イクメンとは? その定義と企業の取り組みについて

「イクメンという言葉を流行らせたい」。2010年、長妻昭厚生労働大臣(当時)の言葉とともに一気に浸透した「イクメン」。この年の新語流行語大賞トップ10にもランクインし、今では日常にもすっかり定着した感のある「イクメン」ですが、ここでは「イクメン」をめぐる現状や課題も含めて、あらためて説明していきます。

イクメンとは? ― その定義について

「イクメン」とは、ごく単純に言えば、「育児をする男性(メン)」の略語のことです。しかし、単に「育児をする男性」のことを指すのではなく、「育児休業を取ったり、育児に積極的に参加することで、育児を通して自分も成長したいと思う男性」、もしくは、「将来的にはそうありたいと願っている男性」のことを意味しています。

先の長妻大臣の言葉は、男性が積極的に育児に参加するようになることで育児における女性の負担を軽減させ、「イクメン」を少子化の打開策の一つとしたいという想いから発せられたものでした。

“父母ともに育休を取得する場合には、育休期間を延長することができる”という「パパ・ママ育休プラス」という制度が取り入れられた改正育児・介護休業法が施行されたこととも重なり長妻大臣の言葉は注目を集め、「イクメン」という言葉は世間にも広がりました。

その効果もあり、2010年には取得率1.38%だった育休取得率は、2011年には2.63%へと大きく伸長しました。

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イクメンをめぐる現状と課題

言葉としては定着した「イクメン」ですが、現状は「言葉先行」であると言わざるを得ない状態であると言えます。国は男性の育休取得率を2017年度に10%、2020年度には13%とすることを目標に掲げていますが、2014年度での取得率は2.3%にとどまっています。また、総務省の社会基本調査(2011年)によると、6歳未満の子のいる家庭での1日の夫の家事・育児関連時間は、欧米諸国の3分の1に留まる“67分”に過ぎません。

つまり現状では「イクメン」は中身の伴わない「言葉倒れ」感が強いものであるということが否めないと言えます。そのため、今後は「イクメン」を中身の伴ったものにしていく必要があると言えるでしょう。では、積極的に家事や育児に参加し、かつ、それを楽しむ男性を増やしていくためには、企業はいったいどうすればいいのでしょうか?

「イクメン」育成に向けた企業の取り組み

「イクメン」を増やそうとする企業の取り組みとしては、まずは男性が育休を取りやすい環境を作る、ということが多いと言えます。たとえば、男性の育児休業取得率の高い企業では、1週間程度の期間を目安として示して、その期間を有給化していることが共通しています。

こういった取り組みには、育休取得期間が会社の示す短い期間だけに偏りがちになるという課題はあります。しかし、こうした取り組みを実践することで「子が生まれたら男性も育休を取ることは当たり前」という文化づくりにもつながっていきます。そして、そのような文化が根付くことで、本人も希望を伝えやすくなり、いずれ長期取得にもつながっていくと考えられます。

企業が「イクメン」を育成するメリット

このように企業が男性社員の育休取得を促し、育児参加を盛り上げようとする取り組みは徐々に広がりつつあります。ではこのような取り組みには企業にとってどのようなメリットがあると言えるでしょうか。大きく2つあると言えます。

ひとつには、男性社員の育児参加を促すことは、必然的に「効率よく働き、短時間で結果を出す」というワークスタイルにつながるということです。2014年度の日本の労働生産性はOECD加盟34か国中21位と、他の先進国と比べて低いものがあります。しかし、「男性の育児参加が当たり前」となれば、このようなワークスタイルは改善して行く必要が必ず出てきます。

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ふたつ目は、出産・育児を理由にした離職の防止につながることです。男性が育児に参加しやすい職場環境は、当然女性にとっても育児と仕事を両立しやすい環境であるとも言えるため、このような離職は少なくなると考えられます。

このように企業が「男性が育児に参加しやすい環境」を整えていくことには、人材損失やワークスタイルの健全化といった意味でも非常に価値のあることであると言えるでしょう。