケース別のインシデント解決ポイントについて解説します。

  1. インシデントの依頼を受け付ける場所をまとめる
  2. インシデントの発生を検出、分類し、解決策を検討する
  3. インシデントを管理して解決する

①インシデントの依頼を受け付ける場所をまとめる

まずはインシデントの依頼が届く場所を一元化します。これにより、誰がどのインシデントについて対応しているのかが明確になるのです。

複数人が同じインシデントに取り組んでいたり、引継ぎがうまくいかなかったりという場面が減るため、抱えているインシデントの把握が容易になるでしょう。

②インシデントの発生を検出、分類し、解決策を検討する

インシデントの発生が検出されたら、そのインシデントの内容を記録します。どのようなインシデントなのかを分析し、今までの記録をもとに緊急性や優先度などを分類するのです。そして解決策を検討します。

基本、マニュアルに則って解決策を作成しますが、どうしても解決できない場合は、上司に任せるとよいでしょう。

③インシデントを管理して解決する

解決策どおりにインシデント管理を進めます。インシデントが無事に解決したら、必ずデータベースに情報を残しましょう。別のインシデントが発生した場合、また分析から作業を行い、解決を行って解決方法をデータとして蓄積するのです。

このようにインシデント管理のデータを貯めると、次に同じインシデントが発生してもより迅速な対応が可能となります。

ケース別のインシデント解決ポイント

インシデント管理には「未知のインシデント・インシデントの再発・インシデントの推測」というケースが存在します。過去に起きたことのないインシデントが発生し、今までの記録を頼りにできない場合、問題管理の管轄になるのです。

問題管理で原因を究明し、記録に残します。過去に解決したインシデントが再び起こってしまった場合、以前の解決策が不十分だった可能性も高いです。そのうえ新たな解決策を検討しなければなりません。

インシデントのデータから発生傾向などが推測できた場合も、問題管理で対策を検討できるでしょう。

インシデントを速やかに行うためのポイントは、インシデント情報を一元化し、すみやかに分類や分析を行って対処すること。次回のインシデントに備えて忘れずにデータを記録しましょう

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5.インシデントプロセス面接とは?

「インシデントプロセス面接」とは、マネジメント人材にふさわしい、優秀な人材を確保するために有効な面接のこと。1950年代にアメリカで生まれた「インシデントプロセス法」がもとになっています。そんなインシデントプロセス面接について解説しましょう。

インシデントを提示し解決するまでのプロセスを見る面接

インシデントプロセス面接は、インシデントの解決を通して推理力や対応力、判断力や意思決定力などをはかるための面接方法です。

面接官がインシデント事例を提示し、面接者は質問を重ねてインシデントの原因や解決方法を提示します。面接官は面接者が提示した原因究明から解決までの過程を評価するのです。

リーダーマネジメント人材の採用に適している

インシデント問題への対応能力を見るため、リーダー人材やマネジメント人材の発掘や採用に適しています。面接者がどのように考えてどのような行動を起こし、問題を解決していくかを観察できるからです。

ロジカルシンキングや判断力から、リーダーやマネジャーの素質がある人材かどうかの判断に役立ちます。

インシデントプロセス面接のメリット

インシデントプロセス面接のメリットは、いくつかあります。たとえば実際に企業で起こったインシデントを問題にすると、面接者の提示した解決法が正しいかどうか判断できます。

それによって採用後に面接者がどのように業務にあたるかをイメージしやすくなるでしょう。面接官としても過去の事例を用意するだけなので、準備に時間がかかりません。

インシデントプロセス面接の流れ

インシデントプロセス面接は、以下の流れで行います。ここではそれぞれのステップについて詳しく説明しましょう。

  1. 面接官が面接者にインシデントを提示する
  2. 背景となる情報を集め、解決すべき課題を絞り込む
  3. 課題の解決策を提示する
  4. 面接官は面接者を評価

①面接官が面接者にインシデントを提示する

まずは面接官が面接者に対してインシデントを提示します。提示するインシデントは、実際に起こったことがあるインシデントなので、面接者からの質問に対して適切で正確なアドバイスができるでしょう。

適切なアドバイスを行うという点では、自身が実際に関わったインシデントを提示するのもおすすめです。

②背景となる情報を集め、解決すべき課題を絞り込む

問題の提示が終わったら、面接者は提示されたインシデントを解決するため、面接官に対してさまざまな質問を行って問題の原因を追及します。

そして集まった情報をもとに問題の原因を特定し、問題解決のために何をするべきなのか、何が必要なのか、などを明確にしていくのです。

③課題の解決策を提示する

面接者が問題の原因と解決策を確定させたら、面接官に提示します。このとき提示された問題の原因や解決策が誤っていてもさほど問題ではありません。その解決策に至るまでの過程が何よりも大切だからです。

面接官の考えと相違があるからといって評価を下げてはいけません。その過程の判断力やロジカルシンキングを中心に評価しましょう。

④面接官は面接者を評価

最後に質問から解決策の提示までのプロセスの評価を行います。このときオールマイティな人材を求めるのではなく、自社に必要なスキルがある人材を選ぶことが大切です。

たとえばリーダー的な人材が欲しいなら、判断力やコミュニケーション力などを重視します。既存社員の能力と不足している能力を整理し、チームや組織のバランスを考えて選びましょう。

面接官を担当するときの注意点

面接官を担当するうえで重要なのは、提示するインシデントに対しての背後にある事実関係を明かさないこと。あくまでインシデントのみを抽出して提示し、面接者に先入観を抱かせないように気を付けましょう。

また質問に答える際には、客観的に答えます。主観や憶測、自分の意見は述べず、質問には淡々と答えるのです。余計な話を始めるのも控えましょう。

インシデントプロセス面接を的確に行えれば、本当に必要な人材をピックアップできる可能性が格段に高まります